コリーの種類と特徴を解説 | かかりやすい病気や飼い方の注意点も

2024.05.19

コリーの種類と特徴を解説 | かかりやすい病気や飼い方の注意点も

コリーは、その美しい外見と賢さで人気の犬種です。ラフコリーやシェルティなど様々な種類が存在し、それぞれに特有の性格や特徴があります。この記事では、コリーの種類ごとの特徴と、飼い主が知っておくべき病気や飼い方の注意点について詳しく解説します。

コリーはどんな種類の犬

コリーはその美しい風貌や忠実な性格で人気の犬種です。ここでは、コリーの歴史や性格について解説します。

◆コリーの歴史

コリーの歴史は非常に古く、そのルーツは紀元前50年頃にまで遡ります。コリーはもともと牧羊犬として活躍していた犬種で、原産国と考えられているスコットランドは古代ローマのほぼ支配下にありました。ローマ人がスコットランドへと持ち込んだ犬が、コリーの祖先にあたると考えられています。

16世紀頃からスコットランドのハイランド地方で牧羊犬として活躍していた犬がコリーの起源だとされています。当時のコリーは現在のボーダーコリーに近かったようで、現在の形になるまでにはボルゾイの血が入れられたのではないかと推測されています。

1860年にスコットランドを訪れたヴィクトリア女王がコリーを気に入り、連れ帰ったことからこの犬の人気が高まりました。上流階級では愛玩犬として大流行し、戦時中は救護物資運搬犬や伝令犬としても活躍しました。

コリーの名前の由来には諸説ありますが、スコットランド・ハイランド地方の羊を「コリー」(アングロ・サクソン語で黒)と呼んでいたことや、ゲール語の「役立つ」という言葉に由来するという説が有力です。

現在、「コリー」と名の付く犬種は多くありますが、一般的に「コリー」と言った場合は、ラフコリーを指すことが多いです。ラフコリーは特に1867年に誕生した「オールド・クッキー」という犬の影響を強く受けており、セーブル・カラーという毛色を誕生させた犬としても有名です。

コリーの歴史は、その優れた牧羊犬としての能力だけでなく、人々に愛されるペットとしての魅力にも裏打ちされています。

◆コリーの性格

コリーは、非常に穏やかで従順な性格を持つ犬種です。ここではコリーがどんな性格なのかを、くわしく解説します。

活動的

コリーは元々牧羊犬として活躍していたため運動が好きで、十分な運動量と好奇心を刺激される遊びが必要です。

賢い

知能指数が高く、新しいしつけを覚えるのが得意で、人が喜ぶことに犬自身も喜びを感じます。しつけには苦労しませんが、甘やかすと飼い主の言うことを聞かない大型犬になる可能性があるため、幼犬期からしっかりとしつけを行うことが推奨されます。

人懐っこい

非常に愛情深く、家族に忠実で、子供たちとも仲良くなりやすいです。人と接するのが大好きで、コミュニケーションを密にとることで、喜びと信頼感を感じます。

警戒心

活発でありながら、時には非常に慎重で、警戒心が強い面もあります。

コリーは、その美しい外見と優れた性格から、家庭犬としても非常に人気があります。ただし、運動不足などのストレスがたまると、たまに吠えたり攻撃的になったりするため、日々の運動と適切なしつけが重要です。


代表的なコリーの種類

コリーの種類ごとの性格や特徴を知っておくことは、初めて飼う方にとって重要です。
犬種それぞれの個性を理解し、それに合った愛情とケアを与えましょう。

◆ボーダーコリー

ボーダーコリー

ボーダーコリーは、中型犬で体高は約46〜56cm、体重は約14〜20kg程度のスリムな体型をしています。その特徴的な外見には、短いコートとしっかりとした筋肉が際立っています。

この犬種の一般的な特徴としては、鋭い目つきと立ち耳、優雅な歩き方が挙げられます。特に、その瞳は知性と活力に溢れており、しっかりとした視線を持っています。また、しなやかな脚としっぽが、俊敏で軽快な動きを支える役割を果たしています。

毛色はブラック、ブルーマール、トライカラー、レッドマールなどがあり、独特の模様や色合いが個体によって異なります。その美しい被毛は、しっかりとしたブラッシングや定期的なトリミングで手入れをすることが重要です。

ボーダーコリーは、その外見だけでなく洞察力や俊敏性も高い犬種として知られています。そのため、外見の特徴が持つ知性と活力を適切に活かすことが、この犬種との関係をより深めるポイントと言えるでしょう。

◆ラフコリー

ラフコリー

ラフコリーは、イギリス原産の大型犬で、牧羊犬としても知られています。
非常に賢くやさしい性格をしており、家族や他のペットとも仲良くできる社交的な犬種です。しつけも覚えやすいですが、幼犬期からの適切なトレーニングが必要です。

長く美しい被毛、スマートな外見と気品に満ちあふれています。特に首まわりや足まわりの飾り毛が豪華で、細長い印象を与える顔立ちが特徴的です。

オスの体高は約56~61cm、体重は27~34kg。メスの体高も同じく約56~61cmで、体重は23~29kgです。
毛色はセーブル&ホワイト、トライカラー、ブルーマールの3種類が一般的です。

ラフコリーは股関節形成不全などの遺伝性の病気に注意が必要です。また、豊富な被毛のため暑さに弱く、適切な温度管理が求められます。

飼い方については、毎日のブラッシングや定期的な運動が必要で、特に暑い時期は熱中症対策が重要です。また、食事や健康管理にも注意を払い、愛情を持って接することで、ラフコリーは素晴らしい家族の一員となるでしょう。

◆シェットランドシープドッグ

シェルティ

シェットランドシープドッグは「シェルティ」という愛称でも知られ、以下のような特徴を持っています。

性格は非常に賢く、活発で、飼い主に対して愛情深く従順です。人を喜ばせることが大好きで、警戒心が強い一面もあります。
見慣れない人や物音に敏感に反応して吠えることがあるため、子犬のころから音や刺激に慣れさせることが大切です。

外見は小型のラフコリーと呼ばれることもあるほど、コリーに似た外見をしています。体高はオスで約37cm、メスで約35.5cmと中型犬に分類され、豊かな長毛の被毛を持っています。耳は半分立ち上がり、半分から先が軽く折れ曲がっているのが特徴です7。

毛色はセーブル、トライカラー、ブルーマール、ブラック&ホワイト、ブラック&タンの5色が認められています。

シェットランドシープドッグは膝蓋骨脱臼、消化不良、コリーアイ、進行性網膜萎縮症、てんかんなどの病気に注意が必要です。
また、特定の薬物に対して副作用を起こしやすい傾向があるため、投与前には獣医師に検査をしてもらうことが推奨されます。

シェットランドシープドッグは毎日のブラッシングや定期的な運動が必要です。早めのしつけが重要で、社会化トレーニングにより物怖じしない性格に育てることが大切です。また、暑さには注意が必要で、室温や湿度の管理に気を配る必要があります。

これらの特徴を理解し、適切なケアと愛情をもって接することで、シェットランドシープドッグは家族にとって素晴らしいパートナーとなるでしょう。

◆ビアテッドコリー

ビアデッド・コリーは、イギリス原産の牧羊犬です。
性格は陽気で友好的な性格をしており、人の言うことをよく聞き、理解しようとする賢さがあります。活発でスタミナがあり、アジリティやフリスビーなどのドッグスポーツやアウトドア活動に適しています。子犬から若犬のころは元気があり余っているため、しつけをすれば落ち着いた愛犬になります。

体全体を覆うふさふさの長い被毛と、犬種名となった「口ひげ(=ビアデッド)」が特徴的です。体高はオスで53〜56cm、メスで51〜53cm程度のやや小さめの大型犬で、体高より体長が長く、長い被毛の下に隠れた足はやや短めです。

毛色は濃淡さまざまなグレー、ブラック、フォーン、ブルー、ブラウン、サンディーなどと、ホワイトのツートーンカラーになることが多いです。

毎日の散歩と休日には広場で発散させることが推奨されます。また、長毛でダブルコートの被毛はからみやすく、毎日のブラッシングが必要です。年齢と目的に応じたフードを与え、暑さに弱いため熱中症対策も重要です。

◆スムースコリー

スムースコリーは、ラフコリーに似た容姿を持つ短毛タイプのコリー犬です。

性格は明るく陽気で賢いため、トレーニングは比較的容易です。しかし、やや人見知りする面もあるため、子犬の頃から多くの人との接触を通じて社会化を促進することが大切です。

オスは体高が約56~61cm、体重が約20.5~29.5kg。メスは体高が約51~56cm、体重が約18~25kgで、大型犬に分類されます。

毛色はセーブル&ホワイト、トライカラー、ブルーマールの3タイプが一般的です。体全体がホワイト、またはホワイトが優勢なのは好ましくありません。

毎日の運動が必要で、朝夕30分程度の散歩を欠かさないようにしましょう。また、知的な遊びやスポーツを取り入れるのもおすすめです。被毛のお手入れは週に1回程度、お湯に浸してかたく絞ったタオルで全身を拭いたり、ラバーブラシでマッサージを兼ねて抜け毛を取り除いたりすると良いでしょう。


コリーがかかりやすい病気

コリーがかかりやすい病気には、以下のようなものがあります

コリーアイ異常(CEA)

コリー系の犬種に多く見られる遺伝性の目の病気で、脈絡膜という眼底を包む組織に欠損や薄い部分が発生することがあります。症状は個体差が大きく、無症状の場合もあれば、重症化して失明するケースもあります。

進行性網膜萎縮

目の奥にある網膜が変性・萎縮し、正常に機能しなくなる病気です。初期は夜盲の症状が見られ、進行すると日中も視力が低下し、最終的に失明に至ることがあります。

股関節形成不全

股関節が緩み、炎症や痛みがあらわれる病気で、肥満や外傷が原因となることもあります。生後4ヶ月~1才くらいの子犬期に多く見られます。

肘関節異形性

前足の肘関節がうまく連結せず、その周辺の骨や軟骨に炎症を引き起こす病気です。早期発見が治療のカギを握ります。

これらの病気は遺伝的要因が大きいため、予防が難しい場合もありますが、早期発見と適切な治療が重要です。定期的な健康診断と、異変に気づいた際の迅速な対応が求められます。また、適切な体重管理や栄養バランスの取れた食事、適度な運動が予防につながることもありますので、愛犬の健康管理には十分注意しましょう。


コリーを飼う際の注意点

コリーを飼う際には、以下の点に注意してください。

運動量

コリーは活発で運動を必要とする犬種です。毎日の散歩や運動が不可欠で、特にボーダーコリーは1日2回、各60分程度のお散歩が推奨されています。

しつけ

コリーは賢く学習能力が高いですが、明確な指示と一貫性のあるしつけが重要です。飛びつきグセなどの行動を予防するためにも、日頃から「マテ」の練習などが効果的です。

健康管理

特定の遺伝性の病気に注意が必要です。定期的な健康チェックと、異変に気づいた際の迅速な対応が求められます。

食事

良質なたんぱく質を中心に、脂質や炭水化物などバランスのとれた食事を与えることが大切です。手作り食を与える場合は、栄養のバランスに注意しましょう。

生活環境

床が滑らないように対策をし、愛犬が安心して過ごせるようにサークルやケージで仕切って休む場所を作ることが推奨されます。


まとめ

今回はコリーの種類や性格などの特徴について解説しました。
コリーは家庭で飼いやすく、適切な環境とトレーニングで素晴らしいパートナーとなります。種類ごとの特徴を理解し、適切なお世話を行うことが大切です。賢い性格と美しい容姿で人気のあるコリーは、愛情を持って接してあげると、豊かな絆が築けるでしょう。



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