1.そもそも「またたび」とは?
1-1.山に自生している植物
1-2.古くから漢方薬や食用として重宝される
1-3.またたびの注目すべき健康成分とは?
2.猫ちゃんウットリ…!またたびを与えたときの反応は?
2-1.またたびで起こる猫のさまざまな反応
2-2.猫がまたたびに反応するのはヤコブソン器官をもつため
2-3.すべての猫ちゃんが反応するわけでもない
3.犬は「またたび」でどんな反応をするの?
3-1.犬は嗅覚が優れている動物
3-2.犬はまたたびへの反応がゼロ
5.犬にとっての“またたび”要素のあるモノは?
5-1.ガジガジできる「動物の骨やひづめ」
5-2.クセになるかも…噛んでいると落ち着く「ガム」
5-3.遊ぶとウットリ…香りつきの犬用おもちゃ
そもそも「またたび」とは?
まずは、「またたび」がどんなものかについて、見ていきましょう。
◆山に自生している植物
またたびは、日本全国に自生している「マタタビ科マタタビ属」のつる性の植物です。
夏が近づくと、梅の花に似た雰囲気の可愛らしい白い小さな花を咲かせるまたたび。
秋になれば、それが果実になります。
夏に梅のような花を咲かせる特徴から、またたびは「夏梅」と言われることもある植物です。
◆古くから漢方薬や食用として重宝される
またたびは、古くから漢方薬として親しまれていた植物です。
滋養強壮効果があり、疲労した体を回復させるための効果もあり、薬としても重宝されていました。
またたびは、飲用・食用もできる植物です。
葉っぱを乾かし、お茶として飲むことが可能。
慢性的な疲労回復効果や免疫アップも期待できると言われています。
また、「実」を塩漬けや果実酒などとして食べる方もいます。
◆またたびの注目すべき健康成分とは?
またたびのなかには、健康成分として注目できるものも多いです。
人間にとって、またたびはどんな効果があるのでしょうか。
またたびの成分についていくつか挙げてみます。
マタタビオール
マタタビオールには、血流をアップする作用があります。
冷え性を改善してくれるとも言われています。
万病のもとと言われる「冷え」は、健康にも悪影響があり、さまざまな不調につながる要因にもなります。
眠る前にまたたび茶を飲めば、体がポカポカと温まるでしょう。
アクチニジン
アクチニジンは、たんぱく質を分解する消化酵素で、マタタビ属の実に含まれている成分です。
マタタビ属の植物として「キウイフルーツ」がありますが、同様に含まれています。
アクチニジンは、消化不良を防いでくれるので、胃の健康にも役立ちます。
ビタミンA・ビタミンC
がんの原因になると言われる「活性酸素」を取り除く作用があるビタミンA・ビタミンCも含まれています。
抗酸化作用で生活習慣病も改善してくれます。
また、免疫アップの効果も期待できる成分です。
猫ちゃんウットリ…!またたびを与えたときの反応は?
猫がとりこになると言われるまたたび。
いったいどんな反応を示すのでしょうか?
◆またたびで起こる猫のさまざまな反応
「またたびで猫が酔う」という表現を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
またたびには、アルコール成分はありません。
そのため、実際に「酔う」ことはないですが、まるで酔っているかのように見えます。
猫は、またたびの香りがとてもリラックスするようで、
・機嫌がよくなる
・飼い主さんにくっついて甘える
・またたびに体を密着させて嬉しそう
・喉をゴロゴロと楽しそう
などの反応を見せることが多いです。
気持ちよさそうに動き回ることから、「またたび踊り」と言われることもあります。
しかし、なかには興奮状態がマックスとなり、喜ぶ様子よりも凶暴になる子も…。
またたびによる刺激がどの程度起こるかは、猫ちゃんの個体差も関係しています。
体質によって、反応の大小も違います。
◆猫がまたたびに反応するのはヤコブソン器官をもつため
またたびには、マタタビラクトンやフェニルエチルアルコール、アクチニジンという成分が含まれています。
猫が持つ「ヤコブソン器官」がそれらの成分に敏感に感知するのだとか。
この器官で感じ取った成分は、猫の中枢神経に直接作用するため、まるで酔っぱらったような反応を見せるのです。
◆すべての猫ちゃんが反応するわけでもない
またたびによる反応は、すべての猫に起こるわけではありません。
極端に反応する子もいれば、反応が鈍い子もいます。
どちらかというとまたたびに反応しやすいのはオス猫です。
また、フェロモンを感知する器官がまたたびの成分を感じ取るため、子猫はあまり反応しないようです。
犬は「またたび」でどんな反応をするの?
またたびで喜ぶ様子がとても可愛らしい猫ちゃん。
嬉しそう小躍りするような様子も、いつもクールな猫とは違う一面です。
そこで、ワンちゃんにまたたびを与えたとき、「猫と同じ反応なのか」が気になりますよね。
いったいどんな反応があるのでしょうか?
◆犬は嗅覚が優れている動物
ニオイの種類にもよりますが、犬の嗅覚は人間と比べると、100万倍から1億倍とも考えられています。
犬の鼻には、ニオイを敏感に察知ができる特徴があります。
人間も犬も「ニオイを感じとる」という部分で鼻の構造は同じです。
ただ、ニオイが鼻に侵入したとき、それを脳へ伝える粘膜層の広さに違いがあることで、犬は嗅覚に優れています。
犬は鼻腔内が人間よりもはるかに広く、さらにニオイを脳に伝える細胞数も圧倒的に多いのです。
特に、鼻の長い犬の方が嗅覚は優れています。
ニオイを嗅いで活躍する警察犬に鼻の長い犬が多いのは、そんな背景からと言えるでしょう。
また、前述したような「ヤコブソン器官」は、猫だけでなく犬にもあります。
ヤコブソン器官は、一般的なニオイとは違った“フェロモン”を感じ取る器官で、動物によって発達の度合いが異なっています。
通常のニオイとは別ルートで、フェロモンを脳へと伝えることができる器官です。
特に、猫はヤコブソン器官で伝わったフェロモンの感知度が高く、どこか遠くを見ているかのようなウットリした表情の“フレーメン反応”という生理現象が見られることも多いです。
犬には、フレーメン反応はあまり見られません。
◆犬はまたたびへの反応がゼロ
犬は、猫よりも嗅覚に優れているため、またたびのニオイに強く反応しそうな感じがするかもしれません。
しかし、実は、犬にまたたびをあげても、猫のような嬉しいテンションの反応は見せてもらえません。
猫のほろ酔い状態を誘う「マタタビラクトン」「フェニルエチルアルコール」「アクチニジン」という成分は、犬の神経には反応しないからです。
猫と同じような反応を期待して、犬の目の前にまたたびを置いても喜びはなく、むしろ「これは…?何?」というような怪訝な表情を見せるかもしれませんね。
ニオイには何らかの反応はあるでしょうが、「またたびだ!」とほろ酔い気分で喜ぶことはないようです。
犬にまたたびを与えても大丈夫?
犬と猫を一緒に飼っている場合、猫にあげようとしたまたたびをワンちゃんが口にしてしまう可能性もあります。
そこで、「犬が食べても大丈夫なのか?」は気になりますよね。
またたびは、犬が食べて体内に入っても、特に問題はありません。
猫にあげるはずのまたたびを犬が食べても、それほど焦る必要もないでしょう。
ただ、注意したいのは、与え方です。
「実がついたまま、全部飲み込んだ」
「たくさん食べ過ぎた」
「枝を飲み込んでしまった」
など、気管に詰まる食べ方をすると、体へのよくない影響が考えられます。
犬の体に害はない「またたび」ですが、積極的に与えることは避けるべきでしょう。
犬にとっての“またたび”要素のあるモノは?
またたびは、猫にとってはウットリした表情を引き出す、まるで人間にとってのお酒のようなものです。
犬に、犬にとって“またたび”の効果を得られるような代わりのものはあるのでしょうか。
ニオイを嗅ぐだけで酔っぱらったような独特の反応を見せるような“またたび”要素のあるモノは、犬には特にありません。
ただ、「嬉しい~!」「やった~!」というように、喜ばせたりできるものはあります。
またたびの代わりとは言えませんが、犬のリラックス状態を引き出し喜んでもらえるものをいくつか紹介していきます。
◆ガジガジできる「動物の骨やひづめ」
犬に与えることのできるおやつとして、牛の骨やひづめなどがあります。
牛骨には腱やスジが付いていて、栄養素も含まれています。
動物の骨やひづめをガジガジしていると、犬はリラックスした時間を過ごせるするようです。
顎を使って噛むことで筋肉もつき、骨の成分が分解されて歯の強化にもつながると言われています。
歯みがきケアとして骨やひづめを与えている飼い主さんもいるでしょう。
ただ、注意したいのは
食べさせ方です。
・尖った部分を噛んで口内を傷つけてしまう
・サイズ感が合わずに口を傷つける
・初めて大量に食べてお腹を壊した
・噛んでいる途中に割れた欠片を飲み込む
・ずっと噛み続けて歯が折れる
など、硬い骨やひづめが原因となり、犬のお口のケガにつながることも。
初めて与えるときには、犬自身も骨やひづめなどの硬いものに慣れていないため、「飼い主さんが見守る」「時間を決めて少量ずる」などの注意が必要です。
◆クセになるかも…噛んでいると落ち着く「ガム」
骨などの硬いものが心配…というケースなら、犬用のガムがいいでしょう。
主に、歯磨きを目的に与える飼い主さんも多いかと思います。
ガムを噛むことで唾液も増え、「歯垢の除去」や「口臭の軽減」などの効果があります。
そのほか、「噛む」という行為は、ワンちゃんのストレス解消にもつながると考えられています。
じっくりとゆっくりと噛めるガムは、犬にとってはホッとできるひと時かもしれませんね。
犬用おやつとして、ガムはたくさん売られています。
ガムと言っても、噛み応えのあるような硬さのものから、高齢犬でもポリポリと噛める「やわらかめ」のものまであります。
硬すぎると歯が欠ける・歯が折れるリスクもあるため注意が必要です。
「大型犬用・小型犬用」「高齢犬用」など、体の大きさや年齢に合わせたものを選ぶといいでしょう。
また、骨やひづめと同様に、硬くて口内を傷つけたり、喉に詰まらせることも。
与えるときには、くれぐれも犬から目を離さないことが大事です。
◆遊ぶとウットリ…香りつきの犬用おもちゃ
犬の嗅覚を刺激する香りつきの市販のおもちゃもあります。
フルーツやチョコなど甘めの香りや、お肉の香りなどさまざまです。
おやつを入れて遊ばせる犬用知育玩具もあります。
ボールのような形状で小さな穴が開いているタイプのものは、コロコロと転がすと、なかに入っていたおやつがポトリ…。
「転がすと美味しいおやつが出てくる」と愛犬も夢中になってくれるでしょう。
また、複雑な形状をしたおもちゃの隙間に、おやつを隠して遊ばせるものもあります。
クンクンと香りに惹きつけられ、愛犬もしっぽを振りながら喜んでくれそうです。
まとめ
猫は、またたびのにおいを嗅ぐとほろ酔い状態になることがあります。
またたびに夢中になっていつもと違うキュートな一面が見られるのも飼い主さんだけの幸せですよね。
犬も同じ効果があるかと思いきや、猫をとりこにさせる“またたび”効果は犬にはありません。
ただし、またたびではなくても、犬が喜び夢中になるものがいくつかあります。
骨やガムはワンちゃん達のリラックス効果を引き出すアイテム。
でも、硬すぎるとお口のトラブルにもなるので与える際は飼い主さんが見守るようにしましょう。
また、おやつを入れて遊ぶおもちゃなら、体のサイズや年齢に関わらず、ワンちゃんも楽しく遊べそうですね。
集中力アップや運動不足解消にもつながります。
夢中になって遊んでいる愛犬の姿には、飼い主さんの方がメロメロになりそうですね。
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