1.犬とインコは一緒に飼えるのか
2.犬とインコを一緒に飼うことが難しい理由
2-1.狩猟犬は本能的に追いかけてしまう
2-2.インコはストレスに弱い
2-3.気難しく嫉妬しやすいインコ
2-4.個体ごとの性格による相性の影響
3.犬とインコを飼うときの注意点
3-1.飼育スペースを分ける
3-2.鳥かごは犬の届かない場所に
3-3.鳥かごには鍵を
3-4.遊ぶ時間は別々に
3-5.子犬の時期は避ける
犬とインコは一緒に飼えるのか
犬もインコも好き、あるいは興味がある人にとって、一緒に飼えるかどうかは大きな問題ですね。
インコと犬を一緒に飼うことは、基本的におすすめできません。犬種による違いや個体差があるため、犬とインコを一緒に飼うことができる場合もあります。しかし、これは例外的なものと考えた方がよいでしょう。
犬とインコは、本来、捕食者と被食者の関係だからです。
犬とインコを一緒に飼うことが難しい理由
ここでは、一緒に飼うことが難しい理由を具体的に解説していきます。
◆狩猟犬は本能的に追いかけてしまう
野生の頃の犬は、群れで狩りをして食べ物を得ていました。人間と暮らすようになって食べ物は与えられるようになりましたが、その狩猟本能が全く消えてしまったわけではありません。
人間が使役しやすいような育種が行われ、現在の様々な犬種が生まれましたが、中でも、狩猟犬は鳥や小動物などの獲物を追い立てて猟を助けてきた歴史があるため、獲物を追う本能が強く残っています。特にインコを追いかけてしまう可能性が高いのは鳥猟犬として活躍してきた犬種で、
・柴犬
・ラブラドールレトリバー
・プードル
・アメリカンコッカースパニエル
・イングリッシュセッター
などが挙げられます。
また、牧羊犬も家畜を追って移動させる役割を担ってきているので、追いかけること自体が本能的な行動です。
それ以外の犬でも、動くものを見ると追いかけてしまう子は少なくありません。散歩中にハトなどを追い立ててしまう子も、珍しくないですよね。
◆インコはストレスに弱い
一方、インコは、ストレスに対して非常に弱く繊細な動物です。
ストレスが原因で、食欲不振や健康状態の悪化が見られることも少なくありません。
犬と一緒に飼うことでインコがストレスを感じるリスクが増える可能性は、頭に入れておかなくてはならないでしょう。ストレスを与えすぎることで、インコが長生きできなくなる可能性もあります。
◆気難しく嫉妬しやすいインコ
インコは気難しく、嫉妬しやすい性格をしています。このため、他の動物に愛情が向けられることに嫉妬してしまいやすいのです。特に、インコが先住の場合、この傾向が強くなります。
嫉妬は強いストレスとなり、毛引きなどの問題行動につながることも少なくありません。
◆個体ごとの性格による相性の影響
それぞれの種が本来的に持つ性質とは別に、個体ごとに性格があります。この性格が、犬とインコの相性に影響する場合があります。
犬の性格が臆病だったり攻撃的だったりする場合は、特に注意が必要です。もともと攻撃的な子はもちろんですが、臆病な子も恐怖から自分を守るために攻撃に転じることがあります。
犬とインコを飼うときの注意点
◆飼育スペースを分ける
ここまでお伝えしたとおり、犬とインコが一緒に過ごすことはリスクを避けて通れません。
悲しい事故を起こさないためにも、飼育スペースを分け、別々の部屋で飼うようにしましょう。
鳥かごは犬が入れる部屋には置かず、インコ用の部屋を準備することをおすすめします。
部屋を分けていてもインコが出てしまうと、意味がありません。特に手乗りの場合、鳥かごから出して自由に遊ばせたり(放鳥)、飼い主さんが一緒に遊んであげたりする必要があります。鳥かごから出すときには、部屋のドアを閉めることを徹底しましょう。
また、他の家族や同居人が誤ってドアを開けないように、鳥かごから出していることを必ず伝えておきます。
ドアを閉めることと、家族などに声掛けをすることは習慣づけておくといいですね。
◆鳥かごは犬の届かない場所に
部屋を別々にすることが難しい場合には、鳥かごを床に置くことは絶対に避けて、犬の届かない高さに設置しましょう。
また、犬にも専用のケージを用意してください。
◆鳥かごには鍵を
インコは頭がよく器用な動物で、知らないうちに鳥かごの扉を開けてしまうことがあります。また、犬が扉を開けてしまうこともあります。
犬の足や顔が鳥かごに入ってしまうと、インコはパニック起こしたり、扉の隙間から逃げてしまったりするかもしれません。
鍵をつけたり、クリップや洗濯ばさみで扉が開かないようにしたりして、あらかじめ対処しておきましょう。
◆遊ぶ時間は別々に
同じ部屋で飼わなくてはならない場合には、遊ぶ時間をそれぞれに取ってあげましょう。
インコを鳥かごから出すときには犬をケージに入れ、犬がケージから出ているときにはインコを鳥かごから出さないように、遊ぶ時間をきちんと分けてあげてください。
それぞれにお世話をできる家族がいるなら、犬のお散歩中にインコを遊ばせるようにしても良いでしょう。
◆子犬の時期は避ける
好奇心が強く、動き回ることの多い子犬の時期は、一緒に飼うことを止めておきましょう。
好奇心のままに動き回る子犬はインコを追いかけてしまう可能性が高いです。また、しつけもまだきちんと入っていないため、言うことを聞かない場合も少なくありません。
犬と一緒に飼いやすいペット
犬とインコを一緒に飼うことの難しさをお伝えしてきました。
それでも、動物好きの飼い主さんは他にもペットを飼いたいと思うことがあるでしょう。
ここでは、犬と一緒に飼いやすいペットをご紹介していきます。
◆猫
空前の猫ブームが続いている現在、猫の飼育頭数は犬のそれを超えています。このため、犬と猫が同居するケースは少なくないようです。
犬と猫は、どちらも狩りをする捕食者なので相性は悪くありません。ただし、両者が同じ部屋で仲良く過ごしている場合もあれば、別々のスペースで互いに無視して過ごしている場合もあります。
相性を決める要因
両者の相性は、どちらが先住かによって決まることが多いです。
犬は群れをつくる習性から後から加わった存在を受け入れることに抵抗が少ないですが、猫は基本的に単独行動をするため血縁以外の新しい存在がストレスになりがちです。
相性がよくなる可能性が高いのは、先住の子がいる場合に生後2~3ヶ月の子を新しく迎えるケースです。この月齢は「社会化期」で、さまざまなものを受け入れやすい時期だからです。
また、犬種も相性の良し悪しに関係しています。
ダックスフント、ジャーマンシェパード、コッカースパニエル、コリー、ボーダーコリー、プードル、バセットハウンド、ビーグル、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなどは、猫と仲良くできる傾向があります。
仲良くさせるコツ
いきなり対面させず、隔離した状態で互いの匂いに慣れさせましょう。それぞれのニオイのついたタオルなどを、お互いのケージや部屋に置いて慣れるのを待ちます。十分に慣れた後、ケージ越しに対面させ、様子を見ながら直接触れ合わせるようにしてください。
その場合も、猫が高いところに逃げられるようにしておき、猫トイレは犬が入れない場所に置いてあげましょう。
また、お留守番のときや就寝中など人の目が届かないときには、隔離しておくと安心です。
◆フェレット
イタチ科のフェレットも、人気の高いペットです。
犬とも仲良くできますが、テリア系の子はイタチ狩りに使役されていたため、一緒にしてはいけません。ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなども相性が悪いようです。
個体差はありますが、コリーやピットブル、コーギー、ミックス犬などは、一般的に相性が良いとされています。
◆ウサギ
ウサギとの相性は悪くなく、小型犬の場合、猫よりも相性が良いかもしれません。
しかし、この場合は社会性を持つ動物であるウサギが譲歩しているのであって、一緒に居ることでストレスを感じている場合もあります。
同居させる場合には、犬にきちんとしたしつけをしておくことが重要です。
テリア系の子やビーグル、ウィペットなどはウサギを狩る猟犬としての歴史があるため、一緒に飼うことはやめておきましょう。ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなども、ウサギとの相性はあまり良くないようです。
一般的に相性が良いとされる犬種は、フェレットと同様です。
逆に、犬と相性のいいウサギは、ダッチ、ヒマラヤン、ハバナなどとされています。
ウサギと一緒に飼う場合には、犬にきちんとしつけをしておくことが必要です。徐々に互いの存在に慣らしていき、同じスペースにいる場合には目を離さないようにします。
ウサギがストレスを感じているようなら、同じ部屋で飼うことはやめておきましょう。
まとめ
犬とインコは、捕食者と被食者の関係であるため、基本的に一緒に飼うことは非常に難しいです。SNSなどには仲良しな画像や動画も散見されますが、やはり例外的なケースだと考えてください。
一緒に飼う場合には、それぞれに部屋を用意して隔離しましょう。部屋を分けられないなら、鳥かごは高い場所に置く、鍵をかけておくなどの対処が必要です。
同じスペースで遊ばせる場合には、必ず目を離さないようにしてください。また、犬のしつけもきちんとしておきましょう。
何より大切なのは、先住の子の生活を優先してあげることです。どうしても新しく迎えた子に目が行きがちですが、何事も先住の子を優先して大切に育ててあげてくださいね。
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