愛犬の去勢避妊は飼い主が責任をもって選択しましょう。
犬の去勢や避妊については、飼い主によって意見がわかれる繊細なテーマです。たとえば、成犬になった愛犬の血を分けた子犬を育てたい、そう願う飼い主は少なくありません。生まれた子犬を飼育できる環境が整えられるのであれば、去勢・避妊をあえてしなくてもいいのかもしれません。しかし、犬にとって最善の環境が整備できていなかった場合はどうでしょうか?
飼い主の選択によっては、誕生した命を奪う最悪の結末も考えられるのです。
そうならないためにも、まずは愛犬の去勢や避妊についての必要性を考え、あらかじめタイミングや去勢・避妊にかかる費用のことなどの知識を得ることが大切です。
愛犬の去勢避妊で軽減する病気のリスク
繁殖を防ぐためだけに、愛犬に去勢や避妊を受けさせるわけではありません。
たとえば、メス犬は発情期を迎えるたびに心身に大きなストレスを受け、出産をすると体へのダメージも大きなものとなりますが、避妊することで乳腺腫瘍などメス犬特有の病気に対するリスクが軽減します。
そして去勢をしていないオス犬はどうかというと、発情したメス犬のもとへ向かうために喧嘩や脱走などの問題行動を起こします。しかし、去勢をすると前立腺肥大や精巣腫瘍のような病気の発生が抑えられるほかに、問題視されていた行動が減少します。
愛犬とより長く寄り添うことを考えると、去勢や避妊でホルモンの分泌を抑えることは、病気から愛犬を守り穏やかな生活を送るための一歩と考える飼い主も増えています。
犬の去勢避妊の時期や費用
大型犬は小型犬よりも費用がかかる。
メス犬は手術の内容や検査内容が異なるから、オス犬よりも費用が高くなる。
そうわかっていても、いざ、愛犬の去勢や避妊を考えてもタイミングや費用の部分がはっきりしない、ということはありませんか?
ここでは犬の去勢・避妊のベストとされるタイミングと目安となる費用を紹介していきますので、参考にしてください。
①メス犬の避妊タイミング
メス犬の場合、避妊手術は通常1時間~2時間で終わりますが、開腹を伴う手術なので一泊することが多いようです。
避妊のタイミングについての意見は多々分かれていますが、初めての発情期をむかえる前(生後数ヶ月)でのタイミングがベストとされています。これは発情する前に避妊をした場合、メス犬の乳腺腫瘍発生率が極めて少ないことや、若い方が術後の回復が早いことも関係しています。
②メス犬の避妊手術の費用の目安
手術は全身麻酔で行います。一泊の入院と手術に必要な検査などの経費を合わせると、おおよそ3万円~5万円程度の費用が見込まれます。
③オス犬の去勢のタイミング
個体差はありますが、オス犬の生殖能力は生後1年で完成します。
さらにオス犬は基本的に発情期がなく、発情期に入ったメス犬に反応することから、生殖能力の未完成な生後6ヶ月くらいのときに去勢することがベストとされています。
去勢手術の方法はメス犬と同じ全身麻酔ですが、開腹することはなく1時間程度で終了します。
④オス犬の去勢手術の費用の目安
去勢手術はメス犬の避妊手術のような複雑な手術でないこともあり、3万円程度の費用が目安となっています。
術後のケア
去勢や避妊の手術後の犬は、肥満傾向が強くなります。
これは、これまでのように繁殖能力にエネルギーを消費しないため、エネルギーの代謝が低下してこれまでのフードでは栄養過多となってしまうことが原因です。
去勢や避妊によって今後の病気の予防をしても、肥満になって愛犬の健康を損ねては意味がありません。
去勢・避妊後は専用フードに切り替えるなど、ウェイトコントロールをするよう心がけましょう。
さいごに
いかがでしたか?
現在では、犬の去勢や避妊に対して費用の助成制度が設けられている市町村が増加しています。こういった制度を利用することで費用を抑えることもできますから、愛犬との今後の生活について、もう一度家族全員で話し合ってみることも必要なのかもしれません。
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