柴犬って怒りっぽい犬種?そういわれる原因は?

2024.04.20

柴犬って怒りっぽい犬種?そういわれる原因は?

国内に限らず、今や世界的にも人気犬種といえる柴犬。和犬の中でも大人気の種類ですが、怒りっぽいというイメージをもつ方も少なくないでしょう。それでは、そういわれる理由は一体何なのでしょうか?今回はそんな柴犬に注目し、怒る原因や対処法などについて紹介していきます。特に柴犬が愛犬の飼い主さんは、ぜひチェックしてみてくださいね。

柴犬が怒るタイミング

柴犬のムキ顔

SNSなどの投稿で、柴犬の「ムキ顔」が話題となることがありますよね。可愛いと評判のこのいぬのムキ顔とは、その言葉通り眉間にシワを寄せて歯を剥きだしにする表情のことを指すのですが、一般的に威嚇や警戒の表現として出ることの多いしぐさの一つなのです。
最近でも写真や動画投稿などで柴犬のムキ顔は目立っていることから、「ムキ顔といえば柴犬さん!」といった印象を持っている方も多いでしょう。こういった理由からも、柴犬はやはり他の犬種と比べて怒りっぽいのでは?と考えてしまいそうですよね。

実は柴犬には、頑固でこだわりや独立心が強い性格の子が多いといわれています。どんなに飼い主さんや家族のことを信頼していても、ひとりで過ごす時間を好む傾向にあり、また一方で自分が遊びたい時、甘えたい時には側に寄ってくるなど気分屋の一面ももっているのです。
もちろん個体差はあるので一概にはいえませんが、縄張り意識や警戒心も強いといわれているため、そのような部分が強く出ると、怒りっぽい性格だと感じられることがあるのでしょう。
ただしこのような性格は、子犬の頃からしっかりとしつけやトレーニングを施したり、上手にコミュニケーションをとることで、ある程度改善できる可能性も考えられます。
怒りっぽい愛犬に対する対処方法も後述しますが、まずはどのようなきっかけで怒りやすくなってしまうのか、そのタイミングについて解説していきましょう。

◆お手入れなど苦手なことをされる

ペットを飼育する上で、爪切りや被毛のカット、ブラッシングなど、様々なお手入れが必要不可欠です。しかし、愛犬がそういったケアを嫌いだったり苦手だというケース多く、飼い主さんの悩みあるあるのお話ともいえます。

犬は苦手なことをされると、嫌悪感・不快感から逃れるために怒ってしまうことがあるのです。
信頼している飼い主さんが相手ならば、多少の我慢ができる子もたくさんいますが、その限界を超えると怒りの感情をあらわにしてしまうことは珍しくありません。
この場合、苦手なお手入れを無理強いすることはおすすめできませんので、毎日少しずつ実践するか、思い切ってプロに任せてしまうとよいでしょう。
おやつやフードを利用して、ご褒美を与えながら行い、お手入れに対して良い印象をもたせるのも一つの手ですね。
いずれにしろ無理強いして噛まれると危険ですし、ストレスとなって飼い主さんに対する恐怖心や不安を覚えてしまう可能性も考えられますので、決して無理はしないようにし、どうしても自分で対応したい場合は、獣医師やトリマー、トレーナーの先生など専門家に相談してみましょう。

◆縄張りを荒らされる

犬は元々群れで暮らしていた動物のため、縄張り意識が強いです。
中でも柴犬は数ある犬種の中でも縄張り意識が強い傾向にあるため、知らない犬・人間が自分のテリトリーに入るのを嫌うケースが多々見られるでしょう。そのため警戒したり、追い払う行動をとり、怒ることがあるのです。

来客時に唸ったり怒る様子をみせる場合は、おやつなどを与えながら対面させて、来客に対して良い印象を持たせることが大切です。
また、子犬の頃から様々な人と触れ合う機会を設け、社会性を培うことも重要なポイントとなるでしょう。

◆好きなものを取られる

犬にも人間と同様で、所有欲(独占欲)があります。自分の大切なものを奪われる、奪われそうになるなどの状況に陥ると、唸り声をあげるなどして怒ることがあるでしょう。
もちろん犬にも個性があるのでわんちゃんそれぞれでその対象物には違いがありますが、犬にとって大切なものとして一般的に挙げられるのは、ごはんやおやつ、おもちゃなどですよね。
愛犬がこういった大切なものを持っている場合は、無理に取り上げるのは絶対にダメだ、ということを頭に入れておいてください。

理由があって愛犬からその大切なものを回収しなければいけない時は、おもちゃを持っているなら食べ物と交換する、といった「遊び」に変えることが上手く対処するコツとなります。ただし、おやつの与えすぎなどは肥満や糖尿病などの原因ともなりますのでバランスが重要ですよ。
なお、防御本能が強く臆病、または反対にカッとしやすい遺伝的要因を持つ子に関しては、取り上げられることに対して執拗に怒るケースもあるようです。ある程度は良い体験を積むことで改善できますが、1~2割はそれができない個体もいるようです。場合によっては、プロに相談することも視野に入れるとよいかもしれません。

◆痛みがある

ケガや病気が原因で痛みや不快感があり、身体を触られると怒ったり、咄嗟に攻撃的になってしまうケースもあります。
ケガ・病気の可能性が考えられたり、体調に何らかの異変を感じる場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。放置してその原因が悪化するケースもありますので、少しでも気になる様子がある場合は一度獣医師に相談するようにしましょう。

また、健康体であっても触る力が強いなどして痛みを感じた場合にも同様で、怒りの行動をとることがあるでしょう。人に暴力をふるわれた際も、防衛本能から怒ることがあります。
当然ですが動物に暴力をふるうことは決してしてはいけないことです。そして、触る際の力加減には十分注意しなくてはいけません。


犬が怒る前にする行動

怒る柴犬

柴犬に限らず、犬が怒る前にとる行動がいくつかあります。このサインや意味を覚えておけば、愛犬が怒る前に対処可能となり、より気持ちを理解することができるようになるでしょう。
代表的なサインを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

◆怒り感情を表す主な4つのサイン

◎カーミングシグナルを発する

犬は怒りを露わにする前に、身体を固くして目線をずらしたり、体ごとそっぽを向くなどのカーミングシグナルを発することが多いです。この行動を覚えておき、毎日の暮らしの中でよく愛犬の様子を観察してみましょう。

◎尻尾の動きと位置をチェック

犬のしっぽには感情表現をする役割があるため、尻尾の動きや位置から心理を読み取ることが可能です。
ピンと上がった位置にしっぽがあったり、逆に宙ぶらりんに下がったりしていると、犬が怒っているサインとなります。
また、しっぽを振っている時は喜んでいる、というイメージを持つ方が多いと思いますが、一概にそうではありません。ピンと立てた状態で唸ったりしながら左右に振っている状態は、怒りの感情を抱いているので注意してくださいね。

◎背中の被毛に注目

背中の被毛が逆立ち身体が硬直している時は、その様子からも感じ取れるように怒りの感情を抱いている時です。今にも攻撃せんとばかりの雰囲気を醸し出しているでしょう。

◎顔のシワなど表情を確認

表情からも怒りや攻撃精神を読み取れます。鼻の辺りにシワを寄せたり、歯や歯茎をむき出しにするいわゆるムキ顔をしている時は、怒っている場合がほとんどです。目つきも険しくなっているでしょう。
ただし、仲間同士でじゃれ合って遊んでいる時にも、このムキ顔が見られることがあるので見極めるのが少し難しいかもしれません。

◎目線をずらしている時も要注意

怒っている相手や対象物を視界に入れつつも、微妙に視線をずらしている様子が伺えることがあります。この時一緒に唸っている場合もあるので、愛犬の状態に注意しましょう。

◆怒りのシグナルを感じたら

行動やサインで怒りの感情を汲み取ることも可能ですが、噛む・飛びつくなどの攻撃的な行動を起こして、怒りを表現することももちろんあります。
この場合、ケガなどに繋がりやすいので、怒っている愛犬から無言で離れて、まずは落ち着かせましょう。
犬の怒りのシグナルを目にした時は、怒っている対象物を急に下げようとしない、慌てて下手に動かさないことが賢明です。対象物が素早く動くことは、犬にとって獲物が逃げていくことを連想させるのです。それが攻撃の要求に繋がってしまいます。
例えば目の前に出した手に対して愛犬が唸った場合は、目線を逸らしてそのまま出し続けておくか、ゆっくり引き下げるのです。早く下げると、攻撃心を煽ることとなります。
怒りのシグナルに対しては、落ち着いた態度でゆっくり対処することが効果的なのです。


柴犬を怒らせないようにする方法

愛犬が怒りっぽい性格や特徴をもつ場合、日常的に不安や恐怖を感じている可能性も考えられます。その場合、信頼関係を見直す必要があるでしょう。
飼い主さんとの間に強い信頼関係を築くことができれば、愛犬は不安や恐怖を感じた時に飼い主さんに頼るようになるのです。そうすれば、自分を守るために怒ることが、少なくなると考えられます。
信頼関係を築くことは他にもたくさんのメリットをもたらしてくれますので、少しずつ信頼感を得られるよう尽力してくださいね。そのためのポイントを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

◆愛犬と信頼関係を築くポイント

◎指示トレーニング

ある程度指示に従えるようになった子にも、毎日指示トレーニングを続けましょう。そして、上手にできた時は毎回しっかりと褒めてあげるのです。
褒められる回数が多い程、飼い主さんへの信頼度も高くなるでしょう。
指示トレーニングに限らず、コミュニケーションをとる時間をしっかりと設けて愛情を伝えることが大切ですよ。

◎ストレスフリーの生活を送る

愛犬にとってストレスのない生活が送れるよう配慮することも、飼い主さんへの信頼度を高めることに繋がるでしょう。
適量の食事・ご飯を与えること、しっかりと散歩・運動をさせてあげることも重要ですよ。また、清潔な生活環境を整えることも大切です。安心して睡眠がとれるようクレートなどでお気に入りの休める場所を作ってあげるのもおすすめです。

◎怒りの原因を取り除く

個体差はありますが、怒りっぽい愛犬が飼い主さんと信頼関係を築くためには時間が必要です。強い信頼関係を築けて、愛犬が飼い主さんが要れば大丈夫だと安心できるようになるまでは、取り除くことが可能ならば、怒りの原因となる対象物を避けて過ごせるよう配慮してあげてください。
不安や恐怖を軽減させてあげることで、愛犬が怒るタイミングを減らしてあげるのです。


まとめ

柴犬を含め甲斐犬や秋田犬などの和犬は特に、神経質で警戒心の強い性格を持つ子が多いです。
愛犬が怒りやすいと感じる場合は、その原因を見定めて解決できるよう対処していきましょう。怒りの原因は、意外と近くにあるかもしれませんので、まずは愛犬をしっかり観察してみてください。
また、犬が怒るタイミングやサインにも個体差があります。抱っこが嫌いな子もいれば、苦手なものもそれぞれ違うのです。保護犬などを迎える場合は、それを判断する難易度も多少上がるでしょう。
ネット上には獣医師やドッグトレーナー監修の連載記事、オンラインでQ&Aの回答サービスを行っているサイトもあります。怒る犬に対する対応が難しい場合は、そういったものやプロの手を借りるのも一つの方法ですよ。
怒りっぽい愛犬との信頼関係を築くには、時間が掛かります。それでも本気で向き合い愛情を提示し、一緒に笑顔を浮かべられる幸せな日を目指して頑張っていきましょう。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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