犬は味噌を食べても大丈夫?注意点をしっかり覚えておこう!

2024.04.06

犬は味噌を食べても大丈夫?注意点をしっかり覚えておこう!

私たち日本人には欠かせない食べ物である味噌。実は1000年以上前から食べられている調味料なのです。現在では日本に限らず世界中で有名だといえるこの味噌ですが、ペットフードが普及していない時代には、人間用の味噌汁をご飯にかける「猫まんま」としてペットに与えられていこともありました。それでは、犬に味噌を与えることに問題はないのでしょうか?今回は味噌に注目して、その栄養素や注意点を紹介していきます。

犬に味噌を与えてもいいの?

味噌

味噌の原材料は一般的に、大豆・(種類によって)米や麦、種麹、塩、水です。味噌にも様々な種類はありますが、共通している原料は概ねこれらとなります。
ドッグフードに使用されることがある、大豆・米・麦・麹などの原材料がメインのため、犬にとって危険なものは含まれていないといえるでしょう。
こういった理由から味噌は、ごくごく少量であれば犬に与えても大丈夫だといえます。
なぜごく少量かというと、味噌に含まれる塩分量がとても多いため、与えすぎると愛犬が体調を崩してしまう可能性があるからです。
「猫まんま」の様に味噌汁として与えてしまうと、明らかな塩分の過剰摂取となります。また、何らかの持病をもつワンちゃんの場合は、ごく少量の味噌でも塩分過多となり、症状が悪化してしまう可能性も考えられるのです。
味噌は量に気を付ければ犬に与えても問題のない食材ではありますが、あえて与える必要はない食べ物だと認識しておくとよいかもしれませんね。


犬の1日の塩分摂取量

犬に必要なナトリウム摂取量には諸説ありますが、成犬1日の推奨値は体重1kgあたり50mgだといわれています。
これを基準に考えた場合、体重5kgの子には1日に250mgのナトリウムが必要だということになりますよね。
これを塩分に換算すると、体重5kgの場合には約0.64gの塩分が1日の摂取量となるのです。
とても少ない量ではありますが、犬が全く塩分を摂取する必要がない、というわけではありません。
塩に含まれるナトリウムには、体内を循環する血液量・細胞間液のコントロール、浸透圧の調整、酸とアルカリのバランスを保つ、などの大切な働きがあるのです。
これらの働きは、犬の健康維持にとってもとても重要なことであるため、犬にもある程度の塩分を摂取する必要があるというわけですね。


味噌の栄養素

味噌には様々な栄養素が含まれていますが、その中には、犬にとっても魅力的な成分があります。
その内の4つの栄養素について解説していきましょう。

◆タンパク質

味噌に含まれているたんぱく質は、植物性の大豆タンパク質です。すでに酵素によって分解されているため、大豆の段階で食べるよりも吸収しやすい状態になっている、という嬉しい特徴をもっています。
ちなみに大豆には、ホルモンバランスを整える、カルシウムの吸収を高める、脳神経・細胞の維持に役立つなどの、様々な効果が期待できます。

◆必須アミノ酸

必須アミノ酸とは、体内で生成することができないため、食品から摂取する必要があるアミノ酸のことです。
この必須アミノ酸の内、犬に必要な8種類の全てがみそには含まれているのです。
ただ前述したように、犬が摂取しても良い味噌の量はごくごく少量となります。このため、必要な量の必須アミノ酸をみそで満たそうと考えるのはNGなので注意しましょう。

◆食物繊維

食物繊維には、水に溶けやすい水溶性、溶けにくい不溶性の2種類が存在します。味噌に含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維の方です。
この水溶性食物繊維には、腸内の善玉菌を増やす効果があります。これにより、腸内環境を整える働きをしてくれるのです。

◆ナトリウム

味噌には様々なミネラルも含まれています。中でも最も多く含まれるのは、ナトリウムです。
摂取しすぎると体に悪影響を及ぼす原因となる成分だといわれていますが、体内の血液量、細胞液をコントロールして、水分バランスを整える役割がある重要な栄養素だともいえます。
適切な量を摂取することで、健康維持にとって大切な存在となるでしょう。


犬に味噌を与えることによるメリット

犬

豊富な栄養素を含み且つ発酵食品であることから、解毒薬・消化促進などの様々な効果を期待できる味噌。
しかし犬に与えられる量はごく少量であるため、一番の効果は香りによる食欲増進作用だといえるでしょう。
犬は人間よりも嗅覚が発達している動物です。ごく少量の味噌でも、その良い匂いを感じ取ることができるのです。
愛犬がドッグフードに飽きたり、食いつきが悪い場合には、ほんの少しの味噌を普段の食事に混ぜてあげたり、手作り食の材料やトッピングとして利用してあげるとよいかもしれませんね。


犬に味噌を食べさせる際の注意点

犬に味噌をあげる

紹介してきたように、含まれる塩分に注意が必要な味噌。
愛犬にとって魅力的な栄養素を含む食材ですが、やはり与える際には注意が必要です。
以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。

◆味噌汁はNG

味噌汁の主な原料は、味噌と塩です。様々な味噌の商品が販売されていますが、塩分が含まれている味噌に更に塩を追加して作るレシピが味噌汁だといえます。
このため犬にとって味噌汁は、ごく少量でも過剰な塩分量となる可能性の高い食べ物なのです。
昔の時代のように味噌汁にごはんを混ぜる「猫まんま」を愛犬に与えることは、決してしないよう注意してください。

◆必ず少量にすること

冒頭からお伝えしている様に、味噌はとても塩分量の高い食品です。毎日味噌を与える必要はもちろんありませんし、その量には十分注意しなくてはいけません。
犬に与えても問題ないとされる量の目安は以下の通りです。

◎体重5kg以下の成犬:小さじ5分の1程度(約1.2g)
◎体重10kg以下の成犬:小さじ4分の1程度(約1.5g)
◎体重20kg以下の成犬:小さじ3分の1程度(約2g)

この様に、犬に与えて良い味噌の量はごく少量であり、それ以上を食べさせてしまうと、塩分の摂り過ぎで病気となってしまう可能性が高まるので注意が必要です。
中毒症状や血圧の急激な上昇、更に心臓・腎臓へ悪影響を与えてしまうリスクがあることを忘れないでください。
尚、内臓系に持病がある犬はもちろん、子犬や老犬には与えない方が無難でしょう。
ちなみに、塩の種類によっては重さも違いますし、小型犬や大型犬といったサイズや特徴、個体差によっても適正量には差がでます。愛犬の様子を見ながら、ごく少量を与えることを徹底してくださいね。
参考までに味噌の種類ごとの塩分量も紹介しておきましょう。

<味噌の塩分量>
◎甘みそ
・100gあたりの塩分量/6.1g ・大さじ1杯(約18g)の塩分量/約1.09g ・小さじ1杯(約6g)の塩分量/約0.36g

◎淡色辛みそ
・100gあたりの塩分量/12.4g ・大さじ1杯(約18g)の塩分量/約2.23g ・小さじ1杯(約6g)の塩分量/約0.74g

◎だし入りみそ
・100gあたりの塩分量/11.9g ・大さじ1杯(約18g)の塩分量/約2.14g ・小さじ1杯(約6g)の塩分量/約0.71g

◎だし入りみそ(減塩)
・100gあたりの塩分量/9.7g ・大さじ1杯(約18g)の塩分量/約1.74g ・小さじ1杯(約6g)の塩分量/約0.58g

◎麦みそ
・100gあたりの塩分量/10.7g ・大さじ1杯(約18g)の塩分量/約1.92g ・小さじ1杯(約6g)の塩分量/約0.64g

◎豆みそ
・100gあたりの塩分量/10.9g ・大さじ1杯(約18g)の塩分量/約1.96g ・小さじ1杯(約6g)の塩分量/約0.65g

◆アレルギーに注意

食物アレルギーと聞くと、人間でいえば卵・乳製品・小麦・エビ・蕎麦・ピーナッツなどがアレルゲンとして頭に浮かぶ方が多いでしょう。
犬の場合は、肉類・小麦・乳製品・卵などがアレルギー発症の原因となることが多いようです。
主に大豆から作られている味噌では、これらの食材と比べてアレルギー発生の頻度は高くありません。
しかし、100%アレルギー症状が起こらないとは言い切れず、中には味噌を食べることで大豆アレルギーを発症してしまう子も稀にいるのです。
このため、味噌を愛犬に初めて与えるときは、飼い主さんがしっかりと愛犬の様子を観察することを徹底しましょう。
万が一愛犬に異常な状態が見られる場合は、動物病院を受診して獣医師に相談してください。

◆誤食に気を付ける

犬の多くは一般的に、発酵食品のニオイが大好きだといわれています。味噌は発酵食品の代表ともいえる食材なので、ほとんどの犬が好む香りがするといえるでしょう。
また、味噌は日本人に欠かすことのできない調味料でもあるため、家庭に常備していないことの方が少ないです。その分、愛犬が誤って味噌を誤食する可能性も低いとはいえませんよね。
ごく少量を舐めてしまい、特に何かしらの症状が現れないようであれば問題はないことが多いですが、それ以上の量を食べてしまい異常が見られるようであればすぐに病院を受診してください。
また、人間用の味噌汁にはネギやたまねぎなど、犬にとって危険な食材が入っている場合もあります。塩分以外にも健康被害を招くリスクが高まることとなるので、味噌やみそ汁の誤食には十分注意しなくてはいけません。


まとめ

日本を代表する発酵食品であり、犬にとっても魅力的な栄養素を多々もつ味噌。
タンパク質や食物繊維などの紹介してきた成分の他にも、炭水化物・乳酸菌・ビタミンEなど多くの栄養成分が含まれています。
塩分量が多いため、与える量には十分注意する必要がありますが、上手に利用することで愛犬の食欲不振などを改善できる可能性があるでしょう。
ネット上では味噌を使った犬用レシピの紹介記事もたくさんありますので、そういった情報を参考にするのもおすすめです。
愛犬が毎日安心で健康な日々を過ごせるように、食生活の面でもケアしていけるとよいですね。2024年もまだまだ序盤です。また1年間元気に過ごしていけるよう、尽力していいきましょう。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


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