1.ラサアプソとは
1-1.ラサアプソの歴史
1-2.ラサアプソの名前の由来
2.ラサアプソの生態
2-1.外見の特徴
2-2.大きさ
2-3.被毛
2-4.ラサアプソとペキニーズ・シーズーとの関係性
4.ラサアプソを家族に迎えるために
4-1.ラサアプソの購入場所と価格
5.ラサアプソの飼い方
5-1.飼育環境
5-2.食事
5-3.運動
5-4.寿命
5-5.かかりやすい病気
5-6.しつけ
5-7.お手入れ
ラサアプソとは
まずは、ラサアプソの歴史から紹介します。
◆ラサアプソの歴史
ラサアプソはチベット発祥の犬種で、数百年以上の長い歴史をもちます。
もとは食べ物のお供え物を求めて、僧院まで下りてきたヒマラヤ山脈のオオカミが進化した犬種ともいわれています。
そのため、ラサアプソは主に仏教の僧院で繁殖・飼育されていました。
また悟りに達せずに死んだ僧侶がラサアプソのからだに入ることで輪廻転生し、守り神になる器の「聖なる犬」として崇拝されてきました。
◆ラサアプソの名前の由来
ラサアプソは英語で「LHASA APSO」と表記します。
ラサ(LHASA)は繁殖が盛んに行われていたチベット中央部の古都であるラサが由来です。
さらに、アプソ(APSO)は現地名から取った説やチベット語の口ひげ「are」と豊富な被毛を意味する「sog-sog」をつなげて略したことからだといわれています。
ラサアプソの生態
◆外見の特徴
ラサアプソは四肢が長く美しいストレートな被毛に覆われた犬種です。
その見た目はシーズーにそっくりです。
シーズーとの違いは鼻の高さがやや高く、顔の比率が縦に長いだけであり、見分けることは非常に難しいといえます。
◆大きさ
ラサアプソは小型犬に分類されます。
ラサアプソの成犬で体重は性別では大差がなく、6kg程度です。
また体高はオスで25.4cm前後、メスはそれより少し低いです。
◆被毛
ラサアプソの被毛はダブルコートで、まっすぐな長毛が豊富に生える上毛とほどよい長さの下毛が密生しています。
またラサアプソはゴールデン、サンディ、ハニー、濃いグリズル、ストレート、スモーク、パーティーカラー、ブラック、ホワイト、ブラウンとバラエティーに富んだ毛色があります。
◆ラサアプソとペキニーズ・シーズーとの関係性
チベットで犬は幸福な動物で、非常に価値高い贈り物とされているため、歴代のダライ・ラマはラサアプソを外国の要人へ贈っています。その中でも、頻繁に中国皇帝へ献上されていました。
それ故に中国王宮では、中国古来の犬とラサアプソを交配し、「ペキニーズ」を誕生させました。
さらに、ペキニーズとラサアプソを交配させることで、「シーズー」を誕生させ、聖なる犬「獅子犬」としました。
つまり、ペキニーズやシーズーはラサアプソから派生した犬種という関係性があります。
ラサアプソの性格や特性
ラサアプソは、非常に知能やプライドが高く、負けず嫌いです。
しかし、一方で遊び好きな一面も持ち合わせる性格をしています。
さらに、強い保護本能と鋭い聴覚を持つ特性があります。
そのため、家族や知っている人と不審者を見分けることに長けており、チベットでは古くから室内での番犬としての役割を果たしていました。
ラサアプソを家族に迎えるために
次はぜひラサアプソを家族にしたいという方に向けた話をしていきます。
ラサアプソは、初めて犬を飼う方よりもさまざまな犬を飼いなれた方にオススメです。
特に古代犬の面影を残す犬種を飼ってみたい方や被毛のケアを楽しむことができる方と相性がピッタリといえます。
◆ラサアプソの購入場所と価格
ラサアプソは、日本であまり流通しない希少な犬種です。
そのため、ペットショップではほぼ見つけられず、ブリーダーから購入することが一般的です。
ただし、希少な犬種のために欲しい時期に出会える可能性は低いです。
ぜひ飼いたいという方は、早めにブリーダーとコンタクトをとり、譲ってもらうようにしましょう。
ちなみに、価格は子犬で10~30万円前後となります。
ラサアプソの飼い方
◆飼育環境
ラサアプソは、昔から室内で飼われている犬種です。
そもそもラサアプソの長く美しい被毛は屋外飼育では保つことができません。
特に夏場では、暑さで蒸れて皮膚炎や熱中症の危険性もあります。
必ずラサアプソは室内で飼育しましょう。
◆食事
ラサアプソは長く美しいストレートな被毛も覆われています。
被毛を美しく保つためには、良質なたんぱく質が取れる食事(エサ)を選ぶようにしましょう。
◆運動
ラサアプソは室内犬のため、多くの運動を必要としません。
しかし、健康保持やストレス解消のためには適度な運動は大切になります。
1日30分程度の散歩や広い室内や庭で遊ばせるなど、適度な運動ができるようにしましょう。
◆寿命
ラサアプソの平均寿命は、12~14歳です。
これは一般的な小型犬の寿命である12~15歳と比べてもほぼ変わりません。
◆かかりやすい病気
・皮膚炎
ラサアプソの被毛はダブルコートで、熱がこもりやすいことから皮膚炎になりやすいです。
皮膚炎になると、かゆみ・湿疹・脱毛といった症状が現れます。
特に夏は暑さで蒸れやすくなるため、注意が必要です。
・第三眼瞼腺逸脱(だいさんがんけんせんいつだつ)
眼頭の内側にある第三の瞼の腺組織が飛び出してしまう病気です。
さくらんぼのようにみえることから通称チェリーアイとも呼ばれます。
原因は先天的に第三瞼の付着が弱いことで起こり、ラサアプソもなりやすい犬種です。
・膝蓋骨脱臼
膝のお皿が外れてしまう病気で、ラサアプソのような小型犬がなりやすい疾患です。
症状が軽ければ鎮痛剤の使用で自然治癒を待ちます。重症の場合には手術が必要となります。
予防するためには、フローリングの滑り止めや段差を軽減した環境を整えることが有効です。
なお愛犬の健康は、飼い主が責任をもって守る必要があります。
いつもと何か違うと思ったら、早めに動物病院へ相談するようにしましょう。
◆しつけ
●幼いうちから主従関係を築いておく
ラサアプソはプライドが高く負けず嫌いな性格から、しっかり主従関係を築いておかないと扱いにくい犬種です。特に飼い主が下に位置づけられてしまうと、まったく言うことを聞かなくなる可能性もあります。
そのため、子犬の頃から生活や遊びの中で、飼い主が上であるという主従関係を築いておきましょう。
●無駄吠えしないようにしつける
もともとラサアプソは、チベットでは優れた聴力とよく吠える特性から番犬として活躍していただけに、無駄吠えが多くなりやすい犬種です。
無駄吠えが多いと、ご近所トラブルになることもあります。
そのため、子犬の頃より様々な人や動物と触れ合わせることや生活音にも慣れさせ、社会性を身に着けられるように関わることが大切です。
◆お手入れ
日頃からこまめなお手入れは、健康管理だけでなく、犬との信頼関係を気づくために大切です。
・ブラッシング
ラサアプソは長く美しい被毛をもちます。
さらに、被毛がダブルコートで毛が抜けやすく、毛がそのままだともつれや毛玉になりやすくなります。
美しい被毛を保つために、日頃からこまめなブラッシングが必要です。
・耳掃除
ラサアプソは垂れ耳で、耳の中にも毛が生えることから、耳トラブルを起こしやすい犬種です。
そのため、こまめな耳掃除が必要になります。
方法としては、イヤークリーナをつけたティッシュや耳掃除シートで耳垢を拭き取ることが有効です。
ただし、ワンちゃんの中には耳掃除が苦手子もいます。無理せず難しい場合にはトリミングサロンや動物病院といった専門家へお願いするようにしましょう。
・歯磨き
人と同じように犬も歯磨きにより、歯の健康を保つことがいつまでも元気で過ごすために必要です。
そのため、幼い頃から歯を触る機会を設けて、歯磨きに慣れさせておくことが大切です。
方法としては、飼い主がこまめに犬用歯ブラシやガーゼで歯磨きすることが一般的です。
ただし、ワンちゃんの中にはどうしても歯磨きが苦手な子もいます。
その場合には、デンタルケアガムや遊ぶことで歯が磨けるおもちゃが有効です。
一番は、一度に全部の歯をきれいに磨こうと愛犬に無理強いせずに、ガムやおもちゃも使いながら歯磨きを継続していくことが大切です。
・トリミング
ラサアプソは長毛種のため、トリミングにより様々なカットスタイルを楽しむことができます。
また被毛がダブルコートで皮膚炎になりやすく、長い毛が目に入ると目の病気にもなりやすいことから毛の長さや皮膚を清潔に保てるよう、月に一度のトリミングが必要です。
でも金銭面を考えると、自宅でシャンプーやカットはできないのかと考える飼い主の方もいると思います。
しかし、ラサアプソは毛が長く毛量が多い犬種のため、自宅でシャンプーやカットは難しいです。
ぜひ、トリミングサロンに通って、清潔で美しいシルエットを保てるようにしましょう。
まとめ
今回は、聞きなれない珍しい犬種のラサアプソの生態から飼い方までを紹介しました。
ラサアプソは見た目はシーズーにそっくりながら、古代犬の面影を残し、チベットでは「聖なる犬」と崇拝されるほど魅力的な犬種になります。
さまざまな犬を飼っていた経験があり、古代犬の面影を残す犬種を飼ってみたい方や被毛のケアを楽しむことができる方が飼い主にピッタリです。
ぜひ、ラサアプソを新しい家族に迎い入れる際には、本記事を参考にして頂けると嬉しいです。
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