1.賢いボーダーコリーにとって「しつけ」の意味とは?
1.しつけが必要なのは愛玩犬とは違うから
1.しつけをしないと起こり得るリスク
1.ストレスが増えると気性が荒くなることも…
2.賢いボーダーコリーの先読み行動&勘違い
2.パターン①:大きな声で吠えたら喜んでくれた!
2.パターン②:飼い主さんの手をガジガジさせてくれた!
2.パターン③:散歩でダッシュしたら一緒に走ってくれた!
3.ボーダーコリーの子犬を飼うなら「しつけ」のことを知ろう
3.ポイント1:しつけは子犬からスタートしてOK
3.ポイント2:飼い主さんの立場をしっかり認識させる
3.ポイント3::「しつけ」を楽しいトレーニング時間にする
賢いボーダーコリーにとって「しつけ」の意味とは?
ボーダーコリーの頭脳は、全犬種中トップクラスと言われています。
ドッグスポーツやアジリティー競技会、ドッグダンスなどの場でも活躍している賢いワンちゃんです。
一生懸命にスポーツに取り組んでいる姿、本当に心が温かくなりますよね。
その優れた能力に、感心させられます。
そんな高い能力を持っているボーダーコリーだからこそ、しつけは本当に重要と考えられています。
子犬期にしつけを間違ったまま成長し、難しい性格になってしまった…という声もあります。
「高い運動能力+優れた知能」をフルに正しい方向へ向かわせるため、ボーダーコリーのしつけの意味を知っておきましょう。
◆しつけが必要なのは愛玩犬とは違うから
全世界にはたくさんの種類の犬が存在します。
「犬」という同じくくりであっても、いろんな目的で分類されています。
可愛がる目的の「愛玩犬」、人間のために働く「使役犬」、主に羊などの家畜を統率する「牧羊犬」、小動物の狩りを行う「テリア」などに分けられているうち、ボーダーコリーは牧羊犬に属します。
牧羊犬として改良されて誕生した犬なので、本能として「作業なら任せて!」「たくさん動きたい!」という仕事をこなしたい気持ちが備わっています。
また、体つきも作業犬として適しています。
成犬になると14~20キロと中型犬に育ち、ガッシリと立派な体型になるでしょう。
重くなるほどに抱っこもできないので、「せめてかわいい子犬の頃には甘やかして育てたい!」とちょっとばかりの期間は愛玩犬のように可愛がりたくなるかもしれません。
でも、「可愛がる」をメインに生活するうち、ボーダーコリーが持つ「賢さ」がいつの間にか「ずる賢い知能」に変化することも…。
愛玩犬とは違う犬種と意識し、賢い頭脳が違う方向に行かないようにボーダーコリーの運動能力や作業能力を飼い主さんが統率することが大事です。
◆しつけをしないと起こり得るリスク
作業意欲の高い牧羊犬のボーダーコリーも、家庭で飼うなら家畜を追いかける必要がありません。
「作業するわけではないから…」と、厳しいしつけに対して、あまり前向きになれない人もいるかもしれません。
しかし、ボーダーコリーのように頭の良い犬は、しつけが不足すると後から困る問題が出てきます。
小型犬の場合、仮にしつけが上手くいかなくても、「吠える声は小さめ」「逃げ出しそうになったらヒョイっと抱っこ」など、ある程度のコントロールもできるでしょう。
しかし、ボーダーコリーのように中型犬サイズの犬が「しつけに難アリ」に育つと人間の力で行動を制止するのが難しくなります。
子犬期に可愛がられていた結果、「何をやっても許されるだろう」と学習してしまうケースもあります。
また、飼い主さんとの関係が悪いと、「あなたの指示に従う必要がある…?」とボーダーコリーは警戒するかもしれません。
それが原因で、吠え癖や噛み癖など、いわゆる問題行動に繋がるパターンも考えられます。
賢いボーダーコリーだからこそ、しつけをしなければコントロールが難しい犬になってしまうのです。
「しつけ」とは、犬の自由を奪うことではなく、状況に応じて飼い主さんがコントロールできるようになることです。
ボーダーコリーが人間社会でも幸せに暮らせるように、訓練としてしつけてあげましょう。
◆ストレスが増えると気性が荒くなることも…
愛玩犬のように可愛がり過ぎもNGですが、逆に放置のし過ぎもよくありません。
ボーダーコリーは、従順性が高い犬です。
家族に対する愛情が深いため、「大好きなリーダーに放置されている」と不安を感じると気持ちが滅入ります。
「仕事が忙しいから」「家事が忙しいから」と、散歩やコミュニケーションの時間を極端に削るとボーダーコリーのストレスになるでしょう。
ストレスを感じても人間のように気分転換ができるわけではありません。
どうしていいかわからずに、性格が荒々しく変わってしまうケースもあります。
また、そもそも飼い主さんがリーダーっぽくないと、「自分の方が従わせる立場だ」と強く見せることも。
本来、優しく穏やかでいられるはずのボーダーコリーの性格が、逆に向かってしまわないように気をつけましょう。
賢いボーダーコリーの先読み行動&勘違い
ボーダーコリーは、かわいい子犬の頃でも賢いです。
牧羊犬として大活躍していたときは、自分なりに状況判断をする「先読み力」が人間たちに重宝されていました。
家庭犬として飼われている今でもその知能は健在ですが、「しつけがあまりされていない」「飼い主さんとの関係が良好ではない」などにより、飼い主さんの行動を自分なりに解釈して勘違いすることも少なくありません。
頭が良いとは言っても、子犬の頃はまだまだ発展途上…。
しつけが不充分だと、ボーダーコリーなりに思い違いがあるようです。
どんな勘違いをしてしまうのでしょうか?
◆パターン①:大きな声で吠えたら喜んでくれた!
子犬の頃のボーダーコリーは、何事にも興味津々。
散歩のときも、見慣れる大きなトラックや見知らぬ人に「ワンワン!」と大きな声で吠えることもあるでしょう。
ダイナミックに吠えると、飼い主さんは思わず「ダメ!」と何度も大きな声で注意するかもしれません。
でも、ボーダーコリーにとっては、その飼い主さんの大きな声が「自分と同じで喜んでくれている!」と勘違いすることがあります。
●対策はある?
吠え癖に対して瞬間的に大きな声で叱るのは大事なことですが、ボーダーコリーにとって甲高い人間の声は「喜びの声」と勘違いしやすいものです。
叱る際には、低めの声で短く…がいいでしょう。
◆パターン②:飼い主さんの手をガジガジさせてくれた!
歯の生え変わりがある子犬時代には、おもちゃや家具、壁、柱などを噛んでしまうことがあります。
ときには、飼い主さんの手をガジガジすることも…。
子犬の頃は力もそれほど強くない「甘噛み」と言われ、噛まれてもかわいいと感じてしまうかもしれません。
それに、怒るのもかわいそうで「されるがまま」というケースもあるでしょう。
愛犬にとっては、「人間の手は噛んでもいいんだね!」と誤解のもととなるようです。
●対策はある?
子犬の時期に「噛む」のは、本能的なものなので、行動を制止するのは難しいでしょう。
ただ、しつけによって「噛んでも大丈夫なもの」「噛んではNGなもの」を理解させなくてはいけません。
パワーがあまりない子犬の頃に噛み癖を放置し、成犬になって人間にケガをさせると大変ですよね。
噛み癖を直す方法として、「噛んだらビックリした」と大きな音を出すのも効果があります。
驚いた子犬が噛むのを止めた瞬間に褒めると、「噛む=ビックリしてイヤ」「噛むのを止める=褒めてもらえる」と賢いボーダーコリーは学習していきます。
また、遊んでいる最中に、おもちゃの延長で人間の手を噛んだら、遊ぶのをスッパリ止めるのもいいでしょう。
「手を噛んだら楽しいことが終わった」と理解させるしつけが効果的です。
◆パターン③:散歩でダッシュしたら一緒に走ってくれた!
牧羊犬のボーダーコリーは、動くものに対して敏感です。
動体視力が良いので、興味の沸いたターゲットを見つけると「追いかけたい」という気持ちが発生します。
散歩に慣れていない子犬の頃は、外の世界は自分の興味をそそる宝庫。
「追いかけよう」という習性のスイッチが入ると急にダッシュするでしょう。
飼い主さんも当然追いかけますが、それを「一緒に走ってくれて楽しい」と誤解することがあります。
●対策はある?
ボーダーコリーは、体高50センチ前後で体重が14~20キロの中型犬です。
「中型」という分類でも、20キロを超えるコもいます。
牧羊犬として働いた歴史を持つこと、現在はスポーツドックとして知名度があること…という2点からも分かるように、力はかなり強く、急に引っ張られると制止が難しいでしょう。
散歩に行くときは、飼い主さんの指示に従いながら隣で一緒に歩く「リーダーウォーク」を身につけることが大事です。
ボーダーコリーの子犬を飼うなら「しつけ」のことを知ろう
一般的な犬種でも「しつけ」は大事ですが、トップレベルで頭が良いボーダーコリーなら、なおさらしつけに対して真剣さが求められます。
飼い主さんがしつけてくれたことは成犬になってもボーダーコリーの頭に焼き付きます。
正しくしつけられるほど、ボーダーコリーが人間社会でも生活しやすくなるのです。
ボーダーコリーのためにも、しつけに本気で向き合いましょう。
◆ポイント1:しつけは子犬からスタートしてOK
ボーダーコリーは、知能が高いので早くから飼い主さんの指示に従おうとします。
小さな体の子犬期は可愛らしく、つい甘やかしたくなりますが、家族に迎えてから早めに「しつけ」をスタートし、ボーダーコリーの賢い頭脳が「ずる賢さ」に変化しないようにしましょう。
子犬の頃には、吠え癖や無駄吠え、噛み癖と言った今後の問題行動を防ぐしつけのほか、
「被毛のお手入れ」
「歯磨き」
「耳の掃除」
「爪切り」
「シャンプー」
「肛門腺絞り」
など、体を清潔に保つ“お手入れのトレーニング”も同時進行です。
体のお手入れも子犬の頃に「イヤだ!」と感じると、今後のメンテナンスが難しくなるかもしれません。
そういったお手入れの時間も、飼い主さんとの関係が良好であるほどスムーズにいきます。
体のお手入れも含め、「しつけ全般」としてお世話にチャレンジしていきましょう。
◆ポイント2:飼い主さんの立場をしっかり認識させる
しつけは早く始めるにこしたことはありませんが、飼い主さんのことを信頼できなければ従おうとしません。
「この人の指示に従っていれば安心だ」と、ボーダーコリーが感じられるかがポイントと言えるでしょう。
ボーダーコリーは頭が良いので、「この人は頼りない」と思えば、逆に自分が「主人」となりがたがります。
そうなると、しつけはもちろんのこと、日常生活さえ円滑に遅れません。
手も足も出ない「ヤンチャ犬」にならないように、凛とした態度でリーダーとなり、しつけに取り組みましょう。
◆ポイント3::「しつけ」を楽しいトレーニング時間にする
ボーダーコリーは、運動能力と作業能力が優秀です。
信頼している飼い主さんには、従順に従う能力があるので、何かを覚えさせようとトレーニングを持ち掛けられるのは嬉しいものです。
飼い主さんの命令に従わせる厳しい「しつけ」というよりも、楽しく学べる「トレーニング」にしても良いかもしれませんね。
まとめ
ボーダーコリーは、優れた頭脳派で人間との良きパートナーになってくるはずです。
散歩をはじめ、一緒にスポーツできるアクティブなワンちゃんです。
ただ、子犬の頃に誤ってしつけた結果、気難しいワンちゃんになってしまうケースも耳にします。
ボーダーコリーの子犬はかわいいですが、単に甘やかすだけでなく、飼い主さんのカッコいいところを見せ、愛犬の忠実心を引き出したいものですね。
ボーダーコリーに対して愛情をしっかり注ぎ、「主従関係」「信頼関係」を正しいものに築き上げることからスタートしましょう。
そして、ボーダーコリーの一生を共に過ごす心構えで、「しつけ」に全力を尽くし、愛に満ちた暮らしを楽しんでくださいね。
– おすすめ記事 –
・愛犬が「うれしょん」をする理由は?原因としつけ方法を知ろう! |
・オスの犬は何故足を上げてトイレをする?トイレのしつけや対策について |
・犬が散歩で歩かない状態になる理由はこの6つ!実はやってはいけないあのしつけ方法 |
・【ドッグトレーナー監修】犬がマーキングをしてしまう理由はこれだった!マーキングに困っている時のしつけ方法 |