ボルゾイと聞くと「大きい犬」とイメージする人も多いでしょう。また散歩などでボルゾイを見かけると、その気品ある姿に、スマート・カッコイイという印象を抱き興味を持つ人もいるのではないでしょうか。
そんなボルゾイの魅力や性格、価格についてまとめてみました。
ボルゾイは深い歴史を持つ犬
15世紀のロシアでオオカミ猟の狩猟犬として活躍していたという古い歴史を持っている犬です。その当時には『ロシアン・ウルフハウンド』と言われるくらい、オオカミの狩猟では大活躍だったのです。
ただ、オオカミを捕えるなど、狩猟をするから怖い犬だったのでは?と考えてしまいがちですが、従順な性格から人間のために頑張っていたようです。当時のボルゾイは、現在のようにペットとして飼われていたという訳ではなく、狩猟犬として人間とともに暮らしていたのです。
現在のボルゾイは、そうした狩猟犬などとして育てられていることはなく、ペットとして愛情を持って育てられています。
ボルゾイの外見の特徴は?性格ってどんな感じ?
●外見の特徴は?
ボルゾイの体高は、成犬でなんと70~80センチにもなるというから驚きです。画像などで見ると大きくは見えますが、実際に見ると「本当に大きい!」と実感できることでしょう。
ただ、体重は体高によってバラつきがあって、25~45キロとなっているようです。猟犬だった歴史もあるため、走るスピードが速く、その姿はりりしくカッコイイと感じることができます。
また、毛が美しい糸のように流れていて、ストレートあるいは少し巻き毛のような感じです。ロシアという寒い地方出身のため、厳しい自然の中でも動くことができるように長い被毛で守られていました。
●ボルゾイの性格は?
ボルゾイの性格は優しく穏やかで飼い主に忠実であるという性格も持ちつつ、本来の気質である野性味も持ち合わせている犬です。外に出ると、活発に駆け回ったりしますが、家の中では大人しく温和に暮らしていける、マナーの良い犬種です。
ただし、育て方によっては他人に対して警戒して神経質であったり、大人しい性格だったりするなど、飼い主次第で性格は両極端ということもあります。
ボルゾイの価格は?選ぶ時のポイントってあるの?
高貴で気品溢れるカッコイイ犬であるボルゾイ。興味を持った方が次に気になるのは価格でしょう。ボルゾイはペットショップで見かけることは少ないです。そのため、信頼のできるブリーダーからの購入が一番いいでしょう。ペットショップでは、お取り寄せという形でボルゾイを購入できる場合があります。
しかし、その場合ですと、取り寄せる時の手数料なども含まれてしまうケースもあり、価格は高めとなってしまうものです。
また、購入するルートにもよって価格帯の幅があり、だいたい10~30万前後くらいの価格での購入が可能です。
ボルゾイとの暮らしは?
●室内で飼う?それとも室外で?
大型犬ということもあって、室外犬として飼育するのかと思ってしまいがちですが、どちらでもOKです。ただ、室内だけで飼う場合は運動不足になってしまう可能性もあるので、散歩を欠かさず配慮してあげましょう。
また、室外だけで飼う場合に気をつけたいことが、ボルゾイの持つ体質です。寒さには強いものの暑さには弱いので、日本の厳しい暑さの中で、室外でのみ飼ってしまうと体温調節が難しく、体調を崩してしまう恐れがあります。日中は室外で、夜は室内でというようにしてもいいかもしれませんね。
●被毛のお手入れの仕方
また、日々の体のケアも重要になります。ボルゾイは毛足が長い犬種なので、習慣的にブラッシングをおこなうことが必須です。最低でも週2~3回のブラッシングを徹底しましょう。オスとメスの場合では、オスの方が毛が多く、大量に抜ける時期もあるので、その際は、ブラッシングの回数を増やしてあげると良いでしょう。
●栄養たっぷり!フードにも配慮を!
フードも良質なものを与えてあげましょう。大型犬で多量のフードが必要です。飼う時のポイントとしては、ボルゾイを飼う場合に惜しまずに出せる費用があることが望ましいとも言えます。
毎日、新鮮なフードを与えるようにすることはもちろん、回数にも気をつけてあげましょう。
1日に必要なフードの量を、1日に1回で与えるよりも、2回に分けて与えるなど、分散して食べ残しを防止します。また、2回に分けることのメリットは、胃腸への負担を減らすことになります。
気を付けたい病気
ボルゾイには、体の大きさや特徴から、かかりやすい病気があります。
飼い主さんが病気について知識を持っておけば、早めの発見で重症化しなくて済むかもしれません。
ボルゾイが気を付けたい病気をいくつか説明していきます。
◎その1:「外耳炎」
垂れ耳のボルゾイは、気品溢れるワンちゃんです。
でも、空気がこもりがちな垂れ耳が原因で、外耳炎になるリスクも大きいでしょう。
通気性の悪さから、「耳垢が増える」「細菌が繁殖する」など、外耳炎になりやすい環境になってしまうのです。
外耳炎を防ぐには、耳の内部を清潔にすることが大事です。
耳を綺麗に保つのは外耳炎の予防に繋がりますが、綿棒でこすりすぎるとデリケートな皮膚が傷つくので気をつけなければいけません。
ワンちゃん用の耳掃除グッズを準備し、“優しく”お手入れするようにしましょう。
「頭をふる」「耳を床にこする」「赤い部分が見える」などの症状が見られたら、外耳炎になっているかもしれません。
病気のサインを見逃さず、早めに動物病院を受診しましょう。
◎その2:「胃捻転」
体の大きなボルゾイは、胃捻転に注意した方がいいでしょう。
胃捻転は、食べ物や水を摂取し過ぎた後に、運動することで「胃がねじれる」という病気です。
胃のねじれで胃が膨らみ、周辺にある臓器をも圧迫します。
血管も圧迫されるので、心臓に血が巡らず、治療ができなければ命を落とすことも…。
「一度にたくさん食べる・飲む」「急いで食べる」「食べた直後に動く」などが要因となるケースが多いです。
「回数を分けてフードを食べる」「食後にいきなり運動させない」が胃捻転の予防法になので、食事と運動にはじゅうぶんに注意しましょう。
◎その3:熱中症
15世紀のロシアで狩猟犬として活躍していた歴史をもつボルゾイは、寒い地域で動くときに耐えられるよう長い毛が発達しています。
そのため、暑さには強くない体質。
日本は高温多湿なので、夏になるとボルゾイは体力的に弱さを見せるでしょう。
温度管理が悪いと、ボルゾイは室内にいても熱中症にかかってしまいます。
ボルゾイが快適と感じる温度設定をし、こまめに水分を与えてあげることが大事です。
少しでも涼しくなるように、夏には長い毛をカットするのも対策のひとつと考えられています。
また、運動不足にならないように散歩が必要なボルゾイですが、気温が高い時間帯にいくと熱中症になるかもしれません。
朝や夜など温度が低めになったタイミングで行く、長い時間散歩に連れ回さない、アスファルトの熱い部分を避けるなど、水分補給をしながら気をつけて散歩をするようにしましょう。
◎その4:骨肉腫
骨肉腫は「骨のがん」として、人間にも発症する病気です。
犬のなかでも、特に「シニア期の大型犬」が注意すべき病気と言われています。
ボルゾイも老齢になってくると骨肉腫の発症が起こりやすくなります。
ボルゾイの骨肉腫は、特に足の骨にがんができることが多く、「足を引きずる」「足が腫れる」などの症状が表れます。
悪性のがんである骨肉腫は、治療が困難になる前に早期発見することが大事です。
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