【獣医師監修】犬の術後のケアのポイントは?術後に気をつけたことを紹介!

2020.12.22

【獣医師監修】犬の術後のケアのポイントは?術後に気をつけたことを紹介!

犬を飼っている方ならば、ペットの健康を守るために定期的に動物病院に通うことがあるかと思います。 体調不良で病院を受診した所、手術が必要な病気が見つかったり、避妊や去勢手術をする場合もあります。 そんな術後の家庭でのケアは早く完治するためにも大切であり、悪化しないために傷口を保護することが大切になります。 本記事は犬が手術をした後に注意したいことや、術後のケアのポイントについて紹介します。 術後にあると便利なグッズも合わせて紹介しますので、さんこうにしていただければ幸いです。

犬の手術前と手術後に注意すること

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細かい注意点はその病気や手術の内容により異なりますが、手術前と手術後に注意したい点について紹介します。
術前や術後のケアに不安や疑問を感じている飼い主さんは参考にしてくださいね。

◆手術前

手術前の注意点として大切なことは絶食絶水になります。体内に内容物が残っていると薬が使用できなかったり、手術中に支障をきたす事があります。

術前の説明で獣医さんから当日の食事や飲水に関する指示があるかと思いますので、しっかりと守るようにしましょう。

夜の21時以降は水を飲んではいけないなど細かい時間の指定がまだある場合には、忘れないように家族全員が見える場所に時間など内容を貼っておきます。
家族全員で共有して愛犬の手術に備えましょう。

また、往来歴などがないか現在服用している薬や治療はないか確認しておきます。
そして必ず担当の獣医さんに相談するようにしましょう。
薬などを服用している場合には、事前に獣医さんに申告しておくのが重要です。

また、手術の前日には激しい運動は控えるようにして、当日すぐに出かけられるように準備しておきましょう。
リードやハーネスなど車内で利用するゲージなどを準備しておけば安心です。

◆手術後

手術は獣医さんに任せて無事に成功してからは術後のケアが傷口を早く塞ぐためにも大切になります。
手術当日や数日は入院が必要な場合もありますが、去勢手術や避妊手術の場合には当日帰宅できる動物病院が多いです。
手術後に気を付けたいの3つの点を紹介します。

①興奮させないようにする

術後に1番大切なことは興奮させないで、安静にさせることです。
術後は愛犬にもかなりのストレスがかかり、傷口が大きいと痛みなどもあり、繊細な状態です。

安心できる環境でゆったりと過ごせるように術後の散歩や遊びは軽めにして興奮させないように穏やかに過ごしましょう。

②清潔な飼育環境を整備する

また、術後に怖いのが傷口から菌が入り感染症を起こすことです。
傷口が清潔に保てるように寝床やケージ周りはこまめに掃除して、清潔な環境整備をしてあげましょう。
特にトイレ周りは排泄物がそのまま残った状態で汚れていると菌が繁殖しやすくなるため、その都度掃除して清潔にする事がベストです。
食事の食べ残しや抜け毛なども、菌が繁殖して感染症を起こす原因になるため、きれいに掃除することが大切です。

③傷口に注意

傷口についてなにか消毒や保護テープの交換を獣医さんからお願いされた場合には、その指示に従うようにします。
基本的には傷口には触らずに、安静に愛犬にしてもらい傷口に負担をかけないように生活しましょう。

傷口を濡らすと痛みもあり、犬の体の負担にもなるためシャンプーなどは避けます。

またもう一つ注意したいのは、犬が傷口を気にして舐めてしまい、傷口が開いてしまうことです。
再度縫う必要がでてくると、また麻酔をかけたりなどリスクがあります。
犬が傷口を舐めないようにエリザベスカラーなどを活用して傷口を保護しましょう。

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手術後の犬の食事はどうすればいいのか

基本的には獣医さんの指示に従うようにしますが、特別指定がない場合にはいつも通りの食事で問題ありません。
しかし、術後当日からいきなりいつもの量を与えてしまうと絶食していたため、胃がびっくりしてしまうので半量に留めておくことがベストです。

消化の良い食事を用意するようにして、ドライフードにお湯をかけてふやかして与えることも有効です。

脂分の多い人間の食事や、硬いジャーキーやガムなどは与えないようにしましょう。
おやつも控えめにして、次の日から食事を戻すようにします。
指定された食事がある場合には、獣医さんの指示に従って食事を準備して下さいね。


去勢手術の後に犬の性格は変わるの?

去勢手術をすると性格が変わるというのを見かけることがあると思いますが変化には個人差があります。
ホルモンバランスが変化することにより、多くの犬は行動や落ち着きに変化があります。

生殖機能が完成する前の若い雄は特に去勢手術をすることで性格に変化が見られることが多いです。

また、去勢手術の効果としてマーキングの現象などが挙げられますがすでに手術前に足を上げて用を出すことを覚えている場合には、残念ながら効果がないことがあります。
これは、足を上げて用を足すことを身体が覚えているためにマーキングの減少にあまり効果がないと言われています。

ホルモンバランスが変わることで性格になんらかの変化が見られるというケースが多いようです。


犬の手術後に必要なもの

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犬の手術後に必要な、あると便利なグッズを紹介します。
手術の内容によってあったほうが良いものは異なりますが、参考にしてみてください。

第一に清潔な環境を整備するために消臭・除菌スプレーなどを用意しましょう。
傷口の消毒が必要な場合には、ガーゼや消毒液、保護テープなどを準備すると安心です。

また、犬の寝床には犬が安心できるようにお気に入りの毛布やクッションを入れてあげます。
リラックスしてできるだけ落ち着いて過ごせるようにお気に入りのものを入れてあげましょう。

また、術後の傷口を舐めないようにエリザベスカラーや足で掻いて傷つけないように靴下などを用意しておくと安心です。
傷口を清潔にすることが大切ですが、犬が気になって舐めたり掻いてしまうと治りが遅くなります。

傷口を保護するためのエリザベスカラーや身体をカバーする洋服などがあれば、安心ですね。
術後の身体に負担をかけない素材で作られている術後服というものを活用することもおすすめですよ。
次項目では術後服について紹介します。

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犬の術後服とは

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犬の術後服とは、その名の通り手術の後に傷口をカバーするために着せる犬用の服になります。
包帯がわりにもなる着せやすく、脱げにくい素材の術後服が多くバリエーションも豊かなため普段着としてそのあと着せられるものもあります。

多くの場合は袖までしっかりとあり、伸縮性のあるソフトな素材の術後服が多いです。
値段は犬のサイズにより異なりますが、3000円〜5000円前後で購入可能です。

身体を保護することが目的の術後服は他の犬用の服に比べると、素材も皮膚に負担がかからないもので作られているため値段が高くなります。

◆役割

術後服の最大の役割は傷口を保護して、愛犬が掻いたり舐めたりしないようにすることにあります。
エリザベスカラーは犬によってはかなりのストレスを感じることがまずあり、場合によっては人間不信などの原因にもなります。

術後服を普段の洋服と同じ形で使用することで、傷口を守りながら愛犬の負担を軽減することができます。
掻いても傷になりにくく、犬が脱ぎにくいという特徴が術後服にはあるため傷口の包帯がわりになりますよ。

◆選び方

基本的には愛犬のぴったりサイズのものを選ぶようにして、身体に負担がかからないオーガニックコットンなどの素材を使用した術後服を選ぶことがおすすめです。

また、術後服には柄が入ったものや可愛いデザインのものなど豊富にあるため自分好みのものを選ぶことができるのも、魅力的です。

一つ注意したいのは、シンプルなデザインのものを選ぶようにして飾りなど華美な装飾がついていないものをチョイスします。

着脱のしやすさなども術後服を選ぶための大切なポイントですが、着脱が楽なものを選ぶのが良いですが、犬が脱ぎにくいタイプのものを選ぶようにします。
傷口に負担がかからないデザインのものをチョイスして下さいね。


まとめ

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犬の手術後に気を付けたいことやポイントについて紹介しました。
術前や術後は犬も敏感になっているため、できるだけストレスなく快適に生活できるような飼育環境整備が大切になります。

食事は脂分が多いものや消化に悪いものは術後2〜3日は避けた方が無難ですが、手術というビッグイベントを乗り越えた愛犬のためにも好きなおやつなどを用意して、たくさん褒めてあげましょう。

また、獣医さんの指示には必ず従うようにして疑問があればすぐに確認することがポイントです。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に15医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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のえコアラ

のえコアラ

犬の専門学校を卒業後、犬のテーマパークにて飼育員を5年間しておりました。 様々な犬種の飼育経験があります。 その後ホームセンターでペット用品の販売をしておりました。 現在はペット系の記事を中心にライター活動しております。 資格 愛玩動物飼養管理士1級 小動物看護士

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