1.犬の外飼いは法律で禁止されているのか
2.犬を外で飼うデメリット5選
2-1.気温や湿度に体調が左右される
2-2.不衛生になりやすい
2-3.体調の変化に気が付きにくい
2-4.事件や事故にあう可能性がある
2-5.コミュニケーションの機会が不足する
4.室内飼いだけど外が好きな犬について
4-1.外が好きな犬種とは
4-2.庭を整備して遊べる区間をつくる
4-3.ドッグランに連れて行く
4-4.お散歩の時間をしっかりと取る
犬の外飼いは法律で禁止されているのか
犬を外で飼うことに関して、法律で禁止されてはいません。
ただ、マンション生活の増加や、ペットは家族の一員という考えの定着から、屋外飼育している家庭数はかなり減ってきています。
犬を外飼いすることには、室内が汚れない、番犬になってくれる、外が好きな個体であればストレスが溜まりにくい、などといったメリットがあるのは確かです。
しかし注意点やデメリットを抑えておかなくては、愛犬が健康被害を起こしたり、事故に繋がる可能性も考えられます。
小型犬など、室内飼育が推奨される犬種もいるので、十分注意しなくてはいけないのです。
まずは、犬を外で飼うことで考えられるデメリットについて解説していきますので、しっかりチェックしていきましょう。
犬を外で飼うデメリット5選
犬の外飼いで考えられる主なデメリットを5つ挙げていきます。誤った飼育方法を取らないように、きちんと頭に入れておきましょう。
◆気温や湿度に体調が左右される
犬を外で飼う場合、犬小屋や柵などを利用する方が多いでしょう。
屋根付きのタイプを使う方も多いですが、とはいえ屋外なので、冬は寒く、夏は暑いといった季節や天候の影響を受けやすい飼育環境となります。
人間も季節の変わり目に、急激な温度・湿度の変化で体調を崩すことがありますよね。これは犬にもいえることなのです。
外にいる愛犬は、常に温度変化にさらされることとなりますよね。日本は外国に比べて、時間・季節による温度変化が激しい国ともいえます。朝と夜とで大きく気温が変わることも珍しくありませんし、地域によって気候の差も大きいでしょう。
冬場は寒さから低体温症など、夏場は暑さから熱中症などの症状に十分注意しなくてはいけないのです。
◆不衛生になりやすい
屋外は室内に比べると、やはり不衛生な環境が多いといえます。
地面に何が落ちているか分かりませんし、愛犬がゴミや虫を口にしてしまうリスクも高いでしょう。
さらに、ノミやダニ、寄生虫などに感染して病気にかかってしまう可能性も考えられます。
また、常に外で生活をしていると被毛も汚れがちです。
室内飼いのワンちゃんと比べると、清潔を保つことが難しく、頻繁にシャンプーが必要になるでしょう。そのため、日々のケアも大変になってきます。
愛犬自身の衛生に配慮することはもちろん、加えて犬小屋や飼育スペースの掃除もこまめに行う必要があると考えておきましょう。
◆体調の変化に気が付きにくい
愛犬が常に屋外にいるということは、飼い主さんの目が届きにくい状態にあるということです。
そういった面から、体調の変化・悪化に気付きにくく、健康管理が難しくなるといえるでしょう。
室内飼いであれば部屋の中に愛犬がいるので、視界に入ることが多く、触れあう機会も多いのですが、外飼いでは、餌の時間や外出する際など、愛犬を確認できる機会が限られてきます。
犬は体調不良を自分から伝えることができないため、飼い主さんが気付いてあげる必要があります。
トイレの頻度や元気のなさなど、普段と違う些細な変化に気付くためには、やはり常日頃から観察しておくことが重要なのです。
愛犬の変化に気付けずに病気や怪我が放置され、進行・悪化の原因となるケースがあることを覚えておきましょう。
◆事件や事故にあう可能性がある
外で犬を飼うということは、室内飼いに比べて、安全面でも劣るといえます。
愛犬が脱走する危険がありますし、見知らぬ人からイタズラや虐待を受けるといった恐ろしいリスクも考えられるのです。誘拐や事件・事故に巻き込まれる可能性も大きくなります。
愛犬が脱走した場合には、交通事故に遭ったり、誰かに噛み付くなどして怪我をさせてしまう場合も考えられますよね。
外飼いをしている飼い主さんのほとんどが、戸建ての住居で屋外に飼育スペースを設けていると思います。
中には柵の中で放し飼いにしているパターンもありますが、基本的には首輪・リードで繋いでいる家庭が多いのではないでしょうか。首
輪やリードは、犬が強く引っ張ることで抜けたり切れたりしてしまう可能性があり、解放されて自由に行動できると知った犬は脱走して敷地外に出てしまう場合が多いのです。
取り返しのつかない事態を招きかねないリスクがあるということを、しっかり認識しておきましょう。
◆コミュニケーションの機会が不足する
愛犬と信頼関係を築くことは、一緒に生活していく上でとても大切なことです。
愛犬が飼い主さんを信頼できていなければ、コマンドを聞かない、問題行動を起こすなど、毎日の暮らしの中でさまざまな障害が起こる原因ともなり得るでしょう。
犬を外で飼うことで触れ合う機会や視界に入らない時間が長くなることから、コミュニケーションをとる時間が不足することが心配されます。
もちろん個体の性格にも左右される問題ですが、やはり室内犬と比べると、愛犬が寂しい思いをする場合が多いのではないでしょうか。
外飼いの犬はご近所トラブルに注意
犬を外で飼うことで起こりやすい代表的な問題が、ご近所トラブルだといえるでしょう。
飼い主さんからすると、愛犬は愛らしいペットや家族の一員といった存在ですが、犬が苦手な方も少なくありません。
動物や犬が苦手な方からすると、用事があるのに犬がいるから家に近づけない、家の前を通ったら吠えられるので恐れを感じるなど、常に外にいる愛犬に対して負の感情をもたれることも珍しくないのです。
また、騒音トラブルも起こりがちな問題です。住居の場所や飼育スペースにもよりますが、早朝や深夜の吠え声で周囲に迷惑をかけてしまう場合があります。
さらに、悪臭問題も起こり得るでしょう。愛犬の排泄物によって悪臭が発生したり、不衛生な環境のまま放置すると、近隣の住民も快適な毎日を過ごせなくなってしまいますよね。
飼育環境や衛生保持には十分に注意し、適切に対応できるよう検討することが必要です。
室内飼いだけど外が好きな犬について
基本的に現代の日本ではやはり室内飼いがおすすめですが、外で飼わなくてはいけない事情を抱える方も中にはいるでしょう。
そこで、比較的屋外を好む犬種、外飼いが可能だといわれている犬種を紹介していきましょう。
もちろん個体差はありますので、あくまで参考とする情報として覚えておいてください。
◆外が好きな犬種とは
◎独立心の高い日本犬!
柴犬・北海道犬・甲斐犬・秋田犬・紀州犬・四国犬の6種類は、日本の天然記念物にも登録されている、日本で作出された犬種です。
日本の気候の変化にも対応できるため、外で飼うのに最も向いている種類だといえるでしょう。
また、独立心(自立心)や警戒心の強い子が多い為、外で飼った場合、番犬としても活躍する可能性があります。
◎寒さに強いダブルコートの犬種!
ダブルコートとは、被毛に上毛と下毛をもつタイプの種類で、一般的に抜け毛が多いとされる犬種です。
ちなみに、シングルコートを持つ犬種には下毛がないので、抜け毛が少ないといわれています。
寒い地域での外飼いでは、寒さに強いダブルコートをもつ犬種でなくては、気温の低下に耐えられない可能性があるでしょう。
ただし、暑さには弱い種類ともいえるため、夏場などは熱中症などを発症する危険性が高まります。時期によっては、気温の変化に常に気を配らなくてはいけません。
ダブルコートをもつ犬種は沢山いますが、外飼いに向いていない小型犬を除いた中~大型犬の犬種例をあげておきましょう。
コーギー・シェットランドシープドッグ・ボーダーコリー・ゴールデンレトリバー・ラブラドールレトリバー・スピッツなど。
尚、ダブルコートの種類の全てが外飼いに向いているとはいえないので、その点については誤った認識をしないよう注意してください。
特に、シベリアンハスキー・サモエド・バーニーズなどの寒い地域出身の犬種は、寒さには強いのですが暑さには非常に弱いです。
夏の暑い時期には、室内の涼しい環境で育てる必要があるでしょう。
◎運動量が必要な大型犬!
チワワやトイプードルなどの小型犬と比べると、大型犬には多くの運動量が必要だといえます。
敷地内の庭などに大きな飼育スペースを確保できるのであれば、大型犬が運動不足でストレスを抱えるリスクを減少できる可能性があるでしょう。
もちろん、加えて毎日の散歩は必要不可欠ですよ。
◆庭を整備して遊べる区間をつくる
外遊びが大好きなワンちゃんや、前述したように愛犬が大型犬である場合は、庭に愛犬が自由に遊べるスペースを作ってあげるのがおすすめです。
庭のある住環境を持っている家庭に限られたことですが、屋外の敷地内に余裕があるのであれば、是非整備して愛犬専用スペースを作ってあげましょう。
柵などの区切りはしっかりとした作りにして、脱走や事故などが起こらないよう十分注意してくださいね。
犬猫の脱走は飼い主さんの心身負担ともなりますし、何よりペットをかわいそうな目に合わせる結果ともなりえます。特に大型犬であれば、柵や仕切りには高さに余裕をもって作るようにしましょう。
トイレスペースも設けて、こまめに清掃することも意識してください。
尚、愛犬を屋外で遊ばせるときは、その行動をしっかり観察し、飼い主さんの目の届く時間帯を利用すると安心です。放したまま放置するのは危険なので止めましょう。
◆ドッグランに連れて行く
自宅に十分な運動スペースを確保できない場合は、毎日の散歩に加えて、ドッグランに連れて行くことをおすすめします。
子犬の頃からドッグランを利用できれば、社会性を培うのにも効果的ですよ。
愛犬を思いっきり自由に走らせてあげることができるのがドッグランの魅力の一つですが、利用している間は飼い主さんが目を離さないように気を付けましょう。
他の犬や飼い主さんとのトラブルが起こる可能性もあるので、しっかりその施設の注意点やルールを守って利用してくださいね。
◆お散歩の時間をしっかりと取る
散歩時間や運動の必要量は、犬種または個体によってさまざまです。
運動量が足りていなければストレスの原因となり、愛犬が健康被害を起こす可能性もあるのです。
外が大好きだったり、沢山の運動量を必要とする場合は、しっかりと散歩の時間を確保しましょう。
適切量が分からない、自分のやり方で大丈夫かな?と不安を感じるという方は、プロ監修の飼育本を確認したり、ブリーダーやドッグトレーナーなど専門家に相談してみるのもよいでしょう。
まとめ
犬を外で飼う場合、注意点やデメリットをしっかり把握しておかなくてはいけません。その理由をきちんと認識して、飼い犬の安全や健康に十分配慮しましょう。
外飼いに向いている犬種といっても、全ての個体にそれが当てはまるわけではありません。
やはり安全面や健康面を考えると、室内飼いが個人的にはおすすめです。
各家庭にそれぞれ事情があるとは思いますが、外で愛犬を飼育する場合は、必ず飼育環境の整備、手入れ、愛犬の心身の健康に注意し、ご近所トラブルが起こらないように努力していってくださいね。
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