【掲載:2022.08.07 更新:2024.10.31】
豆柴の大きさはどれくらいになる?
近年「豆柴」という呼称が広く知られており、「チワワ」や「ダックスフンド」といった犬種の1つと思われていることもありますが、豆柴は基本的には犬種ではありません。
2024年10月時点では、JKC(日本最大規模の犬種登録団体)や日本犬保存会では犬種として公認されておらず、柴犬の中でも成犬時の大きさが柴犬の標準よりも小さい個体を総称して豆柴と呼んでいるのです。
そんな豆柴の大きさは、柴犬の標準に比べ小さいサイズということで、体高はオスで体高が33sm程度、メスで31cm程度です。
柴犬の大きさと比べてみると、一回り小さいことが分かります。
体重9~11kg
体重4~6kg
両親の大きさやその子の骨格、子供の時の大きさから、赤ちゃんの時に「豆柴」として扱われていたとしても、健康に育っていく過程でいわゆる「柴犬」と呼ばれる大きさまで成長することも多くあります。
豆柴という犬種はおらず、条件次第では10kg以上など柴犬と同じくらい大きく成長するということもあるという点を知っておきましょう。
豆柴について
◆豆柴の歴史
豆柴という犬の存在が世間に広まったのは、比較的最近のことではありますが、豆柴の歴史は意外と古いです。
縄文時代から狩猟犬として活躍し、日本人と暮らしてきた「柴犬」の中の小柄な個体が豆柴のルーツだといわれています。
小型害獣の狩猟犬として小柄な柴犬同士を繁殖させた結果生まれたのが、豆柴の原型だそうです。
一時訪れた豆柴ブームの際には、更に小さくするための乱交配が行われた時期がありました。
しかし現在では、小さめでも健康な柴犬を安定的に繁殖できるよう、様々な愛犬家達が尽力しているようです。
◆性格
基本的に柴犬と同様で、学習能力が高い、日本犬らしい自立心(独立心)・警戒心をもつ、といった性格の子が多い豆柴。小さい姿からつい構ってしまいたくなりますが、実は構われすぎることが苦手です。
飼い主さんに甘えてくることも、少ない方の犬種だといえるでしょう。
縄張り意識が強いので、家族以外の人間に対して警戒し、吠えることも多いかもしれません。
そのため番犬としてはぴったりですが、子犬の頃からしつけをしっかりして社会性を身に付け、無駄吠えや近隣トラブルなどに注意することが大切です。
飼い主さんをリーダーだと認めれば、従順で忠実な素晴らしいパートナーとなってくれます。愛犬との信頼関係をきちんと築きながら、上手に飼育してくださいね。
◆毛色
豆柴の被毛は短く、外側の毛は固めのストレートですが、内側には柔らかい毛がぎっしりと生えているダブルコートです。
カラーは赤・黒・胡麻・白の4種類が基本となっています。
最もスタンダードなのは、茶色に近い毛色で毛先が赤毛の「赤」でしょう。
「白」はクリーム色に近い白色、「黒」は黒い毛がベースとなっており白・赤の差し色が入った毛色を指します。
「胡麻」は中でも珍しいタイプで、赤毛部分に黒毛が混在している、といった特徴を持っています。
他にも、「黒胡麻」などと表記される場合があるでしょう。
◆血統書について
前述したように、JKCと日本犬保存会では豆柴を犬種として認めていません。
このことからJKCや日本犬保存会が発行する血統書には、豆柴ではなく「柴」「柴犬」と記載されています。
柴犬と豆柴も、「柴」という同じくくりというわけですね。
ですが、日本には「豆柴」としての血統書を出している団体は「日本社会福祉愛犬協会(KCJ)」のみです。
こちらの団体により定められている豆柴の標準体高は、「オスは体高30~34cm」「メスは体高28~32cm」です。
その他、各項目においても見た目に関する細かい基準が発表されています。
豆柴をお迎えするには?
どんな犬種にも共通することですが、子犬の価格は性別・毛色・血統・月齢などによって大きく異なります。
2021年7月時点での豆柴の販売価格は、30~70万円とその振り幅はとても広いです。30万円前後で購入できる個体もいれば、軽く50万円を超えてくる個体もいるというわけですね。
豆柴を迎え入れるためには、ペットショップやブリーダーから購入する方法や、里親となる方法が一般的です。
ペットショップであれば、店員さんに相談して飼育アドバイスをもらうこともできますし、その場で必要なペットグッズを購入することもできます。ある程度月齢がいった子犬だと、ワクチン接種や簡単なしつけが済んでいる場合もあるでしょう。
里親に関しては、機会に恵まれない限り、豆柴と出会える可能性はそう高くありません。定期的に保護施設の情報をチェックしておくことをおすすめします。子犬ではなく成犬を求める場合には、良い縁で繋がれる確率が少し高まるかもしれません。
ブリーダーに関しては後述しますので、そちらをチェックしてみてください。
◆両親の大きさを確認する
紹介してきた通り、豆柴は小柄な柴犬同士の繁殖によって生まれることがほとんどです。
豆柴をお迎えしたいと強く思うのであれば、ペットショップや保護施設では中々難しいですが、両親の大きさを確認することをおすすめします。
ただし、小柄な両親から生まれた子も、通常の柴犬の大きさまで成長する可能性は十分にありますので、あくまで目安として両親の大きさを把握しておくとよいでしょう。
人間もそうですが、1歳に満たない状態では、成長後大人の姿を完全に予想することは出来ません。豆柴を購入したつもりが普通の柴犬サイズに成長したという事例も多くあります。
中には想像よりも大きくなってしまい、想像以上にお世話やしつけが大変になってしまい、後悔する人もいるようですが、この点については豆柴を迎える前に絶対に理解しておくべことです。
万が一お迎えした個体が大きくなってしまったとしても、たくさんの愛情を注いで一緒に暮らし、飼い主としての役割を必ず全うしてくださいね。
また、豆柴のルーツをきちんと理解し、「柴犬」を飼育する覚悟をもってお迎えすることを強くおすすめします。
◆ブリーダーを訪ねる
豆柴を迎え入れる方法の一つに、ブリーダーからの購入があります。ブリーダーは全国各地に存在する、犬の繁殖を専門とする職業です。
犬種の知識や飼育経験が豊富なブリーダーを選ぶことで、事前に飼い方や注意点を教わることができるでしょう。初めてのペットライフだという飼い主初心者さんでも、安心して愛犬を迎え入れることができます。さらに親犬の様子を確認したり情報を貰えることが、最も大きなメリットとなります。前述したように大きさは目安とはなりますが、成犬時のサイズ感を予測するための助けとなるでしょう。
ただし残念ながら、中には悪徳ブリーダーが存在している可能性もあるので、飼育環境がしっかりとしている業者を見つけてください。質問にきちんとした回答をしてくれる、信頼できるブリーダー探しをしましょう。
飼育する上での注意点
豆柴を迎え入れる前に、まずは飼育方法をしっかり覚えておく必要があります。最近ではペットブームによって、軽い気持ちでペットを購入してしまう非常に悲しいケースも少なくありません。
豆柴を飼育する上での注意点をいくつか紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
犬を飼う!と決めると名前はどうしようか、どんな首輪にしようかとワクワクしてきますが、まずはどのようなお世話が必要なのかを確認してから、毎日の生活を頭の中でシュミレーションしてみましょう。
◆被毛のケア
豆柴には、シャンプーやブラッシングがなどのお手入れが欠かせません。ダブルコートなので抜け毛が多い傾向にあり、換毛期には大量の抜け毛が発生します。
毎日のブラッシングで抜け毛を取り除き、定期的にシャンプーをしてくださいね。
ブラッシングは愛犬とコミュニケーションをとるのにも役立ちますし、皮膚病などの早期発見にも繋がります。
◆運動量の確保
活発で遊ぶのが大好きな豆柴。元々猟犬だったことから体力があり、運動不足がストレスの原因となる心配があります。散歩や遊びの時間をきちんと確保することが大切でしょう。
1日1~2回、1時間程度の散歩を心掛け、散歩の途中にはボール遊びなどで思う存分体力を発散させてあげてください。
◆食事の管理
総合栄養食であるドッグフードを与えていれば、基本的に必要不可欠な栄養素を摂り入れることができます。量に関しては、与えるフードのパッケージに記載されている給餌量を目安とし、愛犬の様子を見ながら適切な量を探っていきましょう。
手作りの食事を与えたい場合は、栄養バランスに注意が必要です。手作り食のレシピはネット上に関連記事が多数ありますので、参考にしてみるとよいでしょう。ペット系サイトの編集部や、栄養管理士監修のものもありますのでチェックしてみてください。
サプリメントなどをドッグフードに加えて与えることで、補いたい栄養をプラスするのも手軽でおすすめですよ。
丈夫な身体作りのためには、飼い主さんが健康状態を管理することがポイントとなります。おやつなどをあげすぎると、肥満や病気のリスクを高めることとなりますので、十分注意しましょう。
◆病気や怪我に注意
豆柴の平均寿命は、およそ10~12歳といわれています。柴犬の平均寿命が12~15歳とされているので、比較すると少し短いように感じます。しかしこれは、豆柴の歴史が浅いことが起因している問題なのです。
歴史の浅い犬は平均寿命が短い傾向にあるため、今後繁殖が安定することで平均寿命も伸びていくと予想されます。
とはいえやはり寿命には個体差があり、健康状態にも大きく影響されます。愛犬と少しでも長く一緒にいられるように、体調管理や健康観察を日常的に行っておきましょう。
豆柴がかかりやすいとされる病気・症状などの一例を挙げていきますので、万が一に備えてしっかりチェックしておいてください。
(※病名をクリックすると関連する記事を読めます)
◎アレルギー性皮膚炎
◎外耳炎
◎緑内障
◎膝蓋骨脱臼
◎認知症
◎歯周病
豆柴は比較的身体が強く、病気になりにくいともいわれる種類ではありますが、皮膚疾患には特に注意が必要です。
身体を痒がるような様子が見られたり、普段とは違う行動をしている場合は、早めに動物病院を受診しましょう。何らかの皮膚疾患を発症していたり、身体に異常が起こっている可能性があります。症状が酷くなくても、一度獣医師に相談した方が安心できますし、病気の場合は早期発見に繋がります
日頃から愛犬の様子や行動に注目して観察し、少しでも早く以上に気付けるよう心掛けましょう。
まとめ
小さくて愛らしい姿ながらも、日本を代表する和犬の一種である柴犬。とても人気の高い犬種ですが、事前に飼育方法を確認し、適切な飼育ができるかどうかしっかり家族みんなで話し合ってみましょう。
小型でも十分な運動量を必要とします。自分への負担が大きい、運動や遊びに時間を割けない、といった場合は迎え入れるのは少し難しいかもしれません。
忠実で賢く、愛らしさもたっぷりの犬種です。家族としてパートナーとして迎え入れることが可能な状況であれば、しつけ次第で最高のファミリーの一員となれるでしょう。
日本犬を家族にしたい!と考えている愛犬家の方は、ぜひ、豆柴も候補として検討してみてください。
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