1.犬はサンマを食べても大丈夫!
2.犬にサンマを与える際の注意点
2-1.新鮮な魚を選ぶ
2-2.内臓・頭は取り除く
2-3.アニサキスに注意
2-4.サンマの骨は抜いてあげる
2-5.味付けはしない
2-6.与える量に気を付ける
2-7.青魚アレルギーに注意
3.サンマの栄養素と期待できる効果
3-1.不飽和脂肪酸
3-2.たんぱく質
3-3.カルシウム
3-4.ビタミンA・ビタミンD
犬はサンマを食べても大丈夫!
サンマには犬にとって危険な成分は含まれていませんので、内臓や頭を取り除いた身の部分であれば、犬はサンマを食べても大丈夫です。
サンマにはたんぱく質やミネラル、不飽和脂肪酸などの栄養素が豊富に含まれているため、与える際の注意点を理解しておけば、犬に与えるのにおすすめな食材と言えます。
それでは、犬にサンマを与える際の注意点や期待できる効果などを順番に見ていきましょう。
犬にサンマを与える際の注意点
どの食材にもいえることですが、適切な与え方をしなくては健康被害や危険を招き、効果的なメリットを得られなくなってしまいます。
愛犬にサンマを与える際には、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
◆新鮮な魚を選ぶ
犬は人間よりも体重が軽いので少量の食事でも十分な栄養を摂ることができますが、その反面、悪影響も顕著に出やすいといえるのです。
栄養素の過剰摂取・食中毒を防ぐためにも、愛犬に与える場合は鮮度の高いサンマを購入しましょう。
背中が青黒く光り、全体の身が締まってハリのあるものを選ぶのがおすすめです。また、くちばしが黄色いものが良いともいわれているそうですよ。さらに、目の淀みがないか、鱗がキレイかといった点も、鮮度の見極めには重要なポイントです。
そして鮮度において一番の注意すべき理由は、ヒスタミン中毒の危険性があるという点です。
サンマはヒスチジンというアミノ酸の一種をもっているのですが、常温で長時間放置するなどして鮮度が落ちたサンマのヒスチジンは、ヒスタミンという食中毒を引き起こす物質に変化してしまうのです。
ヒスタミンは熱に強く、一度生成されると加熱調理しても活性を失いません。
愛犬はもちろん飼い主さんも、鮮度の落ちたサンマを食べないよう注意してください。
◆内臓・頭は取り除こう!
サンマの内臓や頭は消化に悪いので、ワンコに与えると嘔吐・下痢などの消化不良を引き起こす原因となる場合があります。
与える際は、必ず内臓や頭を取り除いて与えるようにしてくださいね。
ちなみに、圧力鍋などで骨・頭まで和らく加熱するのであれば、与えることができるでしょう。
◆アニサキスに注意
アニサキスとは線虫の一種で、サバ・イワシ・カツオ・鮭・イカ・サンマ・アジなどの魚介類の内臓に寄生する寄生虫です。
鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動するため、生の状態で魚介類を食べることで胃壁・腸壁に刺入し食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
人間の場合、嘔吐や激しい痛みを伴いますが、犬猫も同様の症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
アニサキスの対処法としては、目で見て取り除くか、加熱(70℃以上、60℃なら1分)・冷凍(-20℃で24時間以上冷凍)どちらか行うと死滅させることが出来ます。
そのため愛犬にサンマを与える際は、丸焼きや湯がくなどして加熱してから与えることがおすすめなのです。
生で与えるのが絶対にNGというわけではありませんが、お刺身を与えたいのであれば、あらかじめ小さく切ってから与えるなどの工夫が必要でしょう。
オメガ3脂肪酸は高温に弱いので、新鮮な刺身を食べるのがよく栄養を摂れるとされていますが、できるだけ加熱してから与えることが、与え方としてはやはり安心・安全だといえます。
◆サンマの骨は抜いてあげる
サンマは細かい骨をたくさんもつ青魚の一種です。
人間の場合、小骨があることを意識して噛む回数を増やすことができますが、犬は基本的に丸呑みに近い食べ方をするためそれは難しいでしょう。
愛犬にサンマを与える際には、事前に目立つ骨を取り除いてあげる必要があります。
骨が残っていると、口内を傷付けたり、胃腸に負担をかけてしまう可能性があるので、きちんと処理してくださいね。
骨まで与えたいという方は、前半でお伝えしたように、圧力鍋を利用して骨まで柔らかくしてから与えることを徹底しましょう。
◆味付けはしない
サンマに限ったことではありませんが、ペット用食品以外の食べ物を犬に与える場合は、味付けをしないことが基本です。
人間用の塩焼きを作ってそれを分け与えることは塩分の過剰摂取を招くため、絶対にしてはいけないのです。
愛犬にサンマを与える際は、必ず犬用として味付けをせずに調理をするようにしましょう。
◆与える量に気を付ける
サンマは見た目以上にカロリーが高い魚で、脂質も豊富です。
過剰摂取させると、健康効果どころか健康被害を与えてしまうことにもなりかねません。
どんな食べ物にもいえることですが、与える量にも気を付けなくてはいけないのです。
総合栄養食であるドッグフードを与えている場合、犬が1日に必要とする栄養素はそのフードだけで基本的には賄うことができます。
他の食べ物を与える時は、ご褒美・食欲を増進させる目的・栄養サポートとして、トッピングやおやつ程度に与えるだけでOKだといわれているので、副食は1日の食事量の10%程度を目安としましょう。
サンマを与える場合の適量を、犬種サイズ別で紹介していきますので参考にしてみてください。
◎超小型犬
体重4kg未満の犬で、トイプードル・チワワ・パピヨン・マルチーズ・ポメラニアンなどがこれにあたります。
1日の食事量が約100~200gのため、サンマは10~20g程度が適量だといえるでしょう。
ちなみにサンマの可食部分は1尾83g前後なので、1/8から1/4程度が目安となります。
尚、あくまでも副食のパーセンテージに基づいて計算されたものなので、毎日この量を与える必要はありません。
個体差もありますので、愛犬の様子を見ながら適量を判断することが大切です。
数字はあくまで目安として考えてくださいね。
ちなみに、子犬の場合は体重に限らず、ほんの少し程度の量に留めておくようにしましょう。消化器官が未発達のため、消化不良を起こしやすいです。たくさんの量を与えずに、しっかりと様子を確認するようにしてください。
◆青魚アレルギーに注意
犬によっては、青魚に対してアレルギー反応を起こす個体もいます。食物アレルギーは、原因となる食物を取り除くことで予防することができるため、初めてサンマを与える時は少量を与えて様子を見ることを徹底してください。
アレルギーの主な症状には、下痢や軟便・嘔吐・発熱・元気がない・皮膚の炎症やかゆみ、などがあります。
これらの症状が見受けられた場合は、動物病院を受診して獣医師に相談するようにしましょう。
サンマの栄養素と期待できる効果
それでは次に、サンマがもつ栄養素や、犬に与えることで期待できる効果について紹介していきましょう。
サンマには、タンパク質やオメガ3脂肪酸のEPA・DHA、ビタミンD、ビタミン12などの栄養成分が豊富に含まれているのです。
これらは犬にとっても、魅力的な栄養素だといえます。
健康効果が期待できる主な栄養素について、いくつか解説していきましょう。
◆不飽和脂肪酸
サンマには、EPA・DHAといった抗酸化作用のある不飽和脂肪酸が含まれています。
不飽和脂肪酸を適度に摂取することで、皮膚・粘膜の健康を保ったり、脳の働きを活性化してくれたりする効果が期待できるのです。
また、血栓の詰まりを防ぐ効果もあるため、心筋梗塞や脳梗塞になりにくい体作りにも役立ってくれるそうですよ。
ちなみに、EPAには血液をサラサラにする効果、DHAには脳の働きをサポートする効果があります。
◆たんぱく質
犬の身体を作る元となる、非常に重要な栄養源となるタンパク質。
成長・発達・体組織の修復・酵素・免疫系などの全てに関わっている栄養素だといえるでしょう。
実はサンマには、そんな良質なタンパク質が豊富に含まれているのです。100gあたりのタンパク質量は16.3gあるそうですよ。
◆カルシウム
骨と歯の構成成分の99%を占めて、体を支える骨格を強化する働きをもつカルシウム。
身体のバランスを整えるためにも、犬にとって必要不可欠な栄養素の一つだといえるでしょう。
神経刺激の伝達や興奮・筋肉の収縮・ホルモンの分泌・血液凝固などにも役立っています。
サンマにはこのカルシウムも豊富に含まれているので、健康サポートのためには魅力的な食材とだといえるでしょう。
◆ビタミンA・ビタミンD
サンマには、目や皮膚の健康を守るビタミンAや、カルシウムとリンの吸収を助けて骨を丈夫にするビタミンDが豊富に含まれます。
アンチエイジング効果・免疫力アップの効果があるビタミンAは、牛肉の約12倍も含まれているそうですよ。
そしてビタミンDは真サバの約3倍含まれており、骨粗鬆症や骨折予防に繋がります。
ちなみにビタミン12の含有量も魅力的で、これは貧血や認知症予防に効果ができます。
まとめ
サンマは犬にとっても、魅力的な栄養素をもつ美味しい食材です。
与える量、与える方法に注意すれば、効果的なメリットを得ることができるでしょう。
誤った与え方をして健康被害や病気の原因とならないよう、飼い主さんがしっかりと管理して、味覚の秋を楽しんでくださいね。
サンマを使ったペット用レシピの情報なども、ネット上に多数記事が掲載されていますので、それらを参考にするのもおすすめです。
小骨の取り除きなどは簡単ではありませんが、苦労した分、愛犬も喜んでくれるでしょう。
我が家でも、2023年の秋の主役はサンマで決まりです。家族みんなで季節の恵みを喜び、食卓を囲めると良いですね。
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