犬にカリフラワーを与えても大丈夫!
犬にカリフラワーを与えても、大丈夫です。基本的には問題ありません。
そうはいっても、好んで食べるならともかく、そもそも犬にカリフラワーを与える必要はあるのでしょうか?
ここでは、カリフラワーに含まれる栄養素や犬が食べることで期待できる効果など、犬にカリフラワーを与えるメリットについてご紹介していきます。
◆カリフラワーに含まれる栄養素
白い花蕾(つぼみ)が特徴のカリフラワーは、キャベツやブロッコリーと同じアブラナ科に属する、冬から春にかけて(11月~3月頃)が旬の野菜です。
カリフラワーは約90%が水分で、低カロリー。
しかしながら、次のような栄養素が豊富に含まれた野菜でもあります。
●ビタミンC
●食物繊維
●鉄
●カリウム
これらの栄養素の中でも、特にビタミンCが豊富で、カリフラワーのビタミンCの含有量は「キャベツ」の約2倍、さらに、ビタミンCを多く含むイメージのある「みかん」よりも多く「畑のレモン」と呼ばれています。
◆期待できる効果
カリフラワーは、食べ応えがある割に低カロリーで、ダイエット向きの食材でもあります。
さらに、カリフラワーに含まれる栄養素により、犬の健康に対するさまざまな効果が期待できます。
ビタミンC
ビタミンCには、犬の歯、被毛、皮膚などを正常に保ったり、抗酸化作用により免疫力を高めたりする効果があります。
万が一、ビタミンCが不足すると、被毛や皮膚に乾燥や炎症が起きたり、貧血になったりする可能性があります。
食物繊維
食物繊維には、犬の便秘を予防・解消したり、腸内環境を整えたりする効果があります。
万が一、食物繊維が不足すると、便秘になりやすくなったり、大腸がんや糖尿病などの原因となったりする可能性があります。
鉄
鉄には、犬の貧血を予防したり、成長やエネルギー代謝を促したりする効果があります。
万が一、鉄が不足すると、犬の成長不良や体力低下の原因となったり、貧血になったりする可能性があります。
カリウム
カリウムは、余分な水分や塩分を排出し、血圧の上昇や心臓への負担を解消する効果があります。
万が一、カリウムが不足すると、犬の食欲や体力が低下してしまうことで、成長が止まってしまったり、歩行できなくなったりしてしまう可能性があります。
ブロッコリーとの違いは?
カリフラワーは白、ブロッコリーは緑と、色は違うものの見た目はとても似ている2つの野菜ですが、それもそのはず。
それぞれアブラナ科で「同じ仲間の野菜」というだけでなく、元々、カリフラワーは「突然変異したブロッコリーを品種改良したもの」なのです。
とはいえ、カリフラワーとブロッコリーは色だけでなく、栄養素や性質にも少しずつ違いがあります。
たとえば、ブロッコリーに含まれるβ-カロテンの含有量はカリフラワーの50倍ですが、ビタミンCと葉酸はブロッコリーよりもカリフラワーの方が多く含まれています。
さらに、ブロッコリーのビタミンCは茹でると溶け出してしまうのに対し、カリフラワーのビタミンCは茹でても成分が壊れにくく、溶け出しにくいという性質があります。
なお、カリフラワーだけでなく、ブロッコリーも犬に与えても問題ありません。
これら性質の違いをふまえ、犬にはあげ過ぎに注意しながら与えるようにしましょう。
カリフラワーの与え方
カロリーは低いにも関わらず栄養価の高いカリフラワーのような野菜は、餌のかさ増しやおやつとして活用できます。
では、実際にカリフラワーを犬に与える場合、どのような点に注意したらよいのでしょうか。
ここでは、カリフラワーの犬への適切な与え方についてご紹介していきます。
◆最適な量
いくらカロリーが低く栄養素が豊富な野菜とはいえ、カリフラワーの与え過ぎは、かえって犬の健康を損なう可能性があります。
では、一般的に犬に与えるカリフラワーの適量とは、どのくらいなのでしょうか?
日本国内のペットフードの栄養基準や原材料等の基準を示している「ペットフード公正取引協議会(https://pffta.org/)」は、原則として、犬のおやつは「1日あたりの給餌量(総カロリー)の20%程度に抑えることが望ましい」と提言しています。
(避妊・去勢手術済みの成犬の場合は、10%適度に抑えることをおすすめします。)
おやつの食べ過ぎで主食の餌が食べられなくなってしまうと、犬にとって必要な栄養素やエネルギーが摂取できず、体重が落ちてしまったり、体力の低下で元気がなくなってしまったりする原因にもなります。
そのため、カリフラワー以外の食べ物も含め、おやつとして与える際は1日の餌の量の20%を超えないように与えましょう。
◆茹でる
カリフラワーは、犬が生で食べても問題のない野菜です。
とはいえ、カリフラワーは、茹でても栄養素(特にビタミンC)が壊れにくいうえに、茹でた方が消化にも良く、滅菌効果もあるので、犬には茹でて与えてあげることをおすすめします。
ただし、カリフラワーを茹でる際には、次の点に注意しましょう。
●切らずに茹でる
カリフラワーを切ってから茹でてしまうと、断面から栄養素が出やすくなってしまうため、丸のまま茹でてから食べやすいサイズに切って与えてあげましょう。
●塩は入れずに茹でる
塩分過多は犬が体調を崩す原因にもなるため、カリフラワーなどの野菜を茹でる際は、塩は入れないようにしましょう。
葉や茎は与えても大丈夫なの?
スーパーなどで売られているカリフラワーの多くは、あらかじめ葉や茎が取られていますが、犬がカリフラワーの葉や茎を食べてしまったとしても問題はありません。大丈夫です。
ただし、カリフラワーの茎の部分は特に硬いので、他の部分より長めに茹でて柔らかくしたり、小さめに切って与えたりして、消化しやすくして与えてあげることをおすすめします。
犬にカリフラワーを与える際の注意点
たとえ低カロリーで栄養素が豊富なカリフラワーとはいえ、すべての犬に与えることをおすすめできる訳ではありません。
また、与えすぎてしまうことも、愛犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
特に、愛犬に次のような症状がある場合には、カリフラワーは与えないようにしましょう。
◎アレルギー症状が出る
カリフラワーは栄養豊富な野菜ではありますが、体質によって、アレルギー症状が出てしまう場合があるので、注意が必要です。
万が一、カリフラワーを与えた後に「下痢を起こす」「口の周りなどが赤くなる」「痒がる」などの症状が出る場合は、アレルギーの可能性があります。
このような症状が出る場合は、カリフラワーを与えるのは止め、獣医師に相談することをおすすめします。
なお、初めてカリフラワーを与えるときは、アレルギーの可能性も考慮して、少量からチャレンジしてみましょう。
◎腎臓に問題がある
カリフラワーのようなアブラナ科の野菜には、「シュウ酸」や「カリウム」が含まれています。
そのため、腎臓に問題のある犬にカリフラワーを与えるのは止めましょう。
シュウ酸には結石を作りやすくする性質があるため、腎臓に問題のある犬がカリフラワーを食べると尿結石をできやすくしてしまう可能性が考えられます。
さらに、腎臓に問題のある犬はカリウムを排出しにくく、カリウム血症を起こしてしまう恐れもあります。
特に、高カリウム血症を起こしている犬には、絶対にカリフラワーを与えてはいけません。
◎甲状腺機能に異常がある
カリフラワーに含まれる「グルコシノレート」には、甲状腺が機能するのに必要なヨウ素を阻害する働きがある物質に変化する性質があります。
そのため、甲状腺機能に異常のある犬がカリフラワーを食べてしまうと、甲状腺機能低下症を起こす恐れがあるため、与えないようにしましょう。
万が一、甲状腺機能に異常の犬がカリフラワーを食べてしまった!という時は、速やかに獣医師に相談してください。
まとめ
今回は、「カリフラワーは犬に食べさせても良い野菜なのか?」という点について、カリフラワーの特徴とともにご紹介してきました。
そもそも、野菜には「健康に良い」というイメージがあります。
愛犬の健康のために「色々な野菜を与えてあげたい!」と考える飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
お話ししてきたとおり、元気で健康な犬にはカリフラワーを与えても問題ありません。
むしろ、多くの栄養素が摂取でき、犬にとってもメリットは大きいです。
しかし、健康に良いとされる栄養素が、愛犬の病気によくない影響を与える可能性もあります。
そのため、飼い主さんは、既に病気を持っている犬やアレルギーがあったりする犬にとっては、「カリフラワーが体調を崩す原因となる場合がある」ということを十分に理解しておかなければいけません。
そもそも、カリフラワーに限らず、病気やアレルギーを持つ犬に新しいものを食べさたいと思ったときは、与える前に獣医師に相談するようにしましょう。
愛犬にいつまでも元気で過ごしてもらうためにも、是非、知っておいてください。
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