1.犬に牛肉を与えてもいいのか
1-1.与えても良い
1-2.効果
3.牛肉の与え方
3-1.適量
3-2.加熱をする
3-3.生で与える場合
3-4.食べやすく切る
3-5.脂質を摂りすぎない
3-6.牛肉だけを与えない
犬に牛肉を与えてもいいのか
◆与えても良い
牛肉は犬に与えても良い食べ物で、どのワンちゃんも大好きです。ビーフジャーキーなどの犬用おやつやドッグフードにもよく使われています。手作りごはんの材料やいつものごはんにトッピングしたり、人間のバーベキューを分けてあげたりするのも良いでしょう。
栄養素が豊富で健康管理に役立つ牛肉ですが、犬に与える際は衛生面やアレルギーなど注意が必要です。
◆効果
牛肉を調理していると人間でもわかる美味しそうなニオイがしますね。犬はこのニオイが大好きで食欲をそそります。食欲が落ちている犬にはごはんに牛肉をトッピングすると食べてくれることが多いです。ウェットフードにもよく使われているので、初めての犬にはドライフードに少し混ぜてみると良いでしょう。
牛肉にはタンパク質、脂肪、リン、ミネラル、カルシウムなどを豊富に含みます。どれも筋肉や骨、血液、内臓などをつくったり動かしたりするのに必要な栄養素です。
牛肉は食べすぎると肥満の原因になりますが、疲労回復に効果があるので運動量の多い犬や、体力の落ちた犬におすすめです。
牛肉に含まれる栄養素
牛肉には動物性タンパク質が多く含まれています。大豆などに含まれる植物性タンパク質よりも消化しやすいので犬の体に合った食べ物と言えます。
タンパク質を多く含む肉と言えば豚肉や鶏肉などたくさんありますが、牛肉は亜鉛や鉄分、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12などが多いのが特徴です。亜鉛やビタミンB群は皮膚や被毛をつくり、鉄分は血液をつくります。
タンパク質は体内でアミノ酸に変化し、エネルギー源となります。中でも食事から摂取する必要がある必須アミノ酸が牛肉には豊富に含まれています。疲労回復、貧血、毛並みを良くしたい犬に食べさせてみてください。
牛肉の与え方
◆適量
犬は人間よりタンパク質を5倍必要とするとされています。だからと言って肉ばかり食べていては栄養が偏ってしまいます。
犬が1日に食べる牛肉の量は体重の1~2%です。体重10㎏の犬なら1日100~200gの牛肉を食べてもOKということになります。ですが牛肉を与えるなら他の食事のカロリーを減らさなければいけません。
カロリーの過剰摂取を抑えるためにも、脂身の多いバラ肉などはさけ、ロース肉やモモ肉といった赤身の多い部位を選んであげてください。
間食として与えるなら、市販されている犬用ビーフジャーキーなどから試してみましょう。1日に食べても良い量は袋に記載されています。初めて食べるときは犬の大きさに関係なく1~2枚だけ与え、その後お腹を壊したり痒がったりしないかよく観察してください。
◆加熱をする
野生動物は狩りをし、獲物の肉を生で食べます。犬の祖先も肉食動物だったので、牛肉を生で与えても消化できます。現在でも山で猟師と一緒に狩りをする犬はさばきたての肉を貰います。
しかし生では食中毒の原因となる細菌が繁殖している可能性があります。さばきたての肉なら新鮮ですが、スーパーで市販されている牛肉は加工から時間が経っているので、必ず加熱してから与えてください。
ステーキにする場合は中がレアでも大丈夫なので、表面に火を通して冷ましてから与えましょう。煮たり茹でたりする場合は脂が出るので、脂を取り除いてヘルシーに食べることができます。
◆生で与える場合
衛生面では生肉を食べるのは危険ですが、メリットもあります。生肉には酵素が多く含まれており、これらには消化を助ける、細胞を修復するなどの働きがあります。しかし加熱すると酵素は減ってしまいます。同時にビタミンやミネラルなども減っています。
犬は胃酸の分泌が強いので、多少の細菌なら食べても大丈夫です。ですがお腹が強いかどうかはそれぞれの体質によって違います。生肉を与えるなら必ず新鮮で安全な肉を与えてください。レバーは犬の年齢や新鮮かどうかに関わらず、必ず加熱調理してから与えてください。
子犬や老犬は食中毒を起こした際、下痢や嘔吐でかなりの体力を消耗してしまいます。生肉は避けて加熱してから与えた方が良いでしょう。
◆食べやすく切る
犬の祖先は狩りをして獲物の肉の塊を食べていました。現代の犬も塊肉を食べられないというわけではありません。ですが現代の犬は雑食になり、品種改良を重ねたせいで祖先よりも消化能力が落ちています。
愛犬に牛肉を与える際は必ず小さく、または薄く切ってから与えてください。犬がフードを食べるところを見るとわかるように、あまり噛まずに飲み込んでしまうことがほとんどです。丸のみして喉に詰まらせる危険性もあるので、犬の口の大きさに合わせて小さくしてあげましょう。
◆脂質を摂りすぎない
人間は脂っこいものを食べると胸やけしますね。これは脂質を消化するのが他の栄養素より大変だからです。犬は人間よりも肉を消化するのが得意ですが、脂質の消化はやはり内臓への負担が大きいです。
牛肉は脂肪が多く、犬は脂身の味が多い部位を好みます。しかし内臓への負担を考えると脂身の多い部位や牛脂などは与えるべきではありません。過剰に摂取すると下痢や嘔吐、急性膵炎を起こすこともあります。すぐに症状がでなくても、長年の脂肪の摂りすぎが蓄積されると慢性膵炎を起こします。
◆牛肉だけを与えない
犬の祖先は肉食でも現在の犬はやはり雑食です。犬はタンパク質を多く必要とする体質ですが、ビタミンやミネラル、炭水化物なども摂取しなければ健康維持ができません。
手作り食で牛肉を与えるときは、ニンジンやブロッコリーなどの緑黄色野菜も取り入れてあげましょう。これらを1㎝くらいの大きさに切り、焼く、煮るなどするとバランスのよいごはんになります。調理の際に煮汁が出たら、余分な脂を取り除いて汁も一緒に与えてください。水分も同時に摂取できるので水をあまり飲まない子におすすめです。与えるまえに火傷しないように冷ますのを忘れないでください。
犬に牛肉を与える際の注意点
◆味付きはNG
犬に必要な塩分量は人間より少ないので、肉に味付けは不要です。人間用の調味料にはタマネギやニンニクなど、犬が食べると危険な食材が含まれているものも多いので、絶対に使わないでください。
ネギ類は犬にとってかなり有毒で、鍋についたわずかな量でも体調を崩すことがあります。人間がバーベキューをするときに犬にも食べさせることがあると思いますが、絶対に他の食材と一緒にしないよう注意が必要です。調理の際に鍋も人間と別にし、同じ鍋を使うなら洗剤で洗ってください。
味はなくても、犬は嗅覚が発達しているので充分肉のニオイを感じることができます。人間には薄味ですが、犬にはニオイと素材のおいしさを楽しんでもらいましょう。
◆アレルギーに注意
本来肉食の犬ですが、牛肉でアレルギーを起こす子も少なくありません。アレルギー症状は下痢や嘔吐、皮膚の痒みなどです。ドッグフードに使われる肉類は牛肉の他に豚肉、鶏肉、ラム肉、鹿肉などがあり、2種類以上含まれているものが多いです。症状が出ても何が原因かわかりにくいと思いますが、もしかして食物アレルギーではと感じたら動物病院での検査をおすすめします。
◆骨付きのものは誤飲に注意する
マンガなどで犬は骨を食べるイメージがありますが、実際に犬が骨を食べると誤飲して事故になる可能性があります。骨が大きいうちはかじって楽しんでいるだけですが、小さくなると飲み込み、食道や消化器官に刺さると命に関わります。
また事故なく食べられたとしても下痢を起こす犬は多いです。牛肉アレルギーがないから大丈夫と思いがちですが、骨を消化するのに負担がかかります。 犬に骨付き肉を与える際は、肉を骨から外してから与えてください。
まとめ
誕生日やイベントで自分たちと同じものを、病気などで食欲が落ちた犬に美味しい牛肉を食べさせたいと思う飼い主さんはいると思います。人間が不摂生な食生活をすると体を壊すように、犬も食べすぎには要注意です。適量や調理方法に注意して愛犬に美味しいものを食べさせてあげましょう。
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