犬とお風呂(湯船)に入るのは控えて!リスクや注意点について解説!

2024.04.27

犬とお風呂(湯船)に入るのは控えて!リスクや注意点について解説!

SNSなどを見ていると、時々愛犬と一緒に湯船に浸かっている人を見かけることがあります。 確かに温度等に注意すれば、犬がお湯に浸かること自体に大きな問題はありませんが、実は「犬と人が同じ湯に浸かる」ことには様々なリスクがあります。 この記事では愛犬とのお風呂にどのような危険性があるのか、愛犬も飼い主も安全にお風呂を楽しむにはどうすればいいのか、ご紹介いたします。

犬とお風呂に入ることはおすすめできない

湯船に浸かっている犬

犬と暮らしている飼い主さんの中には、「うちの子はお風呂好きだから自分も一緒に入りたい!」「愛犬のお風呂と自分のお風呂を同時に済ませてしまいたい!」と、愛犬と一緒にお風呂に入ることを考える方もいるのではないでしょうか。

確かに、愛犬がお湯に抵抗のない子であれば、温度に気を付ければ入浴すること自体に大きな問題はありません。
しかし、犬とお風呂に入る(一緒に湯船につかる)ことは、人獣共通感染症(動物由来感染症/ズーノーシス)に感染する可能性があるのでおすすめできません。

「うちの子は病気なんてもってないよ!」と思っていても、犬と共通する感染症の中には、犬は無症状だけれども人間は発症してしまう病気も含まれます。
また、犬の口の中や体の表面、排泄物などには、病原体となりうるものが実はたくさん存在しているのです。

●身近な人獣共通感染症

・皮膚糸状菌症:カビの仲間による皮膚病
・パスツレラ症:犬の口腔内細菌により引き起こされる炎症
・犬回虫症(トキソカラ症):消化管内寄生虫による幼虫移行症

犬とお風呂に入ったからといって、絶対にこういった感染症にかかるというわけではありませんが、厚生労働省や各都道府県のホームページでは、犬を含むペットと暮らす時には適切な距離を保った触れ合い方をするように注意喚起もされています。
特に、まだ免疫機能が弱い幼い子どもや赤ちゃん、お年寄りや免疫を抑える薬剤を飲んで治療をしている免疫力の低下が認められる人などは人獣共通感染症にかかるリスクは高まりますので、絶対にNGです。

また、健康な人であっても手や体に傷があれば、そこから病原体が入り込む可能性もあります。

これらのリスクを踏まえて、どうしても愛犬と一緒にお風呂に入りたいという場合は、病原体の侵入口がないかどうか、全身をしっかりと確認したうえで次の注意点を必ず守ってください。


犬とお風呂に入る時に注意すること

◆犬の体を必ず先に洗う

リスクを理解した上で犬とお風呂に入りたい場合は、まずは犬の体を先に洗ってから入るようにしましょう。

毎日お風呂に入るわけではない犬の体には、気づかぬうちに散歩中についた汚れが付着したままになっている可能性があります。

また、犬は人間と比べてさらっとした水のような汗を出す汗腺が発達しておらず、代わりに皮脂の分泌が多い動物です。
そのため、犬とお風呂に入る前にシャンプーをしていないと、皮脂汚れやニオイがお湯にうつってしまうことがあるので注意が必要です。

犬の体がお湯につかることで、ぱっと見た限りでは分からなかった付着物がお湯に浮いてくることもあります。

例えば、お散歩中についたノミや、被毛に絡みついていたゴミなどで、気づかぬうちに飼い主さんが汚れたお湯につかっていたという事態にも…。

犬とお風呂に入った後は、愛犬のすすぎだけでなく、自分の体もしっかりとシャワーで洗い流してから出るようにしましょう。また、犬の定期的なノミ・マダニ予防も行っておくことが重要です。

◆お湯の温度に注意

人間が湯船につかる時は、湯温を40℃程度に設定している家庭が多いのではないでしょうか。

しかし、人間よりも皮膚が薄く、デリケートな犬にとっては、人間にはちょうどいいお湯の温度が「熱すぎる」というケースがほとんどです。

やけどとまではいかなくとも、皮膚にダメージを与えたり、暑さに対する体温調節機能が弱い犬が湯船でのぼせてしまいます。
また、浴室内に温かい湯気が広がり、気温が上昇しすぎてしまうと、熱中症に陥る危険すらあります。

犬とお風呂に入るのであれば、人間ではなく犬の適温に合わせ、37℃程度のぬるま湯をキープしましょう。
そして、一緒に長湯をすることは基本的には難しいと理解してあげてください。

「夏場のお風呂は熱中症に注意しなければ!」と思う飼い主さんは多いですが、冬場のお風呂に潜むリスクにも目を向けてみましょう。

浴室暖房がついている場合を除き、冬場のお風呂では「冷え」が問題となりやすいです。
体温調節機能が弱い子犬や老犬、元から持病を抱えている犬では、脱衣所や浴室の冷えが体調悪化の原因となる場合もあります。

そして、心臓の病気を抱えている犬では、暖かいリビングから寒い浴室に移動することで血圧が急激に乱高下した結果、人間でも有名な「ヒートショック」現象を引き起こし、急変してしまうことも考えられます。

かといって、寒いからとお湯の温度を上げすぎると必要な皮脂まで洗い流してしまい、冬の乾燥でかさつきやすくなっていた犬の皮膚が余計に潤いをなくすこともよくあるため、湯音の調節だけで問題解決を図ることは難しいでしょう。

犬とお風呂に入る前にはヒーターや浴室暖房で気温を上げておき、犬も人間もお風呂場で冷えないように準備しておいてください。

◆入浴剤は使わない

人間用の入浴剤は、犬に対する安全性を確かめた商品ではありません。
犬とお風呂に入る時に使用することで、犬の皮膚や被毛を傷めたり、成分によっては犬にだけ中毒を引き起こす危険もあります。

もしも犬とお風呂に入る時に入浴剤を使いたい場合は、ペット用の入浴剤を選びましょう。
ただし、ペット向け用品であっても、人が一緒に湯船で使用することは想定していない場合もあるので、一緒に入ると想定すると使用は控えた方が無難です。

◆お風呂グッズは犬用と人間用で分ける

犬とお風呂に入る時に使うグッズは、犬用と人間用で分けておきましょう。特に、犬の体を洗うシャンプー剤は人間用のものを使わないようにしてください。

犬と人間では皮膚の厚みだけでなく、皮膚表面のpHも異なります。人間用のシャンプー剤やボディソープを使ってしまうと、健康な犬の皮膚のバリア機能を壊しかねません。

他にも、泡を作ったり体を洗う時に使うボディタオルや、お風呂上りに体を拭くタオルなども別々に用意しましょう。


犬用の浴槽を準備するのがベスト!

犬用バスタブで入浴を楽しむ犬

犬とお風呂に入りたいと思っても、意外と大変なものです。
気軽に楽しみたいのであれば、愛犬は犬用バスタブにつかり、飼い主さんは隣で足湯だけをするなど、楽しみ方を変えてみると良いでしょう。

犬用バスタブの中には折りたたみできるものもあり、収納場所を選ばない商品も増えています。
超小型犬であれば、一般的な洗面器でも代用できます。

犬用バスタブがあれば、浴槽の掃除をしなくても良いというメリットがあるほか、シャワーの感触に苦手意識のある犬がお風呂を受け入れてくれるきっかけになることも!

トリミングサロンではなく、自宅でのお風呂をメインにお手入れを続けていくのであれば、1つ用意しておくと役立つかもしれません。


まとめ

犬とお風呂を満喫した後は、全身の水気をしっかりと取ってあげましょう。被毛や地肌が湿ったままだと雑菌が増殖しやすくなり、お風呂に入ったにもかかわらず嫌なニオイの原因となったり、皮膚病につながる恐れもあります。

ただし、ドライヤーの熱い温風ばかりを長時間当て続けると、犬の繊細な皮膚には大きな負担がかかります。吸水タオルなどでタオルドライをしっかり行ってから、冷風もまじえつつ乾かすようにしてみましょう。

ドライヤーを立てるスタンドなどを利用すると両手がフリーになり、ブラシをかけながら乾燥させることができます。乾かす時間が伸びるほど犬も疲れてしまうので、短時間で終えられるように工夫することも大切です。



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PetSmilenews編集部

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