1.犬に生クリームを与えてもいいのか
1-1.【基本的にNG】腹痛や下痢を引き起こす
2.犬に生クリームを与えない方がいい理由
2-1.アレルギーの恐れ
2-2.肥満になる
2-3.乳糖による不調
3.動物性の生クリーム以外はどうなのか
3-1.植物性
3-2.豆乳
5.生クリームの代わりに犬に与えられるもの
5-1.チーズやヨーグルトを混ぜあわせる
5-2.ヨーグルト
5-3.豆腐
5-4.豆乳クリーム
5-5.じゃがいも
【掲載:2021.12.18 更新:2023.12.22】
犬に生クリームを与えてもいいのか
犬とカフェに行った時に、トッピングで生クリームが乗っていたりしますよね。愛犬が好きだからつい一口あげてしまっている…..そんな方もいるのではないでしょか。
近年のペットブームで、犬の誕生日や記念日も人間と同じようにお祝いをする家庭も増えてきて、犬用のケーキの人気も高まってきています。手作りのレシピもネット上で検索すると沢山出てきます。
しかし、犬に生クリームを与えるのはどうなのでしょう?
実際、犬に生クリームをあげるのはあまりおススメではありません。
スーパーの商品棚には生クリーム、「〇〇ホイップ」「〇〇フレッシュ」と様々な名前のクリームが陳列しています。
厚生労働省の基準では、生クリームは「牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」とされおり、乳糖はほとんど含まれていないものとされています。商品によっては「純生」と表記してあるものもあります。
注意しなければいけないのが、「〇〇ホイップ」「〇〇フレッシュ」という商品名の、植物性脂肪などは、厚生労働所億の基準の生クリームには含んでいません。
◆【基本的にNG】腹痛や下痢を引き起こす
乳糖不耐症という乳糖(ラクトース)を上手く分解することができず、乳糖を含む製品を摂取することで、下痢や腹痛を引き起こすことがあります。
人間でも、乳製品の消化が得意ではない人がいるように、犬でも消化が得意ではない乳糖を分解するラクターゼという酵素が少ない体質の子もいます。
しかし、犬が乳糖を分解するのが得意ではない体質の場合、少しの量でも下痢や腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。
犬に生クリームを与えない方がいい理由
本来犬に人間の食べ物を与える必要はありません。人間の食べ物の味を覚えてドッグフードを食べなくなる他、犬の健康面でオススメできません。犬に生クリームを与えるべきではない理由を紹介します。
◆アレルギーの恐れ
乳製品を食べた後に乳糖不耐症により下痢をすることがありますが、万が一嘔吐することがあれば注意が必要です。
愛犬が嘔吐してしまった場合は、乳製品アレルギーの可能性があります。
他にも皮膚のかゆみ、目の充血、フケや抜け毛の増加などが見られます。
乳製品の摂取後、上記のような症状が出たら食物アレルギーの疑いがあるので獣医に相談しましょう。
◆肥満になる
生クリームはとても資質が高く、100gあたり412キロカロリーと軽く1食分あります。
100gあたりの乳脂肪分も45gも含まれています。
生クリームはバターほど高カロリーではありませんが、小型犬だと少しの量でもかなりのカロリーとなるので注意が必要です。
ペットフード構成取引協議会によると、犬のおやつの量は1日当たりの量に対して、多くても20%までに抑えることが良いとされています。
体重5㎏の小型犬だと、大さじ1強が一日の生クリームの限度です。
◆乳糖による不調
人間でも、給食の牛乳を飲むとお腹が緩くなってしまう牛乳の消化がうまくない人がいるかと思います。犬でも乳製品の消化が得意でない体質の子がいます。
乳糖(ラクトース)をいう物質を上手く分解できないがために、下痢や腹痛などの体調不良を起こしてしまいます。愛犬が喜ぶと思って与えた生クリームで体調不良になってしまったら悲しいですよね。
動物性の生クリーム以外はどうなのか
現代では、動物性の生クリーム以外にも植物性クリームや豆乳クリームがあります。
乳製品を選ぶにも注意すべきことはクリームを作る際に使用されている添加物です。
◆植物性
植物性クリームと聞くと聞こえは良いかもしれませんが、植物油脂や添加物が多く使われている為、犬の体に負担がかかることがあります。
そもそも、植物性クリームは原料が生乳ではなく食物性の油脂です。
油を人工的に添加物で乳化させているのが食物性クリームで、摂取する量にもよりますがトランス脂肪酸のリスクもあります。
生クリーム、食物性クリームのトランス脂肪酸の量ですが、生クリームだと100g当たり1.0~1.2g. 食物性油脂だと9.0g~12gと格段に多いことがわかります。
購入前に成分を確認するのが良いでしょう。
◆豆乳
豆乳は基本犬に与えても大丈夫です。
大豆を細かくして沸騰した後にこすと、豆乳とおからになります。原料は大豆だけなので、愛犬が大豆アレルギーではなければ犬にとって危険な食べ物ではありません。
豆乳にはたんぱく質、ミネラル、イソフラボンなどの栄養素が豊富に含まれています。
たんぱく質は、筋肉や骨、皮膚など体を作るに大切な成分です。
そしてミネラルは、体調管理に欠かせない成分。
市販の豆乳はJAS規格で3種類に分けられています。「無調整豆乳」「調整豆乳」「豆乳飲料」です。
その中でも、味付けがされていないものが無調整豆乳です。調整豆乳には砂糖などが含まれています。犬に与える際は無調整豆乳を選んであげると良いでしょう。
老犬に与える際は、少量にしてあげるのがお勧めです。
老犬になると腎臓が弱りがちになります。大豆はたんぱく質が多く、消化するのに腎臓に負担がかかってしまいます。同じく腎臓に疾患のある犬にも上げる際は注意が必要です。
生クリームを豆乳クリームで代用すると栄養価も高く、乳糖不耐症や乳製品アレルギーの心配もなく、カロリー摂取を控えることが可能です。
もし犬が生クリームを食べてしまったら…
愛犬が生クリームを食べてしまっても、常識的な範囲以内でしたら大丈夫です。
しかし、盗み食いで大量に食べてしまった場合や、子犬が初めて食べてしまった場合などは、症状が出ないか注意して様子を見ましょう。
嘔吐の症状が出た場合は、アレルギーの可能性があるので獣医さんに診てもらいましょう。
生クリームの代わりに犬に与えられるもの
愛犬のご褒美であげたり、誕生日ケーキを作るときにケーキのデコレーションとして生クリームを使うこともあるかと思います。
乳製品を口にすることで体調を崩してしまう犬の場合は、生クリームの使用を避けて、代用品を用いりましょう。
◆チーズやヨーグルトを混ぜあわせる
スポンジの周りに、生クリームではなく、カッテージチーズとヨーグルトを混ぜたものを
ヘラでスポンジの周りに塗るだけで、見栄えがケーキっぽくなります。
◆ヨーグルト
ヨーグルトは牛乳を乳酸菌により発酵させた食べ物です。発酵の途中で乳糖不耐症の原因の入党が30-40%分解されます。
よって、乳糖が少なくなるので、愛犬が食べても下痢などの症状が出てしまう可能性が少ないです。
キッチンペーパーで水切りをすると、こってりとしたクリーム状になるので、生クリームの代用として使用できます。
冷蔵庫から出してすぐだと、冷たすぎて胃に負担がかかるので、与える際は常温に戻しましょう。
◆豆腐
手軽に安く手に入る食材です。工夫をすることで、生クリームの代替えになる食材です。
なにより、生クリームよりもカロリーが低いので体の小さい小型犬にはうれしいです。
豆腐の水切りをして、フードプロセッサーにかけると生クリームの代替えになります。
豆腐の種類を変えることで、作りたい生クリームの固さに近づけることができます。
木綿豆腐を利用すると、しっかりとした触感がでます。
絹豆腐だと、滑らかでより生クリームに近い触感になります。
ただし、大豆アレルギーのある犬は症状が出る場合があるので気を付けましょう。
◆豆乳クリーム
生クリームのようなコクはなく、緩めで少々扱いにくいですが、生クリームの代用の一例で栄養価があります。
豆乳100ml、砂糖、バニラエッセンスをハンドミキサーで混ぜます。
後に、レモン汁を入れ再度混ぜます。
ホイップクリームほどの固さになったら完成です。
◆じゃがいも
とても意外ですが、じゃがいもを生クリームの代用として使うことができます。
じゃがいもをマッシュポテト状にし、生クリームの様に利用します。ポイントは熱いうちに裏ごしをしてあげると、より生クリームらしい触感になります。
扱いやすい硬さなので、絞り袋などを使って華やかにデコレーションをすることもできます。
じゃがいも以外にも同じ芋系の食材、さつまいも、かぼちゃでも代用することができます。無添加でカラフルなケーキを作りたいときに、お勧めです。
まとめ
生クリームは犬にあげてはいけない食品ではありませんが、すすんであげるべき食品でもありません。
愛犬にケーキを用意してあげる際は、生クリームの代替えとして豆乳クリーム、水切りをしたヨーグルト、チーズとヨーグルトを混ぜたものなどもあるので、ケーキを作る際のオプションをして覚えておくのも良いかもしれません。
又、ケーキにカラーを付けたいときにも野菜などをクリームに混ぜて用いることもできます。
よその家の犬に与える際にも、アレルギーの有無、入っている食材を飼い主さんに事前にお伝えしてから与えることもトラブルを回避するために大切です。
愛犬の健康に気を使いながら、犬も一緒に楽しい素敵な時間が過ごせるようにしましょう。
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