【獣医師監修】自宅で出来る愛犬の健康チェック!確認ポイントをご紹介!

2024.04.29

【獣医師監修】自宅で出来る愛犬の健康チェック!確認ポイントをご紹介!

愛犬にしてあげられる健康チェックは血液検査やレントゲン検査だけではありません。おうちで行える簡単な健康チェックを習慣づけておくだけで、愛犬に変化が起こった時にすぐ気づいてあげられるようになります。 今回の記事では、おうちで出来る犬の健康チェックについて解説しますので、是非、日々の生活の中で意識してみてください。

犬の顔周りのチェックポイント

犬の顔アップ

愛犬の顔の周りの健康チェックをすると、目や鼻などそれぞれの場所の異常が見つかるだけでなく、全身の不調のサインが見られることもあります。私たちが貧血などの際に顔色が悪くなることと一緒ですね。顔周りの健康チェックは慣れてしまえば、日々のスキンシップの中で簡単に行えるものばかりなので、日常的に行っていきましょう。

◆目

目の異常は治療が遅れるとその後の視力に影響する怖いものもあります。また、軽度の異常でも愛犬自身が不快感からこすりつけたり、掻いてしまったりして、傷が入ってしまう場合もあります。
日頃から目の健康チェックをしておくことで、異常が起こった時にすぐに気づいて対応することができます。
また、日常的に目の健康チェックに慣れさせておくことで、いざ治療が必要になった時に、点眼や拭き取りをスムーズに行えます。しつけの一環として、おやつなどでご褒美を与えながら、楽しく取り組むことをおすすめします。
以下の点に注意して愛犬の目の健康チェックをしてみましょう。

・ものにぶつかったり、水やフードの位置がわからなかったりしていないか
・目の周りが腫れたりしていないか
・目を開けづらそうにしていないか
・涙や目ヤニが多くないか
・目をこすったり、掻いたりしていないか
・目の周りにしこりができていないか
・白目が充血していないか
・白目が黄色っぽくないか
・左右の黒目の大きさがおかしくないか
・黒目が白く濁っていないか

◆鼻

犬の鼻の中は、外からは見えませんが、外部から鼻全体が腫れていないかチェックするとともに、鼻汁や血液など分泌物がないかという点にも注意しましょう。
若い犬ではアレルギーや感染症などでくしゃみや鼻汁が出ることが多いです。一方、高齢犬になると、鼻腔内の腫瘍で顔が腫れてきたり、歯根の化膿で鼻汁が出たりすることが増えてきます。
特に以下の点に気をつけて日頃から愛犬の健康チェックをしておきましょう。

・鼻から目頭にかけて腫れたりしていないか
・鼻血や鼻水など分泌物が出ていないか
・くしゃみをしていないか
・適度に湿っているか

◆口

口の中は意識して見ないと見落としてしまいます。しかし、歯周病など歯や歯茎の問題に加えて、「できもの」ができてしまうこともあります。
また、呼吸器や循環器の問題で、体中に血液や酸素がちゃんと行き渡っていないと、口の中の粘膜の色や舌の色の変化として表れることがあります。
口の中の問題で犬が不快感を覚えている場合は、口の周りを触られることを嫌がるようになります。元々、口へのスキンシップが苦手な犬だと、さらに口への触れ合いを嫌がるようになるので、問題の起こっていないうちから、健康チェックを通じて口を触られることに慣れておくことをおすすめします。
理想的には毎日歯磨きを行い、その際に一緒に以下の点を健康チェックができると良いです。

・食べる時に痛がっていないか
・食べこぼしが増えたりしていないか
・口臭がきつくないか
・口の周りの皮膚が荒れていないか
・よだれが多く出ていないか
・舌の色が淡かったり、紫色だったりしないか
・歯は汚れていないか
・歯茎が腫れたりしていないか
・口の中にできものができていないか

◆耳

犬は外耳炎をとても起こしやすい生き物です。軽度の外耳炎から、中耳炎へと発展する場合も多いので、耳に異常が見られた場合は早めに処置して完治させておきたいものです。また、高齢になると耳の機能自体が衰えて音が認知できなくなることもあります。
定期的にトリミングに出している犬は、トリマーさんが耳や皮膚の健康チェックしてくれることが多いですが、ご自宅で洗われている場合は特に注意して健康チェックをするようにしましょう。
具体的には以下の様子に気をつけて健康チェックをすると良いです。

・呼びかけに反応するか
・耳を掻いたり、振ったりしていないか
・触った時に痛がらないか
・耳の入り口や周りが赤くなっていないか
・黒い耳垢や汁が出ていないか
・黄色くなっていないか

顔周りは日常的に一番よく見る部分なので、異常が出てきた時に気づきやすい場所ではありますが、白目や耳の中、口の中など、意識して健康チェックをしないと見落としてしまうこともあります。日頃の生活の中で健康チェックを意識して触れ合うだけでかなり違うので、できるところから取り入れてみてください。


犬の体のチェックポイント

犬の体

からだ全体の健康チェックで気をつける点は、肥満や痩せすぎなどの体型に関する点と、皮膚炎や「できもの」がないかといった点です。また、お尻や爪など体の中でも特定の場所に起こりやすい異常もありますので、注意して健康チェックをしておきましょう。

◆からだ全体

からだ全体に関する健康チェックで、気をつけておくポイントは以下のようなものです。

・痩せすぎて肋骨が浮き出ていないか
・太り過ぎてくびれが無くなっていないか
・脱毛や皮膚炎はないか
・かゆがっていないか
・フケが多くないか
・「できもの」はないか
・ノミやマダニなどが寄生していないか

◆お尻周り

お尻周りの健康チェックをしておくことは、健康上の理由に加えて、衛生面からもおすすめされます。

・お尻の周りが汚れていないか
・腫れていないか
・お尻を痛がったり、こすりつけたり、舐めたりして気にしていないか
・お尻の周りにしこりが出来ていないか

◆爪

健康チェックを行う場合は、爪も意識して見ておきましょう。爪が伸びすぎていると、カーペットに引っかかって折れてしまうことがあります。また、歩く時に地面に当たり、傷がつきやすくなります。
トリミングに出さない犬は特に注意しましょう。

・爪が伸びすぎていないか
・爪の周りをしきりに舐めたり噛んだりしていないか
・歩いた時にカチャカチャ音が鳴っていないか


犬の動作のチェックポイント

くつろぐジャックラッセルテリア

◆呼吸

犬の健康チェックを行う際、呼吸の状態も重要なチェックポイントです。呼吸の状態は、肺や喉の異常により変化します。呼吸器の異常は命に関わるものもあるので特に注意して健康チェックを行うことが必要です。
健康な犬の呼吸数は、小型犬では1分間に20~30回、大型犬は10~15回です。大型犬の方がゆっくり呼吸をします。

・呼吸数が多くないか(パンティング以外で、1分間で40回を超えていると明らかに多い)
・咳をしていないか
・少し運動をしただけできつそうではないか
・呼吸の時、変な音がしていないか(ヒューヒューやゼーゼーなど)

健康チェックにおいて呼吸の異常が見られる場合は早めに動物病院を受診しましょう。また、異常が認められた場合はスマートフォンなどで動画を撮影しておくと、獣医師への説明がスムーズに行える上に、後日症状が良くなっているのか比較がしやすくなるのでおすすめです。

◆その他の動作

その他にも日頃と違う動作が見られた場合に病気のサインであることがあります。犬の動作から健康チェックを行う場合に特に気を付けたいものをいかに挙げます。

・歩き方がおかしい
筋肉、骨、関節の異常は歩き方や走り方の変化に表れます。その他、脳神経の異常や電解質の異常でも上手く動けなくなることがあります。
こうした場合もお手持ちのスマートフォンなどで動画を撮影しておくと動物病院を受診して説明する際に便利です。

・運動したがらない、疲れやすい
循環器の異常や貧血などで動く元気がなくなり、少しの運動で疲れてしまうようになります。

・水をたくさん飲む
腎臓病、糖尿病、クッシング症候群などの代表的な徴候です。早めに血液検査と尿検査を受けることをおすすめします。
早期発見に繋げられるように、日頃から飲水の量は把握できるようにしておくと良いでしょう。

・祈りの姿勢をとっている
犬は膵炎や胃腸炎など上腹部の痛みを訴えている時に、頭を低くしてお尻をあげる、いわゆる「祈りの姿勢」をとることがあります。食欲が落ち、吐き気がある場合が多いので早めに動物病院を受診してください。

・震えている
犬は痛みや不快感で震えることがあります。また、神経系の異常や電解質の異常でも震えがみられることがあります。こうした震えも動物病院では緊張して力が入り、症状が消えることがあるので動画に残しておくと良いです。

この他にも、愛犬の健康チェックを行う上で、いつもと違う様子が見られれば病気のサインである場合もあるので、獣医師に相談すると良いでしょう。


犬の排泄物のチェックポイント

トイレに座るトイプードル

◆排便

犬は基本的に毎日便をします。色、形、硬さ、回数など、いつもと違う様子が見られれば胃腸に問題が生じているサインです。
以下に特に排便からわかる健康チェックのポイントを挙げます。
便に異常が生じて、動物病院を受診する際には、便をビニール袋に入れて持参すると、獣医師に説明しやすいですし、検便を行うこともできます。その際は、なるべく排便から時間が経過していないものにしましょう。

・色が茶色以外になっていないか
・血液や粘液が出ていないか
・便が硬かったり柔らかかったりしていないか
・便の回数がいつもより増えたり減ったりしていないか
・便の中に異物や寄生虫が混ざっていないか
・排便時に出にくそうな感じや痛そうな感じはないか

◆排尿

腎臓や膀胱といった泌尿器の病気は尿の異常として表れることが多いので、日頃から尿の様子に気を付けて健康チェックをしておくことはとても大切です。
過去に膀胱炎や尿石症になったことがある犬は再発しやすいので特に注意しましょう。

・尿の色がいつもより濃すぎたり薄すぎたりしないか
・尿に血が混じっていないか
・尿がキラキラしていないか
・尿の臭いがきつくないか
・尿が出にくそうな感じや排尿時に痛そうな感じはないか
・尿の回数や量がいつもより多くないか


まとめ

今回は自宅でできる犬の健康チェックについて解説しました。
日頃から気にして生活していくことで、いつもと違う変化が見られた時にすぐ気づくことができます。
これまで解説したご自宅で行える犬の健康チェックに、特別な道具や時間が必要なものはありませんので、日々の触れ合いの中で意識して行ってみてください。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に16医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

<<コジマ動物病院 獣医師が監修した記事一覧はコチラ>>



– おすすめ記事 –

・ポメラニアンのミックスを紹介!人気犬種とお迎えする際の注意点
・ストーブが好きな犬にはやけど対策を!ペット用暖房器具もご紹介!
・犬にも加湿器は必要?どんなメリットや注意点があるの?
・犬のおもちゃの洗い方!適切なお手入れ方法と便利グッズ紹介



focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
PetSmileわん部

PetSmileわん部

わんこ大好きPetSmileわん部です。わんちゃんにまつわるエピソードやお役立ち情報を発信します♪


記事に関するお問い合わせはこちら