1.犬にヨーグルトを与えても大丈夫!
1-1.市販のヨーグルトが使用している菌の一例
2.犬にヨーグルトを与えるメリットとは
2-1.整腸作用が期待できる
2-2.口臭予防になる
2-3.胃の保護になる
2-4.尿路結石の予防
2-5.健康な皮膚・被毛・粘膜の維持
3.犬にヨーグルトを与える時の注意点
3-1.与えるのはプレーンのみ
3-2.常温に戻す
3-3.与えすぎは禁物
3-4.アレルギーに注意
犬にヨーグルトを与えても大丈夫!
ヨーグルトには犬にとって有害な成分は含まれていませんので、基本的には犬に与えても良い食品といえます。
犬は乳糖不耐症といって乳糖の分解がし辛い体質で、、牛乳を与えることで下痢・消化不良などを起こす可能性があります。
ヨーグルトは牛乳からできているイメージが強いため、犬に与えても大丈夫かな?と心配になる方も多いかもしれませんが、ヨーグルトは発酵の過程で乳糖が分解されるため、犬も安心して食べることができるのです。
◆市販のヨーグルトが使用している菌の一例
ヨーグルトは、タンパク質や炭水化物、カルシウムやビタミンなどと、さまざまな栄養素が含まれています。
しかし一概にヨーグルトといっても、市販されている種類も豊富で、それぞれ使用されている菌も違うのです。
その点にも注目してみると良いかもしれませんね。一例を紹介していきますので、ヨーグルトの選び方の一つとして参考にしてみてください。
- 明治(ブルガリアヨーグルト/LG21)→ブルガリスクス、ラクトバチルス・ガセリ、LG21(ガセリ菌)
- 森永乳業(ビヒダス)→ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム)
- 雪印メグミルク(ナチュレ)→ガセリSP、ビフィズス菌
- フジッコ(カスピ海ヨーグルト)→ラクトコッカス
- ヤクルト(ソフール)→ガゼイシロタ
犬にヨーグルトを与えるメリットとは
健康食品として知名度の高いヨーグルトは、上手に与えることで犬にとってもさまざまな効果をもたらす食品です。
どのような栄養成分を持ち、どんなメリットがあるのか紹介していきましょう。
◆整腸作用が期待できる
ヨーグルトは、腸内細菌の善玉菌である乳酸菌や、ビフィズス菌の含まれているプロバイオティクスクス食材ですよね。
善玉菌には腸の調子を整える効果があり、善玉菌が増えることで悪玉菌の割合も減ります。
愛犬が下痢・便秘気味の時には、試してみると良いかもしれません。
また、食物繊維などを含むプレバイオティクス食材と一緒に食べることで、善玉菌と増殖・活性化させることもできますよ。
腸内細菌が安定すると、大腸炎の改善や免疫力のアップ、おならの臭いの改善などにも期待できるでしょう。
さらに、腸内の善玉菌を増えることで、尿素窒素をつくるアンモニアが増えにくくなります。このため、慢性腎臓病の時に、状態の悪化予防をするともいわれていますよ。
◆口臭予防になる
腸内環境が整うことで、口臭の元がなくなる可能性も期待できます。
さらに乳酸菌は、犬の口内細菌の増殖を抑える効果があるともいわれているのです。細菌の繁殖を抑制することで、歯周病予防にも役立つでしょう。
乳酸菌を利用した、ペット用の口臭予防や歯磨きアイテムも市販されていますよね。愛犬の口臭が気になる場合は、こういったペットグッズやヨーグルトを使用してみるのもおすすめです。
ただし口臭の原因が、胃腸・腎臓などの内臓の病気である場合も考えられます。口臭がひどい場合は、一度動物病院を受診して、獣医師に相談してみてください。
◆胃の保護になる
ヨーグルトには、胃を保護する作用があります。これを利用して、空腹嘔吐の予防に努めることができるのです。
犬は、空腹時間が長いと嘔吐することがあるのですが、これは多くの場合、胃酸過多が原因です。
空腹時間を短くするのが予防法の一つですが、胃酸から胃を保護する働きをもつヨーグルトを夜寝る前にほんの少し舐めさせることでも効果が得られるでしょう。
愛犬の空腹嘔吐に悩んでいる飼い主さんは、試してみてください。
◆尿路結石の予防
犬はストルバイト結石という、尿路結石の病気にかかることがあります。
体内でカルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分が結石になることで発症し、予防するためには水を多く飲むこと、ミネラル成分を尿として多く排出することがポイントとなります。
ヨーグルトには利尿作用のあるカリウムも含まれているので、与えることで結石予防にも期待がもてるでしょう。
ちなみにカリウムには、血圧を下げる効果もありますよ。
◆健康な皮膚・被毛・粘膜の維持
ヨーグルトには、正常な視覚・健康な皮膚や被毛を作るビタミンA、粘膜・皮膚を健康に保つビタミンB1、抗酸化作用のあるビタミンB2、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDなど、さまざまなビタミン類が含まれています。
成長期・繁殖期に、より多く必要となる栄養素であるビタミンは相互に作用しながら働くため、バランスよく摂取する必要があるのです。
主なビタミンの内ビタミンC以外が含まれているヨーグルトは、ビタミンを摂取する上での優等生だといえるでしょう。
犬にヨーグルトを与える時の注意点
健康面において効果的な作用をもたらすヨーグルトですが、適切な与え方ができなければ意味はありません。
2020年以降ペットの飼育家庭は増加し続けていますし、ペット用フードやグッズの種類もどんどん増えています。犬用のヨーグルトやヨーグルトを使用したオヤツなども沢山販売されていますので、いきなりヨーグルトを与えるのは不安だという飼い主さんは、そういったものを試すことから始めても良いかもしれませんね。
人間用のヨーグルトを与えたいという方は、以下の注意点をしっかり覚えておき、愛犬の健康維持に役立ててみましょう。
◆与えるのはプレーンのみ
犬に与えるのは、市販されている人間用のヨーグルトでも大丈夫です。しかし、必ずプレーンタイプ(無糖)のものを選ぶようにしてください。
砂糖不使用・低カロリーをうたうものには、甘味料として、犬にとっては害となるキシリトールを使用している場合があります。キシリトールを犬が摂取すると、肝機能の低下や中毒症状を起こす危険性があるので、絶対に避けなくてはいけません。与える前に、しっかり原材料を確認するようにしましょう。
また人間用ヨーグルトの中には、フルーツが添加されていたり、糖分が過剰に含まれているものもありますよね。犬にとって危険なぶどうやいちじくなどの誤飲に繋がるリスクもありますし、加糖されているものを与えることで糖分を過剰摂取することにもなります。飲むヨーグルトにも、牛乳以外に多くの材料が含まれていますよ。
愛犬に与える際には、「生乳100%」「牛乳100%」などの記載があり、他の成分が含まれていないタイプを選んでくださいね。
◆常温に戻す
通常、ヨーグルトは冷蔵庫で保存する食べ物ですよね。犬に与える場合は、必ず常温に戻してからにしてください。
冷蔵庫から出してすぐのヨーグルトを与えると、身体を冷やしてしまうのです。冷たすぎると胃腸が冷えて、お腹を壊してしまう可能性もあります。特に寒い時期は、与える少し前に冷蔵庫から出しておくことが大切です。
電子レンジで数十秒加熱し、人肌程度にしてから与えるのも良いですね。ただし、温めると乳酸菌の効果が失われる可能性もあるため、温めすぎてもダメですよ。
◆与えすぎは禁物
ヨーグルトに限ったことではありませんが、与えすぎては健康効果を得られません。
液状なので見落としがちですが、ヨーグルトは全脂無糖のものでも、100gあたり56kcalと意外に高カロリーな食べ物なのです。
食べさせ過ぎてカロリーオーバーとならないように、適量を意識しましょう。特に愛犬が肥満傾向にある場合は、脂質・脂肪分に注意しなくてはいけませんよね。低脂肪ヨーグルトなども販売されているので、種類にも併せて注意するとよいでしょう。
1日に与えても良いとされる目安量を紹介していきますので、参考にしてみてください。
◎超小型犬(体重4kg未満)…約6g(小さじ1杯程度)
◎小型犬(体重10kg以下)…約16g(小さじ1~2杯程度)
◎中型犬(体重25kg未満)…約41g(大さじ1と小さじ1・2杯程度)
◎大型犬(体重25kg以上)…約41g以上(小さじ5杯分以上)
※尚、個体差や体格・運動量によっても適切量は異なるため、あくまでも目安としてください。
◆アレルギーに注意
犬も人間同様、食材が原因でアレルギー反応を起こす個体がいます。
ヨーグルトにおいても初めて与える際には、まずは少量を与えてから様子を見るようにしてください。問題ないようであれば、翌日以降に少量ずつ増やして与えるのがおすすめです。
愛犬が乳製品アレルギーを持っている場合は、危険なため与えるのを避けた方が良いでしょう。
おすすめのヨーグルトの与え方
ヨーグルトをそのまま与えても、豊富な栄養素の恩恵を得られます。しかしヨーグルトは、アレンジして与える食品としても、応用の利く魅力的な食べ物でもありますよね。
簡単でおすすめな与え方を紹介していきますので、参考にしてみてください。
尚、ヨーグルトを与えるタイミングとしては、食後の胃酸が薄まっている時や、ドッグフードに混ぜて与えることが効果的だともいわれています。乳酸菌は胃酸に弱いので、腸にたどり着く前に90%以上死滅してしまうそうです。効果を最大限に生かすために、与えるタイミングにも配慮するとよいでしょう。
◆いつものフードにトッピング
発酵食品であるヨーグルトは、消化吸収を助ける働きのある酵素が含まれています。そのため、消化機能を労わる効果も期待できるのです。
愛犬が普段食べているドッグフードにそのままトッピングしたり、食中・食後のタイミングで与えると効果的です。そして前述したように、食物繊維と併せて与えることで、栄養素の吸収率を高めることも期待できるでしょう。
食物繊維の豊富な果物や野菜などを細かく切って、ヨーグルトと一緒に与えるのもおすすめです。
また、ヨーグルトの口当たり良さから、食事への食いつきにも変化が見られる可能性があります。愛犬の食欲が無い時や老犬の食事、水分補給にも効果的でしょう。
さらにヨーグルトには、アレンジのしやすさという強みもあります。ヨーグルトを水切りして使うだけで、クリーム代わりになるのです。
スポンジ部分をさつまいもやフードで代用し、水切りしたヨーグルトを塗るだけで、ヨーグルトケーキの完成です。犬用クッキーに少量乗せるだけでも、普段とは違うオシャレなおやつができますね。
手軽に手に入り簡単な方法で応用できるヨーグルトで、愛犬の食事に彩りを与えてみてください。
◆ヨーグルトを使ったレシピ
ヨーグルトを使った犬用レシピには、さまざまな種類があります。
おすすめのレシピ記事を紹介していきますので、今まで手作りフードを作ったことのない飼い主さんも、ぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
ヨーグルトは少量であれば毎日与えてもよい、犬にとっても健康面でのメリットのある食品です。その理由は解説してきた通りで、健康維持や病気の予防にも役立つスーパーフードだといえるでしょう。
ただし、与え方を間違えると体調を崩す原因ともなり得ます。せっかくの効果的な食品をデメリットとして働かせないためにも、適切な情報を元に適量を与えるようにしてくださいね。
もちろん個体差によっても、その子に合った給餌量は変わってきます。様子をみながらちょうど良い量を探っていきましょう。
万が一体調を崩した場合の対処法は、まず与えるのをすぐ止めること。そして心配な症状がみられるようであれば、獣医師への相談です。
ちなみに子犬の場合は、腸内環境が整っていない上に消化機能も未発達のため、与えるのを避けた方が無難ですよ。
尚、ヨーグルトを食べさせた後は口周りのケアも忘れないでください。特にポメラニアンの様なフワフワの被毛や、口周りに長さのある被毛を持っている犬種は、ヨーグルトを食べた際に汚れやすいです。放置して雑菌繁殖を招かないように、衛生保持にも気を付けてくださいね。
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