「老後」の犬との暮らしで感じるメリット5つ
老後は用事もあまりなく、気持ちが沈むことも多いでしょう。
そこで、愛犬の存在がさまざまな喜びに繋がります。
それでは、具体的にメリットを紹介していきます。
◆その1:認知症の予防になる
高齢になればなるほど、日々の生活に目的を失い、閉じこもった生活をしがち…。
働いていたときと比較すると、家族以外の人と会話することも減るものですよね。
人との会話が減り、「笑わなくなった」という老後を過ごす人も多いようです。
ペットとの生活は、そんな単調な日々に目的をもたらしてくれます。
食事の準備や排泄の後始末など、犬を飼うときに必要なお世話はたくさんあり、「自分がやらなければ」という責任感もうまれます。
まるで子育てに近い感覚で犬を育てることができるでしょう。
また、愛犬と一緒に遊んだり、話しかけたりと毎日のようにコミュニケーションを取るようになります。
頭で考え、そして体を動かすので脳が活性化します。
老後の暮らしで犬を飼うことは、認知症の予防にも繋がっているのです。
◆その2:心を元気にする
犬には、見ているだけで温かな気持ちにしてくれる不思議な力があります。
一緒に昼寝をしているとき、犬の頭を撫でているとき、抱っこした瞬間など…。
さまざまな犬の表情や動きを見たり、犬と触れ合ったりすることは、私たちに「癒し」を与えてくれます。
犬と触れ合うことはアニマルセラピーとも言われ、人間の気持ちをリラックスさせる効果があります。
犬を飼うことは、沈みがちな気分の人を元気な心に導いてくれる源と言えるのかもしれませんね。
◆その3:運動不足を解消できる
仕事の通勤がなくなる「老後」は運動不足傾向になります。
買い物や趣味などで動くことはあっても、仕事や子育てをしていた時期と比較すると動くことが減るでしょう。
運動不足が健康の大敵とは分かっていても、用事がなければ家から一歩も出ないことも珍しくないかもしれません。
そんな老後の暮らしでは、犬との散歩が運動不足解消の近道になります。
犬の散歩が毎日の日課になれば、自然に足腰が鍛えられます。
老後には、足や腰が衰えていくので散歩を日課にできる犬との暮らしは、体の健康に繋がると言えます。
◆その4:生活環境を「綺麗にしよう」という気持ちが生まれる
汚い環境で犬を育てるのは健康上よくありません。
愛犬を清潔な環境で育てるために、部屋を掃除する気持ちになります。
家のなかで動き回る愛犬がケガをしないように、整理整頓も自然に身についてくるでしょう。
犬を飼うことが、清潔な環境での暮らしにも繋がるのかもしれませんね。
◆その5:人との会話が増える
結婚生活が何年も続くと自然に会話が減ってくるケースが多いとよく耳にしますよね。
さらに、子供達も独立して家からいなくなれば、夫婦2人だけの生活。
共通の話題はグッと減るかと思います。
「一緒の空間にいても会話ゼロ…」なんて日も珍しくないかもしれません。
それに、退職をしていれば他人との会話も減ると思います。
そこで犬を飼って「会話を増やす」ことができます。
犬のことを話題にすれば、夫婦で会話をすることも増えるでしょう。
また、散歩中に他の飼い主さん達との交流も生まれ、犬を含めて新しい友達ができることもあります。
動物病院へ行く機会も増えるので、待合室で他の飼い主さんと話すひとときも楽しく感じられるかと思います。
犬を通じて、いろいろな人との会話が増え「人と話すことが少なくなった」という老後には嬉しいメリットとなるでしょう。
クリアできたら愛犬を迎えよう!飼う前にチェックしたいポイント
犬がいるおかげで生活に潤いが出てきた…という高齢者の話もよく耳にします。
ただ、老後の年代の方が犬を飼うなら、しっかり理解しておきたい注意点もあります。
次の7つのポイントについて、飼う前にチェックしてほしいと思います。
◆その1:散歩に連れていく体力はある?
老後と言われる世代となると、年々体力に自信がなくなる人も多いものです。
「犬との散歩は楽しい」と思う一方、ときには「散歩に行きたくない」というときもあるかと思います。
それに、体の大きい犬を飼えば、かなりの体力が必要となります。
「大型犬が好きだから」と軽い気持ちで迎えると、散歩のときに悩みの種になることもあるので注意しなければなりません。
老後には、自分の体力がないために犬の散歩ができない状況となる可能性もあります。
「毎日の散歩が苦にならないか…?」ということは、しっかり考えておくべきでしょう。
◆その2:犬を育てるためのお金を持っている?
犬が生きていくためには、食事は欠かせません。
毎日のペットフードは、1回の量は少なく見えても「犬の一生分」と考えるとかなり高額になります。
また、定期的にワクチン接種や予防薬の出費があります。
愛犬には健康で長生きして欲しいですが、病気にかかったときのことも考えておかなければなりません。
治療のための通院や投薬、手術などで突然の出費が必要になることもあります。
犬の病院は、人間のように保険がききませんので、高額な医療費にビックリすることもあるのです。
仕事をしている現役世代と比較すると、年金生活で収入は減るのが一般的かと思うので「犬の一生に必要なお金が出せるか」については十分に考えたいところです。
◆その3:最後まで犬の面倒を見ることができる?
犬種や飼育環境にもよりますが、犬の寿命は10~15年。
場合によっては、20年近くも長生きするケースもあります。
老後とはいえ元気でパワフルな飼い主さんもいるかと思いますが、年々状況が変化することもあるかもしれません。
体調を崩したり、病気になったり「犬の面倒を見ることができない。なら手放そう」と簡単に飼育放棄することはできません。
ひとつの命を最後まで守る覚悟が必要なのです。
そのため、もし自分が飼えなくなったら…という点については、しっかり考えておきましょう。
子供達や友達、知人など、自分が飼えなくなった後に飼い犬の面倒を見てくれる人を飼う前から探しておくことも重要です。
◆その4:犬の飼育環境を整えてあげられる?
室内で犬と暮らすには、犬がスムーズに動ける広いスペースが必要です。
持ち家の場合には、スペース的にもあまり問題になることはないでしょう。
ただ、賃貸で暮らしている場合には、今後引っ越しの可能性もあるかと思います。
引っ越し後、部屋数が減れば犬の飼育スペースが狭くなるかもしれませんよね。
また、今の住まいが「ペット可」という物件でも、今後同じ条件に引っ越せないこともあるでしょう。
あらゆる状況を想定しながら、犬の飼育環境について考えてみてくださいね。
◆その5:犬との触れ合いの時間を持てる?
老後世代とひとくちに言っても、「家からあまり外出しない」という人もいれば、毎日外出するなどアクティブに過ごす人もいるかと思います。
老後に犬を飼うなら、犬との時間を持てるのかはチェックしておきたい点です。
犬は寂しさからストレスを溜める動物です。
散歩に行ったり、一緒に遊んだりとコミュニケーションに費やす時間を大事にしなければなりません。
飼う前にしっかりライフスタイルを確認してくださいね。
◆その6:可愛がるだけでなく「しつけ」もできる?
自分を慕ってくれる犬は可愛いもの。
しかし、甘やかし過ぎると手のつけられないヤンチャ犬になってしまいます。
自分が病気などで他の人に預けるケースも考えなければならないので、最低限のしつけをしなければなりません。
◆その7:掃除をきちんとできる?
夫婦だけ、あるいは単身…というように、家族が少ない老後の生活だと、掃除の頻度が低くなるケースがあるのではないでしょうか。
しかし、犬を飼うなら日々の掃除は重要です。
長毛種や短毛種で毛の抜け方は違いますが、換毛期と言われる季節になると部屋のなかは抜け毛でいっぱいになります。
掃除機をかけていても洋服やカーペット、ソファーなどに毛が残っていることもあるでしょう。
また、子犬の頃にはトイレトレーニングは失敗がつきもの。
トイレを準備しても、カーペットやフローリングの上に排泄をしてしまうことも多く、その都度掃除をしなければ清潔な環境がキープできません。
清潔な環境で暮らすことは、犬と飼い主さん両方の健康にも繋がります。
掃除が苦手だという人は、部屋の環境を清潔に保つ心構えをしっかり持つことが大事かと思います。
犬を迎える準備はできている?
せっかく家族に迎えるのですから、犬にも快適に過ごしてもらいたいものですよね。
留守番のときに犬に入っていてもらうサークル(ハウス)、犬が眠るときに使うベッド、室内での排泄に使うトイレやトイレシーツ、ペットフードや飲み水を入れる食器、散歩に連れていくときの首輪やリードなどは最低限準備しておきたいグッズです。
それから、犬用のオモチャや抜け毛対策のブラシなどを揃えていくといいですね。
老後に飼うなら犬の犬種や大きさに注意しよう
「たくましい大型犬に魅力を感じる」「腕のなかにスッポリ入る小型犬が可愛い」「長いフワフワした毛を撫でたい」「運動能力が高い犬を飼いたい」など、犬の好みは人それぞれかと思います。
ただ、老後世代に注意したいのは「好みだけで犬を迎えない」ということです。
当然のことですが、犬の大きさによって食事の量も違うので、飼育費用を考えると小さい犬がいいでしょう。
大型犬は病院やトリミング代も高めの傾向です。
小さい犬も大きい犬も生涯飼育費用は数百万と言われていますが、小型犬の方が経済的にもコストがかからない傾向にあります。
また、老後と言われる年代の人は、散歩のときに犬の突然の行動を制止できる体力があまりないかもしれません。
散歩時間も小さい犬と比べると長いので、体力に自信がない高齢世代には大きな犬を飼うのは厳しいでしょう。
大変だからと散歩をお休みすれば、犬が運動不足になります。
ストレスが溜まり、病気になったり、気性が荒くなったりとワンちゃん自身も幸せとは言えませんよね。
老後に犬を飼うなら、愛玩犬に分類されているような穏やかで無駄吠えの少ない犬種を選ぶようにすると良いでしょう。
まとめ
外への用事が少なくなりがちな老後に犬を飼うことで、充実した毎日になるかと思います。
犬には不思議なパワーがあり、老後の心の健康にも繋がります。
人との会話も増え、自然に穏やかな表情になる飼い主さんも多いはず…。
ただ、一方では金銭面や犬の老後についてなど現実的な問題も考えなくてはなりません。
新しい家族になった犬を幸せにしてあげるのは、飼い主さんの責任でもあります。
「可愛い」「癒し」という楽しいメリットだけでなく、老後ならではの問題点もしっかりと考えてから迎えることが犬と飼い主さんの幸せに繋がることなのだと思います。
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