1.柴犬の抜け毛が多い理由
1-1.柴犬はダブルコートのため抜け毛が多い
2.犬の換毛期はいつ?
2-1.柴犬の換毛期は、春と秋の2回
2-2.換毛期の期間
3.柴犬の換毛期対策
3-1.換毛期の対策①毎日のブラッシング
3-2.換毛期の対策②定期的なシャンプー
3-3.直接犬の身体に掃除機を当てるのはNG
4.病院に行くべき犬の抜け毛チェックポイント
4-1.ポイント①皮膚が赤くかゆがる
4-2.ポイント②皮膚がはっきりと見えるほどの脱毛
4-3.ポイント③ケフケ多い
柴犬の抜け毛が多い理由
柴犬はひと昔前から海外人気を得始めましたが、そこから2022年に至っても国内外から高い支持を得続けています。少し小さいタイプの豆柴も、グローバルな人気を誇っているといえるでしょう。
和犬特有の精悍な外見や、警戒心・服従心の強さから、本来の犬そのものの本能を感じられる部分も魅力的なのかもしれませんね。身体のサイズも中型犬と飼いやすく、フワフワの毛並みは触り応えがあります。
しかし、この魅力満載の柴犬を飼う際には、抜け毛の多さに覚悟が必要なのです。
それではなぜ柴犬の抜け毛が多いのか、その理由を解説していきましょう。
◆柴犬はダブルコートのため抜け毛が多い
柴犬には、外側の硬い上毛(トップコート/オーバーコート)と、内側の柔らかい下毛(アンダーコート)の2種類があり、この2種類の毛質で構成されているタイプの被毛をダブルコートといいます。
ちなみに、ダブルコートに対してシングルコートの構造をもつ犬種もおり、代表的な種類でいうとトイプードルなどがこれにあたります。シングルコートはダブルコートと違って、脱毛が少ないことで有名ですね。
柴犬は抜け毛が多いとされるダブルコートをもつ犬種のため、やはり脱毛量がとても多いのです。
抜け毛の中でもアンダーコートは特に軽いので、室内に散らばってしまうでしょう。毎日掃除をしても、意外な場所に毛が溜まっていたり、洋服やカーペットなどに毛が絡まって中々取れない、という事態が起きやすいのです。
掃除機をかける回数が増えたり、愛犬の被毛ケアに時間を費やしたりと、シングルコートと比べるとその点の負担が大きくなるということを認識しておきましょう。
犬の換毛期はいつ?
柴犬は普段から抜け毛の多い犬種ですが、換毛期という時期には抜け毛が更に大量になります。
この時期、被毛の手入れを怠ってしまうと、皮膚の病気や不調の原因となってしまうため、注意が必要なのです。
抜け毛が他の被毛と絡まったり、皮膚表面に留まってしまう場合があり、これを放置すると熱がこもってしまうために体温調節が邪魔され、夏などの暑い時期は熱中症の原因ともなり得ます。冬には湿気が溜まり通気性が悪くなるため、皮膚炎を引き起こすケースもあるでしょう。
また不衛生な状態が続けば雑菌が繁殖したり、ダニなどの害虫被害に気付くのも遅れてしまいますよね。抜け毛の放置は人間にとってもアレルギーの原因となりますので、愛犬と飼い主さんの両者にとっても、抜け毛対策は必須事項となるでしょう。
定期的な被毛のケアは必要不可欠ですが、換毛期の時期は特に気を付けなくてはいけませんよ。
それでは、その注意すべき時期がいつ頃なのかを確認していきましょう。しっかり覚えておき、大事な愛犬の皮膚トラブルを回避してくださいね。
◆柴犬の換毛期は、春と秋の2回
ダブルコートの犬種は、春・秋の換毛期に、気温の変化に対応するために被毛が生え変わります。簡単にいうと、夏毛から冬毛へ、冬毛から夏毛へ変わっていく時期が換毛期に当たるというわけですね。
気温が上がる春が近づくと、体温を保持する役割をもつアンダーコートが不要になるため、一気に抜けていくのです。反対に気温が下がってくる秋が訪れ始めると、古い被毛が大量に抜け、新しいアンダーコートが生えてきます。
年間を通して常に抜け毛の多い柴犬ですが、この換毛期はいくら掃除をしても被毛が抜け落ちてしまうため、実際に大変な思いをしている飼い主さんも少なくありません。
◆換毛期の期間
換毛期の長さ、抜け毛の量には、犬種・被毛の種類・年齢などによって差がでるでしょう。あくまでも目安ですが、一般的には6~7週間程度が平均的だといわれています。
被毛の短い犬種の方が抜け毛が少ないイメージを持たれている方もいると思いますが、実は短毛種の方が抜け毛は多いのです。
犬の被毛は、以下の4つの期間を経ることで生え変わるので覚えておきましょう。
- 成長期・・・毛が成長する期間
- 退行期・・・細胞の増殖がゆっくりになる期間
- 休止期・・・毛包が活動を停止する期間
- 新生期・・・新しい毛が生え始める期間
長毛種の場合、成長期が長くなります。そのため、毛が生えて抜け落ちるまでに期間を要するのです。しかし柴犬のような短毛種は、成長期が短くなります。結果、新しい毛が生えてから抜け落ちるまでの期間が短くなるため、長毛種と比べると抜け毛が多くなるということですね。
個体差もありますが、ダブルコートで短毛種である柴犬は、抜け毛が多い犬種だということを理解しておきましょう。
柴犬の換毛期対策
大量の抜け毛に悩みを抱える飼い主さんは珍しくありません。特に換毛期には、しっかり抜け毛対策を行うことが重要です。適切なお手入れ方法を紹介していきますので、注意点やポイントを抑えて、しっかり対応していきましょう。
◆換毛期の対策①毎日のブラッシング
抜け毛対策として最も効果的なのが、こまめなブラッシングです。基本的に柴犬は、被毛が毛玉になったりしない毛質をしていますが、毎日のブラッシングは理想的でしょう。
ケガや皮膚疾患がないか確かめてから、被毛にブラシを通し、抜け落ちた毛を除去してください。柴犬の毛質であれば、スリッカーブラシとコームがあれば十分対応できます。
ただし、必ず犬用のケア道具を使用するようにしてくださいね。
人間用の商品の代用は、刺激が強すぎたり部位によっては危険も伴うため、あまりオススメできません。ペット専用アイテムであれば、マッサージ効果を得られる機能や、ソフトタイプで肌に優しい上に汚れが取りやすいなど、様々なメリットをもたらす種類の商品が沢山あります。子犬の時期は特に、グルーミングする上での注意が必要ですよ。
ブラッシングは、飼い主さんと愛犬とのコミュニケーションをとる貴重な時間ともなります。ブラッシングが嫌いな子も中にはいますが、少しずつ慣らすように訓練をしてくださいね。特に尻尾を触られるのを嫌がる子は多いので、子犬の頃から体のどこを触っても嫌がらないように慣れさせておくことも大切です。成犬となった時に後悔しないように、しっかり取り組んでおきましょう。
どうしても嫌がる場合には、ブラッシングの力加減が強すぎたり、使用しているブラシが好きではないなど、何らかの原因がある可能性もあります。愛犬の様子をみながら余計な力を入れすぎないよう注意したり、ハードタイプのブラシを使っている場合は別の素材の物を用意してみましょう。
犬の集中力は長くないので、嫌がったら無理に続けず、一旦やめるのもコツの一つです。時間が掛かっても優しく声を掛けながらスキンシップを図り、ゆっくり仕上げていきましょう。
柴犬の被毛ケアに便利なおすすめグッズ
◎ファーミネーター 中型犬 短毛種用 M
抜け毛を最大90%取り除けるという、高い効果が期待できるブラシです。短毛種用のステンレススチール刃が、アンダーコートと抜け毛を安全に除去してくれます。
お手入れ後の不要な被毛はワンプッシュボタンで本体から簡単に取り除けるので、飼い主さんにとってもストレスフリー!被毛の長さが5cmまでのワンちゃんに最適なサイズとなっています。
使用頻度は週1回10~15分程度が目安。愛犬のサイズや時期によって、被毛の状態を見ながら調整しましょう。
◎ウィッシュ グルーミングプロ 角型ソフトスリッカーブラシ M
初めてのお手入れに安心な、玉突きタイプのスリッカーブラシです。皮膚に優しい素材なので、中・長毛種の小型犬や猫にもOKな商品となっています。掃除用のコームも付属されていますので、ブラシに残った抜け毛の処理も楽に行うことができますね。
◆換毛期の対策②定期的なシャンプー
皮膚の健康や清潔を保つためにも、定期的なシャンプーは必要です。シャンプーをすることで一気に抜け毛を流すこともできますよね。
ただし換毛期といえども、シャンプーの頻度は月2回までにすることがおすすめです。必要以上にシャンプーをすると、皮膚の油分を奪ってしまうことから、フケやかゆみが増える場合があるのです。
シャンプー後は、ドライヤーでしっかり乾かすことも徹底してくださいね。生乾きの状態は、菌の繁殖を促したり、臭いが発生するなどして皮膚の健康にもよくありません。
ドライヤーが苦手な子も多いですが、少しずつ慣れさせるようにしましょう。音が苦手な様であれば静音タイプの商品もありますので、買い替えを検討してみるのも一つの手です。
人間用のドライヤーを使っても問題はありませんが、身体に当てる時は熱くないように、近付けすぎないよう気を付けましょう。
自宅でのシャンプーが難しい場合は、トリミングサロンを利用するのもよい方法です。
◆直接犬の身体に掃除機を当てるのはNG
抜け毛を吸い取ろうと、直接愛犬の身体に掃除機を当てる方が時々いますが、これはNG行為です。確かに抜け毛を吸い取ることができるかもしれますが、愛犬の皮膚にとって良いことではありません。
掃除機に苦手意識を感じたり、恐怖を覚えてしまう心配もありますよね。
いくら抜け毛の掃除が大変だとはいえ、このような方法をとるのは避けてください。夏の暑い時期に、サマーカットをしている子もよく見かけますよね。ただし、短くカットしすぎると紫外線の影響を受けすぎたり、寒い時期は防寒の面でも懸念材料が増えます。プロのトリマーさんと相談しながら、愛犬が快適に過ごせるよう配慮しましょう。
病院に行くべき犬の抜け毛チェックポイント
抜け毛は換毛期以外にも起こりますし、柴犬は常に被毛が抜けやすい状態にあります。しかし、抜け毛の原因に病気が関わっているケースも実際にあるのです。
いくつか症状を紹介していきますので、しっかりチェックしておきましょう。
◆ポイント①皮膚が赤くかゆがる
愛犬の皮膚が赤くなり、痒がる様子が見られた場合は、一度動物病院を受診した方がよいでしょう。犬には、身体に異常があると患部を舐めようとする特徴があります。
しきりに舐めようとしたり痒がっているようであれば、細菌・真菌が繁殖していたり、皮膚病を発症している可能性も考えられるでしょう。
考えられる病気・症状の一例を挙げますので参考にしてみてください。
- 膿皮症
- マラセチア皮膚炎
- 皮膚糸状菌症
- ノミアレルギー性皮膚炎
- 犬アトピー性皮膚炎
豊富な被毛によって中々皮膚が見えにくい場合もありますが、しっかり愛犬を観察してみてください。お腹など被毛が少ない部分にも発疹がでている場合もありますので、その点もよくチェックしましょう。
◆ポイント②皮膚がはっきりと見えるほどの脱毛
愛犬の皮膚がすぐに確認できるほどの明確な脱毛が起きている場合、なんらかの異常が起こっていると考えてよいでしょう。
その原因は様々ですが、早めに獣医師に相談することをおすすめします。処置が必要な場合は、しっかりと治療を行ってください。
脱毛の原因として考えられる病気・症状の一例は以下の通りです。
- 細菌・真菌感染(白癬菌など)
- 疥癬やその他の寄生虫による症状
- アトピーやアレルギーによる症状
- 病気による基礎疾患
- ストレスや栄養不良
ストレスや栄養不良が原因の場合、飼い主さんが飼育方法を見直すことで改善することができます。症状に関しては病院で治療を受けつつ、散歩や運動時間、ドッグフードの見直しなどを行ってください。
◆ポイント③フケが多い
フケが増えた場合も、皮膚の病気が原因である可能性があります。依然と比べて明らかにフケが多くなった時は、一度診察を受けた方が良いでしょう。代表的な病気は以下の通りです。
- ツメダニ症
- 皮膚糸状菌症
- アトピー性皮膚炎
- 脂漏症
まとめ
ペットとして高い人気を誇る柴犬ですが、紹介してきたように、とにかく抜け毛の多い犬種の一種です。
1年に二度訪れる換毛期には、1日に何度も掃除が必要となるでしょう。
抜け毛の放置は愛犬にも飼い主さんにもよくありません。皮膚の健康に悪影響を与えますし、気管支に入ると大変ですよね。
抜け毛の原因が病気の場合もありますので、日頃から愛犬の様子をしっかり観察しておき、早急に異常に気付けるようにしておきましょう。
大切な愛犬のためにも、抜け毛対策をしっかりと行い、快適な生活が送れるように努めてくださいね。
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