犬が逆毛になるときはどんな心情?

2018.04.21

犬が逆毛になるときはどんな心情?

「逆毛」と聞くと、多くの人は猫が怒ったときの様子をイメージするのではないでしょうか? 空気を入れたかのようにピンと立ちあがる被毛、「ウーッ」と低い声で唸りながら敵を威嚇する様子を見ると猫の怒りが最高潮に達しているのが分かるでしょう。 猫の威嚇行動として知られている逆毛ですが、実は犬にも見られる症状です。 「犬=逆毛」というイメージがあまりないので、見慣れない様子にビックリしてしまうかもしれませんね。 いったい犬はどんな心境のときに逆毛状態になるのでしょう。 そのメカニズムや逆毛への対応方法などについてお伝えしていきたいと思います。

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犬の逆毛…いったいどうやって起こるの?

犬の逆毛

犬の背中を撫でていると優しい気持ちになりますよね。
触り心地の良い毛並みの犬が「逆毛」になると、ゴワゴワした感じになります。
犬は、逆毛を自分でコントロールしているのでしょうか?
「逆毛の起こるしくみ」についても気になるところですよね。

◆犬のボディランゲージのひとつ

「怒る」「怯える」など、犬の気持ちになんらかの高まりがあると、背中や肩周辺の毛をブワッと逆立てます。
被毛の一部分を逆立てる行動は、犬が自分の意思でやっているものではありません。
ある心理状態になると自然に逆毛になってしまうものなのです。

例えば、人間なら「気持ち悪いものを見た」「怖い話を聞いた」などのとき、お肌にプツプツと鳥肌が出ることがあります。
これは、「鳥肌を出そう」とコントロールしている訳ではありませんよね。
何かを見たり聞いたりして、感情の変化があって起こる自然なものです。
また、悲しいお話を聞いて涙が出るのもそれと似ているかもしれません。
自分でコントロールして起こせるものではなく、自然に身体症状として表れます。

犬の逆毛は、それと同じもの。
感情に合わせて自然に起こり、ボディランゲージとして心理を読み解くこともできるのです。

◆筋肉の動きによって起こる逆毛

犬の毛の生え際、いわゆる毛根部分には「立毛筋(りつもうきん)」という筋肉があり、名称からも想像できますが、毛を立てることができる筋肉です。
極度の緊張や急激な興奮によって自律神経が立毛筋に働きかけ、逆毛をつくります。

人間の鳥肌や涙などと一緒で犬たちは「逆毛にしてやろう」と意図的にやっているのではなく、自律神経が絡んだ自然現象と考えることができるでしょう。

◆逆毛と一緒に「フケ」が出ることも…!

立毛筋がブワッと毛を立てるときに、フケがいきなり出てくることがあります。

そのため、フケが多くなると「皮膚の異常があるのでは?」と愛犬のことが心配になるものですよね。
しかし、実は逆毛のときに出てくるのは突然発生したフケではないのです。
被毛と皮膚の間に潜んでいた「フケ」で、被毛に埋もれていたフケが逆毛によって周囲に浮き出てきた…という表現の方が合っているかもしれません。

そのため、犬が逆毛を立てるほどの強いストレスを感じれば、当然ながらフケが増える可能性もあるでしょう。
もし、フケの背景に頻繁に起こる逆毛があれば、おそらく皮膚病とはあまり関係ないかもしれません。
とはいえ、安易に判断して万が一病気が潜んでいると大変です。
動物病院で受診するときには、逆毛を立てるほどの強いストレスがあった話も交えながら、皮膚状態を診断してもらうといいでしょう。

◆体温を調節する働きもある立毛筋

立毛筋で毛を逆立てることで、被毛の間に空気を入れ込み「空気層」を作り、それによって体を温かに保つことに繋がり、体温低下を防ぐ働きもあります。


逆毛のときってどんな気持ち?犬の心情2パターン

犬 逆毛 感情

犬が逆毛になるときには、大きく分けて「攻撃的」「保守的」という2パターンの心情があります。

◆強気な自分をアピール!攻撃したい気持ち

まずは「攻撃的」になる強気パターンの気持ちからお話ししていきます。
攻撃したいと威嚇するときには次のような様子が見られます。

①力強く踏ん張りながら立っている
逆毛で毛の間に空気が入るとボリュームが出るので、毛の面積が増えたような錯覚に陥ることになるでしょう。
その視覚的なトリックで犬たちは「自分は強いんだぞ!」「怒っているんだぞ!」「いつでもケンカできるんだぞ!」と相手に強気な自分をアピールしているのです。
より体を大きく見せるため、犬は足をまっすぐ伸ばし力強く踏ん張って立ちます。

また、強く見せるだけでなく相手に対して攻撃性をアピールするときには、少し前のめりになります。
少しずつ前に進むようなら、「いつでもケンカOK」という一触即発状態といってもいいでしょう。

②尻尾がまっすぐ上向きに立っている
相手へ攻撃するほどの勢いを持つときは、首から背中の逆毛と一緒に尻尾もピンと立つのが特徴です。
尻尾も逆毛にしてボリュームを出すと、さらに体が大きく見えますよね。
「逆毛+ピンと立てた尻尾」で自信満々な様子がより強まってきます。

③「ウ~ッ」と低めの声で唸っている
さらに「低めの声で唸る」が加われば、攻撃寸前までの怒りに到達している証拠。
特に、唸りながら歯を見せているなら「やるのか!?」といつでも戦う姿勢です。
犬の前歯には「犬歯」と言われる鋭い牙のような歯があります。
尖っているので、獲物を捕らえたり、噛みちぎったりすることができる大きな武器となるでしょう。
犬は、ふだんは体に隠していますが相手を威嚇するときには犬歯を武器にしてチラチラと見せるのです。

◆「こ…、怖い!」自分を守りたい恐怖心MAXの弱気な気持ち

次に弱気なパターンで逆毛になるときの犬の様子について紹介します。

①尻尾は下がってくるまっている
ケンカ寸前の強気な逆毛パターンと違い、恐怖心から逆毛になるときには尻尾が丸まり、後ろ足の股の間に隠します。
このときには、逆毛で体を大きく見せているものの「攻撃はしませんよ」「ケンカはしたくないんです」と自分を守る気持ちでいっぱい。
「怖いなら逃げればいいのでは?」と思うかもしれませんが、相手への恐怖心から逆毛になるパターンでは「怖いけれど逃げると追いかけられる」と少しパニックになっている心理です。

②耳も下がっている
あまり強気に出ると相手にやられてしまうので尻尾は隠します。
耳もペタンと下げて、ちょっぴり情けない表情にも見えるかもしれません。
ただ、尻尾を隠し、耳を下げたからといって、相手に対して降参しているわけではないのです。

逆毛を使って強く見せるけれど攻撃されるのはイヤ…、だからチャンスがあれば逃げたいなど、いろいろな心情が重なり合っています。
一気にストレスがかかっている状況なので、次にどんな行動を取ればいいか自分でもよく分かっていないのかもしれません。

分かりやすい例でいうと、病院嫌いなワンちゃんが病院の待合室や診察室で逆毛を見せるパターン。
かなり怯えていて「隙あらば逃げ出したい」という気持ちなのだと思います。

③腰の位置を下げる、体を低めの体勢にする
体を使って相手に示す犬のボディランゲージのなかに「体勢を低くする」というのがあります。
「腰を下げる」「首の位置を下げる」など、普通に立つ状態よりも低めの姿勢になるときは「自分は弱いです」というアピール。
逆毛だけれど低姿勢…の状態なら、弱気な自分の表れなのです。


愛犬が逆毛状態に!どうやったら抑えられる?対処方法について

犬 逆毛 困る

強気で攻撃力をアピールするとき、弱気で恐怖心がつのっているとき、どちらにしても犬にはかなりのストレスがかかっています。
それぞれの状況に応じて、逆毛を落ち着かせる対処方法を覚えておくといいかもしれませんね。

◆威嚇の意味で逆毛をする場合の対処方法

散歩中や公共の場所でこのような逆毛になれば、攻撃性も高まりかなり危険です。
他の犬や人間に対しての逆毛なら、なるべく早めにその場から離れることをおすすめします。

特に、前歯を見せ唸り始めたら「いつでも攻撃する」サイン。
愛犬にとっては逆毛になるほどの嫌な相手と直面しているときなので、姿の見えない場所に移動することで逆毛も気持ちも落ち着きます。

また、「犬VS犬」だけとは限りません。
「犬VS人間」で、見知らぬ犬が自分に対して唸りながら逆毛をしていることもあるでしょう。
そんな犬を見かけたら、近づかないようにするのが一番です。
そのサインも無視して無理に近づこうとすると「攻撃するぞ!あっちへ行け!」と余計に怒られます。
攻撃してくることもあるので、気をつけましょう。

◆怯えにより逆毛をする場合の対処方法

尻尾も垂れさがり、腰が引けている状態なら「怯えている」様子。
弱気になっているのだな…と思って安心するのは早いです。
恐怖心がかなりある状態なので、犬は正常な判断ができずにいます。
相手に対して怖いと思っているのに逃げられない状況が続くと、どうしたらいいか分からずに犬は吠えたり威嚇したりすることもあります。
「逃げられないなら攻撃してしまおうか」とヤケになって最終的に攻撃するケースもあるので、できるだけ早めにその状況を取り除いてあげましょう。
散歩中に他の犬とトラブルになりそうなら、すみやかに場所を離れてあげてくださいね。
相手が見えなくなれば怖さもなくなり、犬の逆毛はきっと落ち着いてくれるかと思います。


被毛タイプでは分かりにくさもある

ふだんからボリュームがある長毛タイプの犬種だと、毛が柔らかく逆毛で「ピンと立った状態」が分かりにくいかもしれませんね。
一方、短毛種と言われる少し硬めの被毛を持つ犬種なら、「逆毛」のときに背中側がこんもりと立ち上がる様子が見えるので分かりやすいでしょう。
愛犬が短毛種なら、ボディランゲージのひとつとして「逆毛」の心理状態についても知っておくといいと思います。


逆毛以外のボディランゲージも読み取りましょう

基本的には、逆毛は犬の興奮や緊張状態から自然に起こる症状ですが、「攻撃したい強気なとき」と「逃げたい恐怖心」と真逆な心理が働いています。
単に「逆毛」の様子だけでは、どちらの心理なのか気持ちの読み取りは難しいでしょう。

犬は、逆毛以外にもいくつかのボディランゲージ(カーミングシグナル)で気持ちを表すのでそれを知っておくと分かりやすいかと思います。

「尻尾が上がる・耳が立つ・犬歯を見せて唸る」などのときには攻撃したい気分「尻尾を丸める・耳を下げる・体勢を低くする」などなら弱気な気分と知ることができます。
必ず、逆毛以外にも何かのボディランゲージ(カーミングシグナル)を見せてくれるので気持ちを知るときの参考にしましょう。

ただ、どちらの心理だとしても「逆毛」は犬にとって膨大なストレスがかかっていることには変わりありません。
怯えているように見えてもその緊張が続くと攻撃に変わるとも多いです。
愛犬が逆毛となっているときは、相手の見えない場所まで誘導して離れさせるのがベストな対処法と言えるでしょう。

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まとめ

いかがでしたか?

犬にも「逆毛」ってあるのですね。
犬の逆毛には「相手に攻撃したい!」「ケンカをしたくないから逃げたい」と両極端な犬の心理が隠されています。
そのどちららかなのかは、犬が発する他のボディランゲージも読み取りつつ判断するようにしましょう。

しかし、ひとつ言えるのは「逆毛」を見せる犬は極度の興奮状態です。
「ケガ」を未然に防ぐ意味でもできるだけ早く落ち着ける場所に移動させ、リラックスさせてあげましょうね。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!

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