1.犬がお散歩中に石や土を食べてしまう理由
1-1.ミネラルが足りていない
1-2.美味しそうな匂いがする
1-3.ストレスがある
1-4.犬の自然な行動
1-5.構ってほしい
1-6.異食症のため
2.犬が石や土を食べないようにする方法
2-1.まずは健康状態を確認する
2-2.おもちゃでトレーニングをする
2-3.運動時間を増やす
2-4.ストレスの原因を見つける
【掲載:2022.06.28 更新:2023.08.08】
犬がお散歩中に石や土を食べてしまう理由
愛犬家のなかには「うちの犬は子犬の頃から石や土を食べているから習慣だ」「もう癖になっているから犬の健康に悪影響がないならこのままでも…と考えている方もいるかもしれません。
犬がお散歩中に石や土を食べてしまうのは一体どうしてなのでしょうか。
ここでは代表的な理由を6つご紹介します!
◆ミネラルが足りていない
意外かもしれませんが、実は石や土には健康維持のために必要とされるミネラルが豊富に含まれています。
そのため、犬が頻繁に石や土を食べる理由として、ミネラルが不足していることが考えられます。
毎日十分なドッグフードを与えていればミネラル不足になることはありません。
つまり、十分な量のドッグフードを食べているにも関わらず犬が石や土を食べる場合、ドッグフードに含まれるミネラルを体内で吸収できていない可能性があります。
これは体質や健康上の問題が原因と考えられるので、かかりつけの動物病院で適切な診断を受ける必要があるでしょう。
◆美味しそうな匂いがする
犬が石や土を食べるとき、その石や土から犬にとって魅力的な匂いがしている場合もあります。
例えば公園などの石には、そこで遊んだ子どもたちが落としたお菓子のくずやこぼしたジュースなどが混ざっている可能性があります。
甘い匂いは犬の好物なので、それらが染み付いた石や土を犬がクンクンと嗅いだり、口の中に含んだりすることは自然な行動だといえます。
飼い主さんとしては不安に感じるかもしれませんが、少量の石や土であれば犬はウンチと一緒に体外に排泄できるため、そこまで深刻に捉える必要はないでしょう。
◆ストレスがある
犬は強いストレスを抱えているとき、石や土などを食べるようになる習性を持っています。
犬は人間と同様に、引っ越しなど馴染みのない場所への移動や長時間の留守番、サイレンや雷などの大きな音、運動不足、出産などで精神的なストレスを抱え、情緒が不安定になることがあります。
また、犬が石や土を食べた時に飼い主さんが大きな声で叱る、叩く、リードを強く引っ張るなどすると、犬は強いストレスを感じます。
そうなると、かえって石や土を食べてストレスを解消しようする可能性があるでしょう。
◆犬の自然な行動
特に子犬は、生物としての本能から石や土をよく口にします。
これは人間も同じで、生後間もない赤ちゃんは目に付くものをなんでも口に入れて確認しようとします。
子犬も好奇心から身の回りのいろいろなものを口に入れたがるため、石や土といった本来口に入れるべきではないものも食べることがあるのです。
この場合、飼い主さんは特に神経質にならず、犬の様子を見守りましょう。
もしも成犬になった後も頻繁に石や土を食べる場合は、先にも述べたようなストレスや、後述する異食症などの原因が考えられるので、獣医師に相談することをおすすめします。
◆構ってほしい
犬が石や土を食べようとする理由のなかには、飼い主の注意を引きたいからという場合もあります。
石や土を口にしたときに飼い主さんが過剰に反応してくれるので、犬はその反応を面白がって同じ行動を繰り返すのです。
飼い主さんとしては「石を食べて大丈夫かな…」と不安になりますが、犬にとっては遊びの一環です。
このような場合は特に心配せず、あくまで冷静に犬に構ってあげましょう。
◆異食症のため
最後に、あまりにも頻繁に石や土を食べる、また金属やビニール、プラスチックといったものまで口にする場合は、犬が異食症を起こしている可能性があります。
異食症は犬の体内に寄生虫が住み着くことや、犬のホルモンバランスが崩れることが主な原因と考えられています。
また、糖尿病や甲状腺機能亢進症といった他の病気が原因となって異食症を引き起こすケースもあります。
成犬後も頻繁に石や土を食べる、また金属やビニールなど危険度の高いものまで口にする場合は、そのまま放っておかずに早めに動物病院を受診するようにしましょう。
犬が石や土を食べないようにする方法
犬が石や土を食べる理由は、動物としての本能から病気によるものまで様々なケースがあるとわかりました。
基本的に少々の石や土を食べるくらいであれば犬の健康に支障はないものの、飼い主さんとしては「できるだけ石や土を食べさせたくない」と思いますよね。
そこで、犬が余計に石や土を食べないように、日頃から気をつけるべきポイントを4つご紹介します。
◆まずは健康状態を確認する
栄養不足やストレスなど、日頃から愛犬の健康状態に異常がないかチェックしておくことが大切です。
飼い主さんひとりでは犬の健康状態を隅から隅まで確認することは難しいので、定期的に動物病院で健康診断を受けることをおすすめします。
愛犬に健康上の問題がないのであれば、犬本来の習性から石や土を食べているだけなので安心できますし、
もし健康上の理由が見つかった場合には獣医師と相談して適切な治療を受けさせることができるでしょう。
◆おもちゃでトレーニングをする
犬が好奇心から石や土を食べている場合には、ロープやタオルなど口に入れても問題のないおもちゃを使ってトレーニングをすると効果的です。
とくに生後4~7ヶ月程度の子犬は、乳歯が永久歯に生え変わるタイミングで歯が痒いために石や土を食べようとします。
石や土の代わりにロープやタオルを使って犬の噛みたい欲求を満たしてあげれば、犬は余計なものを噛まないようになります。
また、トレーニングでは、ただタオルやロープを噛ませるだけでなく「ちょうだい」と声をかければ犬が口を離すように訓練することが大切です。
一般的に、犬は下顎をつかむと咥えているものを離す習性があります。
それを利用して「ちょうだい」と声をかけながら犬の下顎を掴み、ロープやタオルを飼い主さんに渡してくれたらたくさん褒めておやつをあげましょう。
これを繰り返すことで、もし愛犬がなにか異物を口にしても「ちょうだい」と声をかけるだけで離してくれるようになりますよ。
◆運動時間を増やす
犬は体を動かすのが大好きな動物なので、運動できない日が続いているとそのストレスから石や土を食べようとする可能性があります。
愛犬の様子をよく観察して、元気が有り余っているようであれば散歩の時間を増やす、悪天候で散歩に出られない日は家の中でおもちゃを使って一緒に遊んであげるなどして、犬が満足するまで運動させてあげることが重要です。
一緒に運動することは犬の健康を維持するためにはもちろん、飼い主と犬との信頼関係を構築するためにも必要不可欠です。
◆ストレスの原因を見つける
犬はストレスを発散するために石や土を食べようとします。
そのため、まずは飼い主さんが犬の立場になって、犬がどんなことにストレスを感じているのかを察してあげる必要があります。
引っ越しや出産などのライフイベントがストレスの理由と考えられる場合は、時間をかけて犬が安心できるような環境を整えてあげましょう。
運動不足や飼い主さんとのコミュニケーション不足がストレスの原因と考えられるなら、十分な時間をとって愛犬にたっぷり愛情を注いであげることが大切です。
子犬の散歩中の拾い食いは早めに対処
繰り返しになりますが、子犬が石や土を食べることは自然な習性です。
しかし、散歩中や外出先であまりにも頻繁に拾い食いをするようであれば注意が必要となります。
少量の石や土であればウンチと一緒に排出できますが、大きめの石や大量の土を誤飲してしまうと健康上のリスクが生じます。
また、成犬後も拾い食いの癖が直らないと、今後ビニールやプラスチックなど体に害のあるものを食べてしまう恐れもあります。
子犬が拾い食いをしたときは、大きな声や強い力で叱るのではなく、口に入れても害のないおもちゃを与えてトレーニングするなどして早めに対処しましょう。
多量に石や土を誤飲したら動物病院へ
もしも愛犬が石や土を大量に食べたり、大きな石を誤飲してしまったりした場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
誤飲や誤食を起こした犬に見られる症状としては、食欲不振、嘔吐、下痢、大量のよだれ、情緒不安定、呼吸異常、咳、震え、便秘、ゲップ、血便、倦怠感などが挙げられます。
これらの症状が見られる場合、放っておいたり無理やり吐かせたりすると犬の命に関わります。
決して自己判断はせず、獣医師に相談のうえ適切な処置を取りましょう。
◆すぐに病院に行くべき症状
誤飲や誤食の症状のうち、とくに食欲不振、嘔吐、下痢、便秘といった症状には注意が必要です。
これらの症状が見られる場合、誤飲や誤食した異物が幽門や腸に詰まる「腸閉塞」という病気を引き起こす恐れがあります。
腸閉塞は早期発見、早期治療しなければ命に関わる危険な病気で、外科手術によって異物を取り除く必要があります。
愛犬の様子がいつもと異なり腸閉塞が疑われる症状が見られるときは、早急に動物病院を受診しましょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、犬が石や土を食べる主な理由とその対処法をまとめてご紹介しました。
犬が散歩中に石や土を食べることは動物として自然な習慣ですが、場合によってはストレスが原因となっていることもあります。
少量の石や土を食べるだけなら健康上の問題はありませんが、ビニールやプラスチックまで食べる場合は異食症の可能性があります。
また食欲不信や嘔吐、下痢といった症状が見られる場合は腸閉塞という深刻な病気を引き起こしている恐れもあるため、愛犬に心当たりがある場合は獣医師に相談のうえ早期治療に努めましょう。
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