1.ミニチュアピンシャーとはどんな犬?
3.「ミニチュアピンシャー」と「ドーベルマン」の違うポイント
3-1.◆その1.体のサイズは?
3-2.◆その2.性格はどう?
3-3.◆その3.運動量の違いはある?
3-4.◆その4.被毛のカラーは?
3-5.◆その5.食事の量は?
3-6.◆その6.飼育スペースは?
3-7.◆その7.歴史はどちらが古いの?
ミニチュアピンシャーとはどんな犬?
まずは、ミニチュアピンシャーがどんな特徴を持つワンちゃんなのかについてお話していきます。
ミニチュアピンシャーは「ミニピン」と略して呼ばれることもあり、たくさんの愛好家に親しまれている犬種です。
体重は4~6キロと、小さい体が特徴的な小型犬。
一般家庭でペットとして飼いやすい体格ですね。
ミニチュアピンシャーのルーツとなったのはクライン・ピンシャーという犬でした。
両者の名前に入っている「ピンシャー」は、ドイツ語でテリアの意味があります。
ミニチュアピンシャーの体は小さいですが、大きな犬に負けないくらい勇敢で気が強い性質です。
現在のように、小さな体で愛玩犬として認知されたのは、19世紀に入ってからと言われています。
それ以前は、イタリアン・グレーハウンドのようなハウンド犬、ジャーマン・ピンシャーのような狩猟犬など、アクティブ系の犬種との混血により改良が進められていました。
ミニチュアピンシャーは、細長いスラリとした足、ちょうどよい筋肉、すっきりした短い被毛、黒や茶色の濃い毛色が特徴。
小さい体で可愛さも持ちつつ、引き締まったボディラインが美しいと、愛好家も多い犬種です。
ルーツとなる狩猟犬の血があるためか、気が強く元気いっぱいの性格をしています。
ドーベルマンとはどんな犬?
ジャパンケネルクラブによると、ドーベルマンは警備犬や作業犬として活躍する「使役犬」の分類です。
日本でも知名度の高いワンちゃんで、名前を聞いただけで、強くて頼もしいドーベルマンの姿を頭に思い浮かべることができる人は多いのではないでしょうか。
その理由は、ドーベルマンがたくさんの場所で使役犬として活躍しているからです。
警察犬や警備犬としては、かなり馴染みが深いですよね。
体重は32~45キロほどと大きいですが、スレンダーな体型をしています。
黒や茶色の濃い毛色で、スッと凛々しい表情で立つ姿は、とてもカッコいいですよね。
冷静な判断力と洞察力で、数々の場所で活躍しています。
「ミニチュアピンシャー」と「ドーベルマン」の違うポイント
ここまで、ミニチュアピンシャーとドーベルマンについて、大まかに特徴を説明してみました。
外見を見る限り、そっくり過ぎるほどの2種のワンちゃん達。
どんな違いがあるのでしょうか。
さまざまな角度から分析してみましょう。
◆その1.体のサイズは?
ミニチュアピンシャーとドーベルマンを比較したときの違いとして分かりやすいのが、「体のサイズ」です。
それぞれの写真を単独で1枚ずつ見ると、被毛の色や体型がかなり似ているので、体の大きさまでは分かりづらいかもしれませんね。
前述したとおり、ミニチュアピンシャーは体重4~6キロ前後の小型犬、ドーベルマンは体重32~45キロの大型犬です。
10倍近くもの体重差があるなんて、びっくりですね。
ミニチュアピンシャーは、抱っこも軽々ですが、ドーベルマンの方は「抱っこ」というよりも、「抱きつく」という感じになるでしょう。
どちらの犬種も体のサイズは個体差が見られるかもしれませんが、「小型犬と大型犬」とかなり大きさが違うことから、実際に目で見るとその違いがハッキリと分かるかと思います。
◆その2.性格はどう?
ミニチュアピンシャーもドーベルマンも、凛々しく美しい外見を裏切らず、自信に満ちている性格をしています。
でも、性格について、もっと詳しく突き詰めていくと、両者の性格で異なる部分が分かっていきます。
まずは、それぞれの性格を細かく分析してみましょう。
ミニチュアピンシャーは「小さな体」ですが、それに臆することなく勇敢で気が強い傾向にあります。
小さい体をフルに動かし、常にエネルギッシュに動くタイプです。
自分よりも大きな相手にも、ガンガン行く様子が見られます。
何かをされそうになっても逃げずに、かなり強靭なメンタルの持ち主です。
一方のドーベルマンも、相手に果敢に向かうタイプです。
警察犬や軍用犬として働いているドーベルマンが多いことからも分かるように、強そうな相手にも向かっていける勇敢な性格の持ち主です。
ただ、ハードな現場で動くには、単に運動神経がいいだけでは務まりません。
用心深く周囲を冷静に判断する能力も求められます。
ドーベルマンは、信頼できる相手を冷静に見極め、忠実な態度を見せてくれる犬種です。
「この人はリーダーだ」と思った人を守りたい気持ちの表れから、敵を見ると冷静沈着かつ勇ましく行動ができるところがあります。
そんな危険な現場で動けるワンちゃんのため、ドーベルマンにはワイルドな印象を強めに感じますが、実際はそうではありません。
ひとたびリラックスモードに入ると、大好きな飼い主さんのもとで穏やかに過ごすことを好むようです。
相手に向かうアグレッシブなところは、ミニチュアピンシャーもドーベルマンも共通していますが、ドーベルマンは穏やかに過ごすところもあります。
体が大きいため、ちょっと動くだけで迫力満点かもしれませんが、意外にも信頼した飼い主さんへは甘えん坊な一面を見せることもあるでしょう。
いつもはカッコいいドーベルマンが甘えてくると、そのギャップに愛おしい気持ちになりそうですね。
◆その3.運動量の違いはある?
「運動量」という部分で見ると、ドーベルマンの方が多いです。
がっしりした体型、なおかつ「大きな体」を維持するには、筋肉をつけなければなりません。
筋肉がなければ代謝が落ちて太りやすくなり、健康的にもよくありません。
運動量を確保させることは、ドーベルマンの寿命を長くする意味もあるでしょう。
人間と比較しても大差ない体重で、かなりたくましいドーベルマンですから、散歩は1日に2回は必要です。
1回につき、たっぷり1時間以上は運動させてあげなければならないでしょう。
また、単調に歩くだけでは筋肉があまり発達しないので、「リズミカルにスピーディーに散歩する」「ドッグランを走らせる」「ボール遊びで俊敏さを鍛える」などの工夫が大切です。
一方のミニチュアピンシャーも、筋肉美が魅力のワンちゃん。
元気でエネルギッシュなので、部屋で遊ぶだけの運動量では満足しないこともあるでしょう。
ただ、体が小さい分、ドーベルマンと比べると散歩時間は少なめでもOKです。
ミニチュアピンシャーが「運動して楽しかった」と思えるくらいに、1日に30分前後は散歩で思いっきり体を動かしてあげましょう。
体のサイズが違うので当然ですが、ドーベルマンの方が運動量は多めになります。
◆その4.被毛のカラーは?
ミニチュアピンシャーで公認されている毛色は、「単色」「ブラック&タン」「チョコレート&タン」です。
「タン」が表れるのは、目の上や足など。
胸周り、三角の形が表れるのも特徴です。
一方のドーベルマンの毛色は、「ブラック&タン」「ブラウン&タン」が公認されています。
眉の上や喉、両頬、胸、足などに「タン」が見られます。
毛色の雰囲気はかなり似ていますが、ミニチュアピンシャーには「単色が公認されている」という違いがあります。
◆その5.食事の量は?
ドーベルマンは大型なので、たくさん食べなければ生きていけません。
「たくさん食べる」というと、太るのが心配ですが、運動量が多いので、毎日散歩させていれば極端に太ることはないでしょう。
一方のミニチュアピンシャーは小型犬なので、ドーベルマンと比較すると食事量は少なめです。
ドッグフードのタイプやメーカー、運動量などによって一概に言えませんが、1日に必要な摂取カロリーは「4~5キロほどの小型犬」と「30キロほどの大型犬」では数倍以上もの差があります。
単純に「ドッグフードの量」だけを考えると、ドーベルマンを飼育する場合には毎月えさ代として、大きな費用がかかることになるでしょう。
◆その6.飼育スペースは?
ミニチュアピンシャーは、運動量として毎日の散歩さえできれば、飼育スペースとしては極端な広さは必要ないでしょう。
一方のドーベルマンの場合、飼うなら広い間取りが理想的です。
ドーベルマンの体高は、オスは68~72センチ、メスは63~68センチと、かなり大きめです。
ドーベルマンが室内で動くときに狭いとストレスになりますし、ゆったりくつろぐときのスペースも必要です。
ドーベルマンを飼うときは、できるだけ広めの間取りがぴったりでしょう。
◆その7.歴史はどちらが古いの?
ミニチュアピンシャーとドーベルマンを比べると、ドーベルマンの方が大きな体です。
そのため、「ドーベルマンを小型に改良して、ミニチュアピンシャーになったのでは」というイメージが少なからずあり、ドーベルマンの方が古い歴史を持つと思っている人も多いでしょう。
でも、実際にはミニチュアピンシャーの方がだいぶ歴史は古いです。
ミニチュアピンシャーは、害獣駆除犬として活躍していたクライン・ピンシャーという犬が祖先。
そのワンちゃんが、ほかの犬と掛け合わせられて小型に改良されたのがミニチュアピンシャーです。
交配過程には、ジャーマン・ピンシャー、イタリアン・グレーハウンドなどがいました。
17~18世紀頃には、ミニチュアピンシャーの歴史が始まったのではないかと考えられています。
次第に現在の体型のミニチュアピンシャーになり、たくさんの人に飼われるようになってきたのです。
一方のドーベルマンは、19世紀後半になってから、あるブリーダーが護衛犬を作る目的で交配が進められていった犬種です。
ジャーマン・ピンシャーをベースにして、ロットワイラーやジャーマンシェパードなどが交配され、訓練性の高い現在のドーベルマンが誕生しました。
警察犬として正式に認められたのが20世紀初めです。
どちらも交配の過程でさまざまな犬種が登場しますが、似ている雰囲気になるのは共通の犬種がいたことも関係しているでしょう。
どちらの犬種も「しつけ」が飼育のカギを握る
ドーベルマンは、大きさと見た目で「近寄りがたいのでは?」という印象を受けますが、ふだんは穏やかで飼い主さんへの愛情が大きいワンちゃんふだんは穏やかで飼い主さんへの愛情が大きいワンちゃんです。
護衛犬として交配された犬なので、警戒心から周囲にアンテナを張り巡らせ警戒心も見せますが、「家族を守りたい」という気持ちが大きいのかもしれませんね。
一方のミニチュアピンシャーは、サイズ感こそ違いますが、ドーベルマンとよく似た外見で凛々しくカッコいいワンちゃんです。
とても明るい性格で、一緒に運動したい飼い主さんにはピッタリでしょう。
どちらのワンちゃんにも共通して言えるのが、「運動量が多い」「警戒心が強い」ということです。
しつけが不十分だと、攻撃的になることも。
事故が起きないように、子犬の頃からしつけを徹底することが飼育のカギと言えるでしょう。
防衛本能が働き、自信に満ちた態度を取りますが、家族に対しての愛情はとても深いワンちゃん達です。
小さな頃から、信頼関係を深く築くことが大事です。
まとめ
見た目がかなり似ているミニチュアピンシャーとドーベルマン。
一見すると違いは分かりませんが、まったく別の犬種です。
似た点もたくさんありますが、細かい視点で見ると違うことが分かったのではないでしょうか。
体が小さいミニチュアピンシャーは、愛玩犬として親しまれていますが、かなり元気で勝気な性格をしています。
ドーベルマンは、見た目どおり運動神経がいいですが、落ち着いて甘えん坊なところもあります。
どちらもしっかりと「しつけ」に向き合うことが、飼育上のコツと言えるでしょう。
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