犬が唐辛子を食べてしまった!大丈夫なの?

2022.05.02

犬が唐辛子を食べてしまった!大丈夫なの?

唐辛子は犬が食べてはいけないものです。犬に唐辛子を与える人はあまりいないと思いますが、普段食卓に唐辛子を置いている家庭では犬に盗み食いされることがあるかもしれません。 しつけ用スプレーに唐辛子が使われているものがあるから大丈夫では?と思う人もいるでしょう。なぜいけないのか、もし食べてしまったらどうしたらいいのか解説します。

犬に唐辛子を与えてはいけない理由

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唐辛子が辛いのはカプサイシンという成分が含まれているからです。カプサイシンは犬の胃腸には大きな負担となります。胃腸炎を起こしてしまうことがあります。人間も辛いものを食べすぎるとお腹を壊すことがありますね。
唐辛子だけではなく、わさびや香辛料などの刺激物は犬が食べてはいけないものです。香辛料の強い香りには虫を寄せ付けない、殺菌効果があるとして古くから重宝されてきました。人間が食べると食欲増進や整腸作用などがあり、健康食品のように扱われています。ところが犬には強く効きすぎてしまい、逆に胃腸を痛めて腹痛などを起こします。犬が背中を丸めていたり床にお腹をつけたりいるときは腹痛と思われます。
飼い主の皿についていた唐辛子をひと舐めしただけなら何も影響が出ないこともあります。しかし食べた量がひとかけらであれば下痢や嘔吐、食欲不振など体調に変化が起こります。


犬の唐辛子の致死量

辛いという感覚は味でなく痛覚であり、人間にはこれが癖になってしまう人がいます。犬にも味を教えたいと思って食べさせる人がいるかもしれませんが、犬の体にはデメリットの方が多いので与えないでください。
人間が唐辛子を食べるとすぐに辛味を感じます。ですが犬は味覚が発達していないのであまり辛味を感じません。ニオイを嗅いだだけで刺激になってやめる犬もいますが、平気で大量に食べてしまう犬もいます。
タマネギやチョコレートと違い、唐辛子は犬が食べると命に関わるほど危険なものではありません。ですが胃腸が炎症を起こし、肝臓や腎臓にも悪影響が出る可能性があります。人間も大量に食べるものではないので致死量がはっきりしていませんが、病院では吐かせる処置をします。


犬が唐辛子を食べてしまった場合の症状

◆嘔吐

犬が唐辛子を食べると胃腸が刺激されるので嘔吐することがあります。このときに唐辛子も吐いてしまって元気そうなら心配は要らないです。しかし明らかにまだ体内に残っている、何度も繰り返し吐く、ぐったりしているなどの症状があれば病院へ行って治療を受けてください。

◆下痢

胃を通過して腸が炎症を起こした状態です。食べたものが胃に留まっているのは1時間程度とされています。消化管を通って腸まで流れてくるのはそのあとなので、下痢を起こすのは食べてから半日以降です。つまり昼間唐辛子を食べたとするとその日の夜に下痢をする可能性があります。
下痢は犬が体質に合わないものを食べたときによく起こる症状です。しかし下痢が1回や2回なら軽症です。数日絶食して胃腸を休ませたら治ってしまうことも多いです。水だけはいつも通り与えてください。
ところが下痢が何度も続く、ぐったりするといった症状を起こしていたら病院に連れて行きましょう。同時に水分が大量に失われているので、犬が水を飲めそうであれば飲ませてください。

◆咳やくしゃみ

人間が辛いものを食べると鼻や喉にくるように、犬も唐辛子を食べると刺激されて咳やくしゃみをすることがあります。
犬がくしゃみをするときは鼻に異物が入った、粘膜に刺激を受けたときです。人間の数万倍の嗅覚を持つと言われている犬なので、刺激の強いニオイを嗅ぐと体調が悪くなってしまうこともあります。また飲み込むときに食道を痛めてしまっている可能性もあります。消化されて胃腸が炎症を起こすことの方が心配ですが、やはりすぐに病院へ連れて行くべきです。

◆泡を吹く

ネギ類やチョコレートなど、食べてはいけないもので中毒を起こしたときにも泡を吹くことがあります。嘔吐と似ていて異物を吐き出す前兆でもあります。犬は気持ち悪いと感じており、異物を吐いてしまえば楽になります。しかしいつまでも泡を吹く状態が続いていると重症です。食道や消化管に刺激を受け、肝臓や腎臓にも悪影響が出る可能性があるので、すぐに病院へ行って治療を受けましょう。

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私達人間にとってはとても美味しいチョコレートですが、犬には厳禁であると知っていましたか? 犬がチョコレートを食べた場合、下痢や嘔吐の症状が出るほか、大量に摂取した場合は死に至る可能性もあります。 今回は、犬にチョコレートをあげるのはなぜいけないのか、チョコレートを食べてしまった場合の対処法についてお話します。 バレンタインなどでお家の中にチョコレートが常備される季節に読んで欲しい記事になっていますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

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犬が唐辛子を食べてしまった際の対処法

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◆水分を与える

下痢をする可能性が高いということはこれから水分が失われるということです。酷い場合は脱水症状を起こすので、事前に水分補給をさせてください。脱水症状かどうかは背中の皮を引っ張るとわかります。皮がひっぱって2秒以内に戻らなければ脱水と言われています。
水分は犬の体の約6割を占め、筋肉や血液に運ばれて体を正常に保つ役割をしています。水分が不足すると必要な栄養素や老廃物が運ばれなくなり、内臓も機能しなくなって死に至ります。ですがここで短時間に大量の水を飲ませることはせず、ゆっくり飲ませるように注意してください。

◆時間をかけてゆっくり水を飲ませるのがポイント

急にガブガブと大量の水を飲むと嘔吐や水中毒を起こす可能性があります。普段血液中にはナトリウムが存在していますが、ここに大量の水が入ってしまうと薄まり、体が正常に機能しなくなってしまいます。これを水中毒と呼びます。症状がひどいとふらつきやけいれんを起こし、ここでも病院での治療が必要になってしまいます。
普通の生活で食事のあとや喉が渇いたときに水を飲むだけなら水中毒は起こりません。ですが辛いものを食べて急激に喉が渇くと、犬は短時間で水を飲めるだけガブ飲みしてしまう恐れがあります。いつも飲む水の量と比べて明らかに多いと感じたら置きっぱなしにするのはやめましょう。
 

◆様子を見る

食べた唐辛子が明らかに少量であれば、そのまま様子を見ていて大丈夫です。こまめに水分補給をして便の状態などを見ましょう。下痢をしてもそこまでひどくなく、犬が元気そうであれば病院に行かなくても治ってしまうでしょう。
しかし下痢や嘔吐を何度もする、食欲不振などの異変が見られたら数日経っていても病院に行ってください。獣医師にはどのくらいの量の唐辛子を食べたのか伝えてください。


唐辛子スプレーは大丈夫?

唐辛子はNGと解説してきましたが、唐辛子入りしつけ用スプレーは大丈夫なの?と疑問に思う人がいるでしょう。犬が家具などを噛むのをやめさせるときに使うスプレーです。
スプレーに使われている唐辛子は少量で、味よりもニオイが強くできています。口に入ってもわずかな量なので害はありません。ですが犬に直接スプレーすると鼻の粘膜などを痛める可能性があるのであまりおすすめしません。イタズラしそうな物にスプレーし、犬が口にするのは少なくしてください。犬が生きている間ずっと使うことはないと思いますが、使用するのは一時的にしましょう。

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犬の噛み癖をやめさせるには

愛犬が家具をかじるのをやめさせるためにしつけ用スプレーを使いたい人はいるでしょう。犬が嫌いな味は苦い、酸っぱい、辛いなどです。同時にニオイも感じているので、スプレーに使われる材料は唐辛子以外に柑橘類、酢、ハッカなどがあります。どれも犬に直接かけるのではなくかじりそうな場所にかけておくという使い方です。長く続けていると犬も味やニオイに慣れてしまったり、家具や床が傷んだりというデメリットがあります。
スプレー以外にも犬が嫌いな道具を使ってやめさせる方法があります。ペットボトルや空き缶にジャラジャラ音がする素材のものを入れ、イタズラをしたら投げて叱ります。犬が音に怖がっていたら、常にかじりそうな場所に置いておきます。道具が置いてあるだけでも犬は怖がってその場所に近寄らなくなります。
犬が物をかじる理由は退屈だから、歯が痒いからがほとんどです。成長途中の若い犬によく見られます。筆者の愛犬も家具をかじる癖がありましたが、道具を置くという対策をしたらやめていきました。他に運動量を増やす、飼い主と遊ぶ時間を増やすといったことも対策です。

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成犬になっても噛み癖が治らない原因は、遊びだと思っている、飼い主を下に見ている、環境に慣れない、縄張り意識、恐怖、本能など様々あります。本来噛み癖のしつけに最適な時期は、歯が生え変わる生後7ヶ月ほどの子犬の時期までです。成犬のしつけし直しは時間がかかりますが、低い声で叱る、噛んで良いものを与える、しつけ教室を利用するなど、根気強く取り組むことで改善されます。 成犬の噛み癖としつけについて、詳しくご紹介します。

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まとめ

きちんとごはんを貰っていても、盗み食いをしてしまう犬がいます。飼い主の食事や毎日飲む薬が美味しそうに見える、かまってもらいたいというのが原因のようです。これは食べちゃダメと言っても犬は理解してくれません。イタズラして部屋を荒らす可能性のある犬なら食材は戸棚や冷蔵庫にしまう、ゴミ箱は蓋つきのものを使うといった対策をとってください。地震があったら調味料が散らかって犬が舐めてしまうことも考えられるので、瓶詰にはしっかり蓋をし、簡単に落ちてこない位置にしまいましょう。

●執筆者情報
ライター情報
Akatsuki

物心つく前から犬と育ち、わんこ歴は20年以上です。ビーグル、ゴールデン・レトリーバー、バーニーズ・マウンテン・ドッグと過ごし、現在は4代目の元保護犬と暮らしています。愛玩動物飼養管理士1級の資格も取得しています。犬について日々勉強し役立つ情報を発信していきます。



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