犬におすすめのひんやりグッズ5選!保冷剤の危険性と食べた時の対処法も

2022.07.01

犬におすすめのひんやりグッズ5選!保冷剤の危険性と食べた時の対処法も

熱中症を防ぐためにも、愛犬の暑さ対策はしっかりしておきたいですね。エアコンのほか、凍らせたペットボトルや保冷剤を使うこともありますが、保冷剤は犬には危険だとも言われています。保冷剤の一部に使用されている「エチレングリコール」が、腎不全を引き起こす恐れがあるからです。今回は、犬の暑さ対策に保冷剤を使用する際の注意点や誤食した時の対処法とともに、おすすめのひんやりグッズ5選をお届けします。


【掲載:2021.07.01  更新:2022.07.01】

犬に保冷剤を使用しても大丈夫なのか

保冷剤

食品やケーキなどを買った時についてくる保冷剤を、冷凍庫に入れてあるご家庭は少なくないでしょう。
保冷剤は、愛犬の暑さ対策として便利なものに思えますが、実際のところはどうなのでしょうか?

◆保冷剤の種類

保冷剤には、固まるタイプと固まらないタイプがあることをご存じでしょうか?
凍らせるとカチカチに固まるタイプの保冷剤の多くには、「吸水性ポリマー」という物質が使われています。
吸水性ポリマーは、水を含むと何倍もの体積に膨らむ物質で、紙オムツやわんちゃんのトイレシートなどにも使われています。毒性はありませんが、大量に飲み込んでしまうと、胃や腸で膨らんで閉塞を起こし、死に至る場合もあります。
一方、凍らせても柔らかいまま固まらないタイプの保冷剤には、「エチレングリコール」という物質が使われている場合があります。
エチレングリコールは、車の不凍液にも使われる物質で、少量でも中毒症状を起こします。エチレングリコールは、味覚や嗅覚を刺激する甘い匂いがするため、犬が興味を持ちやすく、大変危険です。
現在、日本で製造されている保冷剤は、エチレングリコールではなく、毒性が低いとされる「プロピレングリコール」という物質を使用していることが多いです。

◆使用する際の注意点

まず、使用する保冷剤の成分を確認しましょう。
エチレングリコールが使用されているものは、犬には使用しないでください。また、プロピレングリコールであっても、大量に食べてしまうとやはり危険です。使用する際には、目を離さないようにしましょう。
固まるタイプの保冷剤であっても、飼い主さんが見ていられるときだけ使用するようにしてください。嚙み癖のある子の場合、かじったパッケージのかけらを飲み込んでしまう恐れがあるので、保冷剤の使用は避けた方がよいでしょう。
また、保冷剤を直接肌に当てたり、袋に詰めてそのまま当てたりしてしまうと、長時間使用した場合に凍傷の恐れがあるので、タオルなどに包んで使用しましょう。


犬が誤って保冷剤を食べてしまった

愛犬が誤って、エチレングリコールを使用した保冷剤を食べてしまった場合について、お伝えします。

◆症状

誤飲して30分後くらいから、中毒症状が出ることがあります。
初期は、嘔吐や多飲多尿、ふらふらするなどの症状が現れます。さらに進行すると、神経症状や血尿などの症状が現れ、呼吸や脈が速くなったり、貧血を起こしたりして衰弱していきます。最終的には、腎不全を起こし、高確率で死に至ります。
中毒のステージは、下記の3つがありますが、初めの2ステージは往々にして飼い主さんが気づくことができません。「熱中症かな?」と様子見をしているうちに、重篤化することも多いです。

第1期

・摂取後30分~12時間
嘔吐、沈鬱、運動失調、多飲多尿、混迷

第2期

・摂取後30分~12時間
呼吸が荒くなる、脈が速くなる、発作、肺水腫

第3期

・摂取後30分~12時間
尿が出なくなる、沈鬱、食欲不振、嘔吐、腹痛

◆エチレングリコールの危険性

エチレングリコールは、水に溶解しやすく、甘みがある無色の液体です。動物は、甘い味を好んで、エチレングリコールを舐めてしまうため、中毒を引き起こします。犬は嗅覚が優れているため、パッケージの外からでも甘い匂いを感じ取ると言われています。
エチレングリコールを食べてしまうと、消化管から急速に吸収されます。吸収されると組織中に均一に分布し、アルコール脱水酵素とアルデヒド脱水酵素で代謝されます。
代謝されると、グリコアルデヒド、グリコール酸エステル、シュウ酸エステル、シュウ酸カルシウムと化学変化し、毒性が高くなっていきます。
これらの物質により、代謝性アシドーシスや腎障害が生じ、中枢神経の抑制、急性腎不全、低カルシウム血症などの症状を引き起こします。シュウ酸カルシウムになってしまうと、腎不全を引き起こして手遅れとなります。
代謝性アシドーシスとは、呼吸以外の原因によって体内のバランスが酸性に傾いた状態です。軽度では手足のしびれ、呼吸困難など、重度になると強い吐き気や血圧の低下、ショック状態が生じます。
低カルシウム血症とは、血液中のカルシウム濃度が低下した状態のことを指します。手足や顔面のしびれ、不整脈、興奮などの神経症状、嘔吐や下痢などを引き起こします。
犬の場合、エチレングリコールの致死量は、希釈していない不凍液で体重1kgあたり4.4~6.6ml程度と言われています。体重が約4.5kgの場合、大さじ1~2杯です。ただし、中毒には個体差があり、これより少なくても重篤な腎不全になり、死亡する可能性があります。

◆対処法

エチレングリコールを使用した保冷剤、または成分が分からない固まらないタイプのものを誤食した場合、すぐに動物病院か製造元に連絡をしてください。
誤食してからの30分で、エチレングリコールは体内に吸収され始めます。その前に吐き出させることが、必要です。
動物病院を受診することが大原則であり、病院で安全な催吐処置をしてもらいましょう。
もし、近くに動物病院がない場合などは、飼い主さんが応急処置をする必要がありますが、うまく吐かせることができないことも多いため、とにかく、まず動物病院に連絡をしてください。獣医師さんの指示で対処できる場合もありますし、病院に到着後、すぐに対応してもらえる可能性もあります。
病院では、エチレングリコールを吐き出させたり、胃洗浄を行なったりします。また、すでに体内に吸収されている場合には、エチレングリコールの分解吸収を阻害させるため、エタノールを注射します。


保冷剤は熱中症対策になるのか

熱中症対策に保冷剤を使うことは可能ですが、上述のように、飼い主さんが見ていられる場合だけ使用するようにしてください。
愛犬が「暑い」「苦しい」というそぶりを見せたときにおすすめなのが、保冷剤をバンダナなどで包んだものを、首の前側に巻くことです。太い血管が首の前側に通っているので、効率的に体温を下げることができます。お散歩のときなどに活用すると、熱中症の予防にもなります。
また、リンパが多く集まる脇の下に、タオルなどでくるんだ保冷剤を当てて冷やすのも効果的です。直接当てると、血管が収縮してしまうので注意しましょう。
足の付け根、特に後ろ足の付け根を冷やしてあげるのもよいでしょう。愛犬がパンティングをやめるか、呼吸が落ち着くまで冷やし続けてあげましょう。

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犬のおすすめひんやりグッズ5選

保冷剤を犬に使用するには、注意が必要であることをお伝えしてきました。
ここでは、愛犬に安心して使うことができるひんやりグッズをご紹介しますので、参考にしてみてください。

◆クールひんやりアルミボード S

ひんやりボード M ピンク
購入

ひんやりボードは、アルミを使用しています。アルミは、他の素材に比べて熱伝導率が高く、愛犬の体温を素早く放熱してくれます。熱伝導率が高いと、熱するとすぐ熱くなり、冷やすとすぐに冷たくなります。
保冷剤を使わなくてよいので、安心です。また、電気を使わないので、お財布にも優しいですね。

◆ワン歩 快適ファン

ワン歩 快適ファン アイボリー
購入

キャリーやケージに取り付けて、こもった空気を逃すファンです。
病院に行くときなど、キャリーに入れなければならない場合に、中にこもりがちな熱い空気を外に逃がしてくれるので、ワンちゃんも快適に過ごすことができます。
臭いを吸着する活性炭フィルター付きなので、ケージなどに臭いがこもらないのも嬉しいポイントです。
電源は、単4乾電池4本またはUSB電源が利用できます。使用する場面に合わせて選べるのが便利ですね。

◆抗菌防臭クールファイバーマット

抗菌防臭クールファイバーマット
購入

サラサラ接触冷感生地「クリアル」を使用しているので、ひんやり快適!ニオイの元となる菌の増殖を抑える「抗菌加工」を施しています。
ファイバーマットで、心地よい弾力と通気性バツグンで快適で、丸ごと洗えて、すぐ乾くのでお手入れも簡単です。

◆抗菌マジカルジェルマット L

抗菌マジカルジェルマット L
購入

マットの中身のジェルの成分は、食品添加物であるCMC(ナトリウムカルボキシメチルセルロース;セルロースガム)、水、防腐剤です。
CMCは増粘多糖類の一種で、増粘剤やゲル化剤、糊料として使用されている安心な成分です。
僅かですが、防腐剤で具合が悪くなる可能性もあるので、噛み癖のあるワンちゃんに使用するのは避けるか、見ていられる場合のみ使用するようにしましょう。

◆ひんやりぬいぐるみ各種

ひんやりぬいぐるみ各種
購入

まとめ

保冷剤は、愛犬の熱中症対策にも便利なものですが、成分に注意が必要です。
凍らせても固まらないタイプの場合、非常に毒性の強いエチレングリコールが使用されているものがあります。
エチレングリコール中毒は、摂取した30分後程度から現れ、時間の経過とともに重症化していきます。はじめは、ふらふらするなど、熱中症とも思える症状を見せるため、飼い主さんが気づきにくいのですが、早急に吐かせなければ、腎不全を起こして死に至る危険性があります。
愛犬が保冷剤を誤飲したと思われる場合には、すぐに動物病院に連絡して、指示を仰ぎ、必ず受診しましょう。
誤飲を防ぐためには、愛犬の暑さ対策にエチレングリコールを使用した保冷剤を使わないこと、保冷剤を使う場合には目を離さないこと、使った後は必ず愛犬の届かない場所に保管することです。
愛犬には、保冷剤より、犬用に開発されたひんやりグッズを使ってあげると安心です。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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