犬にレタスを与えてもいい?与え方や注意点を紹介

2023.07.22

犬にレタスを与えてもいい?与え方や注意点を紹介

葉物野菜の代表格であるレタス。シャキシャキした食感が大人気の食材の一つですよね。サラダやおかずの材料としても、家庭の食卓を彩ってくれる存在です。そんな美味しい野菜を愛犬と楽しみたい!と考えている飼い主さんも多いと思いますが、レタスは犬が食べても問題のない野菜なのでしょうか?今回は、レタスに焦点を当てていきますので、気になる飼い主さんは是非チェックしてみてください。

犬にレタスを与えても良い?

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結論からいうと、レタスは犬が食べても良いとされる野菜の一つです。犬の身体に害を及ぼす量の有害物質は、特に含まれていません。
与え方や量にはもちろん注意が必要ですが、安心して愛犬に与えられる野菜だといえるでしょう。
愛犬と一緒に楽しめるこのレタス。キク科の植物で、和名を「チシャ」といいます。
新鮮なレタスの茎・葉を切ると断面から白い液が滲み出てくるのですが、それにちなんで日本では古くから乳草(ちちくさ)と呼ばれ、そこから現在の和名であるチシャになったといわれているようですよ。
ちなみに、丸く結球している一般的なレタスは単色野菜ですが、球状にならずに葉先が紫色になるサニーレタスは緑黄色野菜に分類されます。含まれる栄養素はほぼ同一ですが、サニーレタスの可食部の同重量で比較した場合、カリウム・βカロテン・ビタミンCなどの含有量は多くなります。
しかし、球状のレタスにも栄養素はもちろん魅力的な成分は満載です。レタスがもつ栄養素や、犬に与えることで期待できる効果について解説していきましょう。

◆レタスに含まれる栄養素

まずは、可食部100gに含まれる主な栄養素の数値をみていきましょう。

◎エネルギー…11kcal
◎水分…95.5g
◎タンパク質…0.6g
◎脂質…0.1g
◎炭水化物…2.8g
◎灰分(無機質)…0.5g

このように、レタスの約95%~96%は水分からなっています。しかし他にも、以下の栄養素が少しずつバランスよく含まれているのです。

◎食物繊維
◎カロテン
◎ビタミンC
◎ビタミンE
◎ビタミンK
◎鉄分
◎カリウム
◎カルシウム
◎ラクチュコピクリン
◎葉酸

それでは次に、これらの栄養素が犬に与えるメリットについて紹介していきましょう。

◆期待できる成分

レタスに含まれる成分の中には、犬の身体に役立つ効果が期待できるものがいくつかあります。
その成分と働きを解説していきましょう。

水分

前述したように、レタスは約96%が水分でできています。私たち人間と一緒で犬にとっても水分は、生きていく上で欠かせない必要不可欠なものです。
特に暑い季節は夏バテなどで、水を飲む元気すらなくなってしまうこともありますよね。そんな時にレタスは、水分補給としても役立つ食材となるのです。熱中症の予防にも効果的ですね。
普段からあまり水を飲みたがらないワンちゃんも、シャリシャリという食感が気に入れば、好んでレタスを食べてくれるでしょう。

ビタミン

レタスには、さまざまなビタミンが含まれています。
例えば、ビタミンCやビタミンEは、体内に発生した活性酸素を除去する抗酸化作用を持っているのです。これによって、病気にならない身体の維持や、老化を抑制する効果が期待できるでしょう。
本来、犬は体内でビタミCを合成できるため、食べ物から摂取する必要はないと考えられていました。しかし最近の研究で、加齢によってビタミン不足が生じることが分かってきたのです。健康な犬でも5歳を過ぎれば、ビタミンC合成能力が低下すると考えられています。特にシニア犬には、食べ物やサプリメントからビタミンCを補うことがすすめられるでしょう。
ちなみにビタミンEは、ビタミンCと一緒に摂取することで効率的に作用します。レタスはこのビタミンC・Eが同時に摂れるので、より効果が期待できますね。

食物繊維

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、レタスの可食部100gでは水溶性が0.1g、不溶性が1.0g含まれています。
ちなみに水溶性食物繊維には、糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールを下げるなどの作用があります。そして不溶性食物繊維には、腸内で水分を吸収して大きく膨らみ、便のカサ増しをして腸を刺激し、排便を促す作用があるのです。
いずれも、レタスに含まれる量は少量ですが、腸内環境の改善・便秘解消にとって穏やかに効果をもたらすと考えられるでしょう。
ただし、水溶性と比べて不溶性の方が多く含まれているため、過剰にレタスを摂取すると便が大きくなりすぎるなどして排便困難になる可能性もあります。与える量には注意してくださいね。

カリウム

カリウムには、体液の浸透圧を調整する役割があります。体内に溜まった塩分を尿と一緒に体外に排出し、血液の濃さや水分量の調節を行い、血圧が高くなるのを防いでくれるのです。
神経伝達や筋肉の収縮にも深く関わってくるものなので、健康な体の維持には必要不可欠な大事なミネラルの一つだといえるでしょう。
ただし、加齢・腎臓病などで腎臓機能が低下している場合は、余分なカリウムを上手に体外に排出できず、血液中のカリウム濃度が上がる高カリウム血症になる危険性があります。
シニア犬や腎臓病を発症している個体、心機能が低下している個体の場合は、過剰摂取をしないように注意が必要です。
心配な飼い主さんは、事前に動物病院で獣医師に相談してみるとよいでしょう。
ちなみにレタスには、100gあたり200gのカリウムが含まれています。この量は同重量比で、キャベツと同じだそうです。

ラクチュコピクリン

前述したように、新鮮なレタスの断面からは白い液体が出てきます。この白い分泌液が、苦み成分のラクチュコピクリンというポリフェノールの一種なのです。
鎮静作用があることが判明しており、自律神経を整える機能をもっています。これによってリラックス効果・安眠効果が期待できるともいわれているのですが、ワンちゃんにも人間同様に効果的かどうかは残念ながら明らかではないようです。

キシリトールが含まれている??

キシリトールとは、白樺などから抽出される人工甘味料で、虫歯になりにくいことからガム・菓子類などの人間用の食品に使用されています。
人間にとっては問題がないのですが、犬にとっては命を脅かすほどの症状を起こす可能性のある有害な食べ物の一つなのです。実際に国内でも、キシリトールによる中毒症状が原因で子犬が急死した事件がありました。
レタスの葉にはこのキシリトールが含まれているため、犬に与えるのはNGだろう!と考える方もいるでしょう。
しかし、その量は極微量なのです。
中毒を起こすレベルのレタスを食べるとしたら、小型犬で6~8個程度の量になります。これはとても現実的ではないですよね。レタスの葉を数枚食べたところで、ほとんどの場合、問題ないと考えられるでしょう。


レタスの与え方

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低カロリーで豊富なビタミン、魅力的な栄養価をもつレタスですが、やはり与え方には注意が必要です。
以下のポイントを抑えて、効果的に愛犬の長生きを食事でサポートしていきましょう。

◆与える時の最適な量

レタスに限ったことではありませんが、与えすぎると下痢や嘔吐、消化不良になるなど、お腹の症状が出るリスクが高まるのは当たり前のことです。野菜や果物などを与える際には、必ず適量を与えるよう注意しなくてはいけません。
体重に合わせた目安量を紹介していきますが、あくまでカロリー上の算出値となります。主食(総合栄養食であるドッグフード)の摂取を阻害しない量に留めることが大切であり、年齢・健康状態によっては特定栄養素の過剰摂取に繋がる可能性もあるので要注意です。
数値は、避妊・去勢済みの犬で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として、レタス1個335gとして算出しています。

<体重別、1日当たりの摂取可能目安>
◎小型犬(2~5kg)…171g~340g(0.5~1個)
◎中型犬(6~15kg)…390g~776g(1~2個)
◎大型犬(20~50kg)…963g~1915g(3~6個)

摂取可能目安のためこのような量となっていますが、大型犬でも約1kgのレタスを食べることはそうそうないでしょう。あくまでも数値は目安として、愛犬の様子を確認しながら適切な量を判断することが大切です。

◆生で与えてOK

愛犬にレタスを与える時は、生のままで与えて問題ありません。
もちろん茹でるなど加熱して与えても良いのですが、ビタミンCやカリウムは水溶性のため、茹でたり長時間水に浸けてしまうと、水の中に栄養素が溶け出てしまいます。
これらの理由から、レタスの栄養素を逃さずに摂取させたい場合は、水洗いする程度に留めて生のまま与えることをおすすめします。
ただしレタスは夏野菜なので、身体を冷やす働きを持っています。冬場に与える際には、スープの具材として使用するなどの配慮をした方が、お腹には優しいかもしれませんね。

◆小さく切る

レタスは種類や季節によっては、葉が硬いものもあります。愛犬に与える際は、食べやすいように小さくちぎって与えるようにしましょう。
小さくカットすることで、誤飲なども防止できますので、特に小型犬の場合は徹底して行ってくださいね。

◆水分補給

前述したように、レタスの9割は水分でできています。水分補給には非常に役立つ野菜なのです。
暑い季節は特に、こまめな水分補給が必要となります。日常的に水を飲んでくれない子にも、ご飯のトッピングや手作り食にレタスを利用することで、効率的に水分を摂取させることができるでしょう。
もちろん、おやつとしてもおすすめです。


レタスの芯も与えて良い?

レタスの葉はもちろん芯の部分も、消化がしやすいように小さくカットすれば、与えても基本的には問題ないでしょう。
ただし芯は根の一部であり、根は栄養分を地中から吸い上げるため、農薬が蓄積しやすいとの意見もあるようです。加熱しても農薬を完全に取り除くことができないため、心配な方は芯以外の部分を与えるとよいかもしれませんね。


サニーレタスやサラダ菜は与えても大丈夫なの?

レタスには、サニーレタス・サラダ菜・グリーンリーフ・フリルレタスなど、様々な種類があります。いずれもレタス同様の注意点を押さえながら与えれば、問題ないといえるでしょう。
ただし、サニーレタスは一般的な球状のレタスに比べて、カロテン・カリウムなどの含有量が高いといわれています。
これらの栄養素には過剰摂取することで犬の身体にデメリットを与えるものもあるため、球状のレタスを与えた方が安心かもしれませんね。


レタスを与える時の注意点

与える量や方法を守ることはもちろん大切ですが、レタスを愛犬に与える上ではその他にも注意すべき点があります。以下の内容をしっかり覚えておきましょう。

◎アレルギーに注意
レタスには、ほんの少しですがタンパク質が含まれています。食物アレルギーはタンパク質に免疫機能が過剰反応して起こるものなので、アレルギーを発症する可能性はゼロではないのです。
初めて与える際は、ほんの少量を与えてみて、その後の愛犬の様子に異常がないか確認しましょう。
もし体の痒みや下痢・嘔吐などの症状がみられた場合は、動物病院で先生に診てもらってくださいね。

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◎絶対に与えすぎないこと
前述した適量を参考に、与える量には十分注意しなくてはいけません。与えすぎると、体調不良の原因になる可能性があるので絶対にダメですよ。
また、シャキシャキした食感が特徴的なレタスですが、この食感が大好きでドッグフードを食べる量が減ってしまうと、栄養不足に陥る可能性もあります。
さらに生で与えすぎた場合、腹痛・下痢などの症状が起こることはもちろん、利尿作用のあるカリウムの効果によって頻尿やおもらしの原因となってしまうことも考えられます。

◎結石に注意
レタスにはシュウ酸が含まれており、このシュウ酸が結石の原因となってしまう場合があります。
ただしシュウ酸は、水に溶けやすい性質をもっているので、水洗いや茹でたりすることで簡単に減らすことができるでしょう。
このためそこまで心配する必要はありませんが、念のため覚えておき、気になる方には上記の工夫をしてから与えることをおすすめします。


まとめ

レタスは豊富な栄養素を含む、生で与えても問題のない野菜です。非常に低カロリーなので、肥満が気になる子にもおすすめの野菜だといえるでしょう。
ただし、与えすぎては折角の栄養も台無しとなりますので、飼い主さんがしっかり与える量をコントロールしてくださいね。また特定の病気や疾患を持つ子は、与える前に獣医師に相談するなどして適切な対処法をとってください。
レタスを使った犬用レシピはネット上でも様々な記事が紹介されていますので、それらを参考にしてみるのもおすすめです。最新情報を知りたい方は、更新日にも注目してみてください。
手軽に手に入る夏野菜のレタス、愛犬と一緒に楽しめる食べ物の一つです。ちなみに、人間用のサラダを与える際には、ドレッシングなどがかかっていないことをしっかり確認してくださいね。
適切な方法・適量を意識し、シャキシャキ感で一緒に幸せな気分を味わいましょう!



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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