1.愛犬の肉球が赤い!指間炎とは?
4.犬の指間炎の原因
4-1.指間炎の原因①ケガ
4-2.指間炎の原因②肉球のやけど
4-3.指間炎の原因③皮膚病
4-5.指間炎の原因④爪の疾患
4-6.指間炎の原因⑤トリミングなどでの違和感
4-7.指間炎の原因⑥ストレス
4-8.指間炎の原因⑦汚れ
5.犬の指間炎の治療法
5-1.指間炎の治療法①原因の除去をする
5-2.指間炎の治療法②内服薬
5-3.指間炎の治療法③外用薬
5-4.指間炎の治療法④薬浴
5-5.指間炎の治療法⑤エリザベスカラーをする
5-6.指間炎の治療法⑥肉球の隙間の毛を刈る
【掲載:2019.06.16 更新:2023.05.11】
愛犬の肉球が赤い!指間炎とは?
犬の指間炎とは、四肢の肉球(足の裏側)の間に炎症をおこしてしまう病気のことです。
肉球の隙間だけではなく、指と指の間の水かき部分にも指間炎は起こります。
指間炎になりやすい犬種
指間炎はどの犬種でも起こりやすい病気ですが、外傷による指間炎は、どの犬種も同じ確率で罹患する可能性があります。
主に皮膚病が原因の指間炎は、皮膚病になりやすい犬種が圧倒的に多いです。
皮膚病になりやすい犬種は以下のとおりです。
犬の指間炎の症状
指間炎は日常生活で起こる様々な原因により、指の間や肉球の隙間に炎症がおこる病気です。
炎症を起こした部分は赤く腫れ(真っ赤になる場合も)、症状がひどい場合には膿んでしまうこともあります。
痛みと共に痒みも起こるため、犬は患部を舐めたり噛んだりを繰り返します。愛犬がしきりに足を舐めたり噛んだりしている場合はこの病気の可能性があります。
犬が自分自身で舐めたり噛んだりすると、患部がジメジメと湿った状態になるため細菌が繁殖しやすくなり、症状が悪化してしまいます。指間炎は完治が難しい病気の一つです。
犬の指間炎の原因
指間炎の原因には、どのようなものがあるのでしょうか。確認してみましょう。
◆指間炎の原因①ケガ
地面を素足で歩くことの多い犬にとって、足や肉球はとてもケガをしやすい場所です。
足の裏にトゲが刺さった、肉球のひび割れ、散歩中に何かを踏んだなどの外傷により傷が出来たことが原因で、指間炎になることがあります。
また、ケガで負った傷口が気になり、舐めることで雑菌が繁殖し、さらに炎症を起こしてしまうのです。
指間炎に進行する前に気付くことができれば、対処することが可能です。
特に肉球のひび割れなどは、肉球クリームを塗布するなどの日常ケアで防ぐこともできます。
犬が散歩から帰宅した時など、一日一回で良いので足の裏の健康状態も確認するようにしましょう。
◆指間炎の原因②肉球のやけど
夏の暑い時間帯に散歩をすると、アスファルトの熱がダイレクトに犬に伝わるため、肉球を火傷してしまうことがあります。夏の気候の中のアスファルトは、50度以上にも達するといわれています。
肉球をやけどして水ぶくれができてしまった場合、痛みやかゆみが気になり、肉球を舐めてしまうことがあるでしょう。
夏など暑い時期には、アスファルトが熱を持つ前の朝の時間帯に散歩に行く、もしくは涼しくなってくる夕方以降に散歩するなどの配慮が必要です。
◆指間炎の原因③皮膚病
アレルギー疾患やダニ・ノミの寄生による皮膚炎、脂漏症(皮脂が漏れだしてしまう皮膚病)、マラセチア、アトピー性皮膚炎など、犬は皮膚病になりやすい生き物です。
被毛が密集して生えているため、犬の皮膚病は気付きにくく、気付いた時には悪化しているということが多いです。特に四肢の足先や足裏の肉球の隙間などは、見逃しがちです。
皮膚病は、その原因によって検査をしたり、外用薬を使ったり、内服薬を飲んだり、薬浴という薬用シャンプーでの外用処置を受けるなど様々な治療法を用います。
指間炎にさせないためには、足の裏や肉球の隙間に至るまで、飼い主さんが日々健康チェックすることが大切です。
◆指間炎の原因④爪の疾患
爪をどこかに引っ掛けて欠けてしまったり、ポロッと根元から抜け落ちてしまうということが犬には多々起こります。
犬は普段と違う爪の異常が気になると、舐めたり噛んだりして指間炎へ進行してしまうことがあります。
◆指間炎の原因⑤トリミングなどでの違和感
トリミングの注文で、「足先バリカン」「足裏バリカン」というものがあります。
足先バリカンは、足先の毛を全てバリカンで刈り上げてしまうトリミングです。足裏バリカンは、通常は肉球からはみだす程度の刈り上げですが、飼い主の希望によって肉球の隙間までしっかり毛をかきだす様にバリカンで刈り上げます。
このようにバリカンなどで処置した足に、犬はチクチクと痒みや違和感を感じることがあります。気になると、犬は舐めたり、噛んだりしてしまうため、指間炎になってしまいます。
足にバリカンをかける際には、その可能性があることを念頭にいれ、トリミング後は注意深く見守るようにしましょう。
◆指間炎の原因⑥ストレス
犬はストレスが溜まると、皮膚を噛んだり、舐めたりすることがあります。これは、やり場のない気持ちを吐きだしている行為です。
伏せの姿勢をしたときに口先の前に来る足先は、どうしても舐め壊してしまいがちな箇所です。
そのため、ストレスが溜まると指間炎になる可能性が上がります。
犬のストレスは、飼い主とのコミュニケーション不足、不満、運動量(散歩)の不足、食事の過不足など、様々な要因があります。
皮膚病や足先の異常ではないのに、犬が足先を舐めたり噛んだりしている場合には、ストレスを疑い、生活を振り返ると原因が判明する可能性があります。
◆指間炎の原因⑦汚れ
犬はいろいろな場所を裸足で歩きます。そのため、指の間や肉球に土やほこりなどの汚れがたまってしまいます。
これからの季節で特に気を付けたいのは、雨の日の散歩です。
水たまりの中にも雑菌はたくさん潜んでいます。散歩後は濡れた足をケアせずそのままにしておくのはとても危険。さらに雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいますので注意が必要です。
また、頻繁にシャンプーをするワンちゃんは、シャンプーの洗い残しにも注意しましょう。
湿ったのままにするのは衛生的に良くないため、しっかりと乾燥をさせ、清潔を保つようにしましょう。
犬の指間炎の治療法
犬の指間炎は、かゆみや痛みなど違和感が気になって患部を舐めたり噛んだりしてしまうため完治に時間がかかります。
そのため、獣医師の指導のもと根気強く病気とつきあっていく必要があります。
指間炎の治療法についてご紹介します。
◆指間炎の治療法①原因の除去をする
犬の指間炎の原因は様々です。痒みを取る、炎症を抑えるなどの対症療法だけではなく、何故指間炎になってしまったのかに着目し、原因の除去をすることも治療方法の一つです。
例えば、皮膚病が原因であれば、患部の毛を採取し検査をして原因を特定します。
◆指間炎の治療法②内服薬
内服薬を使い、身体の内側から治療していく方法です。
症状に応じて薬が処方され、抗生剤と抗炎症剤を使い炎症を抑える治療をしていきます。
炎症や痒みが酷い場合には、ステロイドなどの投与もあります。
◆指間炎の治療法③外用薬
内服薬と併用して、外用薬を処方するケースも多いです。
外用薬の多くがクリーム状の薬で、患部に塗り込む様にして使用します。
薬を塗った後には包帯を巻いたり、靴下を履かせたりして、薬を塗った場所を舐めさせないようにする必要があります。
◆指間炎の治療法④薬浴
犬の皮膚病は、指間炎では無い場合でも「薬浴」という治療法が多く用いられます。
薬浴とは、薬用シャンプーを使って定期的に身体を洗う治療法です。
薬用シャンプーは症状に合わせて、抗菌作用のあるもの、抗真菌性のあるもの、抗脂漏性のあるもの、痒みを抑える止痒作用のあるもの…など様々なタイプが販売されているため、獣医師の指示に従って愛犬の症状に合うものを使用しましょう。
薬用シャンプーは低刺激のものが多いため、一般のシャンプーに比べると患部に沁みたり、痛みを感じることが少ないでしょう。
犬の薬浴は一般的なシャンプーの方法とは異なります。
泡立てた薬用シャンプーを皮膚に塗り広げ、そのまま放置して皮膚に浸透させます。犬はブルブル震えて泡を落としてしまうことがありますので、薬用シャンプーを溶かしたお湯で作った濡れタオルを身体全体にかけても効果的です。その後、10分ほど放置したら、薬用シャンプーをしっかり洗い流します。
薬浴の場合は、シャンプーの間隔も短い方が効果があります。週に2回、月に2回以上など、獣医師の指示に従って行いましょう。
◆指間炎の治療法⑤エリザベスカラーをする
患部を舐めたり噛んだりしないように、首にエリザベスカラーを巻く方法も治療法の一つです。
エリザベスカラーは購入することもできますが、多くの動物病院ではレンタルを行っています。
エリザベスカラーをしていると、食事や水を摂取し辛いという問題がありますので、お皿を底上げしてあげるなどの配慮が必要です。
また、ヨダレや食べカスなどでエリザベスカラーは汚れますので、こまめに洗ってあげるようにしましょう。
エリザベスカラーは患部の保護のために使用しているため、散歩の際など犬が患部を気にしていない時には外してしまってもよいでしょう。
◆指間炎の治療法⑥肉球の隙間の毛を刈る
指間炎は、じめじめ湿った状態だと悪化してしまうという特徴があります。
そのため、風通しを良くして、湿った状態を避けるために、肉球の隙間の毛にバリカンをかけてしまう、という方法があります。
肉球の隙間は皮膚が薄く、デリケートな箇所なため、家庭では行わず動物病院やトリミングショップで処置してもらうことをおすすめします。ゴールデンレトリバーの様な大型犬であっても、足裏にバリカンをかけるだけなら10分もかからずに終わります。
しかしながら、肉球の隙間にバリカンをかけたことでチクチク気になったり、痒みが出たりすることもあります。
「いつもと違う」ことに対して違和感を持つと、犬はより舐めたり噛んだりしてしまうこともあるため注意が必要です。
まとめ
指間炎とは、指と指の間や、肉球の隙間に何らかの原因で炎症が起こる病気です。
原因は外傷や皮膚病など様々ですが、犬は違和感から噛んだり舐めたりしてしまうため完治が難しい病気です。
獣医師と二人三脚になり、完治まで根気強く付き合いましょう。
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