小型犬にも散歩は必要!?適切な頻度や距離、注意点はある?

2021.02.06

小型犬にも散歩は必要!?適切な頻度や距離、注意点はある?

「小型犬には散歩が必要ない」と聞いたことのある方もいるでしょう。では実際、愛犬が小型犬の場合は散歩に行かなくてもよいのでしょうか?実は小型犬にとっても散歩は、重要な意味をもつことなのです。今回は、小型犬の散歩について紹介していきましょう。適切な頻度・距離・時間などをしっかりチェックし、愛犬の身体に負担のない健康的な散歩を目指しましょう!

小型犬に散歩は必要なのか

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小型犬には愛玩犬グループに属している種類の犬種が多いです。愛玩犬とは、人の心を癒す存在となるための、いわゆる「抱き犬」として改良されてきた犬種です。元々は原産国の貴族・上流階級の人と共に過ごし、狩猟などには出ず、宮廷内などの室内で一日を過ごしていたといわれています。
このことから、小型犬にとっての必要運動量は少ない場合も多く、運動欲求が高くない個体も実際にいます。
しかし、1日中室内で過ごしていては、生活に刺激が感じられないでしょう。刺激不足は、ストレスを溜める原因ともなり、問題行動の発端ともなり得るのです。
小さな物音に吠えたり、家具を噛むなどの破壊行動、更に足先を舐める・尾追いをするなど、問題視される行動を愛犬が起こす可能性があります。
これらの様子が愛犬に見られる場合、ストレスが一因となっていることも多く、毎日の散歩をとり入れることでこれが解決したという実例もあるのです。
小型犬にとっても、散歩が重要であるという事実を感じられたと思います。それでは、散歩がもたらす主なメリットについて、もう少し詳しく紹介していきましょう。

◆気分転換になる

散歩には必要な運動量を賄うだけでなく、ストレス解消・心身のリフレッシュ効果などをもたらします。散歩を日課とすることで、精神的にも落ち着いて生活できるようになるのです。
更に小型犬に限らず中型犬・大型犬にとっても、
季節の草花や他の犬が残したにおい、様々な音、土・芝生など地面の感触、景色を眺めることなど、様々な刺激を犬は散歩によって感じることができるのです。人間においても、脳への刺激不足が認知症発症へのリスクを高めるといわれていますよね。これは犬にとっても同様です。
例え短時間の散歩であっても、犬にとっては大きな楽しみの一つとなりますし、ストレス発散の機会ともなります。心身ともに健康を維持するためにも、散歩を日課とすることが理想的です。

◆他の犬と交流の場

犬の社会性を育てるためにも、散歩時間は貴重なものとなります。散歩にでることで、様々な人・動物・物などと接することができますよね。これにより社会性が養われ、人や他の犬とのコミュニケーションが楽しくとれるようになるのです。更に、飼い主さんとの信頼関係を深めることにも繋がります。
散歩デビューが可能となった子犬の時期から、積極的に散歩や外出をし、社会性を育てることが望ましいでしょう。
他の人や犬との関りを全くもたずに成長してしまうと、成犬となっても性格が落ち着かなかったり、不安感や恐怖感から攻撃的な気性が現れる場合もあります。
散歩でコミュニケーション能力を高めることは、愛犬と飼い主さんの両者にとってとても大切なことなのです。

◆犬種によって散歩量が変わる

愛犬のサイズもそうですが、犬種によっても必要な散歩量には違いがでてきます。
獣医師による解説・監修が元となっている、犬種別の適切な散歩時間をみていきましょう。参考までに小型犬以上のサイズの犬種もあわせて紹介しますので、知識の一つとしてチェックしてみてください。

散歩時間:1回あたり約20~30分

チワワ、狆、シー・ズー、ヨークシャー・テリア、ポメラニアン、ラサ・アプソ …など

散歩時間:1回あたり約30~40分

柴犬、マルチーズ、フレンチ・ブルドッグ、ミニチュア・ダックスフンド、ペキニーズ、パグ、スピッツ、ブリュッセル・グリフォン、シャー・ペイ …など

散歩時間:1回あたり約40~50分

トイ・プードル、シェットランド・シープドッグ、ビーグル、ミニチュア・ピンシャー、キャバリア・キング・チャールズスパニエル、ミニチュア・シュナウザー、ボストン・テリア、ウエストハイランド・ホワイト・テリア、パピヨン、ビション・フリーゼ、ブル・テリア …など

散歩時間:1回約60分以上

ボーダー・コリー、イタリアン・グレーハウンド、サモエド、ダルメシアン、ウェルシュ・コーギー・ペンブローグ、ゴールデン・レトリーバー、アメリカン・コッカー・スパニエル、ラブラドール・レトリーバー、バーニーズ・マウンテンドッグ、シベリアン・ハスキー、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ジャック・ラッセル・テリア …など


小型犬の散歩の時間

前述したように、小型犬の散歩時間としては20~60分以内が理想だといえます。
ただし一概に小型犬といっても、身体のサイズ・運動能力・運動量などは犬種ごとに違うので注意してください。
小型犬に分類されている犬種の中にも、番犬・狩猟犬・牧羊犬などを目的として改良されてきた犬種はいます。愛犬がそのグループに該当する場合は、愛玩犬として改良された犬種よりも散歩時間を長めにとるなどして対応しましょう。
愛玩犬として改良された犬種は20~30分、番犬として改良された犬種は30~40分、牧羊犬・使役犬・狩猟犬として改良された犬種は40~60分の散歩時間が適切である、との説明が紹介されている情報もあります。
あくまでも目安ですが、アドバイスのひとつとして参考にしてみてください。
ただし、犬にも個体差があるので、好き・嫌い、向き・不向きも様々です。愛犬をしっかり観察して、散歩中の様子をみながら、適切な散歩時間を割り出しましょう。


小型犬の散歩の頻度

小型犬に限らずどの犬種においても、散歩は毎日の日課とすることがおすすめです。1日に1~2回程度散歩に連れて行くことで、愛犬はストレスのない、満足のいく生活を送ることができるしょう。
しかしやはり個体差はありますし、そこまで散歩の時間を確保することができない飼い主さんも中にはいると思います。愛犬が小型犬で運動量をそこまで必要としない子であれば、散歩の回数を1日1回とし、週1回程度の休息日を作ってもいいかもしれませんね。
散歩に行けない日は室内でおもちゃを使って運動させるなどして、飼い主さんと一緒に遊ぶ時間を増やしてあげてください。


小型犬の散歩の距離

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小型犬に適しているといわれる散歩の距離は、1回あたり1~2km程度だといわれています。これもあくまで目安で個体によって差が出る可能性はありますので、愛犬の様子をうかがいながら適切な距離を判断しましょう。
タイミングとしては、食前に散歩にでることが望ましいです。食後の運動は、胃捻転・胃拡張などのリスクを高めます。食後は食休みの時間として1~2時間程度の時間をあけましょう。
また、毎日食事の時間が同じだったり、決まった時間で散歩へ行くことは、犬にとってあまり良いことではないとの意見もあります。一見規則正しい生活をしていて良いことだと思われがちですが、犬が時間が遅れることでストレスを強く感じて、要求吠えに発展するケースもあるのです。可能であれば、ランダムな時間で散歩に出掛けたり、たまに食事の時間をずらすなどの方法をとることがすすめられます。


小型犬と散歩をするときの注意点

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小型犬は特に人間との身体の大きさに差が出ますよね。当たり前のことなのですが、この点から散歩中には注意が必要だといえるのです。
人間にとっては小さな一歩でも小型犬にとっては数歩、なんてことない段差が大きな壁、飼い主さんにとって短い距離でも愛犬にとっては長距離などと、気を付けなければ散歩が負担を与える結果となってしまうこともあるのです。特に、以下の二点に注意して散歩に出掛けましょう。

◆階段や急な坂

散歩をしていると、その道には様々な状況が待っていますよね。散歩コースによっては、急な坂や階段を通ることも珍しくないでしょう。
実はこの急な坂や階段などの段差は、犬の腰に大きな負担をかける存在となり得るのです。特に下りは、愛犬にとって大きな体の負担となります。もちろん犬のサイズによっても変わってきますが、そのような状況の道のりは可能な限り避ける方が安心でしょう。
腰への負担は、椎間板ヘルニアなどの原因ともなります。特に胴長体型の犬には負担がかかりやすいので、愛犬がダックス・コーギー系の場合は、小さな段差にも注意してくださいね。

◆短時間

前述したように、犬にはそれぞれ適切な散歩時間があります。距離や頻度もそうですが、必要以上の散歩は身体への大きな負担となるのです。犬種によって差はありますが、小型犬の場合、あまりに長時間の散歩はおすすめできません。愛犬の様子をみながら、適切な時間・量をしっかり判断してください。
また、散歩を飼い主さんと過ごす快適な時間とするためには、その時間帯にも気を付けましょう。夏の時期は涼しい早朝や夕方、冬の時期は暖かい日中の時間帯を選ぶなど、季節によって調整が必要です。事前に天気・気温・湿度などを考慮しながら、その都度適した散歩時間を判断しなければいけませんね。夜間に散歩をする場合は、首輪やリードにライトや反射板などを必ず装着してください。事故を防止するためにも徹底しましょう。


犬が散歩を嫌がるときはどうすればいいのか

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愛犬によっては、散歩を嫌がることが多い子も実際にいます。そんな時、無理強いするのは禁物です。
まずは散歩を嫌がる原因を、見つけ出さなくてはいけません。
散歩コースや外に恐怖感を抱いてる、首輪やリードが合っておらず苦しく感じている、怪我をしていたり体調が悪いなど、様々な原因が理由として考えられるでしょう。
愛犬の様子をじっくり観察し、その原因を究明することが大切です。散歩コースを見直したり、首輪などのサイズを改めて確認するなどして、思い当たる理由を全てチェックしてくださいね。
体調や怪我が心配される場合は、一旦動物病院を受診して相談しましょう。どのように散歩を嫌がるのか、愛犬の様子を明確に獣医師に伝えてください。
散歩の途中で愛犬が動かなくなった場合は、リードを無理に引っ張ったりせず、自分で歩き出すのを待ちます。散歩を嫌がる日は室内遊びに切り替えたり、歩くのを嫌がるなら抱っこして外の空気を吸わせに出るのも一つの方法です。
いずれにせよ、無理強いをするのはNGです。散歩に対してマイナスイメージを植え付けることとなります。心身ともに健康を維持するためにも、愛犬のことをきちんと理解してあげることが大切なのです。

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まとめ

家庭によって散歩の時間や回数、頻度などには多少の差がでます。愛犬の性格や体格、運動に対する意力もそれぞれですよね。外でしかトイレをしない子も少なくありませんし、外よりも室内が好きという子も実際にいます。
まずは飼い主さんが愛犬をよく観察し、適切な散歩の時間・内容を愛犬に与えられているかどうかをチェックしてみましょう。
小型犬にとって適切とされる散歩の時間・頻度・距離などの目安を参考にして、愛犬にピッタリの充実した散歩ができるよう努めてあげてくださいね。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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