1.柴犬のしっぽには種類がある!
1-1.巻尾だけでも6種類
1-2.巻尾ではないしっぽ
1-3.柴犬のしっぽの見た目はさまざま
2.しっぽから読み取る感情表現
2-1.【楽しい・嬉しい】左右にぶんぶん大きく振る
2-2.【警戒・緊張・怒り】しっぽを振りながら唸る
2-3.【怖い・緊張】しっぽが垂れ気味
2-4.【体調不良かも…】しっぽを下側に巻き付ける
2-5.しっぽを振らないときもある
3.犬のしっぽは大切!どんな役割を持っているかを知ろう
3-1.自分の感情を伝える大切な部分
3-2.バランスを保つために効果あり
3-3.寒いときの防寒アイテムにも
【掲載:2022.07.17 更新:2023.02.08】
柴犬のしっぽには種類がある!
「柴犬のしっぽ」と言えば、このくるんと巻かれた形が特徴的ですよね。
この代表的な丸まった形の尻尾のことを「巻き尾」といいます。
一見すると、すべての柴犬が同じような形のしっぽを持っているように見えるかもしれませんが、実はそれぞれ巻いている方向などが微妙に異なり、また、それぞれの形に名前が付いています。
現時点で柴犬のしっぽは9種類に分けられていますので、どんなしっぽがあるのか特徴を見ていきましょう。
◆巻尾だけでも6種類
柴犬で代表的な巻尾のなかでも、巻き方向や巻きの強さなどで6つの種類があります。
右巻き・左巻き
柴犬の代表的な巻き尾のなかでも、「右巻き・左巻き」があります。これは、柴犬を後ろから見たとき「背骨よりもどっち方向にしっぽがあるか」の区別です。
右側に巻かれていれば背骨よりも右方向にしっぽがあるため「右巻き」です。逆に、左側に巻かれて左方向にしっぽがあるのは「左巻き」です。
右二重巻・左二重巻
こちらも考え方は「右巻き・左巻き」と同じで、巻尾のなかでも巻きが強いしっぽです。“二重”と入っていることからもイメージできるように、ぐるぐると巻かれています。
巻きの強さにより、右寄りと左寄りで「右二重巻・左二重巻」となります。
車巻
車巻も巻尾のうちのひとつです。左にも右にもどちらにも寄らない巻尾で、後ろから見ると背骨の中心線に沿ってくるんと巻かれています。
半巻
柴犬のしっぽはくるんと巻かれているイメージが強いですが、「半巻」とは緩めの巻き方のしっぽのことを言います。
巻きが弱めなので、しっぽの先は体から少し離れています。
◆巻尾ではないしっぽ
柴犬と言えば“巻尾”という感じもしますが、巻かれていないタイプもあります。
差尾
巻尾は“巻き”があるので、横から見ると円を描くように見えます。しかし、差尾の場合はしっぽの先端も体にはつかず、半円にもなっていません。
半差尾
半差尾は、半巻のように円形にはなっていませんが、しっぽの先が体についているので半円に見えます。
太刀尾
太刀尾は、巻尾でも差尾でもないしっぽの形状です。“刀”からもイメージできるかもしれませんが、太刀尾はまさに刀のような形状をしています。“巻かれている”という特徴を持つ柴犬のなかでは、ピンと立った太刀尾はかなり珍しいです。
柴犬のなかでも中国地方を代表する「山陰柴犬」には、この太刀尾の種類が見られると言われています。
◆柴犬のしっぽの見た目はさまざま
上記の9種類のしっぽが大まかな分類です。柴犬のトレードマークとも言える“巻尾”だけでも、なんと6種類の違いがあるなんてびっくりですよね。
また、もっと細かくいえば、
・薙刀のような形の「薙刀尾」
・柳のように垂れた「柳尾」
・ごぼうのように細長い「ごぼう尾」
・短めのしっぽで先端が茶せんのような「茶筅尾」
・丸まった形状の「株尾」
・かなり短いしっぽが「無尾」
などがあります。
柴犬の多くが巻尾なのですが、なかにはこのような珍しいしっぽも見られるのです。
しっぽから読み取る感情表現
柴犬は、「甘えん坊な面・クールな面」が混ざっている性格と言われています。知らない人にはクールで凛々しい表情を見せますが、飼い主さんにはデレデレ甘えてくるところは何とも言えない魅力です。
“主人に忠実・従順”というのは、まさに侍そのもの。日本だけでなく、世界中にファンが増えているわんちゃんです。
そんな柴犬のしっぽは、始めに紹介したように様々な種類があります。巻かれている向きや巻きの強さからは、個性が感じられますね。
それでは、しっぽの種類によって性格が異なるのでしょうか?
結論としては、しっぽの種類によって性格が分かることはありません。しっぽはあくまでも見た目の個性であって、しっぽの形で性格を計り知ることは難しいでしょう。
しかし、しっぽには「感情表現」の役割がありますので、性格ではなく、そのときの感情を読み取ることは可能です。「どんな感情のときに、どんなしっぽになるか」を具体的に見てきましょう。
◆【楽しい・嬉しい】左右にぶんぶん大きく振る
柴犬の場合、もともと“くるん”と巻かれた巻尾が特徴的です。そんな柴犬も、楽しさや嬉しさで感情が高まれば、しっぽの位置も高くなります。
嬉しいときにはわんちゃんは興奮状態となるため、しっぽのふり幅が大きく、左右に振ります。そして動きが小刻みで素早くなるでしょう。
まさに「ぶんぶん!!」といった表現がぴったりです。
◆【警戒・緊張・怒り】しっぽを振りながら唸る
もともと柴犬は猟犬として活躍していましたから、その名残から警戒心が強いわんちゃんです。飼い主さんには忠誠をつくし、ときには甘えてくることも多いでしょう。
しかし、その一方でアンテナを張りめぐらし周囲を警戒していることもあります。実は警戒や緊張がMAXのときも「ぶんぶん」としっぽを振るのです。
喜びや嬉しさのしっぽと区別するなら、表情をチェックしてみましょう。嬉しいときにはまるで笑顔のような生き生きとした顔立ちが感じ取れます。
一方、警戒や緊張、怒りなら「う~!」と唸って歯をむき出しているでしょう。被毛を逆立てているときもあります。
しっぽの振り方だけ見ると「嬉しいのかな?」と勘違いしそうですが、怒りモードのときは表情に大きな違いがあるようです。
◆【怖い・緊張】しっぽが垂れ気味
柴犬がしっぽを左右に振るときは、「喜んでいるとき」と「警戒して起こっているとき」。感情としては、両者は真逆なのに動きは同じなんです。不思議ですよね。
“喜び”や“怖さ”を感じた柴犬は、どちらも気持ちが高まっているため、しっぽを振っています。
しかし、怖さを感じたり緊張している場合、「感情をおさえこもう」「冷静にならなきゃ」という気持ちからか、ふだんぐるんと巻いているしっぽさえ、下におろします。
いつもは力が入っているしっぽも、下向きに垂れた感じになるようです。
◆【体調不良かも…】しっぽを下側に巻き付ける
しっぽをお腹側へと巻き付けている場合は、強くストレスがかかっている可能性があります。「病院に行ったらしっぽを下にぐるん」というように、緊張や恐怖を通り越した感情になっているかもしれません。
しっぽの巻きが強く、お腹側まで到達していれば、愛犬が何に恐怖を感じているのかを考えてみてくださいね。
また、具合が悪くて、しっぽに元気がないケースもあります。巻尾の柴犬の場合、肛門がいつも見えている状態です。
でも、肛門周辺に炎症などの異常があると、それを隠すようにしっぽを下げることもあるようです。
しっぽを下げていたら、その可能性も含めながら愛犬の健康観察もしてあげましょうね。
◆犬がしっぽを振らない!
左右にぶんぶんとしっぽを振ってくれる様子を見ると、飼い主さんとしても嬉しいですよね。
柴犬は巻尾の子が多く、ボリュームのあるしっぽが上に上がっているため、頑張って振ってくれていたとしても他の犬種よりもしっぽの振り幅が分かりづらいかもしれません。
また、本当にしっぽを振っていない場合はこのような理由が考えられます。
・生後間もない子犬
・筋力がなくなってきた高齢犬
・しっぽにケガをしている
・しっぽの神経に異常がある
・肛門腺の分泌液が溜まっている
・お尻に炎症が起こった
・環境の変化で大きなストレスを抱えている
生後間もない子犬などは、いずれ成長とともにしっぽで感情を表現してくれることもあるでしょう。
ただ、これまでしっぽで感情を伝えてくれていたのに、「突然しっぽを振らなくなった」などであれば、何かの理由があるか見つめ直してみることをおすすめします。
また、性格によって、もともとしっぽを振らないケースもあります。人間でも「嬉しいのに笑顔をあまり見せない」「怒っているのにクールを装う」など、性格によって周囲への感情の出し方は異なりますよね。
わんちゃんにも、しっぽで感情表現はあまりしないという子もいるのです。
ぶんぶん振ってくれると飼い主さんも分かりやすいかもしれませんが、ゆらゆら程度で気持ちを伝えてくれる柴犬もいるでしょう。
しっぽはあくまでもコミュニケーション手段のひとつです。「飼い主さんの近くにぴったりと寄り添う」「一緒に寝たがる」「あおむけでお腹を見せてくる」「顔を見つめてくる」など、飼い主さんを常に身近で感じてくれていれば、柴犬から愛されている証とも言えるでしょう。
犬のしっぽは大切!どんな役割を持っているかを知ろう
犬のしっぽはさまざまな役割を持つ重要な部分です。一体、どんな役割があるのでしょうか。
◆自分の感情を伝える大切な部分
前述の通り、犬の尻尾からは感情が分かります。犬のしっぽは気持ちと連動している不思議な部分、“感情のバロメーター”とも表現できますね。
人間が嬉しいときにニコっと微笑んだり、悲しいときに涙を流したり、怒ったときに顔を真っ赤にしたりなど、無意識にしてしまうことに近いかもしれませんね。
柴犬の場合、しっぽはいつもぐるんと巻きあがっている感じもしますが、振り方や巻きの具合が微妙に異なりますから、感情表現を読み取ることができます。
◆バランスを保つために効果あり
犬は4本の脚を自由に操り、「歩く・走る・ジャンプする」という動きができます。そんなさまざまな動きにもしっぽが役立っています。
颯爽と駆け巡り「左に曲がる・右に曲がる」など方向転換をするとき、しっぽを動かしながらバランスをキープしています。
野生の犬や、猟犬として働く犬の場合は、どちらかと言えば感情表現よりも「動くときの平衡感覚のため」という役割の方が強いかもしれません。
柴犬を見ていると走る際にはしっぽの巻きは緩まって、伸びていたり動きに合わせて傾いていたりします。柴犬が走る様子を見る機会があればしっぽにも注目してみてはいかがでしょうか。
◆寒いときの防寒アイテムにも
柴犬のしっぽはフサフサして可愛いですよね。犬は、寒いときは“体温が逃げないように”と体を丸める仕草をします。
その際にしっぽを体に密着させることで、保温効果があり、結果としてしっぽが防寒アイテムにもなっているようです。
鼻や顔をうずめていて、可愛らしい見た目ではありますが、あまりにも寒い時には寒さ対策もしてあげてくださいね。
まとめ
柴犬の丸みのあるしっぽは可愛いですよね。後ろから眺めたときのお尻のフォルムを見ていると、ほんわかした気持ちになります。
柴犬と言えばくるんと巻かれたしっぽというイメージがありますが、実際にはたくさんの形状があります。
9種類にも分類されているなんて、ちょっと驚きですよね。
しっぽは愛犬とのコミュニケーションにも役立ちます。嬉しそうにぶんぶんと左右に振ってくれる様子を見ると、「かなり喜んでいる」ことが伝わってきます。
ただ、感情表現がちょっと苦手でしっぽをあまり振らない子もいるでしょう。なかには、筋力の低下やお尻の異常でしっぽを振れなくなっているケースもあります。
愛犬のしっぽの種類やしっぽの振り具合も観察しつつ、柴犬との暮らしを楽しんでくださいね。
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