1.愛犬の皮膚についた黒いカスの正体とは
1-1.かさぶた
1-2.汚れ
1-3.ノミ・ダニ
1-4.メラニン色素の沈着2.犬の皮膚の黒いカスの対処法
2-1.かさぶたの場合
2-2.汚れの場合
2-3.ノミ・ダニの場合
2-4.メラニン色素の沈着の場合
3.犬の皮膚自体が黒くなっているのはなぜ?
3-1.皮膚が黒くなる症状の出る犬の疾患例
3-2.異変が見られた場合には病院へ
愛犬の皮膚についた黒いカスの正体とは
愛犬の皮膚に黒いカスを見つけたとき、まずは「汚れ」を疑いますよね。
しかし、こすってみても、つまんでみても取れないとなると「もしかしたら、病気かもしれない?」と不安になってくるものです。
そもそも、この黒いカスは、どのようなときに出るものなのでしょうか?
ここでは、犬の皮膚にたまに見かける「黒いカス」の正体について、解説していきます。
◆かさぶた
犬の皮膚についた黒いカスの可能性のひとつは「かさぶた」です。
かさぶたは、ケガだけでなく、痒みがある部分を掻いたり、噛んだりしすぎてしまった場合にできることもあります。
なお、出血するほど掻き壊してしまう原因には、アレルギーや感染症などが考えられます。
・アレルギー
犬は、「牛肉」「鶏肉」「穀物」など、一般的にドッグフードに含まれている特定の「食べ物」が原因でアレルギー反応を起こすことがあります。
また、パグや柴犬など、遺伝的にアトピー性皮膚炎を発症しやすい犬種がいることも知られています。
犬がアレルギーを起こすと皮膚炎を発症することが多く、皮膚の赤みや湿疹などが見られるようになり、激しく痒がるのが特徴です。
食後に皮膚に赤みが見られたり、痒がったりするようであれば、早めに受診することをおすすめします。
・感染症
犬の感染症には、ダニやカビなどが原因となるものや細菌が原因となるものなどがあります。
代表的な感染症として挙げられるのが、ダニの感染によって起こる「疥癬」、カビの感染によって起こる「真菌症」、ドウ球菌や連鎖球菌など細菌の感染によって起こる「膿皮症」などです。
犬の皮膚についた「かさぶた」がこれら感染症によるものだった場合、皮膚に赤みが見られたり、湿疹が見られたりすることがあります。
感染症の場合は、治療が必要です。
かさぶた以外にも症状が見られるときは、速やかに獣医師に相談しましょう。
◆汚れ
犬の毛穴に詰まった皮脂などが酸化することで、細かな黒いカスが皮膚についているように見えることがあります。
このような皮脂が含まれた汚れは、こすったり、拭いたりするだけでは取り除くことが難しく、トリミングしたり、重曹湯に入れたりするなど、こまめにシャンプーをするなどして様子を見る必要があります。
とはいえ、シャンプーなどで取り切れない場合は汚れ以外の要因も考えられるため、その際は、獣医師に相談しましょう。
◆ノミ・ダニ
黒いカスが犬の被毛の付け根に見られる場合、ノミやダニに寄生されている恐れがあり、この黒いカスはノミやダニの糞である可能性が考えられます。
万が一、ノミやダニだった場合、シャンプーでは駆除することはできません。受診のうえ駆除薬の投与などが必要です。
そのため、犬の被毛の付け根に黒いカスを見つけたら、皮脂を含む汚れか、ノミやダニの糞であるかを判断する必要があります。
ちなみに、ダニの糞かどうかは、飼い主さんでも簡単に確認可能です。
この黒いカスを紙の上に載せて水を垂らし、カスが解けて赤くなるかどうかを確認してみましょう。
万が一、赤くなった場合は、ノミの糞だと判断することができます。
ノミの糞があるということは、愛犬がノミに寄生されている可能性が高いので、速やかに受診してください。
◆メラニン色素の沈着
メラニン色素とは、犬の皮膚や被毛の色のもとになる色素です。
人間と同様に、犬も日光を浴びると、日焼けをして皮膚にメラニン色素の沈着が起こります。
さらに、沈着したメラニン色素が皮膚にシミやそばかすとして現れると、黒いカスのように見えることがあります。
このような場合は、たとえ犬の皮膚を拭いたり、洗ってやったりしても、取り除くことはできません。
また、シミのできている皮膚辺りにその他の変化が見られるような場合には、念のため、獣医師に相談しましょう。
犬の皮膚の黒いカスの対処法
黒いカスの正体がある程度判断できたら、必要に応じて、トリミングサロンや動物病院などで処置をしてもらうことができます。
そのためにも、あらかじめ適切な対処法を知っておくと安心です。
ここでは、「犬の皮膚につく黒いカス」の正体別の対処法についてご紹介していきましょう。
◆かさぶたの場合
犬の皮膚にかさぶたができている場合は、誤って傷つけてしまったか、アレルギーなどで痒みを伴っている可能性があります。
さらに、犬がかさぶたを引っかいてしまったり、舐めてしまったりすると傷口が化膿してしまうこともあるので、気にしているような場合は、獣医師に相談すると良いでしょう。
特に、かゆみを伴う場合は、アレルギーや感染症を疑う必要があるので、速やかな受診をおすすめします。
もしも、アレルギーだった場合は、アレルゲンを特定したうえで、ドッグフードの見直しなどが必要です。
また、感染症だった場合は、原因が取り除かれるまで投薬、通院が必要となります。
◆汚れの場合
犬の皮膚の黒いカスが、市販の犬用シャンプーなどで洗ったり、ベビーオイルなどで拭いたりすることで取れるような汚れの場合は、問題ありません。
しかし、黒いカスが皮脂を伴うものの場合は、これらのケアでは取り除けない場合があります。
無理に取ろうとすると、かえって犬の皮膚を傷つけてしまったり、炎症を引き起こしてしまったりする可能性があるので注意が必要です。
トリミングサロンや動物病院では、微細な泡「マイクロバブル」を発生させるシャワーヘッドなど、皮脂を伴うしつこい汚れを綺麗に、効率よく落とす機器を使ってケアしてくれます。
万が一、思うように取り除けない場合は、トリミングサロンや動物病院などでケアしてもらいましょう。
◆ノミ・ダニの場合
犬の皮膚の黒いカスがノミやダニが原因である場合は、駆除が必要です。
犬に寄生しているのが成虫のノミの場合は、飼い主さんの手で丁寧にブラッシングしたり、ノミ取り用のシャンプーでこまめに洗ったりするなどして、ノミを取り除きます。
しかし、犬の皮膚に産み付けたノミの卵は、ブラッシングやシャンプーでは取り除くことはできません。そのため、受診のうえ、駆除薬などを投与するなどの対処が必要です。
また、犬の皮膚にダニを見つけた場合も、無理やり取り除いたりせず、速やかに受診してください。
万が一、ダニを無理やり取り除いり、潰したりした場合、犬の皮膚内にダニの口などが残って皮膚病を起こしたり、ダニが持つ病原菌に感染したりする恐れがあります。
さらに、犬に寄生するノミやダニは、人間に噛みついて吸血することもあります。
そのため、飼い主さんも十分に注意し、ノミやダニに触れた手はしっかりと洗い、消毒用アルコールなどで除菌するようにしましょう。
◆メラニン色素の沈着の場合
犬の皮膚についているように見える黒いカスがメラニン色素の沈着によるものだった場合、最も考えられるのが「シミ」です。
しかしながら、シミ以外にも、皮膚の炎症の慢性化、ホルモンの分泌異常などが原因によるメラニン色素の沈着が見られることもあります。
そのため、これまでに見られなかったような「シミ」や「黒いカスの付着」などが見られた場合は、かかりつけ医に相談するなどして、原因を確認すると安心です。
また、メラニン色素の沈着以外に、抜け毛が増えたり、水をよく飲むようになったりするなどの変化が見られる場合は、すぐに受診しましょう。
犬の皮膚自体が黒くなっているのはなぜ?
犬の皮膚が黒くなる原因は、日焼けはもちろんのこと、アレルギーや感染症、ホルモン異常といった比較的よくみられる疾患から、メラノーマといった悪性腫瘍など、さまざまな可能性が考えられます。
そのため、愛犬にいつもと違う様子が見られたら、まずは獣医師に相談することをおすすめします。
ここでは、なぜ犬の皮膚が黒くなるのか、受診すべき皮膚の黒さとはどのような状態なのかなどについて、ご紹介していきましょう。
◆皮膚が黒くなる症状の出る犬の疾患例
病名 | 主な原因 |
---|---|
アトピー性皮膚炎 | 遺伝 |
表在性膿皮症 | 常在菌の増加 |
毛包虫症(ニキビダニ症、アカラス症) | 毛包虫の寄生 |
甲状腺機能低下症 | 甲状腺ホルモンの分泌低下 |
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群) | 下垂体の腫瘍 |
脱毛症X(アロペシアX) | 不明 |
◆異変が見られた場合には病院へ
犬の皮膚が「以前と比べて明らかに黒くなっている」というのには、何らかの原因があります。
そんな変化に気づいた時は、まずは、獣医師に相談しましょう。
受診した結果、特に異常や病気がなかったら安心ですし、お手入れの仕方などを相談する良い機会にもなりますよ。
なお、受診の際には、犬の皮膚以外にも何か変わった点がないかどうかも確認しておくと、スムーズな診断、早めの治療に繋がります。
そのためにも、日頃から、愛犬の皮膚の様子を確認する習慣をつけておくと安心です。
まとめ
今回は、犬の皮膚つく黒いカスの正体や原因、対処方法などについてご紹介してきました。
はじめは「ただの黒いカス」であったとしても、原因が細菌の感染やノミ・ダニの寄生だった場合は愛犬だけでなく、飼い主さんやそのご家族にも影響を与えます。
また、大きな病気の前兆である可能性も捨てきれません。
そのため、たとえ「皮膚に黒いカスが付いている程度」であったとしても、いつもと違うことに気づいたら、まずは獣医師さんに相談することをおすすめします。
相談した結果として、大きな病気であればすぐに対応してもらえますし、そうでなかった場合でも、汚れであればシャンプーなどの対応、アレルギーや感染症であれば速やかに治療が受けられるので、安心です。
犬は外散歩をするため、日焼けしたり、カビ、ノミ、ダニなどに感染したりする可能性は高くなります。
何より、早期発見には、日頃から愛犬をよく観察することが一番!
万が一、皮膚に黒いカスを見つけたら、すぐに対処してあげましょう。
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