ゴールデンレトリバーとは?
ゴールデンレトリバーは日本でもよく飼われている犬種なので、見かけたことがないという人の方が少ないかもしれません。
ゴールデンレトリバーは大型犬種に分類され、男の子で体高56~61cm、体重29~34kg、女の子で体高51~56cm、体重24~32kgくらいの大きさが望ましいとされています。
その名の通り、ゴールド色の長くボリューミーな被毛が特徴的で、ゴールデンレトリバーは「ダブルコート」といわれる被毛タイプに分類されています。
ダブルコートとは毛が2重構造になっていて、太くてしっかりとしたオーバーコート(上毛)と細く柔らかい毛が密集して生えるアンダーコート(下毛)の2種類の毛で体温調節をしています。
寒い冬は保湿と体を温めるためにアンダーコートが生えてきて、夏になると逆に体温を逃がすためにアンダーコートが抜けていくのです。
そのため、「換毛期(かんもうき)」といわれる抜け毛が多い時期が夏に来るので、きちんとこまめなケアが必要になります。
もう一つゴールデンレトリバーの特徴として「垂れ耳」が挙げられます。
ゴールデンレトリバーや、他のレトリバー種がやさしげな顔に見えるのは、ピンと立った耳より威圧感を与えない垂れ耳が関係しているのではないかと考えられています。
この垂れ耳は、もともと水鳥猟のサポート役として活躍していたゴールデンレトリバーにとっては必要不可欠なものでした。
自分のすぐ近くで猟銃が発砲されるので、その衝撃音を軽減させるためや、水に入って泳いだ時に水が入ってくるのを防ぐためだといわれています。
確かに、他にも猟犬としてよく知られている「ビーグル」も垂れ耳なので、活躍する場に合わせて形成されたことに納得できますね。
ゴールデンレトリバーの性格はご存知の通り「穏やか」そのものです。
とにかく家族への愛情が深く、優しい性格をしています。
家族以外でも、初めて会った人や犬にフレンドリーに自分から近寄っていくこともあります。
どんな相手にも優しく接することができるので、小さなお子さんがいるご家庭にもおすすめです。
また、元々猟で活躍していた犬種なので、外で走り回ることが大好きです。
パワフルに遊びまわるので、飼い主にも体力が必要になりますが、ゴールデンレトリバーはその分家族に愛情を注いでくれる子なので、ぜひ付き合ってあげてくださいね!
穏やかな性格ではありますが、体が大きく好奇心旺盛で運動好きなので、ハメを外してしまうこともあるようです。
幼いうちからしっかりしつけておけばそのようなことも防げると思います!
ゴールデンレトリバーは2種類存在する
ゴールデンレトリバーの濃淡はさまざまです。ゴールドの毛色は大きく2タイプに分類することができます。
◆アメリカタイプ
元々イギリスが原産ですが、アメリカに渡ったゴールデンレトリバーにさまざまな犬種をかけ合わせて誕生したのがこのアメリカタイプです。
日本で見かけるゴールデンレトリバーはこちらのタイプの方が多いといわれています。
ゴールデンレトリバーの中でもやや細身の体型で、瞳や鼻の色も茶色に変わっていき、マズルが長いので、スタイリッシュなイメージがより強いタイプです。
毛はストレートで柔らかく、ライトブラウンからブラウンに近いゴールドで、太陽が反射した時にキラキラと輝いて見えます。
穏やかで優しい性格には変わりありませんが、より活発で陽気な性格であることが多いです。
ハイテンションであることも多いので、小さな子どもとの散歩の時は引っ張られないように注意しておきましょう。
アメリカタイプは特に、人の役に立ちたいという「作業欲求」が強いため、盲導犬や聴導犬として活躍していることが多いです。
◆イギリスタイプ
ゴールデンレトリバーのルーツははっきりとはわかっていないのですが、イギリスのツイードマウス卿により、ウェーブがかった黄色い毛の「ヌー」という犬とウェイビーコーテッドレトリバーやセッターなどとの交配を重ね、ゴールデンレトリバーが形成されていったとされています。
目や鼻の色は黒く、マズルも短めで、骨太でずんぐりと丸みを帯びた体型なので、アメリカタイプに比べてより優しく幼い印象です。
こちらのタイプの被毛はアメリカタイプに比べて、白やクリーム色のウェービーな短めな傾向にあります。
ゴールデンレトリバーの基ともなった「ニューファンドランド」という犬種の影響でこのような体格になったとも考えられます。
性格はアメリカタイプに比べると、よりおっとりしていておとなしめの子が多い傾向にあります。
いざという時に頼りになる性格なので、今でも水難救助犬として活躍しているイギリスタイプの子もいますが、一般的にはアメリカタイプより狩猟犬としての本能が出にくく、家庭犬に向いているともいわれます。
明るく優しい性格なので、家族にも愛情をたっぷり注いでくれて、一緒に過ごす時間がとても楽しくなりそうです。
「白いゴールデンレトリバー」とは?
「白いゴールデンレトリバー」とは上記で説明した「イギリスタイプ」のゴールデンレトリバーのことです。
白くふわふわとした毛が特徴で、スタイリッシュなアメリカタイプに比べて柔らかく優しげな印象で、白毛の子犬は「天使の子犬」と呼ばれることもあるそうです。
元々、19世紀中ごろにイギリスのダッドリー・マーシュバンクス伯爵(後のツウィードマウス卿)が交配を重ねて誕生したのがはじまりだといわれています。
ウェイビーコーテッドレトリバーとニューファンドランドをかけ合わせて生まれた黄色い被毛の「ヌー」を購入し、ツイードウォータースパニエルと交配して生まれた「カウスリップ」を基に、ダッドリー・マーシュバンクス伯爵は20年以上もブリーディングを続けました。
そこからまたさまざまな犬種と交配を重ね、イギリスタイプのゴールデンレトリバーが生まれました。
ゴールデンレトリバーは、実は最初は「フラットコートゴールデン」として登録されていました。
その後「イエローレトリバー」と呼ばれていましたが、また数年後には「ゴールデンレトリバー」という名前で統一されました。
その後、ゴールデンレトリバーがアメリカに渡ったことから「アメリカタイプ」と「イギリスタイプ」の2種類に分かれていくことになります。
日本では「アメリカタイプ」のゴールデンレトリバーの方が比較的人気が高いといわれていますが、その理由は単純で、日本のペットショップで見かけるゴールデンレトリバーはほとんどがアメリカタイプだからです。
それだけ白毛のイギリスタイプは希少種であり、出会うためには白毛のゴールデンレトリバーを育てるブリーダーさんを探す方が効率的かもしれません。
国内にも白毛のイギリスタイプのゴールデンレトリバーの繁殖を行っているブリーダーさんがいるので、子犬の育て方やブリーダーさん自身を見てみて、信頼できる方から買うことをおすすめします。
白毛のゴールデンレトリバーの値段
◆アメリカタイプ
このタイプのゴールデンレトリバーは、日本でよく見かけるタイプだといわれています。
値段は大体10~30万円ほどで、専門のブリーダーさんも多くペットショップでも流通しています。
また、最近では、ネットでも犬の購入が可能なようですが、これから毎日一緒に暮らす愛犬のことですから、しっかりと自分の目で見て決めましょう。
◆イギリスタイプ
白毛のイギリスタイプのゴールデンレトリバーのブリーダーの数は、日本ではまだ少なく希少性が高いので、それゆえ値段も高くなります。
大体50万円前後が相場となっているので、より手頃な値段で購入できるアメリカタイプのゴールデンレトリバーの方が日本では人気が高いとされています。
ブリーダーさんの数が少ないため、都内などにお住いの方にとっては、地方などかなり遠方になってしまうこともあります。
白毛のゴールデンレトリバーを購入したい場合は、まずブリーダーさんについて知ることが大切です。
ワンちゃんに対してどのような考えで飼育されているのか、そしてそのブリーダーさんに育てられたゴールデンレトリバーの子犬たちの健康状態や生活の様子はどのような感じか、しっかり観察しておきましょう。
大変悲しいことに、ブリーダーさんの中にはワンちゃんのお手入れやお世話を雑にこなす人がいるそうなのです。
いいブリーダーさんの元で育ったゴールデンレトリバーはもちろん、人への愛情が深いはずなので、ブリーダーさん自身も要チェックポイントです。
ゴールデンレトリバーを飼う上で気を付けたいこと
◆食事
ゴールデンレトリバーは肥満になりやすい大型犬種なので食事量には注意が必要です。
動き回るのが好きで、大食漢な傾向にあるゴールデンレトリバーにはどのくらいのえさをあげればいいかわからなくなってしまうこともありますよね。
そんな時は体重から適正量を割り出してみましょう。
成犬の場合は【体重の2.5%】、子犬であればその2~3倍多めに、シニア犬であれば逆に2~3割少なめにあげることを意識しましょう。
特に成犬になると肥満が原因で発症する病気も多くなるので、基本的な食事管理はしっかりおこなってあげましょう。
◆日頃のケア
ゴールデンレトリバーの美しい白毛を保つためには毎日のブラッシングが重要です。
白毛のタイプは毛にウェーブがかかっているので、毛が絡まりやすいことがあります。
また毛を梳かすためだけでなく、ブラッシングをすることで血行をよくするマッサージ効果にもなるので健康な皮膚や被毛を保つためには欠かせません。
ゴールデンレトリバーはダブルコートタイプの犬種なので、換毛期があります。
夏になると体温調節のために毛の分量も調節されるので、抜け毛が特に多い時期になります。
余分な毛を残すと、湿気や熱がたまり「熱中症」や「皮膚病」の原因となってしまうこともあるのでなるべく欠かさずしましょう。
また、ゴールデンレトリバーのように垂れ耳タイプの犬種は耳が常に塞がっており、耳の中が蒸れやすく垢が溜まりやすくなります。
耳の中に風を通してあげたり、定期的な耳掃除を心がけましょう。
◆病気
ゴールデンレトリバーがかかりやすい病気の一つに、大型犬種に多い「股関節形成不全」があります。
肥満を引き起こすと、体重を支える股関節にかなりの負荷がかかります。
きちんとした食事管理と運動をさせることが必要です。
ゴールデンレトリバーのように垂れ耳の犬は、「外耳炎」の恐れもあるので気を付けましょう。
他にも皮膚病や胃の血行不良が起こる胃捻転や胃拡張など、さまざまな病気の可能性が考えられるので、日頃からこまめなケアや普段の様子をしっかり観察してみましょう。
ゴールデンレトリバーはみんなかわいい!
白毛のイギリスタイプとブラウンのアメリカタイプ、どちらも穏やかで人懐っこいゴールデンレトリバーには違いありません。
もちろん見た目の印象で決めるのもよいですが、それだけで判断するのではなく、値段の違いや病気のことなど、事前にきちんと調べておく必要があります。
ワンちゃんをお迎えする時は、犬種に限らずそのワンちゃんのことをきちんと理解して飼うことが大切です。
一目ぼれなど見た目だけの理由ではおすすめできません。
今回の記事の値段の違いなどを参考に、家族にお迎えしたいゴールデンレトリバーを探してみてください。
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