近年、多くの方が犬や猫を室内で飼うようになりました。多くの時間を過ごすおうちですが、実は犬や猫にとって危険な場所や快適とは言えない空間が潜んでいます。それらは同時に飼い主さんにとっても不便さや悩みに繋がっているかもしれません…。
コロナ禍でおうちで過ごす時間が格段に増えた今だからこそ、愛犬・愛猫、飼い主さんにとって、おうち時間がより快適になるポイントや簡単にできる工夫を愛犬・愛猫家住宅を数多く手がける建築家 前田敦さんにご紹介してもらいました。今すぐ実践できるものも多くありますので是非ご参考にしてください。
– 手洗い(消毒)・マスク・換気 –
コロナ感染対策の基本である「手洗い(消毒)・マスク・換気」が生活習慣として定着しました。ペットと暮らす環境では、その際に気をつけるポイントがあります。
1)手洗い(消毒)
手洗い後などに使用する消毒液の取り扱いには注意が必要です。犬や猫はアルコールを吸収しても体内で分解できないため、中毒を引き起こす恐れがあります。消毒液はペットの安全性のためにも、いたずらできない場所や扉付きの場所への収納をしましょう。
2)マスク
使用済みのマスクにはさまざまな菌が付着しているため、そのまま放置するのは避けましょう。特にワンちゃんは飼い主さんのニオイがついたものが好きなので注意が必要です。マスクは外したらすぐに洗浄もしくは消毒を行い、高い所や棚などペットがいたずらできない場所に保管しましょう。使い捨てマスクの場合、フタ付きのゴミ箱や袋に入れて捨てるとよいでしょう。
3)換気
感染予防のために部屋の換気は欠かせません。窓が2つある場合には1つを少しだけ開放し、もう1つを全て開放すると換気能力が向上するのでおすすめです。窓が1つの場合には、開放した窓の外に向けてサーキュレーターや扇風機で風を送ると効率的に換気が可能です。
<注意Point> |
– ワークスペース –
テレワークをするために、リビングの一角や個室を改造してワークスペースを確保している方も多いでしょう。ペットと暮らす上で必要な工夫について考えてみましょう。
1)配線を隠す
パソコンなどの電気コードはペットがかまないように隔離したり、隠すことが大切です。配線を隠すとペットにも安全であると同時に、見た目も美しく、ほこりも溜まりにくいので、ハウスダスト対策にもおすすめです。簡易的な方法として、ホケーブルカバーで配線を隠すだけでもよいでしょう。
2)ワークスペースの側にペットの居場所を用意する
ワークスペースにペットがくつろげるソファーや安心できるボックスなどを用意してあげると、人もペットも心地よい環境ができます。
写真左:囲まれて安心できる場所を用意する
写真右:ペットソファーを側に置く
3)進入防止柵の設置
仕事に集中していると、ペットの安全管理がおろそかになってしまうことも考えられます。立ち入って欲しくない場所や階段などの危険な場所に、侵入防止策を用意すると安全です。
4)断熱環境整備
在宅時間が増え光熱費が気になる場合には住環境の断熱対策も見直してみましょう。
簡易的な方法としては遮熱断熱フィルムを貼ったり、カーテンやブラインドを設置するだけでも断熱環境は向上します。住宅改造が可能な場合には、壁に断熱材を追加したり、開口部を二重窓にすることをおすすめします。
5)注意すべき観葉植物
家庭や職場に観葉植物を置く方も多いですが、ペットにとって毒性のある植物は700種類程あるといわれており、注意が必要です。
<工夫Point> |
– 危機管理に必須のクレート活用 –
1)クレートをお気に入りの場所に
被災時に避難する、動物病院に連れていく、長期不在でペットを預かってもらうなど、さまざまなシーンでクレートは必要になります。危機管理の面からもクレートに自然に入れるようにトレーニングしておくとよいでしょう。
狭い所に閉じ込めてかわいそう…と感じる方もいると思いますが、実はカラダを包み込むような狭い空間はペットにとって安心する環境です。
<注意Point> |
クレートをブランケットやバスタオルで覆ってあげると手軽に快適な環境が作れます。
いかがでしたか?今回は。コロナ禍でもペットと快適に暮らすための生活環境の作り方やいざという時の危機管理に着目して紹介しました。住環境やペットの種類や性格、癖にあわせて工夫してみてください。
– おすすめ記事 –
・犬の体をアルコール消毒するのはNG!エタノール中毒の可能性も。おすすめの除菌方法は? |
・【獣医師監修】愛犬もノロウイルスには注意が必要?犬の嘔吐や下痢の原因とは? |
・犬のサークル飼いはかわいそう?メリット・デメリットと快適な環境つくり |
・犬の快適温度は人間とは違う?犬のいる部屋のエアコンの必要性と実践したい節約術 |