1.犬が後ずさりしてるのはなぜ?
2.犬が後ずさりする理由
2-1.怖がっている
2-2.不安
2-3.警戒している
2-4.遊んでほしい
3.飼い主が犬に触ろうとすると逃げるのはなぜ?
3-1.抱き方の見直しと楽しいことへの結びつき
3-2.苦手なことを徐々に慣らしていく
犬が後ずさりしてるのはなぜ?
犬は二足歩行の人間と違って、4本の足を使って前に歩いたり、走ったりしますよね。これに加えて、後ろに後ずさりをすることもあるのです。
後ずさりとは、身体が前を向いた状態のまま後ろに下がることなのですが、愛犬のこのような仕草を見たことはありますか?
この後ずさり、一体どのような状況で、またどのような心理から行われるものなのでしょうか。
まずは、犬が後ずさりをする理由について紹介していきましょう。
犬が後ずさりする理由
犬は日々の生活の中で、恐怖・不安・警戒といったマイナス心理をはじめ、遊びたいというポジティブな気持ちから、後ずさりをすることがあります。
基本的にはこの4つの心理が原因となり、状況によって後ずさりという行動に繋がるようです。
それぞれの理由について詳しく解説していきましょう。
◆怖がっている
まずは怖がっている際に見られる後ずさりについてです。愛犬が恐怖を感じた際に、後ずさりをするケースがあるのです。
例えば愛犬と暮らし始めた時に、撫でようと頭に手を伸ばしたら後ずさりで逃げられてしまう、といった状況がこれにあたるでしょう。経験したことのある飼い主さんも、少なくないのではないでしょうか。
頭の上から手を出した場合、撫でられることに慣れていない子は「叩かれる?!」と恐怖を感じて後ずさりしてしまうのです。
愛犬の上手な撫で方としては、下から手を出すことが基本です。手の甲の匂いを嗅がせて、受け入れてくれる様子かを確かめてから頭を撫でてあげなくてはいけません。
初めの内はこうして慣れさせていかなくては、愛犬に怖いという感情を抱かせてしまうので覚えておきましょう。
◆不安
次に、不安からくる後ずさりです。愛犬が苦手としているものや嫌いなもの、不安に感じる出来事に対して後ずさりをみせることがあるのです。環境の変化が原因で、見られる場合も多いでしょう。
人間にとっては気にならないことでも、犬にとっては大きな不安となる事柄は日常の中で意外とあるのです。
例えば、引っ越しや工事の騒音などは、犬にとって不安要素となりやすいでしょう。
不安を感じるポイントは性格や個体によってそれぞれ違いますので、何が原因かをしっかり判断して、その不安を取り除いてあげる必要があります。まずは愛犬を観察して性格や特徴を理解することが大切ですよ。そして、優しい言葉をかけながら撫でてあげるなどして、不安な気持ちを落ち着かせてあげましょう。
ちなみに、飼い主さんに叱られた際に、後ずさりをみせることもあります。
これは愛犬が、飼い主さんの怒りの感情を理解しており、一種の不安と申し訳なさから後ずさりという行動になって現れるものです。「ごめんなさい」という気持ちを表したサインともとれるでしょう。
◆警戒している
初めてみるものや新たな場所、怪しいものに遭遇した時に、後ずさりをする場合があります。
その対象物の匂いをクンクン嗅いだり、前足でチョンッと触れてみたりしながら後ずさりをしていれば、それは警戒心の現れなのです。
対象物が安全で危険はないものかを調べながら、危なくなったらすぐどこかに逃げられるように、後ずさりをしているのです。腰を引いたまま吠えて、威嚇することもありますよ。
◆遊んでほしい
後ずさりをする理由の中で唯一ポジティブ意味をもつものが、遊んでほしいという心理が原因のものです、
明るい表情で後ずさりをしている時が、これにあたるでしょう。
一緒に遊んでほしい、構ってほしいという、自分の意思表示というわけですね。
目を輝かせて尻尾を振りながら、跳ねるように後ろに下がるのは、飼い主さんを遊びに誘っている証拠です。
プレイバウという、お尻を突き出して上半身を低くするポーズで後ずさりをする様子も、よく見られるでしょう。
この場合は、愛犬の誘いに乗って、思いっきり遊んであげてください。
飼い主が犬に触ろうとすると逃げるのはなぜ?
愛犬の後ずさりが、悩みの種になっているケースも少なくありません。
呼んでも来ない、近寄ると逃げる、触ろうとすると後ずさりする、といった悩みを抱えている飼い主さんは意外と多いのです。
この原因としては様々な理由が考えられますが、過去に飼い主さんの元へ行ったら嫌なことがあった、楽しくなかった、といった経験に基づくものが多いようです。
愛犬が「嫌だ、楽しくない」と感じた経験を重ねることで、飼い主さんの近くへ行ったら嫌なことがあると学習してしまったのでしょう。その結果、呼びかけを拒否したり、近付くと後ずさりするなどして、「嫌なこと」から逃げるようになってしまった可能性が高いのです。
愛犬が感じた「嫌なこと」に、思い当たるフシは無いでしょうか。過去に嫌がる抱き方をしたり、健康管理やケアで愛犬が暴れたことなどはありませんか?
ドッグトレーナー監修記事による対処法を紹介していきますので、悩んでいる飼い主さんは参考にしてみてくださいね。
◆抱き方の見直しと楽しいことへの結びつき
経験を重ねて学習したことの改善は、とても難しいです。しつけ同様、根気のいる作業となりますが、まずは日頃の抱き方・捕まえ方を見直すことから始めましょう。
犬は正面から覆いかぶされたり、上からのぞき込む人間の動作に恐怖を感じやすいです。そのため、抱き上げる時は目線を下げて、愛犬の横側から抱き上げることを徹底しましょう。
この時、大好きなご褒美を与えながら行うと効果的です。これを繰り返すことで、嫌なことがあった経験を、楽しいことがあった経験に逆転することができるのです。
日常的に、嫌がる犬を捕まえたり無理矢理連れ出すようなことは絶対にしないよう、注意点としてしっかり覚えておいてくださいね。
◆苦手なことを徐々に慣らしていく
健康管理やケアは、ペットを飼う上で必要不可欠なことです。しかし、これを嫌がるワンちゃんは少なくありません。
体を触られること自体を苦手としている子も多いので、毎日の生活で少しずつ身体に触れられることに慣れさせていく必要があります。
例えば爪切りの場合は、足を持たれることへの警戒心を和らげることが最初の段階として重要となります。まずは一瞬だけ足を触ることから始めましょう。そして徐々に、触る時間を長くしていきます。
この時、嫌がらずに触らせてくれたら都度褒めて、ご褒美を与えてください。これを繰り返して足を触れるようになってきたら、次に足を持たれることに慣れさせます。
これをクリアできたら、爪にヤスリをかける練習をしてみましょう。ヤスリがけが嫌がらずにできるようになったら、爪切りもできるようになるはずですよ。
このように、焦らずに段階を踏んで進めていくことが、とても大切なのです。
ただし、一度恐怖心を持ってしまった犬を慣らすのは難しい場合もあります。そんな時は、飼い主さん一人で抱え込まない方よいでしょう。
抱き方についてもいえることですが、これらの対処法を用いても上手くいかない場合は、問題の悪化を防ぐためにも専門家へ相談してみるのも一つの方法です。
後ずさりしてる時は病気も関係することがある?
犬の後ずさりは、不安などの心理状態からみられることが多いですが、他にも、病気や怪我などの治療が必要な原因が隠されている場合があります。
犬は基本的に痛みに強い動物で、野生時代の名残から外敵に自分の不調を感づかれないよう、ギリギリまで痛み・辛さを隠そうとする習性があるのです。
しかし、それでも耐え難い程の痛みに達した場合に、極端に過敏になったり、自分を守るために後ずさりに似た仕草をみせることがあります。
このような様子がみられることのある代表的な病気・症状を3つ挙げていきますので、万が一に備えてしっかり覚えておきましょう。
◎胃腸に原因がある場合
後ずさりする仕草に加えて、食欲減退・嘔吐などの症状がみられる場合は、胃腸に原因がある可能性が考えられます。
愛犬の排泄物の様子をチェックしてみてください。柔らかいウンチが出ていたり、下痢の様な症状が起こっているケースが多いです。
一時的な症状の場合もありますが、何日も続くようであればなんらかの病気を発症している可能性があります。一度、動物病院を受診して、獣医師に相談してみることをおすすめします。
◎椎間板ヘルニアが原因の場合
椎間板ヘルニアになると、足に影響が出始めます。今まで普通に歩いていた愛犬が歩行困難となり、後ずさりをしているように見える場合があるのです。
特にシニア世代であれば、注意深く観察する必要があるでしょう。後ずさりではなく、足を引きずっている様であれば、病院を受診してください。
椎間板ヘルニアは徐々に衰え、最終的に歩けなくなる状態に陥ることの多い症状です。日常的に、適度な散歩や運動・食事などに気を配り、早い内から足腰の衰えを遅らせるように心掛けましょう。
◎てんかんが原因の可能性
てんかんとは神経の病気です。発作が起こることで脳から正常な信号を送れずに、体の動きがコントロールできなくなってしまいます。
様々な症状があるのですが、その内の一つに後ずさりしてしまう行動があるのです。他にも、食欲減退や下痢、嘔吐や痙攣、元気や意識消失、などが主な症状として挙げられます。
後ずさりのような行動を飼い主さんが不思議に思い、獣医師に診てもらうとてんかんだった、という例も少なくないようです。
気になる様子や症状がみられた場合は、一度動物病院を受診してしましょう。
犬が後ずさりする時の対処法
愛犬が後ずさりをする時には、身体を触らせてくれない、近寄ることを嫌がる、などの状態に陥る場合があるでしょう。
これは、恐怖や不安を感じて緊張しているため、自分の体を触らせたくない!という気持ちになっていることが原因として考えられます。
こういった場合は、むやみに愛犬を触ろうとせずに、不安の対象となっているものや事柄を取り除いてあげ、優しく声をかけて落ち着かせるようにしてください。
また、体調不良や痛みのせいで触られるのを嫌がる場合もあります。愛犬の体調に不安を感じたり、普段と比べて様子がおかしいと感じた場合は、できるだけ早く獣医師に相談することをおすすめします。
まとめ
犬の後ずさりには、紹介してきたように様々な理由があります。
マイナスな心理が原因なものから、ポジティブなものまで、まずはその原因を明確に判断しなくてはいけません。
日常的に愛犬を観察して性格を把握し、不安材料があるのであればそれを排除したり、飼い主さんに非がある場合は改善するなどして、ストレスを感じさせないよう配慮してくださいね。
遊びに誘われている時は、思いっきり遊んで一緒に楽しんであげましょう。
愛犬の後ずさりに加えて他の症状がみられる場合は、なんらかの病気が隠れている可能性があります。少しでも気になる場合は放置せずに、病院を受診してください。
愛犬と共に幸せな毎日を送るためにも、日々、愛犬についての理解を深めていきましょう。
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