1.猫にナスはNG
1-1.ナスに含まれる栄養素と効果
3.猫がナスを食べてしまった場合の対処法
3-1.少量であれば様子見でOK
3-2.何かしらの症状が出ているときは動物病院へ
4.ほかの野菜で危険なものはある?
4-1.アルカロイドが含まれているそのほかの野菜
4-2.春菊やほうれん草
4-3.ネギ類
猫にナスはNG

ナス科ナス属の植物となる「ナス」は多少のアク(渋み)はありますが、油や調味料を吸収しやすく主役でも脇役でも活躍する野菜となるため、普段からよく食べているといった方も多いのではないでしょうか。
とくに夏から秋に旬を迎える野菜となり、皮はうすく肉厚で水分量も増えるため、あまり水を飲まない猫には有益な食材だと考える飼い主さんは少なくないことでしょう。
しかし、ナスには「アルカロイド」と呼ばれる物質が含まれており、少量の摂取でも人間だけでなく動物に対しても強い作用をもたらし、古くから医薬品や農薬などとして使用されてきたようです。
このようなことからも猫がナスを食べれば、アルカロイドによって中毒症状を引き起こし、下痢や嘔吐、血便などの症状が出ることもあるため、注意が必要と言われています。
基本的に猫は普段から人間の食べ物を食べる必要性はないため、水分量が多いからといって猫にナスを与えないようにしましょう。
◆ナスに含まれる栄養素と効果
水分量の多いナスではありますが、猫に与えないにしても普段から口にしているようであれば、どのような栄養素が含まれているのかも気になるところですよね。
ナスの果肉は90%以上が水分となりますが、意外にも食物繊維が多く含まれていて、とてもヘルシーな野菜となっています。
便秘の予防や改善といった腸内環境を整えてくれる働きもあり、脂肪を燃焼するビタミンB2などが含まれています。
また、コリンといった栄養素が含まれており、血圧やコレステロールを下げるといった効果があるため、動脈硬化を防ぐことにより心筋梗塞や糖尿病などの、生活習慣病を予防してくれるようです。
アクの元となるのはポリフェノールの一種となるナスニンで、こちらの栄養素もコリンと同様、動脈硬化を予防してくれるため、老化を防ぐ働きをしてくれます。
猫がナスを食べるとどうなる?

私たちは普段からさまざまな料理でナスを口にしていますが、基本的に現代では品種改良が進み、市場に出回っているナスのほとんどは、アルカロイドの含有量が大幅に抑えられています。
しかし、ナスの葉や茎、根には害虫に襲われないためにも、アルカロイドの含有量が多く存在しているようです。
それらの部分を普段口にすることはありませんが、葉や茎が付いたままの新鮮なナスを購入した際に、何かしらのきっかけで猫が口にしてしまっては大変です。
食用部分となる果肉を口にした際には下痢や嘔吐、血便などの消化器症状が現れますが、葉などの部分を猫が口にした場合は、さらにひどい消化器症状だけではなく、神経にも影響を及ばす恐れがあります。
神経に影響をもたらした場合には口から大量のよだれを流したり、麻痺やけいれんを起こしたりするケースも多く、最悪の場合は昏睡状態に陥ってしまうこともあるようです。
また、熟していないナスの果実にも、アルカロイドは多く含まれているため、ナスをご家庭で扱う際には細心の注意をはらわなければいけません。
私たちが普段美味しく食べているナスには、猫にとってたくさんの危険がある通り、少量であっても身体の小さな猫にとって脅威となる可能性も否めませんし、水分量が多いからといって絶対に与えないようにしましょう。
猫がナスを食べてしまった場合の対処法
ナスは猫に与えると危険な野菜であることが分かりましたが、もし何かのきっかけで愛猫がナスを口にしてしまった場合、どのようにして対処するべきか悩んでしまいますよね。
猫がナスを食べてしまった際には、飼い主さんがしっかりと状況を見て判断をし、正しい行動をするようにしましょう。
◆少量であれば様子見でOK
調理法にもよりますが、愛猫がナスの果肉を少量食べた程度であれば、愛猫の様子をしっかりと観察して、何かしらの症状が出ていないかの確認をまずはするようにしてください。
アルカロイドに反応した場合、摂取してから比較的に短時間で症状が現れるため、嘔吐や流涎(よだれが出ている)、呼吸困難状態に陥っているなどの様子が見られなければ、そのまま経過観察でもかまいません。
その後、元気や食欲もあって、排せつも問題なく行えているようであれば、ナスによる影響はなかったと考えて、今後同じような過ちを起こさないように対策を心掛けましょう。
◆何かしらの症状が出ているときは動物病院へ
ナスを食べたあとに消化器症状が出ている場合や、動けないまま辛そうにしている、呼吸困難やけいれんなどの症状が出ている際には、様子を見るようなことはせずに、すぐにでも動物病院を受診するようにしてください。
生のままのナスも危険ですが、調理済み(味付けがしてある)のナスを食べてしまった場合は、そのほかの食材や調味料が原因となっている可能性もあるため、根本的な原因の特定が難しくなってきます。
動物病院では胃に内容物がまだ残っている際には、獣医師さんが吐かせてくれる処置を行う場合や、胃洗浄などの治療も行ってくれるため安心です。
ほかの野菜で危険なものはある?
ナスは猫が食べてはいけない野菜であることが分かりましたが、そのほかにも与えるべきではない野菜はあるのでしょうか。
◆アルカロイドが含まれているそのほかの野菜
野菜の中にはナス以外にも、中毒成分となるアルカロイドが含まれた野菜が存在しています。
意外にも思われるかもしれませんが、じゃがいもはナス科の野菜となり、ナスと同じくアルカロイドの一種となるソラニンや、チャコニンが含まれています。
主に芽の部分に含まれていますが、毒性の危険がある以上、猫に対して与えることを控えるべき野菜と言えますよね。
また、色鮮やかなトマトにも、アルカロイドの一種となるトマチンが含まれているため、注意が必要です。
調理法によっては、猫にもトマトを少量であれば与えても問題ありませんが、リスクがある以上は極力与えない方が賢明なのかもしれません。
そのほかにも、通年野菜となるピーマンの苦み成分にも、アルカロイドの一種となるソラニンが含まれているため、基本的には猫に与えない方が無難と言えるのではないでしょうか。
◆春菊やほうれん草
おひたしにしても美味しい春菊やほうれん草ですが、少量であれば猫に与えても問題がないと言われてはいますが、どちらの野菜もシュウ酸が含まれているため、摂取量が多すぎると尿石症のリスクが高まります。
とくに尿道の狭いオス猫は尿路結石症のリスクが高まるため、敢えて食べさせない方が良いと言えるでしょう。
◆ネギ類
猫に対してもっとも危険な野菜と言われているのは、ネギ類の野菜となります。
ネギ類の野菜には、ネギだけではなく玉ねぎ、ニラ、にんにく、らっきょうなどがありますが、どの野菜も少量で中毒症状を引き起こすため、猫に与えるべき食材ではありません。
ネギ類の野菜を猫が口にしてしまった場合、「ネギ中毒」を起こして下痢や嘔吐、血尿などのさまざまな症状が出てしまうだけでなく、白血球を破壊して溶血性貧血を引き起こすことがあります。
ネギ中毒の恐ろしいところは、加熱や加工してあっても毒性が弱まることがなく、少し舐めただけでも猫の場合は、中毒症状を引き起こす可能性が高いところです。
野菜そのものを猫が口にしなかったとしても、ハンバーグや点心(餃子・シュウマイなど)、チャーハンなどの料理は、猫が誤って口にしてしまうことも多いため、料理を作る際にも細心の注意をはらわなくてはいけません。
最悪の場合、中毒症状が引き金となって命を落とすこともあるため、猫にはネギ類の野菜を絶対に与えないようにしてください。
まとめ
もともと飲水量の少ない猫に対して、どうにか健康的な食材を使って、飲水量を増やしたいと考えている飼い主さんは多いはずです。
とくに手作りのご飯を愛猫に作っている飼い主さんの場合は、食材として使用できる野菜の種類などはできるだけ把握しておきたいものですよね。
そんな中でもナスはそこまで味の主張がないからこそ、猫に与えても問題のないように感じますが、中毒性のある成分となるアルカロイドを含んでいるため、猫には不向きな野菜であることが分かりました。
現代のナスの果実には、アルカロイドの含有量は少ないと言われてはいますが、身体の小さな猫が摂取した場合、少量であっても中毒症状が出る可能性があるようであれば、与えないにこしたことはありません。
愛猫の健康を守れるのは飼い主さんしか居ないため、基本的には必要な栄養は、総合栄養食のキャットフードで摂取することを心掛けつつ、猫に与えても良い食材とそうでない食材の判断を、誤らないように察知できる知識を身につけておきましょう。
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