1.日本の歴史ある暖房器具「こたつ」
2.犬がこたつ好きなのには理由がある
2-1.「寒い!」とにかく温まりたいから
2-2.こたつの空間が本能的に好き
2-3.飼い主さんの近くにいたい
2-4.こたつのニオイが好き
3.人間用のこたつは犬にとっては熱い!考えられるリスクとは?
4.犬に人間用のこたつを使わせるときの注意点
4-1.こたつ選びに注意する
4-2.こたつのオンオフをこまめに行う
4-3.ときどき「こたつ」内の空気を入れ替える
4-4.熱中症を見逃さない
4-5.お肌のケアをする
4-6.コードのいたずらに要注意
4-7.こたつ内が不衛生になっていませんか?
4-8.留守番のときにはスイッチを切る
4-9.こたつに入るときの犬のスタイルにも注意しよう
日本の歴史ある暖房器具「こたつ」
日本では、冬の暖房器具として、古い時代から馴染み深いのが「こたつ」ですよね。
こたつの原型は室町時代にまで遡ります。
当時のこたつの熱源は “火”でした。
囲炉裏を囲うように木で枠を組み、それに布団をかけて暖をとっていました。
こたつは電気がなかった時代から歴史がスタートした冬の暖房器具です。
それからさまざまな改良がされ、現在使われているような形の「電気こたつ」が生まれたのです。
こたつがほかの暖房器具と違うのは、“暖まり方”ではないでしょうか。
エアコンや石油ファンヒーター、電気ストーブなどさまざまな暖房がありますが、それらはすべて室内の空気を暖めます。
一方、こたつは基本的に足元を直接的に温め、じんわりと体に熱を与えていく方法です。
冬には、外出先から帰宅すると手足が冷たい…なんてことが多いですよね。
そんなときには、こたつに入ってしばらくすると、じわじわと体温が上がってきます。
犬がこたつ好きなのには理由がある
「猫はこたつで丸くなる~♪」という歌がありますが、犬だってこたつで丸くなります。
冬になると「こたつ好き」な犬が急増します。
そこで、犬がこたつに入る理由について、いくつか紹介していきます。
◆「寒い!」とにかく温まりたいから
人間と同じように「寒い」という理由でこたつに入る犬は多いです。
“寒がり犬”の特徴
-
・シングルコート
・短毛
・南国原産の犬
・超小型犬
・痩せ型
・子犬
・高齢の犬
など
逆に、
・寒い地域原産の犬
・大型犬
・ダブルコートの犬
などは寒さに強い傾向です。
ただ、いくつかの要因が絡んで寒がりとなる子もいます。
たとえば、「ダブルコートで長毛」という特徴を持つ犬は被毛で防寒対策がしやすいですが、高齢になると体の機能が衰えて寒がりになります。
それに高齢になって体が痩せて筋肉量が減り、寒さを感じやすくなっているケースもあるでしょう。
どんな犬でも、日本の寒い冬がやってくると「寒い~」とこたつで丸くなりたくなるのかもしれませんね。
◆こたつの空間が本能的に好き
犬はこたつ内部の“薄暗さ”と“閉鎖空間”が本能的に落ち着くようです。
野生犬時代には、寝床にするためにちょうどよい大きさの穴を見つけ、敵から身を守っていました。
薄暗くて狭い穴は、とても落ち着く空間だったのでしょう。
こたつは電気をつければ明るさがあるかもしれませんが、狭くて囲われるところは「寝床の穴」に通じる部分がありますよね。
◆飼い主さんの近くにいたい
こたつを使っている飼い主さんの近くにいたくて、こたつに入ってくる犬もいます。
大好きな飼い主さんに密着できて、さらに内部からほんのり暖かな空気が…。
犬にとっては、幸せな夢心地の時間となるのではないでしょうか。
また、犬は集団生活をしていた歴史もあるので、ふだん一緒に暮らしている飼い主さんの行動を「真似したい」という気持ちもあるようです。
リーダーと信頼している飼い主さんが入るこたつなら、きっと安心…!
そんな気持ちで一緒に入ってくるのかもしれませんね。
愛犬が自分を慕ってくれるという視点で見ると、何気ない「こたつタイム」も素晴らしく充実した時間に思えそうですね。
◆こたつのニオイが好き
こたつのニオイが好きというわんちゃんもいるようです。
飼い主さんがいつものように使っているこたつは、「こたつのニオイ」というよりも「飼い主さんのニオイ」といったところでしょうか。
こたつに近づくだけで、大好きな飼い主さんに包まれているような感じ。
飼い主さんがいなくても、こたつを使うことで安心感があるのかもしれませんね。
人間用のこたつは犬にとっては熱い!考えられるリスクとは?
人間は洋服を着てこたつを利用するため、熱をダイレクトに受けることがありません。
皮膚とこたつとの間に「洋服」という層があることで、熱さがちょうどよくなるイメージです。
しかし、犬は被毛をまとっているだけで、こたつ内の熱を直に受けてしまいます。
そこで考えられるリスクが熱中症や低温やけど、脱水症状です。
特に、こたつに潜りこんで熱を放射しているヒーター部分に近い距離で過ごしている犬の場合、知らず知らずのうちに低温やけどを起こすリスクが高まるでしょう。
犬に人間用のこたつを使わせるときの注意点
人間だって犬だって寒さに凍えそうな冬。
愛犬とともに、こたつに入って暖をとりたいものですよね。
でも、犬が人間用のこたつを使うことは、危険と背中合わせのポイントも多いのです。
愛犬の体を守るためには、最低限おさえておきたい注意ポイントを見ていきましょう。
◆こたつ選びに注意する
犬が使うことを想定するなら、犬目線でこたつ選びをしましょう。
こたつには、平面パネルで薄型の「フラットヒーター」、遠赤外線の熱でじわじわと温まる「石英管ヒーター」、即暖でパワーのある「ハロゲンヒーター」などの種類があります。
なかでも、犬に優しいのは「フラットヒーター」タイプです。
出っ張りがなく、暖かみがマイルドなので犬の体への負担が少ないでしょう。
◆こたつのオンオフをこまめに行う
こたつの中の温度が急上昇しないように、オンオフをこまめに行うようにしましょう。
内部の温度が熱すぎると低温やけどや熱中症、脱水症状のリスクもあるからです。
特に注意したいのは、温度設定を“強”にしたまま利用することです。
寒いときでも、できるだけ犬への負担が小さくて済む“弱”を選ぶようにしましょう。
こまめにオンオフを心がけ、こたつ内部が熱すぎないようにしてくださいね。
「温度設定を弱にしてある」という場合でも、低温やけどのリスクがあります。
ときどき電源を切って、こたつ内をクールダウンさせましょう。
また、最近のこたつにはサーモスタット機能がついているものもあります。
センサーが内部の温度を感知して自動でオンオフできれば、こたつ内の温度が極端に上がらず犬も安心です。
◆ときどき「こたつ」内の空気を入れ替える
ときどき、こたつ布団をめくって空気を循環させましょう。
熱くなり過ぎたこたつの中の温度を下げ、再び暖めるのもいいですね。
◆熱中症を見逃さない
こたつで熱中症になる犬もいるため注意しましょう。
そもそも犬は人間のように汗をかかない動物です。
体温が上がっても上手く調整できないため、温度の急上昇によって熱中症になるリスクが高いです。
「こたつで熱中症…!?」と思うかもしれませんが、実際に珍しいことではないため注意しましょう。
また、喉が渇いたときにいつでも飲めるように水の準備を忘れずに。
水入れ器がこぼれて飲めなくなると熱中症を悪化させるため、何ヶ所かに水入れ器を置く、もしくは自動給水器などもおすすめです。
◆お肌のケアをする
犬の肌は薄く、こたつの熱で乾燥してしまいます。
肌の水分が失われて乾燥肌になっていないか、かゆみや赤みなどをチェックしてくださいね。
また、こたつの利用のし過ぎで肉球がパサパサと乾燥することもあります。
本来、しっとり肉球でフローリングの滑り止め効果を持つ肉球。
乾燥で硬くなり滑ってケガをするかもしれません。
ひび割れが悪化して、痛がる可能性もあります。
ペット用の肉球クリームなどで、ときどきケアしてくださいね。
◆コードのいたずらに要注意
こたつは電化製品なので、コードのいたずらに注意しましょう。
電気が通っているコードを噛むと、犬が感電してやけどをするリスクがあります。
最悪、やけどだけに留まらず、命を落としてしまう可能性はゼロとは言えません。
また、犬がコードをかじったことで断線し、それが引き金となって火災を起こす可能性も考えられます。
愛犬も飼い主さんもどちらも危険な目にあってしまいます。
コードを噛まないように学習してくれればいいですが、もし心配なときには「配線カバー」などで保護しておきましょう。
◆こたつ内が不衛生になっていませんか?
犬がこたつに潜ってゴロゴロするのが日課…という場合、気をつけなければならないのが「こたつ内」の衛生面です。
寝転がっているうちに取れた被毛や皮脂に集まったダニの温床になっていることも考えられます。
犬が使ったときに周辺に付着した被毛をときどき粘着テープで取り除いておくとお手入れが楽になるでしょう。
毎日の掃除機掛けのときには、こたつ布団をめくってしっかり掃除をしましょう。
また、わんちゃんが熱中症で具合が悪くなり、こたつ内部で嘔吐をしてしまうと、飼い主さんが気づかないこともあります。
こたつのなかに嘔吐の跡がないかもチェックしましょう。
汚れた部分は洗濯をするなどして、清潔を保ってくださいね。
同時に、愛犬の体の汚れもケアしてあげましょう。
◆留守番のときにはスイッチを切る
お出かけの際には、こたつのスイッチを切るのを忘れないようにしましょう。
「ちょっとそこまでの外出」ということでも、スイッチを切ってくださいね。
「こたつは電化製品だから危ない」という認識は、犬にはありません。
飼い主さんがいなくて暇を持て余し「コードをガジガジ…」と感電するリスクもあります。
電源のオンオフや空気の入替えをしてくれる飼い主さんがいないと、こたつ布団で“密室化”しているこたつ内で酸欠になってしまっては大変です。
電源をオフにすることはもちろん、コードも抜いておきましょう。
お留守番をさせるときには飼い主さんの目の届く範囲でギリギリまでこたつに電気を入れておけば、中は余韻でほんのり暖かいものです。
それでも不安なときには、ケージ内で留守番させるなど、安全対策も忘れずにおこなってくださいね。
◆こたつに入るときの犬のスタイルにも注意しよう
顔だけ出して体だけをこたつ空間に入れる犬、こたつの中に顔も体も入ってしまう犬…など、さまざまなスタイルでこたつを利用するかもしれません。
でも、こたつのなかに体全体が入ると、乾燥肌や目の渇きなどのリスクが高まります。
こたつ布団で空間が密閉されていると、酸欠する可能性もあるため特に注意が必要です。
犬用のこたつも市販されている
人間用のこたつは、「人間が温まるため」に開発された商品です。
人間の体がどのように温まるか、体への負担はどれくらいか…などが計算され「人間が使うこと」を想定して作られています。
そのため、人間用のこたつを犬に使わせるのは、飼い主さんがあらゆるリスクを考えながら自己責任で使うことになります。
そこで、注目したいのが“犬用こたつ”です。
これは「犬が温まること」を目的に作られているので、
・ヒーターにお肌が直接触れない
・犬がこたつ内に入ってもまぶしくならない
・犬の皮膚を守る低温設定
・噛みつき防止でコードにカバーしてある
など、わんちゃんを守る構造で安心です。
また、犬のサイズに合わせた小さなこたつで入口の出入りがしやすく、愛犬も喜びそうです。
まとめ
犬がこたつで温まっている姿はとても可愛らしいですよね。
それに、犬と密着している時間は、体だけでなく気持ちまで温めてくれます。
寒い冬には重宝するアイテムですが、人間用のこたつは犬の使い方によっては体への負担が大きいです。
電気を使っている製品ですから感電、それに皮膚の薄い犬は熱中症や脱水症状になるリスクもあるのです。
「スヤスヤ寝ている」と思ったら、実は熱中症でダウンしていることも考えられます。
「犬がどうしてこたつ好きなのか?」を知り、こたつを使うときの注意点をおさえておきましょう。
こたつを正しく使い、寒い冬をわんちゃんと安全・安心で乗り切ってくださいね。
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