1.雪の日の犬の散歩はどうすればいい?
1.①犬は寒さに強い?!
1.②地面に直接触れる肉球
2.肉球のしもやけの対処法
2.①散歩の後は肉球ケア
2.②しもやけ対策グッズを使用する
【掲載:2017.12.15 更新:2022.01.07】
雪の日の犬の散歩はどうすればいい?
冬になると、外は雪が降る日が多くなりますよね。
飼い主さんは、お家の中であったかくしてゆっくりと過ごしたいと思うでしょうが、犬は違います。
いつもと同じようにお外で遊びたい!散歩に行きたい!という犬にとって、雪の日の散歩はどうしたらよいのでしょうか。
◆①犬は寒さに強い?!
雪という童謡の歌詞に「犬は喜び庭かけまわり~♪」と歌われていますが、犬が寒さに強いのかと言えば、それは犬種や性格によって様々です。
犬の毛は、大きく分けて2種類の毛からできていて、下毛(アンダーコート)と、上毛(オーバーコート)からできています。
室内飼いが多くなった現在では、小型犬が増えています。
その小型犬、実は寒さにあまり得意ではありません。
「愛玩動物」として、人間に可愛がられるために作出されてきた犬たちですので、外で暮らす環境に耐えうる能力は重視されませんでした。
この小型犬の多くは、外の寒い気温から身体を守る下毛が無く、上毛のみ=シングルコートの犬がたくさんいます。
ヨークシャー・テリア、トイ・プードルなどがシングルコートの代表的な犬種で、外の寒い気温から身を守ってくれるほどの毛が密集しておらず、水にぬれると直接皮膚に寒さが伝わってしまうため、冬の寒さに強くありません。
反対に、北欧原産の犬のアラスカン・マラミュートやハスキー犬、日本原産の柴犬、秋田犬などのダブルコートの犬種は、冬になると下毛が密に生えてきて、寒い外気温から身を守ってくれるので、冬でも平気に外で過ごすことができます。
◆②地面に直接触れる肉球
積雪がある中で外へ散歩に出かけると、人間でも靴を履いていても足先がジンジンと冷たくなりますよね。
犬は肉球で直接雪に触っていますが、犬の肉球は雪に触っても平気なのでしょうか。
肉球は皮膚の一部である「角質層(ケラチン)」と呼ばれる部分は、他の皮膚よりも非常に厚くなっています。
そのため、外部の熱が伝わりにくい構造となっていて、冷たい雪の上でもあまり冷たさを感じません。
また、肉球の裏を走っている静脈の血液は、冷やされたまま全身を回るのではなく、すぐそばを流れる動脈に乗っかってすぐに血液を温め直す事が出来ます。
このお陰で、肉球から伝わった外部気温の冷えが足や全身の寒さから身を守ってくれます。
ただし寒い中で長時間外にいるのはお勧めしません。
よっぽど慣れている犬なら心配いらないのですが、たまに雪が降るような地域だと、人間の手足と同じように肉球にしもやけが出来てしまう事がありますよ。
①、②から、あなたの飼っている犬は、寒さに強いのか強くないのか、肉球を保護したほうが良いという事がお分かりいただけましたでしょうか。
寒さに強くないなと感じた場合は、雪の日の散歩の際に洋服を着せてあげたり、肉球を保護するグッズを使用してあげたりして下さいね。
冬で雪が降っているからと言って、ずっとお家の中で過ごすのは、犬にとってストレスが溜まってしまいます。
飼い主さんが雪の日でも散歩に行けるような工夫をしてあげて下さいね。
肉球のしもやけの対処法
人間でも冬で寒い場所にずっといると、足先などが冷えてしもやけになってしまう事がありますね。
このしもやけ、医学的には凍瘡(とうそう)と呼ばれています。
子どもや女性がかかる事がおおい皮膚病とされていて、気温がぐっと下がる12月から3月にかけて症状が現れます。
そのしもやけの症状として一般的なのが
・手足が赤くはれる
・手足の指、手のひら、足の裏にあかいポツポツができる
・手足の指がかゆい
・手足の指を温めるとかゆみがひどくなる
といったものがあげられます。
犬も同様に、皮膚の末端は冷えると血液循環が滞るために、しもやけが起こる事があります。
しもやけの原因は、手足が冷える事によって、末端の血管が上手に拡張・収縮ができなくなり血行が悪くなってしまう事です。
いったんしもやけになってしまうと何度も再発する事もあり、改善するには手足の血行を促す事が重要です。
犬のしもやけになりやすい部分は、耳たぶ、肉球、しっぽ、頬などがあげられています。
露出している部分は、寒さによって冷やされやすいので、散歩から帰ってきたら全身の皮膚をチェックしてあげましょう。
しもやけにならないようにするには
①散歩の後は肉球ケア
②しもやけ対策グッズを使用する
この2つが重要です。
◆①散歩の後は肉球ケア
冬の外の地面は雪や冷たいアスファルトで、肉球が直接冷やされてしまいます。
冷たくなった肉球は、犬の自分の力で再び温かくしようとするまでに時間がかかり、しもやけになってしまう事が老犬や体力があまりない犬で多いようです。
しもやけになる前に、しっかりと水分をタオルで拭きとって、冷えから肉球を守ってあげて下さい。
その後、ドライヤーやお湯を使って全部の肉球を温めてあげると、肉球の冷たさもおさまって温かくなります。
肉球ケアにはもう一つ、肉球クリームと言って、犬の肉球に使用する保湿剤も販売しています。
これは犬が舐めても問題ない成分でできていますので、肉球を保湿する際に使用してあげましょう。
◆②しもやけ対策グッズを使用する
直接肉球が地面に触れないようにするために、愛犬の足に靴や靴下をはかせるというものです。
最初は犬が嫌がって履いてくれないかもしれませんが、お家の中で練習したり、冬になる前から気長に慣らしていったりすることで、散歩でも靴を履いてくれるようになります。
雪が多く降る地域では、雪を解かすために地面に凍結防止剤や融雪剤が巻いてあることがあり、その主成分の塩化カルシウムは素手で触ったりすると塩により軽度のやけど状態になってしまいます。
お散歩最中にこの凍結防止剤や融雪剤を肉球で踏んでしまわないようにするためにも、靴を履かせるのはとても大切です。
靴を履くのに慣れさせるというのは、しもやけを防止する以外にももう一つメリットがあり、ガラスの破片が飛び散るような災害に見舞われてしまったとしても、靴を履いていることでケガを防ぐ事が出来ます。
万が一の時にも非常に役立ちますので、靴を履く事に慣らしておいて損は無いと思いますよ。
寒い日に使いたいあったかグッズ
雪の日も、寒い風がふいている日も、外に散歩に行きたいのが犬です。
寒い中での散歩でも大丈夫なように、あったかグッズを紹介します。
これを使えば、毎日の冬の散歩がもっと楽しくなるかもしれません。
◆洋服
犬の洋服はとても種類が多くなって、可愛い物もたくさんありますよね。
冬で雪が降っている時の服のおすすめは、全身をすっぽり覆ってくれるものです。
お腹のところまですっぽりと覆われている服には、雪解けの泥はね防止にもなりますし、雪がお腹のあたりまで来て毛と絡まって雪玉になるのを防いでくれます。
首のあたりから雪が入りこんでしまうのを防ぐハイネックTシャツもいいかもしれませんね。
普通の服とともにレインコートを重ね着して、雪解けの冷たい水から身体を守るのもおすすめです。
◆スヌード
犬の耳は、外気温と触れる面積が非常に大きいために、耳からの冷えが全身への冷えとつながりやすくなってしまいます。
そこで、スヌードを被ると、耳をすっぽりと覆ってくれて、寒さから身を守ってくれます。
ビーグルやコッカーなどの垂れ耳や耳の長い犬種だと、体を守る洋服だけでは物足りません。
長時間外にいると、耳までしもやけになってしまう可能性もありますので、洋服だけでなく、スヌードも検討してみて下さいね。
◆靴、靴下
犬用の靴や靴下も、冬の外での散歩の心強い味方です。
靴や靴下に使用されている素材も色々あり、ゴムでできたしっかりとした防水性のあるラバーブーツや、綿でできていて、肉球部分に滑り止めが付いている靴下、肉球部分はゴム製で、足首部分は靴下のような履き心地になっているものなど、種類がとても豊富です。
また、犬がどうしても靴や靴下をはく事に抵抗を示してしまう方は、購入する前に赤ちゃん用の靴下などで様子をみるのもおすすめですよ。
◆湯たんぽ
散歩のとき以外で、お家の中で過ごす時におすすめしたいのが「湯たんぽ」です。
エアコンやホットカーペットももちろん温かいのですが、犬がいる家庭だと留守中までエアコンをつけなくては行けなかったり、電源のコードをかじってしまう心配があったりと不安要素がたくさんあります。
そこで、お湯を入れておくだけで長持ちする湯たんぽなら、万が一中のお湯が漏れてしまったとしても火事にはなりませんし、犬に被害が及ぶこともありませんね。
湯たんぽには直接触らないよう、毛布や布などのカバーをかけてあげる事を忘れないようにしましょう。
最近では犬用の湯たんぽも発売されていて、レンジでチンするだけで繰り返し使用できるものもあります。
かじり癖がある子でも安心して使用できる設計になっていますので、お留守番をさせる際にも安心ですね。
暖房をつけっぱなしで出かけるのは、犬も暑くなり過ぎた際に避難場所がありませんが、湯たんぽなら熱くなったら離れればいいし、寒くなったら寄り添えばいいので、犬自身で体温調節が可能です。
電気がいらないエコな湯たんぽはおすすめですよ。
まとめ
愛犬と冬の散歩をする時には、外の状態をしっかり確認し、雪が降り積もっている場合は今回ご紹介した防寒対策をしっかりしてあげてくださいね。また、雪が降っていない場合でも、なるべくコンクリートの冷たい場所は避けるなど工夫してあげることが大切です。
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