1.犬が水を飲みすぎる原因は?
1-1.病気や怪我
1-2.ストレス
1-3.水の量が足りていない
2.犬が水を飲みすぎているかどうかの判断基準
2-1.1日の必要飲水量
2-2.多飲と判断される飲水量
2-3.多飲と判断される排尿量
犬が水を飲みすぎる原因は?
愛犬の食事管理は飼い主さんの大切なお世話の一つですが、1日に飲む水の量を気にしている方は案外少ないかもしれません。
愛犬が生きていく上で水は欠かすことのできないものですがすぐに水皿が空になってしまう、水のガブ飲みが気になり、飲みすぎていないから不安になるなどの疑問を抱えている方もいるかと思います。
犬が水を飲みすぎる原因はさまざまなものがありますが、病気など重大なことが起こっているサインでもあります。
愛犬からのサインを見逃さないためにも普段から愛犬の様子をよく観察するようにしましょう。
水の飲み過ぎとして症状が現れやすい病気には糖尿病や腫瘍などがあります。
さらに身体のどこかを怪我しており、痛みや発熱を和らげようとして水を飲みすぎていることもあります。
病気や怪我が原因により水を飲みすぎている場合には、動物病院にて適切な治療を受けさせることがなによりも重要です。
さらには、愛犬の苦痛を長引かせないためにも早めに動物病院で獣医さんの診察を受けることがポイントになります。
犬が水を飲みすぎる主な原因について紹介します。
◆病気や怪我
冒頭でも紹介したように犬が水を飲みすぎている場合には、病気が隠れている場合があります。
水の飲み過ぎ意外にも下痢や嘔吐の症状はないか、食欲不振やぐったりしている、脚を引きずっているなど普段と違う様子が見られたら早めに動物病院を受診することが安心です。
◆ストレス
犬はストレスから水を飲み過ぎることがあります。
環境の変化や同居犬と相性が悪い、お留守番が苦手などさまざまな理由がストレスとなり水を飲みすぎる傾向にあるケースがあります。
ストレスから水を飲みすぎる場合には、ストレスの原因を特定して取り除いてあげることが大切になります。
他にも毛をむしる、落ち着きがない、食欲不振や嘔吐・下痢などの症状がある場合にはストレスが原因のこともあるため注意深く観察するようにします。
◆水の量が足りていない
水皿が愛犬の身体のサイズにあっていないとすぐに水を飲みきってしまうため、水が足りない状態となり水を飲みすぎてしまう原因になります。
愛犬の飼育スペースには大きめの水皿を設置するようにして、いつでも新鮮な水を飲むことができる飼育環境にすることが理想的です。
愛犬が水を飲みすぎてしまう環境になっていないか飼育環境を見直してみると良いでしょう。
犬が水を飲みすぎているかどうかの判断基準
そもそも犬が水を飲みすぎているのか判断できないという方もいるかもしれません。
犬はどのくらい1日で水を飲むのか適量について紹介します。
水の量が気になる方や適量について知りたい方は参考にして下さいね。
◆1日の必要飲水量
犬が1日に必要な飲水量は身体なサイズにより異なります。
体重1キログラムあたり50〜60mlℓの量が目安になります。
この数値からいくと体重10キロの愛犬に対しては500ml〜600ml ℓの水が適量になります。
目安としては、1日の飲水量が1キログラムあたり90mlℓを超えると飲み過ぎとなります。
1日に愛犬がいくら水を飲んでいるのか量を測ることはなかなか難しいですが、ペットボトルなどから水をお皿に与えるようにすると大まかな量が測りやすくおすすめです。
また、量を測る他にもお腹がパンパンになるまで水を飲む、水を飲んだ後に苦しそうにしている、嘔吐や下痢を繰り返すなどの症状がある場合には動物病院にて獣医さんの診察を受けるようにすることがおすすめになります。
◆多飲と判断される飲水量
水の適量については上記で紹介しましたが、多飲とされる量は体重1キログラムあたりに対して90mlℓを超えてしまうと多飲になります。
体重10キログラムの犬の場合には、およそ1リットル前後の水を飲むようであれば多飲と言えるでしょう。
常に水を飲んでいたり、水を与えるとガブ飲みしてすぐに飲みきってしまう犬は多飲の傾向にあります。
多飲多尿は病気なサインの一つとして分かりやすいサインになります。
腎臓や泌尿器系の病気になっている可能性があるため愛犬の様子を普段から注意深く観察するようにしましょう。
◆多飲と判断される排尿量
多飲があると同時に起こるのが排尿量の増加です。
多飲多尿として病気のサインにもなるため、水を飲み過ぎていると感じる方は注意して見るようにしましょう。
排尿量を測ることは難しいですが、体重1キログラムあたり50mlℓを超えると多尿になります。
また、おしっこの回数も増えるため何回も排尿している場合には多尿である可能性があります。
多飲の犬の排尿は量が多く、色が薄いという傾向があります。
ペットシートいっぱいにおしっこをしているようであれば、排尿量が多い可能性があります。
犬が水を飲みすぎているときに注意すべき病気
多飲多尿と言われる量について説明しましたが、犬が水を飲み過ぎているのは病気の症状でもあります。
水の飲み過ぎの時に気をつけたい病気の主な症状について紹介します。
◆糖尿病
生活習慣病としても有名な糖尿病ですが、犬も糖尿病になります。
糖尿病とは、インスリンの作用不足により持続的に血液中の血糖値が高くなる病気です。
膵臓で作られるインスリンは血液中のぶどう糖を細胞内に取り込み、エネルギーとして使用するために必要です。
ところが糖尿病になるとこのインスリンが体内で生成する機能がいちじるしく低下してしまい、身体にさまざまな不調をもたらします。
主な症状は多飲多尿の他にも食欲があるのにか体重が減少するなどの症状が見られます。
さらに、糖尿病は合併症を引き起こしやすい病気でもあり白内障や腎疾患などを併発する可能性があります。
主な治療方法はインスリンを適量投与してコントロールすることが行われます。
合併症を起こしている場合には、併せてそちらの疾患の治療もします。
糖尿病は発症すると完治することはなく、生涯付き合っていかなくてはならない病気になります。
インスリンが体内で不足することにより様々な不調をきたすため、多飲多尿の症状が見られた場合には早めに動物病院にて診察を受けるようにしましょう。
◆クッシング症候群
クッシング症候群とは腎臓のそばにある副腎から分泌される「コチルゾール」が過剰に分泌されることにより、身体にさまざまな不調をきたす病気です。
ホルモンの異常が起こる病気ですが、症状が進行すると免疫力が低下して皮膚炎や細菌感染などを起こす病気になります。
クッシング症候群も水の飲み過ぎが見られ、多飲多尿になる傾向にあります。
多飲多尿の他にも元気消失、食欲不振や皮膚が黒ずむ、被毛が抜けるなどの症状が見られます。
これらの症状は老化現象としても現れるため、歳をとったからと飼い主さんが勘違いしてしまい治療が遅れてしまうケースもあります。
水の飲み過ぎの他にも毛が抜けるなどの症状が見られる場合には、動物病院を受診することが安心です。
主な治療方法は、原因が脳下垂体か副腎にあるかで異なりますが腫瘍が原因である場合には外科手術により腫瘍を取り除く処置をします。
また、クッシング症候群と診断するためには血液検査にてコルチゾール値を測ります。
クッシング症候群は投薬により症状をある程度改善することのできる病気ですので、動物病院にて定期的な治療が必要になります。
まとめ
犬が水を飲み過ぎる原因と1日の水の適量について紹介しました。
水の飲み過ぎは飼い主さんが注意深く観察していないと分かりづらい症状の一つです。
愛犬の体重に合わせた適量を知ることで水を飲みすぎているかどうか判断することができます。
また、水の量以外にも多尿でないか嘔吐・下痢などの症状がないかチェックするようにしましょう。
愛犬の様子を普段から観察するようにして少しでも異常を感じた場合には、動物病院を受診しておくと安心です。
愛犬とふれあいコミュニケーションをとることは健康チェックにも欠かせません。
普段から密にコミュニケーションをとることが大切ですね。
犬の水の飲みすぎに疑問を感じている方や多飲多尿の症状がある病気について知りたい方の参考になれば幸いです。
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