床ずれってなに?
床ずれとは、マット・床・寝具等に、愛犬の身体が長時間接することで発生する症状です。
体重のかかる部分が圧迫され、血行が悪くなり、皮膚組織が壊死した状態のことをいいます。
老犬や、成犬でも身体が不自由なワンちゃんが、寝たきりとなってしまった場合に起こりやすい症状なのです。
発生初期に肉眼では確認ができない為、処置が遅れ状態が悪化してしまったり、一度発症すると再発しやすかったりするので、大変厄介なものといえます。
しかし、床ずれは予防することが可能な病気なのです。
愛犬が寝たきりになった場合に、迅速な対応できるよう正しい知識を身に付けましょう。
床ずれの症状とは?
床ずれの初期症状として、皮膚の赤みと、皮膚が薄くなることで痒みや痛みが発生します。また、皮膚が水ぶくれのようになり、破けるとジュクジュクした傷になってしまいます。
その後症状が進むと、炎症は皮下組織に至り、骨・関節を壊してしまう場合があります。
皮膚が破けた傷の、皮膚表面には小さな赤みしか無くとも、皮膚の下では大きな壊死が起きていることもあるのです。
表面は分泌液で湿っており、そこに細菌感染が起きると膿が発生してしまいます。
愛犬の体力が落ちている場合は、患部で引き起こされた細菌感染によって、命を落とす可能性も潜んでいます。
この様に、聞けば顔をしかめたくなるような症状の床ずれですが、愛犬の身体の部分で最も発生しやすい場所があります。
ほお・肩・腰・前足首・後足首などの、骨が出っ張っており脂肪や筋肉の少ない部分は、床ずれができやすくなるのです。
これは、横たわった時に骨が床に強く当たり、身体の重みで圧迫してしまう為です。
愛犬が寝たきりとなった場合、これらの部分には細心の注意が必要となります。
床ずれ予防法①衛生面の注意
床ずれを予防する為に重要なのは、身体を清潔に保つことです。
排泄物はすぐに取り、身体に付いた場合は優しく拭き取って下さい。おむつを使用している場合は、度々取り替えましょう。
身体を拭くときは強い刺激を与えないように、毛の流れに沿ってウェットティッシュや蒸しタオルで拭きましょう。部分浴や、低刺激タイプの水なしシャンプーを活用するのも良いですね。
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愛犬が長毛の場合は、肛門の辺りの毛を短くカットしてあげると清潔を保ちやすいです。お尻の周囲を、内側から外側に向かってバリカン等でカットし、肛門がはっきり見えるくらい短くするのが効果的です。
また、尻尾を包帯などでガードする方法もあります。尻尾の付け根から先端に、螺旋状に包帯を巻くことで汚れの付着を防げます。この時、強く締めすぎて血流を悪くしないよう注意して下さい。伸縮性のある包帯がお勧めです。
■床ずれ予防法②圧迫を軽減する
もう一つ重要な予防法として、愛犬に寝返りをさせる(体位を変更する)ことが挙げられます。
2時間程度を目安に愛犬の体位変更を行うのです。ただしこの目安時間は、愛犬の体重・皮膚の状態・マットや寝具の素材によって変わってきます。愛犬の状態を確認しながら、時間調整を行いましょう。
◎寝返りの打たせ方
体位変更は、可能な限り背中が上になるように行います。お腹を上にして回したり、背中だけを持ち上げてしまうと、内臓に負担がかかる場合があるのです。
また皮膚への負担軽減の為、引きずらないよう注意し、正しい手順で行いましょう。
①抱き上げて状態を起こしてから、反対側を向かせる。
②愛犬の背中側から、片手を肩下に差し入れ、もう一方の手で犬の両肢を持つ。
③肩・腰部分を支えて、お腹が下を向くように体を起こし、伏せのようなポーズをさせる。
④寝具等にお尻から下ろし、身体を支えながらゆっくり全身を反対の向きに寝かせる。
足の関節等は、骨同士が直接当たらないように、タオルやサポーター等を巻いてあげると良いですね。
愛犬の寝具には、身体の圧力を分散させる働きのある、低反発素材の床ずれ防止マット等の使用が効果的です。愛犬に寝たきりの傾向がみられた場合は、早めに用意することをお勧めします。
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症状の悪化を防ぐ為にも、出来るだけ早く病院へ行きましょう。細菌感染の有無を調べたり、壊死している部分を取り除く為に、まずは獣医の診察が必要です。
床ずれは、傷口を清潔にして圧迫がかからないように処置すれば、症状の回復が図れます。
病院での診察後は、自宅で行える正しいケアについて、獣医からの指示を仰ぎましょう。
床ずれは、あっという間に発症し重症化を招きます。
治療は長期に渡るので、医療処置を受け続けることで経済的負担も増加します。何より、床ずれを発症した愛犬は、患部の痛みと痒みで大変辛い思いをするのです。
愛犬が寝たきりとなったら、常に皮膚の状態に注意を払って下さい。被毛をかき分けて、直接皮膚を観察することが重要です。
飼い主さんの力で、大切な愛犬の床ずれを予防してあげましょう。
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