【獣医師監修】猫の正常なうんちの色や硬さは?

2022.07.20

【獣医師監修】猫の正常なうんちの色や硬さは?

猫の健康チェックはいくつかありますが、すぐにできることは毎日猫のうんちの状態を見ること。猫は体調が悪いことを隠そうとする生き物です。猫の体調不良にいち早く気付くために、飼い主さんは普段から愛猫の状態を把握しておくことが必要です。下痢や便秘などの状態から、色・硬さなど、うんちは健康のバロメーター。日頃からしっかりチェックしましょう。

猫の正常なうんちはどんな状態?

トイレでうんちする猫

◆一般的な猫のうんち

猫の正常なうんちについてご紹介します。ただし、これは一般的な猫のうんちの状態になりますので、普段から健康な状態の自分の愛猫のうんちをよく観察するようにしましょう。

・うんちの回数
一日に1~2回程度。食事と同じ回数またはプラスマイナス1回程度が正常な範囲内となります。
トイレに入ってからスムーズに排便をしているかも確認しましょう。

・うんちの硬さ
適当な水分を含んでいてツヤがあり、コロッとしていて拾っても崩れずに処理できる程度の硬さ。
拾い上げた時に猫砂は周りにあまりついていない状態がよいでしょう。

・うんちの色
濃い目の黄土色が基本ですが、食べているフードによって多少異なります。

・うんちのニオイ
うんちのニオイはしますが、明らかな異臭ではありません。

・小うんちの大きさ
人間の人差し指程度の大きさです。

◆うんちを健康チェックに役立てよう

猫のうんちは食べているものや腸内環境に個体差があり、すべての猫が一律に同じではありません。しかし、正常なうんちにはある程度共通する特徴があります。

猫がうんちをしたらすぐに処分せず、「硬さ」「色」「におい」「何か異物が混ざっていないか」などをしっかりと観察して、愛猫の健康チェックに役立てましょう。

食べ物は胃腸で栄養が吸収され、大腸で水分が吸収された後に、うんちとして体の外に排泄されます。消化器系に何らかのトラブルが起こると、うんちの状態に変化が現れ、病状をつきとめる有力な手がかりになります。

毎日猫のうんちをチェックしていると、少しの違いに気がつけるようになります。うんちをよく観察して、その原因を知り早めに対処することで、猫の健康管理をしましょう。

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猫のうんちが普段よりも柔らかい

猫トイレ用のスコップですくうと形が崩れてしまうような柔らかいうんちは、軟便とも呼ばれています。
軟便はそのまま下痢に移行することが多いので、早めに原因を突き止めて対応しましょう。

◆猫の軟便・下痢の原因

・腸の中に細菌やウイルスが異常に増えている
感染症などによって、お腹の中に細菌やウイルスが増えている可能性があります。また、寄生虫がいる場合もあります。

・中毒を起こしている
猫の体に合わないものを食べて中毒を起こしている可能性もあります。食べてはいけないものを食べていないか確認しましょう。

・フードの切り替え
新しいフードにいきなり切り替えると、うんちがゆるくなることがあります。食べ馴れていないものをいきなり食べるためです。
フード切り替えの際には今までのフードに混ぜる新しいフードの量を少しずつ増やしていきましょう。

また、稀に新しいフードがアレルギーなどによって体に合っていない場合も軟便や下痢といった症状で現れるようです。

・腸が過敏に動いている
食物繊維の取りすぎなど、何らかの原因で腸の動きが必要以上に活発になっている場合も軟便や下痢になりやすいようです。

・腸が働きが鈍っている
反対に、腸の働きが弱まっている場合にも消化能力が落ちてうんちがゆるくなる場合があるようです。
水分や脂肪分の取りすぎ、体の冷えや環境の変化などのストレスが原因として考えられます。

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◆子猫の下痢の原因

子猫は消化官も未発達なため、下痢になりやすいようです。

ミルクの作り方が悪い、ストレス、寄生虫やウイルス感染などの原因が考えられます。

子猫は体力もなく、衰弱しやすいため早めに獣医さんに相談することをおすすめします。


猫のうんちが普段よりも硬い

ポロポロ、コロコロとした粒っぽいうんちは水分の含有量が少なく、硬いうんちといえるでしょう。
うんちが硬いと便秘になっている可能性が高いです。うんちを出そうとしても出せず、トイレへの出入りを繰り返したりトイレ周辺をウロウロしたりします。

こちらも下痢同様、原因を知って早めに対応しましょう。

◆猫の便秘の原因

・食事内容
食事の量が少なかったり、肉類(タンパク質)の摂りすぎで便秘になることがあるようです。また、フードが体質に合っていない場合も便秘につながります。
適切な給餌量か、適切な食事内容か一度見直してみましょう。

・水分不足
猫はあまり水分を摂らない動物と知られていますが、水分摂取量が少ないためにうんちが硬くなっている場合も多いです。
水のみ容器を増やしてみる、自動給水器を使って水に興味を持たせるなど工夫が必要です。

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・腸の機能低下
加齢などによって腸の機能が低下している場合も、便が腸を通過するのに時間がかかって水分が多量に吸収され、便秘へつながりやすいです。

・ストレス
家族の増減、来客、騒音などの環境の変化によるストレスでも便秘になってしまう場合があります。
猫がトイレに行きたくても行けない状態を作り出さないように気を付けましょう。

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猫のうんちが普段よりも臭い

ケージの中のトイレに行く猫

決まったフードだけを食べていればいつも同じにおいのはず。臭いうんちは栄養バランスが崩れているサインです。

うんちのニオイがちがう時に考えられる原因
・穀物を多く食べたときなどの消化不良
・動物性タンパク質や油分の多量摂取
・与えている食事以外に人間の食べ物などを食べている


猫のうんちの色が普段と違う

◆緑や黄色のうんち

消化不良を起こしている可能性が高いです。

うんちの色は、消化の際に分泌される胆汁に含まれるビリルビンという物質の濃度によって変化します。
うんちが腸を通過するスピードが速いと、細菌がビリルビンを分解する時間がないため緑色っぽい状態のまま排便されてしまいます。

◆灰色っぽいうんち

胆汁の不足など、何らかの原因で死亡が十分に分解されていない可能性があります。

◆黒いうんち

どす黒いうんちは、血が混じっている可能性が高いです。
血液は時間が経つと黒く固まるため、胃や小腸などの比較的肛門から離れた消化器官から出血している場合があります。

◆血便

赤い血が混じっている場合は、大腸から出血している可能性があります。
また、うんちが硬くて排便の際に肛門が切れてしまっていることもあるようです。

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猫のうんちまとめ

毎日のうんちの観察は、猫の健康チェックのために欠かせません。猫は自分で体調不良を訴えることができないので、病気のサインを見逃して後悔しないためにも、猫がうんちをしたらすぐに状態をチェックしましょう。

愛猫のうんちに異常を発見したら、早めに動物病院で診察してもらうことが一番です。その際には少しでも診断を正確・迅速なものにするためにうんちを持参しましょう。

●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に15医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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そらにゃん

そらにゃん

猫が大好きなおばさんです。猫、いいですね! 我が家には「そら♂」「すず♀」「りん♀」のニャンズがいます。 ずっと犬を飼っていて猫暦はまだ二年そこそこと短いのですが、長年の願いだった猫との暮らしに今もウハウハ状態です。ニャンズのおかげで仕事や家事や寄る年波の疲れも吹っ飛びます。 病気がちな「そら」のおかげで獣医さんと懇意になり、通院の度に先生から様々な猫情報を教えていただいてます。 いかにニャンズを満足させられるか、猫じゃらしの振り方を日々研究中。 得意技は猫に錠剤を飲ませること。←ただし「そら」限定!?

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