【獣医師監修】犬のワクチンは必要?混合ワクチンって?気になる疑問を徹底解説!

2021.04.19

【獣医師監修】犬のワクチンは必要?混合ワクチンって?気になる疑問を徹底解説!

犬を飼う上で非常に大切なのが、犬のワクチン接種です。打たないと重大な病気につながりますが、動物愛護の観点から論争が絶えないことでも知られています。 また、犬のワクチンは通常複数の感染症に対する混合ワクチンが用いられており、混合しているワクチンの種類も複数あります。そのため、どれを打っていいか困惑する飼い主さんも少なくないと思われます。 この記事では、犬のワクチンがなぜ必要なのか、ならびにワクチンの種類や予防できる感染症について説明をしていきます。ワンちゃんの生涯をより良いものにするため、また飼い主としての義務を果たすために、ぜひ最後まで読んでくださいね。

犬のワクチンの必要性

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犬のワクチンは、本当に必要なのでしょうか?

結論から言うと、必ずしも必要ではありません。飼っている犬にワクチンを打つかどうかは、飼い主さんの意思に委ねられます。しかし、ワクチンを打った方が危険な感染症に対する免疫力を高められ、より良い生涯を送らせてあげられることも事実です。飼い主として、責任ある選択をしてあげましょう。

また、上記のような飼い主さんに決定権があるワクチンは「混合ワクチン」といいます。こういった混合ワクチンとは別に、国から接種を義務付けられているワクチンが存在します。それが「狂犬病ワクチン」です。

狂犬病は感染した犬が100%死に至るという恐ろしい感染症です。また、人にも感染し、人の場合も死に至ります。非常に危険性が高いため、世界各国で狂犬病の蔓延を防ぐための対策が講じられています。


犬のワクチンの種類

それではここから、犬のワクチンの種類について説明をしていきます。

◆コアワクチン

コアワクチンとは、全ての動物に接種すべきワクチンのことです。コアワクチンが対象とする病気には,犬では犬ジステンパー,犬パルボウイルス感染症,犬伝染性肝炎と狂犬病が挙げられます。

犬のコアワクチンは、子犬では生後6〜8週齢で接種を開始し,2〜4週間の間隔をあけながら16週齢以降まで接種を行います。成犬になってから再接種した場合は、1〜3年の間隔で接種を行います。なお、狂犬病は毎年の接種が義務付けられています。

◆ノンコアワクチン

ノンコアワクチンとは、感染のリスクに応じその都度摂取するワクチンのことです。ノンコアワクチンの対象となる感染症として,犬ではレプトスピラ病,パラインフルエンザウイルス感染症などが挙げられます。他にも複数の感染症が対象となっていますが、特にこの2種類の感染症に関しては、毎年の接種が推奨されています。


混合ワクチンについて

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ここまでワクチンの種類について説明をしてきましたが、ここからは混合ワクチンのより詳しい内容について説明をしていきます。

◆接種時期

生後まもない犬は、母犬から伝染病に対する抗体(移行抗体)を、母乳を介して譲り受けます。この移行抗体は、生後6~8週間位で消失してしまいます。そのため、抗体が完全に消失してしまう前に、ワクチンを接種することで免疫を維持する必要があります。
またこういった理由から、母乳を飲んでいないワンちゃんには、早めにワクチンを接種する必要があります。

ワクチンの接種は1回きりではなく、1回目に接種をしてから1カ月後、さらに1カ月後に2、3回目のワクチンを接種します。その後は、年に1回の接種を行います。

◆費用

混合ワクチンの費用は動物病院によって異なっているため、一概に金額を提示することはできません。目安で言うと、2種混合で3〜5000円程度、7種以上になると7000〜10000円、5、6種はその中間くらいの値段になるところが多いようです。

狂犬病ワクチンにかかる費用は3300円です。(2021年3月現在)


混合ワクチンで予防できる病気

ここまで、混合ワクチンの詳細について紹介してきました。ここからは、具体的にどのような病気を混合ワクチンによって防ぐことができるのかを説明していきます。

いざワクチンを打つときに病気についての知識があると心強いですので、きちんと見ておいてください!

◆犬ジステンパー

犬ジステンパーはウイルス性の感染症で、犬に咳や下痢などのほか、さまざまな全身症状を引き起こします。その症状は高熱やくしゃみなどの風邪に似たものから皮膚や神経性のものなど多岐にわたるため、非常に診断が難しいことでも知られています。

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◆犬コロナウイルス

犬コロナウイルス感染症は、その名の通りコロナウイルスが引き起こす感染症です。コロナウイルスといっても、現在世界中を震撼させているCOVID-19とは全く別のもので、犬には消化器症状を引き起こします。また、後述の犬パルボウイルスと感染が重なることで、症状が悪化し死に至ることもあります。

◆犬パルボウイルス感染症

犬パルボウイルス感染症は、犬に激しい嘔吐や下痢を引き起こします。また、消化器症状とは別に白血球の減少や心筋炎といった重篤な症状を引き起こす場合もあります。

死に至る確率の非常に高い感染症ですので、きちんと注意をしておくことが大切です。

◆犬パラインフルエンザ

犬パラインフルエンザウイルスには複数のウイルスが属しており、感染するとケンネルコフが引き起こされます。犬パラインフルエンザウイルスは非常に感染力が強いため、多くの犬が互いに接近している状況で多く発症が報告されています。

症状としては、乾いた咳や発熱などが挙げられます。

◆犬レプトスピラ感染症

犬レプトスピラ感染症は、レプトスピラ属に属する菌が原因となって起こる感染症で、特に肝臓や腎臓に症状が顕如に現れます。具体的なものとしては、黄疸や出血、急性の肝不全や腎炎などが挙げられます。また、播種性血管内凝固という症状が現れることもあり、非常に危険性が高いです。

池や沼の水などに非常に多く生息する菌ですので、注意するようにしましょう。

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◆犬アデノウイルスⅡ型感染症

犬アデノウイルスⅡ型感染症は乾いた空咳を起こす、アデノウイルスによる感染症です感染力が非常に強く、他の病原体との混合感染を引き起こすことで重症になってしまうため注意が必要です。

◆犬伝染性肝炎

犬伝染性肝炎は、犬アデノウイルス1型が原因となって起こります。他の犬の体液などを舐めて仕舞ったりすることで感染します。症状が出ないことも多いですが、重症になると高熱や下痢を引き起こします。

また、「ブルーアイ」と呼ばれる目の角膜が青色になる現象が特徴的です。

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混合ワクチンの種類

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ここからは、ワクチンによって異なっている、予防できる病気について説明をしていきます。実際に打つ際に参考にしていただけると幸いです。

◆3種

3種混合ワクチンは、犬ジステンパーウイルス感染症、犬伝染性肝炎、アデノウイルスⅡ型感染症の3種を予防することができます。

◆5種

5種混合ワクチンでは、先述の3種に犬パラインフルエンザ感染症、犬パルボウイルス感染症を加えた5種を予防することができます。

犬ジステンパーウイルス感染症、犬伝染性肝炎、犬パルボウイルス感染症は死亡率が非常に高いため、コアワクチンとして挙げられています。そのため、犬の感染予防のためには5種以上の混合ワクチンを接種することがオーソドックスです。

◆6種

5種混合ワクチンに加え、犬コロナウイルス感染症を加えた6種を予防することができます。先述のように、コロナウイルスはパルボウイルスと混合感染することにより死亡率が非常に高くなるため、注意が必要です。

◆7種~11種

6種混合ワクチンに加え、主にさまざまな型のレプトスピラ属菌を予防することができます。


何種の混合ワクチンを打つのが良いのか

先述のように、5種以上のワクチンを打つ方が望ましいと考えられます。

また、7種以上に関してはレプトスピラ属菌に対しての対応力の問題ですので、いわゆる一般的な型に対応さえできていれば、そこまで疑心暗鬼になる必要はないのではないかと思われます。心配な方は、11種の接種をお勧めします。


ワクチン接種後に気を付けること

ワクチン接種後15分ほどまでの間は、重篤な副作用(アナフィラキシー)が起こる可能性があります。そのため、注意深く見ておいてあげてください。

また、過度な運動も避けるようにしましょう。多少走り回ったりする分には構いませんが、長時間の運動や激しい運動等はやめさせるようにしてください。


まとめ

ここまで、犬のワクチン接種について説明してきました。混合ワクチンそれぞれに対応できる病気があるため、それぞれの病気の性質をよく見極めて飼い主さんが選択をしてあげることが大切です。

ワンちゃんの一生を決める大事な選択ですので、この記事が右腰でも助けになれば幸いです。それでは、良いペットライフを!

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に15医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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