1.まずは大事な生後二か月
まずは大事な生後二か月
柴犬の子供は生後2ヶ月くらいから社会化期という時期に入ります。
犬の社会化期とは、周りの環境から受ける刺激に、順応するための学習期間です。
社会性を身につけた成犬になるためには、この時期に飼い主さんと信頼関係を築く必要があります。
社会化期のしつけで一番大切なのは、コミュニケーションをたくさんとることです。
親犬の元から新しい家族の元に来て、大きく変わった生活環境の中で、柴犬が不安にならないように沢山撫でて沢山遊ぶようにしましょう。
①アイコンタクト
まずは子犬とアイコンタクトを取るところから始めましょう。
というちょっとしたしつけから始めます。
単純ですが非常に重要なコミュニケーションですので、しっかりアイコンタクトができるよう子犬のうちからしつけましょう。
②呼び戻しトレーニング
アイコンタクトができるようになったら、次は呼び戻しトレーニングをします。
子犬と少し距離を取り、名前を呼びます。
距離がある場所から名前を呼んでも飼い主の方へ自ら来るようにしつけるトレーニングです。
始めは名前を呼びながら手で合図をしたり、あるいは音の鳴るおもちゃを使って気を引かせるといった方法をとりましょう。
上手にできたら、すぐに褒めてあげてください。
これを繰り返すと「飼い主の指示に従う」「呼ばれたら飼い主の元へ行く」という基本的なルールとコミュニケーションを身に付けることに繋がります。
③ボディコントロール
そして次に行いたいしつけがボディコントロールです。
人に触られても怖がったり嫌がったりしないようにしつけるものです。
日常生活のスキンシップ時などに行うと良いでしょう。
個体差が大きく、始めから触られても嫌がらない、むしろ触って欲しいとせがんでくる子もいれば、警戒心が強く嫌がったり逃げてしまう子もいます。
後者の場合、慣れさせなければ、成長してからお世話がしにくくなったり、病院へ連れて行くことが難しいといったデメリットが生じる恐れがあります。
子犬のうちに触られることに慣れさせることで、後々スキンシップもとりやすくなりますし、お世話もしやすくなります。
<触れるようになったら健康check>
・耳の中→赤みや汚れ、嫌な臭いなどないか。
・目→目ヤニの量や結膜が赤くないか。
・鼻→適度に潤いがあるか、鼻水出ていないかなど。
・口→歯垢や歯石、乳歯や永久歯の生え方など。
・足先→爪や肉球の状態。
・お腹やお尻→皮膚や肛門部に異常はないか。
・全身→毛玉や脱毛はないか、ノミ・ダニはいないか。
<子犬のうちから習慣化>
・足ふき→外出後は行いましょう。
・ブラッシング→被毛や地肌のケアのため行いましょう。
・歯磨き→高齢になると歯周病が多くなります。
子犬のときから慣らしておきましょう。
④音に慣らす
多くの音に触れるというトレーニングも子犬の基本的なしつけの1つです。
今まであまりたくさんの音に触れる機会が少なかったという子犬が非常に多いため、家に迎えたら生活していて自然と耳に入ってくる音には慣れさせる必要があります。
例えば「ピンポーン」というチャイムの音やトラックの音、掃除機の音、テレビの音。犬の聴覚は非常に優れているため、人間以上に大きな音に聞こえます。
このため、知らない音が突然聞こえると驚いてしまい、パニックを引き起こすことも。
こうした事態を子犬のうちから少しずつ減らしていくために、まずは身の回りで起こり得る様々な音を聴かせ、慣れさせましょう。
以上の4つは飼い主さんとのコミュニケーションやスキンシップに関わる超基本的なしつけです。そのほかに、柴犬を迎え入れたらすぐにやるべきしつけはトイレトレーニングです。
⑤トイレトレーニング
犬を迎え入れたら、すぐにトイレのしつけを始めましょう。犬は、排泄すべき場所を教えるとちゃんとそこにするようになる動物です。
失敗するのは、トイレの場所がまだわかっていないだけ。しかし、間違った場所で排せつしても叱ったりするのはやめましょう。
恐怖で排せつ行為に不安を感じ、隠れて行う可能性も出てくるからです。
まずはトイレを設置する時に、トイレシーツにその子犬の排せつ物のニオイをつけておきましょう(ブリーダーからもらっておくと良い)。
子犬をよく観察し、起きたらすぐにトイレへ誘導。この時は、抱いていくよりも犬が歩いて向かうように、誘導した方が早くトイレの場所を覚えます。
子犬がトイレの場所をきちんと覚えるまでは、トイレタイムに飼い主が誘導しましょう。
どうしても子犬をみておけない時は、サークルなどを利用し、全体にペットシーツを敷き詰めておく方法もあります。
上記にあげた「アイコンタクト」「呼び戻し」「ボディコントロール」「音に慣らす」に関しては、家にやってきてすぐの段階で始めましょう。
早いうちからこれらのしつけを行うことで、飼い主とのコミュニケーションもとれますし、信頼関係構築にも繋がります。また「トイレトレーニング」も同様すぐに開始しましょう。
基本的なしつけができたら、徐々に難易度の高いしつけを行なっていきましょう。
⑥ハウス(クレート)トレーニング
自分の寝床となるハウス(クレート)に入ると、リラックスしておとなしく過ごせるようにすることがハウストレーニングです。
「ハウス」と言いながら柴犬をハウスに入れて、上手に入れたら褒める行為を繰り返しましょう。
これをマスターしていると短時間のお留守番に使えます。旅行や車でのおでかけの時にも便利です。
⑦基本動作(待て・おすわり)
一緒に暮らしていく上で、飼い主の指示を聞くということを明確にさせる必要があります。
そのためには、子犬に「お座り」や「待て」などの基本的な指示動作を覚えさせることが有効です。
基本動作には、「お手」「おかわり」「伏せ」といった芸のような動作も存在しますが、子犬のうちに必ずしつけておきたい動作は、とりあえず「待て」と「お座り」です。
この2つができてから、飼い主とのコミュニケーションの一環として他の芸もしつけると良いでしょう。
このようなしつけにはおやつが効果的です。
例えば「お座り」を教えるとき。まず、手におやつを持ち、おやつを耳と耳の間に移動させ柴犬の視線を上げるようにします。
手で腰が低くなるようにおさえながら、少しずつおやつを上にあげていきましょう。その間、「お座り」という言葉は発しないようにしてください。
柴犬がおすわりの姿勢になったら、姿勢をキープしたままおやつを与えて褒めましょう。
何回も繰り返すことで、飼い主の手の動きだけでおすわりをするようになります。
⑧無駄吠え
飼い主が最も苦戦しやすい問題行動に無駄吠えが挙げられます。元々犬は吠える動物ですから、本能的な行動は仕方がありません。
しかし、人間と共生していく上で吠えてばかりいては困ります。そのため、子犬のうちから無駄吠えのしつけは行わなければいけません。
外の音に反応して警戒するタイプの無駄吠えの原因は、飼い主のことをリーダーとして認識していないからです。
子犬が「頼りにならない」と飼い主のことを認識しているため、「自分が守らなければ」と思い込み吠えて警戒しているケースが多いのです。
この場合は、飼い主が信頼できるリーダーであることを認識させることで直すことができます。上下関係をしっかり築く、信頼関係を築くことが先です。
無駄吠えの種類として、他にも構ってもらいたいというケースも多いです。
この時吠えたからと近寄ってしまうと余計に悪化してしまいます。
最も効果的な手段は無視をすることです。無視をすることで「吠えても飼い主は来てくれない」「むしろ構ってくれなくなってしまう」と学習することで、無駄吠えがなくなりやすいです。
⑨噛み癖
子犬のうちは様々な物を口に入れ、噛むことでその物を知ろうとする傾向にあります。
最初のうちは噛む力が弱いので問題にはなりませんが、成長すると家具を壊してしまったり、飼い主に甘噛みをしたら怪我をさせてしまうなどの危険が出てきます。
そのため、噛み癖は子犬のうちからしつけをし、後々様々な物を噛んで壊したり、相手の人や犬に怪我を負わせないようにする必要があります。
子犬が家具や物を噛んでしまうのであれば、犬の嫌いな匂いのする噛み癖防止用のスプレーが販売されているので、それを使用すると良いでしょう。
甘噛みの場合は、噛んだら飼い主が構ってくれなくなる、姿を消してしまうと子犬に認識させることで「噛んでしまうと寂しくなる」「噛んだらダメなんだ」と認識させることができます。
他にも噛んでも良いおもちゃを子犬に与えるなど、他の物に意識を向けることも1つのしつけ方法として有効です。
柴犬は1歳を過ぎると成犬になります。
意思疎通ができるようになり、しつけが一通り完成していれば、普段から飼い主さんの指示によく従い、ほとんど手がかからなくなります。
一方で、1歳までの間にしっかりと飼い主さんとの間に主従関係を築けなかった柴犬は、問題行動を起してしまう可能性も考えられます。
また、それまでは指示に従っていたのに,急に言うことを聞かなくなったということもあるようです。
最後に飼い始めてから必要な手続きや動物病院で行う予防接種などについて紹介していきます。
⑩必要な手続きや予防接種
犬を飼い始めて落ち着いたら、なるべく早く動物病院につれていきましょう。
健康診断をしてもらい、獣医さんに分からないことや不安なことをまとめて聞いておくといいですよ。以下の項目については聞いておくことをおすすめします。
●混合ワクチンの接種
一度かかってしまうと治療が困難な感染症の予防のために接種するものです。義務ではありませんが、接種することが推奨されています。
●狂犬病ワクチンの接種
狂犬病の予防接種は、生後91日以上のワンコに打つことが、法律により義務付けられています。なお、1年に1回打つ必要があります。市町村に届け出をして「狂犬病予防注射済票」というものを交付してもらう必要があります。
●畜犬登録に行く
畜犬登録とは、お住いの市町村に犬を飼っていることを登録する手続きのことです。生後91日〜120日の間に行きます。それ以降に飼い始めた場合には、犬を飼いはじめた日から30日以内に行きます。
●マイクロチップの埋め込み
マイクロチップとは、迷子対策の小さな電子タグですこれを犬の身体に埋め込むことで、仮に離れ離れになったときにも飼い主の特定ができるのです。
●去勢・避妊手術
「去勢手術、避妊手術をするべきか」ということについては、賛否両論があります。実際、メリットとデメリットがあるので、獣医さんに時期や費用なども含めて詳しく聞いてみると良いかと思います。
●フィラリア予防
フィラリア症は、蚊を介して犬の心臓や肺動脈に寄生する寄生虫が起こす病気です。犬だけでなく、猫もかかります。
フィラリアの予防薬は基本的に飲み薬が多く、5〜12月頃の蚊が活動する時期に月1回の頻度で飲みます。
●ノミ・ダニ予防
暑い時期にを月1回のペースで投薬を行うことが多いようですが、年中処方する地域もあります。
獣医さんに相談してみましょう。フィラリア・ノミ・ダニの予防がセットになった飲み薬もあります。
【まとめ】
柴犬を飼う上で一番大事なことは「信頼関係を築く」ことです。
甘やかしすぎても厳しすぎても信頼関係は生まれません。
成犬になったときにどのように振舞うかは飼い主の責任によるものが大きいです。
愛情をもって接するのは当然のことですが、飼い主と柴犬が将来、お互い気持のいい生活を送るために、子犬時期のしつけはしっかりと行ってくださいね。
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