犬がくっついてくるのは愛情表現!5つの場面で理由を解説します

2023.02.04

犬がくっついてくるのは愛情表現!5つの場面で理由を解説します

犬と暮らしていると、愛犬がくっついてくることはよくあることですよね。飼い主さんの側にやってきて、安心したように寛いだり眠ったりする姿を見ると、本当に愛しいものです。では、なぜ犬は飼い主さんにくっついてくるのでしょうか?また、あまりにくっついてくる場合に、何か問題があるのかも気になります。今回は、犬がくっついてくる理由を解説するとともに、気になる「くっつきすぎ」についても詳細にお伝えします。

【目次】
1.犬がくっついてくるのは愛情表現

2.過度に犬がくっついてくる
 2-1.分離不安の可能性
 2-2.分離不安はなぜ起きる?
 2-3.分離不安が疑われるときには

3.犬がくっついてくる理由①寝る時
 3-1.リラックスしている
 3-2.飼い主を信頼している

4.犬がくっついてくる理由②ごはんの後
 4-1.ごはんを食べた報告
 4-2.ごはんをくれた感謝の気持ち

5.犬がくっついてくる理由③おしりや背中にくっつく
 5-1.背中を預けている
 5-2.飼い主を信頼している

6.犬がくっついてくる理由④飼い主の移動の際
 6-1.寂しい
 6-2.どこにいくのか気になる

7.犬がくっついてくる理由⑤膝に乗ったり手をかけてくる
 7-1.構ってほしい
 7-2.甘えている

8.まとめ

犬がくっついてくるのは愛情表現

くっつく犬

端的に言えば、犬がくっついてくるのは、飼い主さんや家族に対する愛情表現です。
野生の犬は、リーダーを中心とした群れで暮らしています。野生下では、外敵に襲われることも少なくなくありません。一番無防備になる寝る時や休息を取る時には、群れの仲間同士で体をくっつけ合って、互いに守り合っています。

家庭犬となった犬は、飼い主さんを群れのリーダー、家族を群れの仲間と認識しています。愛犬がくっついてくるのは、大切なリーダーや仲間に対する愛情表現なのです。


過度に犬がくっついてくる

愛犬が飼い主さんにくっついてくるのは、前述の通り、愛情表現です。
しかし、あまりにも常にくっついてくるようだと、問題が隠れているかもしれません。

◆分離不安の可能性

「分離不安」とは、「分離不安症」とも言い、家族や親しい人など特定の人と離れることに、過剰な不安や恐怖を覚えてしまう状態を指します。人間では、子ども(小児期、特に幼児期)で起きることが多いです。

犬の場合、飼い主さんの姿がほんの少しでも見えなくなったら、不安から、無駄吠えや破壊行動、あるいは自傷行為などの問題行動を取る心の病気の一種です。

愛犬が過度にくっついてくる場合には、分離不安の可能性を考えた方がいいかもしれません。

◆分離不安はなぜ起きる?

「飼い主さんは出かけてしまったら、もう帰ってこないかもしれない」「留守番中に、何か怖いことや危険なことが起きるのではないか」などの不安な気持ちから、飼い主さんに過度にくっついてくるのです。

発症しやすいのは、母犬やきょうだいから早い段階で引き離されたため、人や他の動物との適切な距離感(社会性)を学べなかった子や、長時間独りで過ごすことが多い子とされています。

生育環境としては、子犬の時に長い留守番をした、遺棄された、保護施設で育ち、複数の人に世話をされていたなどが考えられます。

また、留守番中に地震が起きた、雷や花火のような大きな音がしたなどの怖い経験をした、飼い主さんが数日帰ってこなくて空腹感や恐怖感をあじわったなどの経験から、過剰に不安になる場合もあります。

さらに、生活環境に変化があった場合にも、発症することがあります。例えば、引っ越しした、家族が進学・就職などで不在がちになる、他人の家やペットホテルに預けられたなどです。また、赤ちゃんが生まれたり、新しいペットが迎えられたりして、家族構成が変わった場合にも、犬は不安を覚えます。

分離不安はシニア犬でも起きることがあり、これは、加齢による視力や聴力の低下から不安感が強まった場合や、認知症になった場合です。

また、病気や体調不良による痛みなどがあるときにも、不安感は高まります。

さらに、気質によるものもあるとされ、その原因はお腹にいるときに母犬に過度のストレスがかかったためと考えられています。

◆分離不安が疑われるときには

分離不安は、犬の精神疾患である「不安障害」のひとつです。

症状が重い場合には、一度、動物病院で相談することをおすすめします。状態に合わせて、薬物療法(精神安定剤など)や行動療法(問題行動の改善)などが行われます。

症状が軽ければ、自宅での対処で改善することもあります。

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犬がくっついてくる理由①寝る時

寝るときにくっつく犬

ここからは、犬がくっついてくる理由についてご紹介していきます。
まずは、寝る時に犬がくっついてくる理由から見ていきましょう。

◆リラックスしている

寝ようとして飼い主さんのそばにくっついてくるとき、愛犬はリラックスしているに違いありません。

人間でも同じですが、寝る時は、一番無防備になりますよね。そのため、ワンちゃんも、より安心して寝られる環境や状況を望むのです。

飼い主さんの体温や匂いを直に感じることで、安心して休むことができるため、安眠したいときにくっついてきます。安心できることから、非常にリラックスした状態と言えますね。

◆飼い主を信頼している

無防備に眠っているときに何かあっても、飼い主さんに守ってもらえるという、飼い主さんに対する信頼感からくっついてくる場合もあります。

犬は群れをつくって、互いに協力し合いながら暮らしていました。そのため、休むときには群れの仲間と身を寄せあう習性があります。特に、信頼している相手に身体を預けるようにして休む習性から、野生時代には、群れのリーダーを中心に、仲間同士でくっついて休息を取っていました。

家庭犬にとって、家族は「群れ」で、飼い主さんは「リーダー」です。くっついて寝るのは、飼い主さんの近くが安心できるスペースだからで、群れのリーダーとして信頼している表れと言えます。


犬がくっついてくる理由②ごはんの後

愛犬が、ゴハンを食べた後、くっついてくることもありますよね。とても可愛いですが、愛犬が何を考えているのか気になります。

◆ごはんを食べた報告

単純に、「ごはんを食べたよ!」という報告の場合もあります。
ごはんをちゃんと食べた後に褒められたことを覚えていて、また褒めてもらいたいのかもしれませんね。

◆ごはんをくれた感謝の気持ち

犬にとって、食事は非常に重要なものです。その食事を与えてくれた飼い主さんに対して、「おいしかったよ!ごちそうさま」「ごはんをくれて、ありがとう!」という感謝の気持ちを、くっついてくるという行動で表現しているのでしょう。

また、非常に重要な食事の後で行う行動は、犬の中で特に重要な行為や存在であると考えられます。ゴハンを食べてすぐ、飼い主さんにくっついてくるのは、飼い主さんを「最も重要な存在」として認めているサインと言えるでしょう。


犬がくっついてくる理由③おしりや背中にくっつく

愛犬がくっついてくるときに、飼い主さんに背中を向けてきたり、お尻をくっつけてきたりすることがよくありますね。人間同士であれば、背中を向けたり、お尻をくっつけたりするのは失礼に当たりますが、犬の場合は事情が異なります。

◆背中を預けている

人間にとっても、自分で見ることのできない背後は、「弱点」と言えますね。アクション映画などで、「背中を預ける」というシーンを見ることもあります。これは、背中を預け合うことで、見ることができる範囲を拡げると同時に、弱点である背中を互いに守っているのです。

犬が背中やお尻を飼い主さんにくっつけてくるのも、同様と考えていいでしょう。特に、野生下の犬にとって、お尻や後ろ脚にケガをすることは命の危険に直結しているので、背中を預け合うのは非常に大切なことだったのです。

◆飼い主を信頼している

犬にとってはお尻や後ろ脚にケガをすることは、走れなくなることであり、狩りをすることも外敵から逃げることもできなくなるということです。そのお尻をくっつけてくるのは、弱点を見せても大丈夫という信頼感の表れと言えます。


犬がくっついてくる理由④飼い主の移動の際

飼い主さんが、部屋を移動したり、ちょっと物を取りに立ったりするだけで、くっついてくることもよくあります。時には、トイレやお風呂の「出待ち」をするワンちゃんも。

◆寂しい

甘えん坊のワンちゃんによく見られます。大好きな飼い主さんと離れるのが、寂しいのかもしれません。トイレやお風呂は飼い主さんが入った後、ドアが閉まっているので、いっそう寂しく感じるのかもしれないですね。

また、飼い主さんの行動を覚えていて、外出するかもしれないと感じていることもあるでしょう。お留守番をすることになるかも、と寂しいのかもしれません。

◆どこにいくのか気になる

好奇心の強い子であれば、飼い主さんがどこに行くのか気になるかもしれません。「どこに行くの?」「何するの?」と、飼い主さんの行動をチェックしているのでしょう。


犬がくっついてくる理由⑤膝に乗ったり手をかけてくる

犬

飼い主さんがソファなどに掛けているときに、愛犬が膝に乗ったり、手をかけてきたりすることも多いです。この時の犬の心理は、どのようなものでしょうか?

◆構ってほしい

「寛いでいるくらいなら、構ってよ」と思っているのかもしれません。遊んだり、撫でたりして欲しくて、合図をしているのでしょう。遊んでほしくて、お気に入りのおもちゃを持ってくることもありますよね。

そんな時は、一旦オスワリなどをさせてから、遊んだり撫でてあげたりするといいですね。とはいえ、他に用事があるなど、構ってあげられないときには飼い主さんを優先させても大丈夫です。むしろ、いつも応えていると、わがままになることもあるので、注意した方がいいでしょう。

◆甘えている

小型犬であれば膝に乗ってきたり、中型犬以上の子であれば顎を乗せてきたりすることが、よくありますね。時には、そのまま寝てしまうことも。

これは単純に、飼い主さんに甘えているのでしょう。余裕があれば、そのままにしておいてあげると、愛犬も満足することでしょう。満足すれば、自分から降りていきますよ。
もし、用事があるなどで立ち上がらなければならない場合には、「あとでね」などと声をかけて、膝からそっと下ろしましょう。


まとめ

愛犬がくっついてくるのは、飼い主さんに対する愛情表現です。犬は社会性の高い動物なので、スキンシップやアイコンタクトで、人とコミュニケーションを取ろうとします。つまり、くっつくことで飼い主さんとコミュニケーションを取っているんですね。
くっついてくるときの愛犬の心理を理解して、上手に応えてあげると、きっと愛情や信頼関係がより深まることでしょう。
ただし、要求の全てに応える必要はありません。飼い主さんの都合によっては、「また後で」と声をかけて、そっと制することも大切です。
また、あまりにも過度にくっついてくる場合には、分離不安の可能性があります。問題行動などの症状が重い場合には、獣医師さんに相談することをおすすめします。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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