1.1.犬はオクラを食べても大丈夫!
2.オクラに含まれている栄養素とその効果
2-1.カリウム
2-2.ペクチン
2-3.β-カロテン
3.オクラの与え方は生でも加熱してもOK!
3-1.オクラを使った犬の手作りごはんレシピ
3-2.犬にオクラを与える際の適量とは
犬はオクラを食べても大丈夫!
オクラには、犬にとって害となる成分は入っていません。そのため、基本的には犬が食べても問題のない食材です。
整腸作用のあるペクチンやビタミンB1、ビタミンC、カルシウムなどが豊富に含まれているオクラには、栄養面でのメリットがあったり、水分量が約90%あることから水分補給にも向いている野菜なのです。
美容・健康に良いとされるオクラ水(オクラを一晩水に浸けたもの)には、利尿作用もあるようですね。
他にも様々な栄養素をもつオクラは、上手に利用すれば、愛犬に健康効果をもたらしてくれる可能性があります。
与え方には注意が必要ですが、それについても後述しますのでしっかりチェックしてみてくださいね。
まずは、オクラがもつ栄養素や効果から紹介していきましょう。
オクラに含まれている栄養素とその効果
オクラは水分や食物繊維が豊富な野菜の一つですが、他にも魅力的な成分をもっています。
生のオクラに含まれる主な栄養素は以下の通りです。
上記数値は可食部100gに含まれる成分であり、文部科学省食品データベースより参照しています。
尚、茹でた場合も、ほぼ同じ栄養素の成分となるそうです。
中でも、犬にとって効果的な栄養素なる三種類について詳しく解説していきましょう。
◆カリウム
ミネラルの一種であるカリウムは、ナトリウムとバランスを取りながら細胞を正常に保ち、体液の浸透圧を調整する働きをしています。
さらに、体内の余分なナトリウム(塩分)を尿と一緒に体外に排出することで、血圧を下げる作用もあるのです。
ただしカリウムの摂取に関しては、個体によっては注意が必要になってきます。高齢で腎臓機能が低くなっていたり、腎臓病や心臓病を患っているワンちゃんは、オクラを与える前に獣医師に相談した方がよいでしょう。
健康な犬の場合、余分なカリウムは尿で体外に排出されるのですが、過剰に摂取していると健康な状態の犬でも腎臓に負担がかかってしまいます。
さらに腎臓機能が低下すると、十分な排出ができずに血液中のカリウム濃度が高まる高カリウム血症となり、不整脈などの心臓疾患を引き起こすケースもあるのです。
これらが個体によってカリウム摂取の制限が必要な理由となりますので、愛犬がシニア犬・腎臓病・心臓病などに該当する場合は、危険なリスクが高まるということを覚えておきましょう。
◆ペクチン
ペクチンとは、腸内環境を整えて下痢・便秘を防ぐ、コレステロールの吸収を防ぐ、血糖値を調節する、などの働きをもつ不溶性食物繊維の一つです。
食物繊維には、水溶性食物繊維(水に溶ける性質)と不溶性食物繊維(水に溶けない)の二つがあります。厳密にいうとオクラには、この二つの食物繊維が含まれているのですが、不溶性食物繊維は水溶性食物繊維の2.5倍も含まれているそうですよ。
不溶性食物繊維は水分を吸って膨らむので、便のカサを増して腸の運動を促します。これにより、排便を促す役割を果たすのです。
さらに、腸内の善玉菌を増やしてくれるので、腸内環境を整えてくれるというわけですね。
普段から便秘気味の子には、便通の改善が期待できると考えられます。
ちなみに、オクラは刻むとねばねばしますよね。この粘りをもたらすのがペクチンと、ムコ多糖タンパク質・糖タンパク質の混合物なのですが、この成分には胃腸の粘膜を保護する作用もあるそうです。加えて、タンパク質の分解を促進する酵素も含んでいるため、タンパク質の消化・吸収もサポートしてくれるのです。
オクラは、お腹など消化器系が弱い子には、魅力的な食べ物となるでしょう。
◆β-カロテン
激しい運動・ストレスなどによって体内に活性酸素が溜まると、細胞がダメージを受け、疾病の原因になってしまう場合があります。
β-カロテンには、そういった体に悪影響を及ぼす活性酸素を除去してくれる、抗酸化作用があるのです。
また、β-カロテンは犬の体内でビタミンAに変換されるのですが、このビタミンAは、正常な視覚・健康な睫毛・皮膚・粘膜・歯を作るために役割を果たす、重要な栄養素となります。
自分の体に必要な分だけビタミンAを作りだし、健康維持に活用できるのです。
オクラの与え方は生でも加熱してもOK!
オクラは生のままでも加熱した状態でも、犬に与えることができる野菜です。
茹でたり焼いたりすることで、また違った食感が楽しめるので、様々な方法で調理することができます。
トッピングとしても手作りごはんの主役としても、万能に活躍してくれるでしょう。生のままでも使える夏野菜なので、オクラを細かく切ってドライフードにかけてみるのも良いかもしれませんね。
◆オクラを使った犬の手作りごはんレシピ
◆犬にオクラを与える際の適量とは
魅力的な栄養素を持つオクラですが、与えすぎては健康被害を招くこととなります。これはオクラに限らず、どの食材にもいえることです。
犬にオクラを与える時の目安量を紹介しますので、チェックしていきましょう。ただし、個体差はありますし、あくまでもカロリー上の算出値であるため、総合栄養食(主食)の摂取を阻害しない量に留めることが大切です。
愛犬の様子を見ながら、あくまでも目安として参考にしてみてください。
尚、オクラは生のもの大1本=14gとして算出、数値は避妊・去勢済みの犬で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安1割)として算出しています。
オクラはカロリーの少ない野菜のため、摂取可能量をカロリーから算出すると上記のようにかなり多い量となります。ただ、何十本ものオクラを愛犬に与えることは現実的ではありませんよね。
食物繊維も豊富な野菜のため、与えすぎると下痢になる可能性も考えられますので、主食にトッピングとしてのせる程度に留めておくと安心でしょう。
1本10gのオクラであれば、体重5kgに対して1本10g程度、体重10kgに対しては2本の20g程度を目安に、トッピングすると良いかもしれません。
犬にオクラを与える時の注意点
犬にとっての中毒成分がなく、基本的には与えても大丈夫なオクラですが、やはり与え方には注意点があります。以下のポイントをしっかり押さえて、上手にオクラを利用してくださいね。
◆アレルギーに注意
食物アレルギーは、食物に含まれるタンパク質に対して、免疫機能が過剰反応を起こすことで生じます。
オクラにも少量ですがタンパク質が含まれているため、アレルギーの原因となる可能性はゼロではないのです。
人間の場合、オクラに対してアレルギー症状が出るケースはほとんどありませんが、絶対にないとはいえません。犬にも同様のことが考えられます。
初めて愛犬にオクラを与える時は、少量から始めるようにしてください。食後に変わった様子がないか、しっかり観察しましょう。
もしも、下痢・嘔吐・皮膚の痒みなどが現れた場合は、アレルギー発症の可能性があります。すぐにかかりつけの動物病院を受診することをおすすめします。
◆細かくカットする
犬にはあまり噛まずに飲み込む習性があるため、食材を丸飲みしてしまう子も少なくありません。
愛犬にオクラを与える際は、のどに詰まらせるのを防ぐためにも、必ず細かくカットしてから与えることを徹底してください。茹でて柔らかくしてから与えれば、さらに噛みやすくもなりますので心配な方はぜひ実践してみましょう。子犬や老犬に与える場合は、特に念入りに準備してくださいね。
種を取り除く必要は、基本的にありません。ただし、種が消化しにくいことは事実なので、気になる方はフードプロセッサーなどを活用するとよいでしょう。
尚、産毛はまな板に擦り付けて取り、ヘタの部分は固いので切り取って実の部分を与えるようにしてくださいね。
◆新鮮なものを与える
愛犬にオクラを与える時は、新鮮なものを選ぶようにしましょう。特に、生で与える時は要注意ですよ。
新鮮なオクラは、うぶ毛がしっかりしており、濃い緑色をしています。反対に鮮度が落ちてしまったオクラは、ヘタの切り口が黒ずんでいたり、うぶ毛が落ちてツルツルになっています。これらのポイントを、しっかり覚えておきましょう。
ちなみに、オクラは暖かい所で育つ野菜のため、冷やしすぎると傷みやすいです。保存するときは、新聞紙にくるんで冷暗所に置くとよいでしょう。そして、新鮮な内に愛犬に与えてくださいね。
まとめ
オクラは人間同様、犬にとっても魅力的な栄養素をもつスーパーフードです。
ただし、与え方には注意をしないとダメですよ。食物繊維が多いことから、与えすぎると消化不良の原因となる場合もあります。さらに、特定の病気をもつ子にとっては避けるべき食材でもありますので、しっかりとオクラの特徴を理解しておく必要があるのです。
与える場合は適量を守り、調理のコツを掴んで、愛犬の食事に効果的な成分をお届けしましょう。
2021年前後から、ペットを飼う家庭はさらに増加し続けています。散歩や換毛期の手入れ、トイレのお世話などはもちろん必要不可欠ですが、健康的な食事を与えて病気などを予防することも大変重要なことです。
オクラのように健康維持に効果的な食材を活用しながら健康的な食事を心掛け、愛犬と一緒に健やかな毎日を過ごしていきましょう。
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