1.犬の食事回数はどうやって決める?
1-1.ライフステージ
1-2.犬種や体のサイズ
1-3.活動量
5.犬の食事回数を決めるメリット
5-1.肥満予防
5-2.消化器の健康
犬の食事回数はどうやって決める?
私たち人間と同様に犬にもバランスのとれた栄養や、成長段階・健康状態に応じて適切な食事が必要となります。
総合栄養食であるドッグフードには、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミンなどの様々な栄養素がバランスよく含まれており、これが活動に必要なエネルギー源となっているのです。
愛犬の成長・回復をサポートするためにも、適切な種類のごはんやおやつを選び、その時期・体の状態にあった食事量・食事回数を守ることが重要というわけですね。
それでは、適切な食事回数はどのように判断したらよいのでしょうか。以下の3つのポイントを紹介していきますので、しっかりチェックしてみてください。
◆ライフステージ
人間にも言えることですが、犬も食事回数は年齢によって変わっていきます。これは大前提となるので覚えておきましょう。年齢に応じた、適切な食事回数を把握しておくことが飼い主さんには必要というわけです。
犬の成長段階・活動量は、生後数ヶ月から老齢期まで大きく変化し、この変化に伴ってエネルギー・栄養素の必要量も変わっていくのです。
このため食事回数も、年齢や健康状態などのいわゆるライフステージによって調整していかなければいけません。ライフステージごとに必要な食事回数については、詳しく後述しますのでそちらを確認してみてください。
◆犬種や体のサイズ
先に述べたように、ライフステージごとの食事回数の調整は基本です。ただしそれに加えて、愛犬の犬種的な特徴や体の構造、個体差のある体のサイズによっても食事回数や量の調整が必要となるのです。
その犬種ななではの身体的特徴によって筋肉量に差が出る場合もありますし、平均よりも体のサイズが大きい、または小さいかで消費されるエネルギーや摂取しなければならない栄養素も変わってきます。
一般的に適切とされている食事量・食事回数をあくまで目安として、愛犬の様子や状態をみながら判断することが大切でしょう。
◆活動量
活動量も個体によって差はありますが、主にライフステージによってもそれは大きく変わってきます。
例えば成長期の子犬の場合は、エネルギー消費量が高いために頻繁に食事を与えることで、必要な栄養素を効率よく摂取できるのですが、成犬期では基本的に活動量に応じた食事回数が適切とされます。また、老犬期には消化機能が衰えると同時に活動量も減少するため、それを考慮して食事回数を調整する必要がでてくるというわけです。
子犬の食事回数
前述したように子犬の時期は、成犬期と比べてエネルギー消費量が激しくなります。このため、食事の回数を増やすことで、栄養素の吸収と利用を最大限に高めることができるのです。
また、子犬は消化器官が発達途中のため、一度に多量の食事を消化することも困難です。
これらの理由から、食事の時間をこまめに分けることが推奨されています。一般的な子犬の食事回数の目安は以下の通りです。
◎生後4カ月齢まで…1日4回
◎4カ月齢~6カ月齢…1日3回
◎6カ月齢~1歳…1日2回
成犬の食事回数
成犬期の場合、愛犬の健康状態や活動量に応じて食事回数を調整します。適切な食事回数の目安は以下の通りです。
◎活動量の多い犬…1日2回
◎活動量の少ない犬…量を調整して1日2回
◎小型犬…消化器官のサイズを考慮し1日3回
シニア犬の食事回数
基本的には成犬同様、1日2回で問題のない子も多いですが、犬はシニア期に入ると消化機能が徐々に低下していきます。食欲や運動量の減退もみられるでしょう。
このため食事回数や量は、犬の体調や消化能力に合わせて調整していかなくてはいけません。一般的な食事回数は以下の通りですが、あくまで目安として愛犬に適した方法で与えるようにしてください。
◎食欲が落ちている場合…少量を1日4回
◎食べるのが遅い場合…1日2回
犬の食事回数を決めるメリット
愛犬の1日の食事量を1回で与えることは推奨されません。それはどんな理由からなのでしょうか。数回に分けるなどして食事回数を決めておくことには、以下のようなメリットがあるので覚えておきましょう。
◆肥満予防
適切な食事量・回数を守ることで、過剰な体重増加や肥満を防ぐことができます。これによって、糖尿病・心臓病など健康問題や病気のリスクを低減することにも繋がるでしょう。食事を小分けに与えることで間食も減らせるため、ダイエットにも効果的です。
また、犬はご飯の量よりも回数で満たされるともいわれているので、食事の回数が多いほど嬉しい時間が増えて満足もできるかもしれませんね。
肥満は犬にとってさまざまな健康問題を引き起こす原因となるため、決して軽視してはいけない問題です。肥満体型による具体的なリスクを紹介していきますので、愛犬のためにしっかりチェックしてみてください。
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〈健康面に関するリスク〉
◎寿命が短くなる可能性がある
◎生活習慣病(糖尿病・高血圧など)のリスクが高まる
◎関節炎・呼吸器系の病気に罹りやすくなる
◎皮膚疾患・外傷などのリスクが高くなる
◎麻酔をする際のリスクが高まる
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〈生活面に関するリスク〉
◎運動能力が低下するため、散歩・遊びなどが楽しめなくなる
◎体が重く階段の上り下り、車への乗り降りなどが困難になる
◎毛繕いが難しくなる
◎標準体型時よりも暑さに弱くなる
このように肥満となってしまった場合、そのワンちゃんには様々なリスクが課せられることとなるのです。体重管理は健康的な生活を送るための、重要な要素となることが分かるでしょう。
食事回数を調整することで1日の総カロリー摂取量を管理しやすくもなりますので、ぜひ愛犬にとって最適な食事の時間を与えられるよう考えて工夫してみてください。
◆消化器の健康
一度に大量に食べるのではなく、少しずつ食べることで消化吸収がしやすくなります。過剰な食事は消化器官への負担を増やしてしまいますし、栄養素の偏りを引き起こす危険性をも秘めているのです。
消化器に余計な負担をかけないためにも、愛犬の体重や健康状態に合わせた適切な食事を、複数回に分けて与えることが大切だといえるでしょう。
犬の食事回数の変更方法
お伝えしてきた通り、犬の食事回数はライフステージによって変えていく必要があります。変更する際のポイントについて解説していきますので、参考にしてみてください。
◆少しずつ変更する
食事回数の変更や切り替えを突然行ってはいけません。例えば、1日4回の食事回数だったのに翌日から2回にするなど、このような形でイキナリ極端に回数を減らすことはおすすめできないのです。必ず少量ずつ1回に与える量を増やす、または減らすようにして食事回数を変更するようにしましょう。
また食事回数を減らす場合は、水分補給にも注意が必要です。回数を減らすことで食事から得られる水分も減少するため、十分な水分量を摂取できなくなる可能性があるのです。
常に新鮮な水を飲めるようにしたり、ドッグフードに少量の水を加えてから与えるなどして、水分補給がきちんとできるよう配慮しましょう。
特に高温多湿の環境や運動後などには、水分補給が大切です。夏の暑い時期などは熱中症の発症リスクも上がるため、十分注意してくださいね。
◆犬の様子を観察しながら変更する
食事回数を変更するときは、愛犬の様子を注意深く観察しておくことも重要です。食事回数を減らしたことで空腹の時間ができ、胃液を吐いてしまう場合があるのです。
食後に時間をおいて白っぽい泡のような液体を吐いたら、それは空腹からくるエネルギー不足が原因として考えられます。さらに空腹時間が長いことで、フードを食べていなくても胃液が分泌されて、胃粘膜を刺激するために胃液を吐く場合もあるのです。こういったケースが起きたときは、空腹の時間を短くするためにフードの量を増やしてあげましょう。そして早朝に吐くことが多い場合は、夜ごはんのみを2回に分け、最後のごはんを遅い時間にずらしてみてください。
犬にも個体差があり、体質や性格はそれぞれ違います。エネルギー要求量にも差がありますので、食事回数の変更で愛犬にどんな様子がみられるかしっかり確認し、適切な回数やタイミングを判断できるようにしていきましょう。
まとめ
食事回数を決めることにはメリットがあり、ライフステージごとに変更していくことが愛犬の健康をサポートするためにも重要となります。回数の変更やフードの切り替えは少しずつ行い、愛犬の様子をじっくり観察して体調に異変がないか確認してくださいね。適切な量や回数が分からない場合は、獣医師などプロに相談するのもおすすめです。
また食事回数はもちろんですが、与える量や種類についてもライフステージに合わせる必要があります。現代では、子犬用・成犬用・シニア犬用といった年齢別に加え、小型犬用・中型犬用・大型犬用といったサイズ別、また犬種ごとの特徴に合わせたものなど多種多様なドッグフードが販売されています。特別な成分が配合されているタイプやグルテンフリーなど、体質に合ったものも選べますので、愛犬にピッタリのフードを探してみてくださいね。
愛犬の健康・長寿を支えるためにも、適切な食生活を送ることはとても大切なことです。ぜひ、愛犬の食事について改めて考えを巡らせてみてください。
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