犬が伏せたときに伝えたいシグナルを解説

2022.05.11

犬が伏せたときに伝えたいシグナルを解説

喜怒哀楽の感情表現が豊かな犬ですが、ときどき人が不思議に思う行動をとることもあります。 その一つが「伏せ」という行為です。 指示を出したわけでもないのに、何の前触れもなく犬が伏せた、という経験あるのではないでしょうか? 実は犬の伏せには、沢山の感情やシグナルが詰まっています。 愛犬の気持ちを適切にくみ取るためにも「伏せる」行為から読み取ることのできる感情を把握しておきましょう。 この記事では、犬が伏せる理由を場面や出来事に分けて紹介してきます。

犬が伏せる理由

伏せをする犬

特に指示を出したわけでもないのに、犬が突然伏せる、なんて経験あるのではないでしょうか?
何の前触れもなく伏せをしているのを見ると、飼い主としては少し不思議に感じますよね。
しかし、犬が伏せるのには、大切なメッセージが隠されています。
そのメッセージに気づくことができれば、より良い関係性を愛犬と築いていけるでしょう。
どのような場面で、どのような表情で、どのような目的で、犬が伏せという行動をとるのかを知り、適切なコミュニケーションを図っていってください。
ここからは犬が伏せる理由について解説していきます。

◆退屈なため

犬は退屈さを感じていることをアピールするために伏せることがあります。
「散歩に行きたいのに連れて行ってもらえない」という時や「怒られておもちゃを取り上げられた」なんていう場面で、自分の気持ちが満たされていないことをアピールするために伏せるのです。

犬は動物の中でも特に喜怒哀楽がわかりやすい生き物なので、伏せる犬の表情からも「退屈」という感情を読み取りやすいです。
最近はリモートワークで働く人も増え、飼い主さんが部屋にいるのに遊んでもらえないことを不服に感じる犬も増えています。
仕事が忙しくてかまってあげられない時などに、犬が伏せて退屈そうにしている場合は、1人でも遊べるようなおもちゃを与えてみるなどして、犬の気持ちが満たされるように工夫をしましょう。
また、しつけのために飼い主さんが叱り、その後で伏せている場合はご機嫌を取る必要はありません。
犬の機嫌をとりすぎてわがままな子にならないようにするのも、飼い主さんの大切な役割です。
犬の感情を推測しながら、適切なしつけを行っていきましょう。

◆落ち着かせるため(カーミングシグナル)

犬には、興奮した気持ちを落ち着かせるために伏せることがあります。「カーミングシグナル」と呼ばれるボディランゲージです。
犬同士で使われるボディーランゲージで、自分が興奮している時や、相手の犬が興奮しているときに「落ち着いて」という意味を込めて伏せをします。
犬はとても賢い生き物ですので、自分で自分の感情をコントロールしようとします。

興奮しすぎると飼い主さんや他の犬に怪我をさせてしまう場合もあるので、カーミングシグナルとして伏せを行っている場合は、それを邪魔しないようにしてください。
逆に、愛犬があまりにも興奮しすぎている場合には、飼い主さん側から伏せと命令をすることで、犬の感情コントロールする手助けも可能です。
適切なしつけをして、犬の飼い主も安全に暮らせるような関係性をしっかりと築いていきましょう。
また、ときには体調不良や怪我により伏せの体制をとっていることもあるので、普段と変わった様子がないか、しっかりチェックしてあげるようにしましょう。

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◆服従の気持ち

「あなたに敵意はありません」や「私はあなたを信頼しています」といった服従の気持ちを表すために伏せることがあります。
伏せの姿勢は、お腹が地面にぴったりついており、後足も折りたたんでいる、非常に無防備な体制です。
すぐに動き出すことが難しい状態を晒すことにより信頼の気持ちをアピールします。

ふと目が合ったときに伏せる体制になり嬉しそうにこちらも見ている場合は、あなたに対する信頼や愛情を伝えようとしています。
その時は、犬の頭を撫でてあげたり、名前を読んだりすることで、飼い主側の愛情も伝えてあげるようにしましょう。
そういった相互的なコミュニケーションにより、よりよい関係性が構築されていきます。
犬からの些細な愛情表現を見逃さず、相思相愛な関係を作っていけるといいですね。


犬が散歩中に伏せる理由

さっきまで普通に歩いていたのに、突然伏せて動かなくなってしまったなんて言う事あるのではないでしょうか?
犬が散歩中に突然伏せる理由は「単純に疲れてしまった」場合と「その方向に行きたくない」ことのアピールである場合がほとんどです。
犬が息切れをしていたり、疲れていそうな表情を浮かべている場合は、一旦休憩を取ってあげると良いでしょう。
その際は抱っこなどをして安全な場所に移動することを忘れないでください。
また、散歩中に怖い出来事があったり、犬が怖いと感じる物があったりする場合は、散歩コースを変えてあげるなどの工夫が大切です。
犬が楽しく散歩できるように飼い主側が気を配ってあげましょう。
まれに特に理由もなく、ワガママや気まぐれで伏せる犬もいるので、愛犬がどんな理由で伏せているのか飼い主が推測してあげることが大切になります。
表情やこれまでの出来事から、犬が伏せた理由を教えて適切な対応をしてください。

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遊びをやめて急に伏せをする理由

伏せをする柴犬

さっきまですごく楽しそうに遊んでいたのに電池が切れたかのように急に伏せる、なんてこともありますよね。
これは遊んだことで疲れてしまったときによくみられます。
遊びは、犬のストレス解消に繋がったり、飼い主との関係を作ったりする大切な行為です。
ただ、毎回疲れてヘトヘトになるまで遊んでいると、遊ぶことに対してネガティブな印象を持ってしまうこともあります。
何事もやりすぎないことが肝心です。
犬が楽しそうにしているか、疲れていそうかをきちんと見分けて、遊びで犬が疲れないように気を配ってあげられるといいですね。


他の犬と会って伏せる理由

ドッグランやお散歩中に他の犬と出会った際に犬が突然伏せる、という経験もあるのではないでしょうか?
これは「あなたに敵意がない」という感情を伝えるための行為です。
出会った犬に対して恐怖の気持ちがあったり、逆に仲良くなりたいと思っている場合に「あなたと喧嘩をするつもりはありません」という感情を伝えるために伏せをします。
犬同士の上下関係を構築していく、とても意味の強いシグナルなので、飼い主の都合で無理やり伏せることをやめさせたりはしないようにしてください。
犬同士の大切なコミュニケーションです。
犬の表情や態度から感情を汲み取って、怖そうにしていたら場所を変えたり、ワクワクしていそうなら一緒に遊ばせたりなど、コミュニケーションの手助けをしてあげられるといいですね。


欲しいものを前にして伏せをする理由

おやつを見せた時や、新しいおもちゃを与える前に、犬は伏せることがあります。
これはワクワクしている気持ちをなんとか抑えようとして、冷静さを保つために行う行為です。
犬は、好きなものやご褒美を目の前にした時「待ち切れない」というポジティブな気持ちでいっぱいになります。
その気持ちをそのまま爆発させるのではなく、冷静さを保とうとするところが、従順な犬らしい健気なところです。
また、伏せると同様に、わざと視線を外すことで平常心を保とうとする犬もいます。
ご褒美などをチラつかせた時に目を逸らされると「いらないのかな」と勘違いしがちですが、むしろその逆だったりもするので、犬の行動原理を知ることで、より正確に犬の感情を汲み取れるといいですね。


カーミングシグナルと体調不良の伏せの違い

気持ちを落ち着かせるカーミングシグナルとしての伏せる時と、体調が悪いことで伏せる時を見分ける事はとても大切です。
カーミングシグナルで伏せる場合は特に問題ありませんが、体調不良で伏せる場合はいち早く気づいてあげなければなりません。
犬は自分で体調が悪いことを伝えられないので、些細な変化に気づいてあげることが飼い主の役目です。
犬の体調変化に気づくことができれば「病気の早期発見」や「信頼関係の構築」に繋がります。

普段と比べて「食欲がなかったり」「歩き方がおかしかったり」「おしっこやうんちをしなくなったり」などの変化が見られた場合は、カーミングシグナルではなく体調不良の伏せを疑いましょう。
食欲や排泄等の変化に気づくためには、普段の様子を知っておく必要があります。
日常的に犬の様子をよく観察し、少しの変化も見逃さないようにしてください。

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まとめ

ここまで犬の伏せについてまとめてきました。
「伏せる」という行為は、犬の感情や体調の変化に気づく大切なシグナルです。
犬は自分の気持ちを言葉にすることができません。
飼い主がいかに愛犬を理解してあげられるかによって、関係性が変わってきますし、犬の健康も保つポイントになるでしょう。
些細な変化に気づくためには、普段の様子をきちんと観察することが肝心です。
毎日の暮らしの中で小さな変化も見逃さないよう、愛情深く愛犬に向き合ってください。



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