愛犬飼育管理士ってどんな仕事?なる方法や仕事内容は?

2022.07.24

愛犬飼育管理士ってどんな仕事?なる方法や仕事内容は?

犬に関する仕事で活躍できることはもちろん、“犬という動物”を深く知ることができる愛犬飼育管理士という資格。 資格を取るまでのフローと仕事内容、やりがいなどについて詳しくお伝えしていきます。

【目次】
1.愛犬飼育管理士とはどんな資格?
 1-1.受験するための条件 
 1-2.同じ日に「講習」と「試験」を受ける
 1-3.試験日は?
 1-4.定員に達すると、受付開始当日でも申し込みできなくなる
 1-5.講習会・試験会場は全国にある?
 1-6.試験にかかる費用
 1-7.難易度は高い?合格率について
 1-8.愛犬飼育管理士の資格は取得までにスピーディー
 1-9.愛犬飼育管理士の取得で動物取扱責任者になれる?
 1-10.仕事に対してのやりがいも感じられる

2.愛犬飼育管理士になりたい!なるまでのフローとは?
 2-1.①申し込み・受験料の支払い
 2-2.②当日の流れ~講習会が終了してから試験を行う
 2-3.③合格発表から資格認定証発行までのスケジュール

3.愛犬飼育管理士はどんな仕事に活かせる資格?

4.仕事だけではない…!愛犬飼育管理士の資格取得を通じて犬への知識がさらに深まる

5.まとめ

愛犬飼育管理士とはどんな資格?

お姉さんと遊ぶトイプードル

愛犬飼育管理士は「ジャパンケネルクラブ」による資格で、正確な名称は「JKC愛犬飼育管理士」といいます。
まずは、どんな資格なのかを具体的に見ていきましょう。

◆受験するための条件

こちらの資格は、受験するにあたって厳しい条件はありません。18歳以上という年齢制限をクリアしていれば、ジャパンケネルクラブの会員でなくても誰でも受験が可能です
ただ、試験合格後には、資格取得のために会員となる必要があります。

◆同じ日に「講習」と「試験」を受ける

愛犬飼育管理士の資格は、試験前に講習を受けるという特徴があります。
「講習」と聞くとわざわざ講習を受けるのが億劫に感じるかもしれませんが、どちらも同じ日で、同じ会場です。
しかも、直前に講習をしっかり聞くことで、その後の試験もスムーズに受けることが可能です。
同じ日に受けた内容が試験に反映されるので、集中して講義を受けていれば取り組みやすい試験と言えるでしょう。

◆試験日は?

試験日は、会場ごとに異なります。詳しくは、ジャパンケネルクラブのホームページにて確認ができます。
【一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 愛犬飼育管理士に関するページはコチラ

ホームページには、詳しいスケジュールは、今後数ヶ月先までのみの情報しか掲載されていません。ただ、毎月1回全国のどこかの会場で講習会・試験が実施されているようです。

試験情報は、随時更新されていきますので、こまめにチェックしてみるといいでしょう。

◆定員に達すると、受付開始当日でも申し込みできなくなる

Webから申し込む場合、申し込みが出来るのは申し込み日の午前10時から午後5時30分まで。注意点としては、時間内であっても定員に達し次第受付が終了してしまいます。

ただ、受付時間内に定員にならなかった場合は、翌日午前10時から同様に受付が開始されるようです。

会場の広さによって定員はそれぞれ異なりますが、だいたい100~200人前後が多いようです。会場によっては、講習日と試験日に「予備日」が設けられています。受付初日に定員オーバーで申し込みがあった場合、予備日にも開催するとのことです。

◆講習会・試験会場は全国にある?

講習会および試験会場は、東京都をはじめ、京都府、仙台、札幌、名古屋、沖縄などです。
全国各地で試験が受けられるため、ご自身のお住まいの都道府県で開催されていなくても、身近な地域に足を運びやすいでしょう。

◆試験にかかる費用

受験費用は、受講料7,300円(テキスト代含む)+試験受験料7,000円の合計14,300円です。申し込みと同時に支払いを行います。
Webからの申し込みではクレジットカード決済が可能で、郵送の場合は「申込書+受験料」を同封し、現金書留による方法で費用を支払います。

◆難易度は高い?合格率について

試験を受けるからには「合格したい!」と思いますよね。
そこで気になるのが合格率でしょう。合格率はその年度によって異なりますが、だいたい80~90%と言われています。数値だけ見るとかなり合格率が高いように感じますよね。

これは、試験問題が簡単だからということではなく、当日に講習で受けた内容が試験問題に反映されているからでしょう。
「多くの受験者がしっかりと講義を聞いて試験に挑んでいる」という表れなのかもしれませんね。
愛犬飼育管理士の資格を受ける方は、犬や動物が好きという方、現在犬を飼っている方、動物関連の仕事に就いているという方などが多いかと思います。

これまでに動物に関する予備知識を持っている人が大多数かもしれません。普段から犬が身近な存在であれば、当日に聞く講義の内容も興味深く感じるのではないでしょうか。講習をしっかりと集中されている方が多いため、合格率の高い資格なのかもしれませんね。

ですので、「合格率が高いから簡単なのかな」と思って油断するのはNGです。資格取得のために受験するからには、「絶対合格したい」という思いで真剣に取り組みたいものですね。

◆愛犬飼育管理士の資格は取得までにスピーディー

愛犬飼育管理士の資格は、「何か月も前から寝る間を惜しんで受験勉強をしなければならない」ということがありません。
試験内容は、試験前の講習に詰め込まれています。講義を集中して聞いていれば、同じ日に行われる試験は解けるものが多いのではないでしょうか。

同じ日に「講習・試験」を行い、後は結果を待つのみ…。資格取得までの流れがかなりスピーディーと言えるでしょう。

◆愛犬飼育管理士の取得で動物取扱責任者になれる?

動物取扱責任者とは、動物を扱っている事業所が動物取扱業の登録申請を行う際、職員のなかで配置しなければならないものです。

ただし、この責任者は誰でもなれるわけではありません。各自治体により異なる部分もありますが、以下4つの要件のうちいずれかを満たすことが条件となることが多いようです。

  • 獣医師免許を取得していること
  • 愛玩動物看護師免許を取得していること
  • 公平性、専門性のある団体の試験に合格し資格の取得していること、及び半年以上の実務経験、若しくはそれと同等の1年間以上の飼養経験があること
  • 種別に係る知識や技術について1年以上学ぶ教育機関を卒業していること、及び半年以上の実務経験、若しくはそれと同等の1年以上の飼養経験があること

※あくまで参考例です。動物取扱業の登録業務は自治体への申請のため、“動物取扱責任者の要件”についての詳細は、各自治体へご確認くださいね。※

愛犬飼育管理士の取得は、上から3つめの「公平性、専門性のある団体の試験に合格し資格の取得していること」に該当します。
つまり、愛犬飼育管理士を取得することで動物取扱責任者に選任される為の条件を一つ満たすことができます。

◆仕事に対してのやりがいも感じられる

ペットに関連する仕事は、資格がなくても働けるというケースもあります。
ただ、「愛犬飼育管理士」という資格取得を通じて、動物に関する法律や知識を改めて再確認できれば、これまでとは違った視点で犬に接することができるかと思います。資格を取得できたことにより、仕事にやりがいを見いだせる方もいるのではないでしょうか。


愛犬飼育管理士になりたい!なるまでのフローとは?

お姉さんに抱っこされるトイプードル

次に、試験の申込から資格取得までのフローを見ていきましょう。

①申し込み・受験料の支払い

愛犬飼育管理士の試験の申し込みは、「Webからの申し込み」か「郵送での申し込み」の2通りあります。どちらも「申し込みと同時に受験料を支払う」というシステムです。

Webで専用受付サイトから申し込んだ場合はクレジットカード決済ができますが、郵送の場合は受験料を申込書と同封し現金書留で申し込みます。

郵送は到着するまでに時間がかかるため、「受験料を払ったのに定員に達して受付終了したらどうなるの…?」という不安もありますよね。
郵送の場合、「受付開始日の到着分」として見てもらえるように配達日を指定して事前に送るのがコツです

また、試験の受付は時間が制限されて短いうえ、定員になったら終了するので注意しましょう。

②当日の流れ~講習会が終了してから試験を行う

試験当日の流れについて見ていきましょう。

受付けは9時30分からです。その後、10時から15時まで講義を受けます(休憩あり)。講習用のテキストに沿って、動物に関する法律、犬および動物に関する基本的な知識についての講義です。

「事前に勉強したい」という方もいらっしゃるでしょう。テキストは、当日よりも前に買うことはできます。
ただ、そもそも講習会の受講料のなかに「テキスト代」が入っています。事前に買っても、費用とテキストが二重になるので注意しましょう。

講義の終了後、15時30分から16時30分までが試験時間となります。

③合格発表から資格認定証発行までのスケジュール

合否通知は、試験後およそ3週間で通知されます。その後、3週間以内に資格登録をしましょう。

愛犬飼育管理士の資格は、ジャパンケネルクラブによる試験です。受験自体は、ジャパンケネルクラブの会員ではなくても、「18歳以上」という要件を満たせば可能。
ただ、試験合格後、資格を取得するにはジャパンケネルクラブへの入会が必要です

また、資格という形にするには、資格登録料を支払って登録しなければなりません。資格登録が済んで、3週間ほどで資格認定証が発送されます。


愛犬飼育管理士はどんな仕事に活かせる資格?

首をかしげるトイプードル

愛犬飼育管理士の資格は、「資格取得=いきなり仕事が舞い込んでくる」といった類の資格ではありません。

ただ、犬に関する仕事に就くために、有利な条件としてはたらく可能性が高まります。

動物を取り扱っている業種は、ペットショップやペットサロン、ペットシッター、ペットホテル、ブリーダー、などさまざまです。
求人などを見ると、資格が不要と謳われているケースもありますが、資格があることで強みをアピールすることもできます。

「現在、犬を飼っている」「ペットショップで働きたい」など資格を取得する目的はさまざまかと思いますが、“犬を愛する”という文字にも表れているように取得のきっかけが「犬」という方も多いでしょう。
資格を取得することで、仕事の幅が広がることもあるかもしれません。動物に関するさまざまな分野で活躍できる可能性が高まります。

あわせて読みたい:家庭犬訓練士って何?どうすれば資格をとれる?
家庭犬訓練士って何?どうすれば資格をとれる?

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仕事だけではない…!愛犬飼育管理士の資格取得を通じて犬への知識がさらに深まる

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愛犬飼育管理士を取得する目的として“仕事に役立てたい!”という人も多いかと思います。しかし一方で、仕事に関係なく資格を取得される方もいるようです。

講習に使うのは200ページにもおよぶテキストです。たった1日でそれを学ぶとなれば、難しいかもしれません。
ポイントをおさえていく感じになるかと思いますが、テキスト内容は「動物愛護」の観点による愛犬飼育のために知識が書かれたものです。
講習と試験を通じて犬への知識を深め、「犬を飼育する」ことの意味を再確認できたという方もいるようです。

また、講義を進めていくのは、動物の知識に精通しているプロの方です。単にテキストを読み進めていくだけではなく、犬に深く携わっている方のお話は大変興味深く感じるのではないでしょうか。

講習と試験を終え、無事に合格できたことで、愛犬への思いがさらに深まったという方もいるかと思います。また、資格を取得できたことで、「愛犬をこれからもしっかりと守りたい」という自信にもつながりそうですね。

愛犬飼育管理士は仕事でも役立つ資格ですが、「我が家の愛犬を幸せにしたい」「もっと犬について知りたい」「犬に関する講習を受けてみたい」などいろいろな思いで受けられる試験と言えるでしょう。


まとめ

お姉さんと触れ合っているトイプードル

愛犬飼育管理士の資格を取得するまでの詳しい流れをお伝えしました。

講習と試験が同日に行われるため、資格がスムーズに取得できるというメリットがあります。
申し込みはWebや郵送でも可能ですが、「受付開始時間」や「受験料を同時に支払う」という注意点もあるため、資格に興味がある際は入念に情報をチェックしておくことが大事です。

また、国家資格ではなく民間資格のため、資格を取得したからと言っていきなり何かができるというものではありません
ただ、愛犬飼育管理士の資格を持っていることで、動物販売責任者に選任される可能性も高まるため、“資格を仕事に活かす”ということは可能です。
資格取得してからご自身がそれをどう活かすかを考えることで、さまざまな道が開けるのかもしれませんね。もちろん、「愛犬のために知識を深めたい」という思いで受験に挑む方も良いと思います。

どんな目的であっても講習や試験を通じて深めた知識がどこかのわんちゃんのためにつながっていることでしょう。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!

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