1.犬の老化のサイン<見た目編>
1-1.外見の変化で分かる老化の兆候9選
2.犬の老化のサイン<行動編>
2-1.睡眠時間の増加
2-2.段差を避ける・嫌がる
2-3.散歩の時間や距離の減少
2-4.食欲の変化がみられる
2-5.口内・目・皮膚の環境悪化
2-6.身体機能低下による震え
3.老化が始まった愛犬のために、環境を改善しよう
3-1.ソファーにはステップやスロープを設置する
3-2.体への負担が少ないベッドに変えてあげる
3-3.誤嚥防止に食器台を設置する
【掲載:2017.06.20 更新:2020.05.01】
犬の老化のサイン<見た目編>
◆外見の変化で分かる老化の兆候9選
愛犬にもいつか訪れるであろうシニア期。これは決して避けては通れない道ですよね。人間同様に、犬にも老化によって様々な変化が現れるようになります。
残念ながら若齢期とは違って、できないことや不便となることが増えていくのです。身体的な補助や介護、精神的な心のケアが必要になってくるでしょう。
いち早く老化のサインに気付くことで、飼い主さんも準備期間を得ることができます。まずは、見た目に現れる老化のサインの一例をみていきましょう。
- ヒゲが白くなったり、白髪が増加した。
- 被毛の艶がなくなり、パサつきを感じる。
- 毛量の減少や、被毛が伸びる速さが落ちた。
- 皮膚の感触にハリがなくなった。
- 抜け毛の増量
- 眼が白っぽく濁ったように見える。
- 太る、もしくは痩せた。
- 目ヤニの量が増加した。
- イボなどのできものが出てきた。
このような兆候は、加齢によって生理的機能の低下が起こることで現れ始めます。被毛に関する変化でいえば、新陳代謝の減少による影響であったり、ホルモン機能の低下などが原因の一つとなるのです。
老化の兆候が見られたからといって慌てる必要のないことも多いですが、高齢になるにつれて様々な疾患を発症するリスクが高まることは覚えておきましょう。
老化現象だと片付けられるような項目でも、それが病気の症状によるものである可能性があります。獣医さんに診察をしてもらわなければ判断は難しいでしょう。
例えば老化によって身体にイボが出てくることは珍しくありません。しかし、ただのイボだと思っていたものが「悪性腫瘍」だったというケースも実際に起こり得ます。
もし気になる異常や変化を感じたら、早めに一度動物病院を受診することがすすめられます。
犬の老化のサイン<行動編>
犬の老化は基本的に、突然ではなく少しずつ進行していきます。愛犬の様子を日頃から観察しておき、成犬期からシニア期にかけての小さな変化に気付けるように毎日の生活を過ごすことが大切なのです。
老化によって現れるサインは外見の変化に限ったことではありません。日常生活にも変化や影響が出てきます。実際にどのような行動・様子の変化がみられるのかをチェックしていきましょう。
◆睡眠時間の増加
犬には、加齢と共に睡眠時間が長くなる傾向があるそうです。夜間の睡眠はもちろんですが、昼間でも頻繁に眠っている、寝ている時間が長くなったと感じる場合は、老化のサインの一つだと考えられるでしょう。
お気に入りだったおもちゃや遊びにも興味を示しにくくなったり、好奇心や身体を動かすことよりも眠ることを優先する様子がみられるのであれば、老化の兆候である可能性が高いと思われます。
◆段差を避ける・嫌がる
シニア期を迎えた犬には、階段や段差を昇ることを躊躇する様子がみられることがあります。中には、日常的に難なく利用していた階段や段差を、ある日突然嫌がるようになった、というケースもあるようです。
これは、老化による筋肉の衰え・関節の痛みなどが、原因の一つと考えられます。
人間同様、犬も加齢に伴って足腰が弱くなるということですが、これが怪我や病気の影響で起こる場合もあるので、見極めるのは中々難しいでしょう。その変化が急激に訪れた場合には、怪我・病気などをまず疑った方がよいかもしれませんね。愛犬の様子をよく観察し、一旦獣医さんに相談しましょう。
◆散歩の時間や距離の減少
飼い主さんと一緒に散歩に出ても、すぐに帰ろうとする様子がみられる場合、これも老化のサインである可能性があります。大好きだった散歩に行きたがらない、途中で帰りたがる、歩こうとしなくなる、長い距離が歩けない、などという状態がみられるようになるでしょう。
一般的に犬は、後ろ脚から衰え始めるという特徴があるそうです。歩き方に変化が現れたり、尻尾が下がっているなどの様子が初期のサインとなるでしょう。小さな変化ではありますが、見逃さないように注意したいですね。
長時間の散歩や長距離を歩くことは、老犬や老化の兆候が出だした犬にとっては負担となります。これらのサインに早めに気付き、愛犬の負担をできるだけ軽減してあげましょう。
◆食欲の変化がみられる
シニア期に突入すると、やはり食事にも変化がみられます。老犬には、突然食欲不振になるケースと、反対に食欲旺盛となるケースがあるのです。
以前と比べて食に対する興味がなくなったと感じたり、大好物だったフードやおやつを残す、または異常なまでに食事に執着するといった様子がみられたら、老化のサインである可能性を考えましょう。
食欲不振は、胃酸などの消化液分泌が減り、胃腸が活発に機能しなくなることが原因と考えられます。食欲旺盛は、構ってほしいなどのわがままな気持ちが強くなっていることが影響しているかもしれません。
ただしこれらの状況は、ホルモンに関する病気が原因で起こる可能性もあるため、まずは獣医さんに相談してみるとよいでしょう。
食欲増減の他にも、味覚・嗅覚の変化によって食べ物の好みが変わることも、老犬になることでみられる場合があります。好みの問題か、体調不良のサインかは見極めが難しいですが、小さな変化にすぐに気付けるように日頃からよく愛犬の食事シーンを観察しておきましょう。
◆口内・目・皮膚の環境悪化
身体の様々な機能の衰えに加え、口内や目、皮膚にも老化による変化がみられるようになります。
口内では、歯周病を発症する可能性が考えられます。老犬は歯周病にかかる確率が高いといわれており、急激に悪化するケースもあるそうです。歳を重ねるにつれて口臭がきつくなった場合、歯周病を疑いましょう。口内のケアを嫌がる子は多いですが、子犬の頃から歯磨きに慣れさせたり、日頃から歯・歯茎のチェックを続けることがすすめられます。
その他にも、目やに・耳垢の増加、外見で分かるサインとして前述した皮膚や被毛の変化、さらに視力低下や耳が聞こえにくい症状などが老化によって起こります。
◆身体機能低下による震え
老犬となると、震えがみられることが増加する場合があります。これには様々な要因がありますが、その一つとして、筋肉量低下によって体温調整が難しくなることが挙げられます。このため老犬は寒さを感じやすくなるのです。また成犬の頃と比べて運動量も減るため、身体が温まる機会も自然と減ってしまいます。寒さを感じると震えることで熱を産生しようとするために、震えることが増えてしまいます。
他にも筋力低下が原因の震えとしては、自分の身体を支えにくくなったことから、生理的に震えが起こることもあります。疲労や衰弱によって、震える場合もあるそうです。
さらに、老犬となることでストレス耐性も低下するといわれています。不安を感じやすくなるために、ストレスを感じたり興奮することがあると、震えが起こるケースもあるでしょう。
もちろん病気や身体の痛みによっても震えは起きます。痙攣が起こる場合もありますので、判断が難しい場合は一度動物病院を受診して相談してみましょう。
老化が始まった愛犬のために、環境を改善しよう
◆ソファーにはステップやスロープを設置する
老犬となると、若い頃は普通に過ごせていた環境に、不都合が生じるようになります。少しの段差が身体に大きな負担となったり、飛び乗れていたソファに上がれなくなるなど、できないことが増えてしまいます。
無理をして怪我などをさせないように、事前に環境を改善するなどの対策が必要です。
ソファなどの室内で段差が生じる場所には、ステップやスロープなどのアイテムを設置しましょう。
◎あまえんぼワンちゃんステップ123 (2段/3段/スロープ)
階段タイプとスロープタイプの種類から選べる、犬用ステップです。階段タイプは2段と3段の種類があり、愛犬に合わせて選択することができます。
◆体への負担が少ないベッドに変えてあげる
高齢化によって関節の痛みが出やすくなります。普段使用するベッドも、愛犬の年齢や状態に合わせて見直す必要があるでしょう。身体に優しいベッドや、介護を視野に入れたアイテムを用意しておくのもおすすめです。
◎ペットにやさしい体圧分散マットレス エアブリーズ (M/XLサイズ)
高反発エアークッションによって、筋肉・関節などの圧迫を緩和してくれる体圧分散マットレスです。カバーを外せば水洗いも可能で、ダニ・カビなどが発生しにくい構造となっています。サイズはMとXLの2パターンですが、大きめの柴犬くらいのサイズであればXLが余裕をもって使えるかもしれません。
◆誤嚥防止に食器台を設置する
身体機能・筋力低下により、誤嚥の危険性も高まります。食事の際も、愛犬が食べやすいように食器台を使用するのがベストでしょう。食べる高さが適切となることで、誤嚥予防に加えて首・腰への負担も軽減できます。
◎Porta ウッディドッグテーブル
テーブルの高さと角度の調節ができる、高性能の食事台です。高さは4段階の変更が可能な上に、角度も1段階調節することができます。角度がつけられることで、愛犬も食べやすくなります。
◎カタカタ鳴らないツインディッシュ (S/M)
こちらは手入れのしやすいステンレス製の食器です。吸音ラバー付きで、食事中にカタカタと音が鳴るのを防いでくれます。サイズはS・Mの2種類で展開されています。愛犬にとってぴったりのサイズを選びましょう。
病気の早期発見のために定期検診へ行こう
◆老犬となる前に定期検診を始めよう
犬の行動や外見の変化によって気付ける老化のサインもありますが、身体の内側から徐々に現れる、目に見えない兆候もあります。特に、心臓・内臓の機能低下は少しずつ進行するために、いつも一緒にいる飼い主さんですら早い段階で気付くことは難しいでしょう。
老化現象の現われるタイミングは、犬種・個体差・生活環境によっても異なります。いち早く老化のサインに気付くためにも、専門医による定期検診が必要なのです。
可能であれば、子犬・成犬の頃からかかりつけ医をもち、最低でも2回の健康診断を受け続けることがすすめられます。
その時の愛犬の体調や様子によって、獣医さんと相談し、検査項目の変更・追加なども行いましょう。
定期健診を受けることが、病気を抱えていた場合には早期発見に繋がりますし、いち早く目に見えない兆候に気付く大きなきっかけとなる可能性があります。
犬の老化サインに関するまとめ
ペットを飼う場合、その子が生きている限り添い遂げる覚悟が必要です。いつまでも健康でいて欲しいと誰もが願いますが、犬や猫も、フェレットやハムスターなどの小動物も、みんな歳を重ねて高齢となっていくのです。
愛犬がシニア期に入ると、ご飯を中々食べない、ほとんど動かない、病院通いが増えた、などと様々な悩みや不安を抱えることとなるでしょう。
飼い主さん自身の気持ちが落ち込むこともあるかもしれません。そんな時は、実際に老犬との生活を記事にした体験談やブログなどをチェックしてみると、今後の見通しがついて気持ちが落ち着いたり、共感することができるかもしれませんね。
少しでも長く一緒の時間を過ごすために、最期まで幸福な日々が訪れるように、飼い主さんにできることを精一杯してあげましょう。
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