1.犬が床を舐める理由9つ
1-1.飼い主さんのまねっこ
1-2.食事の催促
1-3.暇つぶしや習慣
1-4.小腹が空くことによる胃のムカつき
1-5.自律神経の乱れ
1-6.満腹感をリラックスさせている
1-7.性ホルモンによるストレス
1-8.運動・コミュニケーション不足
1-9.気になる匂いがするため
犬が床を舐める理由9つ
犬が床を舐める行動には諸説あり、様々な理由が原因として考えられます。まずは、愛犬をよく観察して、どのようなパターンで床を舐める行動にいたるのか、どんな時に舐めているのかを探ってみましょう。
考えられる理由として以下の9項目を挙げていきますので、飼い主さん自身と愛犬の行動を思い返しながら、答えを見つけてください。
◆飼い主さんのまねっこ
飼い主さんが食事をしている最中や、何か作業をし始めた時に床を舐めるようであれば、それは飼い主さんの行動に対する連鎖反応が理由になっている可能性があります。
まねっこといっても、飼い主さんが床を舐めるケースは基本的にありませんよね。愛犬からすると飼い主さんが「何かしている」という行動に対して、自分も何かしようという連鎖反応というわけで、行動をそのまま模写しているわけではないのです。行動するという「まねっこ」をして遊んでいると考えられます。
もしくは、放置されていると感じた末のストレス解消行為の一環ともいわれていますので、愛犬の行動に限らず、飼い主さん自身の行動も意識してみましょう。
◆食事の催促
愛犬が食事(餌・フード)の前に床を舐める場合は、小腹が空いていて食べ物を欲していることが原因となっている可能性があります。「お腹すいた」「早くご飯をちょうだい」という、サインとなっている場合も考えられますね。
飼い主さんが「ご飯にする?」などと声を掛けたり、愛犬が分かるご飯を促す行動を見せてみて、愛犬が示す態度を観察してみましょう。
喜んでいる様子であれば、これが理由であることが一目瞭然です。
◆暇つぶしや習慣
食事前の暇つぶしであったり、暇だと感じている時間帯にみせる、「なんとなく」が理由であるケースもあります。何の気なしに始めた行為が習慣化され、暇な時間に毎日のように床を舐めてしまうのかもしれません。
この場合は、食事前の時間を空けすぎないように留意することで、床を舐める行動を解消できるでしょう。
この行動自体に執着しているわけではないので、床を舐め始めたら、遊んであげる、声をかけて興味を別のものへ向かせることも有効です。
◆小腹が空くことによる胃のムカつき
小腹が空いて胃がムカムカする状態は、人間にも現れますよね。愛犬もこれを感じ、小腹が空いた際の胃のムカつきから床を舐める場合があります。この理由の場合、愛犬の胃の機能が弱まっている可能性があるので、注意が必要です。
主な原因はストレスであることが多いといわれています。自己消化というメカニズムから、床を舐める行為によって、吐き気・ムカつきを和らげている可能性があるのです。
ストレスの原因を探り、それを和らげる環境づくり、愛犬が落ち着ける空間づくりをするなどして、毎日の生活を見直してみましょう。
◆自律神経の乱れ
不規則な生活がもたらす自律神経の乱れによっても、床を舐める行動がみられる場合があります。
テレビの付けっぱなし・昼夜逆転の生活など、自然の流れに反する暮らしが、自律神経のバランスを乱れさせるのです。飼い主さんの不規則な生活が、愛犬に健康被害をもたらすケースもあるということですね。
自律神経の内、交感神経が消化液の分泌抑制、副交感神経が分泌促進の役割を果たしています。自律神経の乱れは、直接、胃腸の機能に悪影響を及ぼすというわけです。愛犬に床を舐めた後に吐くなどの症状が出ている場合には、すぐ獣医師に相談してくださいね。
自律神経の乱れによる被害は、愛犬の胃腸の機能に留まりません。これは軽い問題ではなく、飼い主さん自身、また家族へも影響が及ぶ問題となり得ます。家族全員が健康的であるためにも、生活パターンを見直す必要があるでしょう。
◆満足感をリラックスさせている
食後に床を舐めるようでしたら、それは満腹となった胃を落ち着かせるための行動である場合があります。
満足した気持ちを落ち着かせる、リラックスさせるために、前足・肉球を舐める行為が犬にはよくみられますよね。この行為の延長で、床を舐めているケースが考えられるのです。
これが理由の場合は、少し舐めただけで終わることが多いでしょう。そこまで重く心配をしなくても問題のないパターンがほとんどです。
ただし、愛犬がフードや餌をよく噛まずに早食いしているようでしたら、食事用の餌皿を早食い防止のタイプに変更することをおすすめします。皿の底部分に凸凹があり、餌が取りにくいため食事に時間をかけられるアイテムです。種類も様々市販されているので、一度探してみてください。
また、愛犬は早食いをしていない、という場合には消化不良が疑われます。フードをふやかすなどして柔らかい状態になってから与えたり、水分量を増やすなどして、対策をとってみましょう。
さらに、餌の量が多いことが原因となっていることも考えられます。便の状態がゆるいようであれば、少し減らしてみるなどして、愛犬の様子をチェックしてみましょう。
◆性ホルモンによるストレス
去勢していないことによって、性ホルモンがイライラなどのストレスを与えている可能性も考えられます。これは若い犬に限っての理由となりますが、性ホルモンが愛犬にとって意味の分からないモヤモヤ・イライラを感じさせているのです。
この場合、生殖機能発達前に去勢をすれば、ストレスから解放してあげることができます。それにより、床を舐める行動に限らず、他の問題行動が解消する可能性も期待できるでしょう。老犬となった際にかかりやすい疾患の予防にも繋がりますよ。
子犬の場合は、生後6か月から1年未満の時期が、手術に適しているといわれています。早すぎると骨・関節に悪影響が及ぶ可能性があり、遅すぎると内分泌疾患のリスクが高まるとされているので、去勢手術の適正時期はしっかりお覚えておきましょう。ただし個体差はありますので、獣医師と相談の上、愛犬に合った対処法を選択してくださいね。
◆運動・コミュニケーション不足
運動や飼い主さんとのコミュニケーションが不足していることでストレスを感じ、床を舐める行動にいたっている場合もあります。
運動不足のカーミングシグナルとして、床を舐めてストレスを解消する犬も中にはいるのです。
散歩ができない日が続いたり、遊ぶ時間を中々取れない日が続くなど、そいういう時に限って床を舐める行動がみられるようであれば、これが原因である可能性が高いです。
運動不足を解消し、愛犬とコミュケーションを取る時間をきちんととることで、この行動は改善されるでしょう。
また、飼い主さんに構ってほしい気持ちを我慢する時に床を舐めるパターンもありますし、過去に床を舐めている際に飼い主さんが声をかけたことがあるのなら、それを記憶して床を舐めている可能性もあります。こうすれば構ってもらえる!と学習してしまったのでしょう。
普段から愛犬の様子を観察すること、飼い主さん自身の態度・行動を思い返すことで、原因を見極めてみましょう。
◆気になる匂いがするため
単純に、床にこぼしたことのある食べ物や飲み物の匂いが気になって、床を舐めるケースはとても多いです。
キレイに掃除した、拭き取ったつもりでも、愛犬の嗅覚がそれを察知しているのでしょう。犬からすれば、小さいお菓子の欠片や微かな残り香でも、美味しい匂いのする「気になるもの」となります。
ゴミ箱付近で食べ物をこぼしてしまった場合には、その周辺の床舐めから始まり、ゴミ箱をあさる問題行動へ発展することも十分考えられるのです。
こうなると、病気の原因となったり、誤飲の危険性も高まってしまいますよね。しつけのし直しに努める必要もでてきますので、絶対にやめさせるべきです。
これに関しては、食べこぼしなどを即座に掃除することが一番の対策法です。衛生面の心配もでてきますので、早めの対処をおすすめします。
犬が床を舐めるのをやめさせる方法
◆床掃除をする
床を舐める行動の対処法は、その理由によって異なります。紹介してきた通り、普段の行動を見直すことで解消される場合もあるでしょう。
しかし、食べ物の匂いにつられている場合には、やはり床掃除が解決策の一つとなりますよね。中々、愛犬の床舐めを止めることができない場合にも、キレイな床を保つことができていれば心配も少し軽減されるでしょう。
床材がフローリングの場合は、掃除機をかけた後、水拭きします。掃除機はフローリングの目に沿ってかけるのがポイントです。埃や被毛などの軽いものは、端の方に溜まりやすいです。角・端・ハバキは吸い込み口の細いものに変えたり、フローリングの目にはブラシタイプのものを利用するとよいでしょう。水拭きは、しっかり絞った雑巾やモップで拭きあげてください。
カーペットの場合は、床面が凹凸だらけです。人間や愛犬の歩く通り道は特に汚れているでしょう。通り道は毛が押しつぶされている状態になっているため、その毛が倒れている方向とは逆方向に掃除機をかけてください。掃除機の重ね掛けもポイントの一つです。掃除機での起毛が難しい場合は、ナイロンブラシなどを用意して、起毛してから掃除機を使いましょう。
現代では、床掃除専用アイテムとして、洗剤やシートなどが多数販売されています。利用することで掃除がとても楽になりますが、それらを購入する際にはペットのいる家庭に向いている商品かをしっかり確認してくださいね。
◆舐め防止のスプレーを使う
室内でペットに舐めてほしくない、噛んでほしくない場所は、床に限ったことではありません。
愛犬のいたずら防止アイテムとして、ペット用のしつけスプレーも多数販売されています。これを利用することで、床を舐める行動を改善できる可能性もあります。
おすすめ商品を一つ紹介しますので、参考にしてみてください。
◎JOYSele カジリSTOP さらさらタイプ
JOYSele(ジョイセレクション)…しつけのプロフェッショナルであるコジマドッグトレーナー課がおすすめする商品です。
●犬猫専用の噛み癖をしつけるトレーニング用のスプレーです。
●みかん果皮エキス・アシタ葉/茎エキスの苦みが噛み癖を防止致します。
●ケージ、トイレ、家具やスリッパなど噛まれては困るところにスプレーしてください。犬猫の苦手な苦み成分によって、そこを噛んではダメだと学習していきます。
●数回繰り返しトレーニングしてください。
●スリッパや靴、カーテンなどに適したさらさらタイプです。
犬が床を舐める行動に関するまとめ
犬が床を舐めるのは、ストレスやニオイなどが原因です。単にニオイが気になって舐める場合もあれば、飼い主さんに対してのサインであったり、自身の気持ちを落ち着かせるための行為かもしれません。
その理由は諸説あるため、記事によって解説が違う場合もありますが、日頃から愛犬を観察すること、飼い主さん自身の行動を思い返すことで、原因を突き止めましょう。まずは理由探しが、対処への第一歩です。
しかし、どんな理由があろうとも、飼い主さんからすれば、床を愛犬に舐めてほしくはないですよね。
フローリングの場合は、ワックスがかけられていたり、化学薬品を使ったスプレーなどで掃除をすることもあるのですから、できれば愛犬の口には入れたくないでしょう。家族みんなが健康的な生活を送るためにも、床掃除はこまめに行うようにしましょう!
そして、愛犬のストレスの原因が分かったら、可能な限りそれを排除できるよう努めてあげてください。
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