犬も夢を見る?
睡眠中の愛犬の不思議な行動を見ていると、まるで夢を見ているかのように感じますよね。
端的にいうと、犬も夢を見るのかどうかはまだ解明されていません。
しかし、人間と同じように犬の睡眠にもレム睡眠とノンレム睡眠があることがわかっています。
睡眠の構造が人間と似ているとしたら、犬も夢を見る可能性は十分にあると言えるでしょう。
犬の睡眠時間
犬は1日の中で短時間の睡眠を複数回とるのが一般的で、その睡眠時間の合計は12〜18時間程度だとされています。
1回の睡眠が短いため、こんなに長く寝ていることに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
成犬は12~15時間、子犬は15~18時間の睡眠時間をとるのが理想的だと言われています。
老犬になると1回の睡眠時間が長くなる傾向にあるので、合計睡眠時間も長く必要になるでしょう。
また、夜にまとめて睡眠を取る人間は約90分感覚でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すとされているのに対し、犬の睡眠はそのほとんどがレム睡眠だと考えられています。
レム睡眠は眠りが浅いため、物音などが聞こえると比較的すぐに気づくことができます。
犬の睡眠が1回短時間、レム睡眠で行うという性質になったのは「睡眠中に敵に襲われないようにする」という野生の名残の影響かもしれません。
◆レム睡眠・ノンレム睡眠
さて、上記でも何度も出てきているように、睡眠の話題では欠かせない「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」ですが、どんな状態を指しているかご存知ですか?
以下に簡単にまとめましたので、この機会にぜひ覚えてください!
【レム睡眠】
体: しっかりと休んで眠っている
脳: 感情や記憶の整理などをしていて、起きている
⇒ 眠りが浅く、夢を見る
【ノンレム睡眠】
体: しっかりと休んで眠っている
脳: しっかりと休んで眠っている
⇒ 眠りが深く、ぐっすり寝入っている
先にも述べたように、人間の眠りはこの2つの睡眠を約90分のサイクルで繰り返しています。
これは睡眠中に脳波を測定することで科学的に証明されたサイクルです。
一方で、犬の脳波の研究はまだ本格的に行われておらず、犬の睡眠には不明確な部分が多く残っています。
しかし、寝ていても家族の声や外の物音などに瞬時に反応する様子から、犬の睡眠はレム睡眠がほとんどだと考えられています。
それが正しいとするならば、「犬は人間よりも睡眠中に夢を見る状態にある」といえますね。
◆犬の不眠症
犬の不眠症はとても珍しいものです。
犬が眠れない時には何か不安があったり、落ち着かないことがあったりする場合が多いので、基本的には一過性の不眠症である可能性が高いです。
エネルギーを得るために食べることは非常に大切な行為なので、食欲が落ちていなければ、そのままそっとしておいても大抵は問題ないでしょう。
しかし、何日も不眠状態が続く場合は要注意です。
病院に連れていき、不眠の原因となっているものを特定、解消するようにしてください。
不眠の原因として関節炎などの痛み、ノミ・ダニによる皮膚のかゆみ、何らかの疾患による頻尿などが挙げられます。
また、引越先の家に戸惑っていたり、ベッドの相性が悪かったりといった環境によるストレスが原因である場合もあります。
前の家の匂いが染み付いたタオルやおもちゃなどをベッド周りに配置したり、眠りやすいベッドに新調したりして環境を整えてあげるほか、長めのお散歩やボール遊びなどで積極的に運動をさせ、ストレス発散を心がけるといいでしょう。
寝ている時の不思議な行動
睡眠中の犬の夢を見ているかのような不思議な行動はいくつかありますよね。
ここでは代表的なものを3つご紹介します!
①寝言を言う
犬が眠っている時は、体の筋肉に力が入っていると考えられています。
そのため口はあまり動かせず、寝言をいう時には普段とは違った鳴き声になります。
「キュッキュッ」「アフッアフッ」とこもった声でなにかを話していることが多いでしょう。
②足をバタバタさせる
足をばたつかせるのは、特に横向きで寝ている時に見る不思議な行動です。
時にはしっぽを振ったり、耳をピクピクとさせたりしながら足をバタバタする様子は、まるで楽しくお散歩をしている夢を見ているかのようで、とても可愛らしいです。
③口をパクパクする
寝言とは少し違った感じで口を動かすこともあります。
ベロを大きく動かしながら口をパクパクさせるのが特徴で、なにかを食べているみたいに見えます。
気づかないうちに変なものを食べてしまった!と不安になることもあるかもしれません。
万一のこともあるので、心配な時は起こして確認してみてもいいでしょう。
夢を見る理由・内容
犬にも人間と同様にレム睡眠とノンレム睡眠があることから、睡眠時の脳の働きは基本的に同じだと考えられています。
人間はレム睡眠の時に脳を働かせ、昼間の活動で起こった出来事の記憶や感情を整理します。
その際に、様々な経験や感情がつぎはぎとなって夢を見るのです。
小説や映画、ゲームでみた情景など、自分が実際に経験したことでなくても夢に影響を与えるとされています。
それでは犬の場合はどうでしょうか。
人間と基本的には同じと考えれば、犬も起きている間の記憶や感情と結びついた夢をみるということになります。
唯一人間と異なるのは、犬は実際に経験した記憶しか持たないと言うことです。
つまり犬の夢には一緒に暮らす飼い主さんや他のペットたち、近所でよく会う犬の友達などしか登場しません。
犬はすやすやと眠っているだけでも癒しをくれる存在ですが「自分の夢をみてくれている」なんて思うと、ますます愛おしくなりますよね。
犬が安心して眠りにつき夢を見るためには、清潔で快適なベッドを用意したり、昼間にしっかりお散歩をさせたりすることが大切です。
今夜も素敵な夢を見てもらえるように、飼い主としての責任を果たしてあげたいですね!
起こさないほうがいい?
動物にとって睡眠は疲れを癒す大切な行動です。
したがって犬が眠っている時に大きな物音を立てたり、にぎやかに過ごしたりするのはあまりおすすめしません。
しかし、先にも述べたように犬の睡眠は基本的にレム睡眠で、比較的に不快感なく起きることができます。
家に友達を招いているときや掃除をしたいときなど、仕方のない時には気を遣いすぎる必要はないでしょう。
注意点は?
犬が寝ている時に取る行動のなかには、注意しなければならないものがあります。
ここでは代表的な要注意の行動を2つご紹介します。
①いびきをかく
人間と同様に、犬がいびきをかく場合も喉や器官、鼻などの病気が疑われます。
パグやシーズーといった短頭種は特にいびきをかきやすいとされていますが、いびきがかなり大きい場合は何かしらの疾患が原因かもしれません。
いびきを軽視して放置した結果、慢性的な不眠症や睡眠時無呼吸症候群を患う犬もいます。
②口から泡を出す
おやつを食べている夢を見て涎を垂らしているようにも見えるため要注意なのが、口から泡を出す行動です。
同時に痙攣している様子があれば、間違いなくてんかんの発作を起こしているでしょう。
てんかんの発作は睡眠中にも起こることがあるので、ぜひ覚えていてください。
激しい痙攣や苦しそうな様子がある場合は、脳腫瘍などもっと甚大な病気の可能性もあります。
犬の行動が夢を見ているからなのか、病気のサインなのか判断がつかない時は、犬の様子を撮影してください。
病院で症状を説明する時に伝わりやすくなるだけでなく、診断のヒントにもなるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、睡眠中に犬も夢を見るのかについて解説しました。
犬も夢を見るのかについては今後の解明を待つしかありませんが、安心して休める環境があるからこそ、犬が睡眠中に不思議な行動を見せてくれるのだということが明らかになりました。
また、不思議な行動の中には要注意なものもあることがわかりました。
万一に備えて犬の睡眠中の様子をよく観察する癖をつけておき、いつもと違う様子があれば、すぐに病院に行ける体制も整えたいですね。
これからも犬の健やかな睡眠を守るため、飼い主としての責任を果たしていきましょう!
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